807 :yukikaze:2015/08/08(土) 22:33:52
そういや長良のオランダ艦名ドールマンにしていたけど、空母あったか。
名前また変えないといけないなあ。

ではネタ艦投下。時期が違えばこうなりますよと。

睦月型駆逐艦

全長:115メートル
全幅:12.8メートル
喫水:7.9メートル
基準排水量:2,150トン
満載排水量:2,850トン
機関:三菱S12U-MTK 4サイクル直列12気筒ディーゼルエンジン(5,500ps)×4基 21,000馬力
発電機:500 kWのディーゼル主発電機4基、300 kWのディーゼル非常発電機1基 計2,300w
速力:25ノット
航続距離:20ノットで7,000海里
武装:62口径76ミリ単装速射砲
   Mk31GMWS1基
   90式SSM4連装発射器×2
   68式3連装短魚雷発射管×2
乗員:120名

※ ヘリコプター甲板はあるが格納庫を備えていないため長期間にわたる洋上でのヘリコプターの
運用・整備は困難

(解説)

国防海軍が16大綱によって建造した駆逐艦である。
本艦が計画されたのは極東危機の影響に依るものが大きい。
所謂極東危機において、国防海軍は太平洋戦争後初めて『連合艦隊』を編成。
『信濃』を強引に現役復帰させると共に、予備役を動員し、ほぼすべての艦艇を日本海及び東シナ海に展開させることで、最悪の事態を回避することに成功したものの、その代償として整備に入る所であった吹雪型及び太刀風型駆逐艦まで投入したことで、それらの艦艇の状態が悪化し、国防海軍が想定したよりも早く退役しかねない試算が出ていた。
幸いにも暁型駆逐艦(史実あきづき型相当。但し主砲は76mmで対空防御も個艦防御レベル)が順次就役ていることから、正面戦力の低下は見られないのだが、地方隊に配備する予定だった吹雪型の艦数が、この早期退役により見通しが立たなくなったのである。
国防海軍としては、80年代の地方隊用新型駆逐艦建造を諦めた事を今更ながらに悔いたのであるが(新型作るよりは、初春型(史実2500tDDK相当)転用の方がコスト的に良いと判断していた)
2005年には、地方隊に配属された初春型は全て退役するのは確実であり、2006年までに暁型が12隻就役することから、当座は地方隊に吹雪型が12隻配備できるものの、2010年ごろにはその半数以上が船体や機関の疲労等から退役せざるを得ないことを考えると、状況の悪化は待ったなしであった。

808 :yukikaze:2015/08/08(土) 22:34:25
そしてその状況の悪化に拍車をかけたのが小泉純一郎であった。
『デマゴーグ超一流、外交一流、内政3流』と評価されることになる彼だが、少なくとも「軍事は外交の一手段」であることを完璧に理解していた点は、揺るぎようがなかった。
小泉は、近年被害が増加しているマラッカ海峡での海賊行為を取り上げ、海賊対策の国際会議を提唱すると共に、アジア海賊対策地域協力協定の締結に成功しているのだが、それに伴い、海軍の駆逐艦によるパトロールを執り行うことになる。
これだけでも頭が痛いのだが、2004年にはアデンにおいて海賊行為が頻発し、自国船警護の理由でアデン湾にも派遣が決定してしまう。
小泉の目的は「各国共通の敵に対して進んで行動することによって、日本の国際的地位を高めると共に、有事の際にも国際世論を味方に付ける」であり、極東危機時の欧米の対応を見ると、その目指す理由は正しいのだが(事実、日本が国連に根回しをし、賛同を勝ち取ったことにより、各国からの評価が高まることになる)、反面、海軍の艦隊運用は、完全に綱渡り状態になり、「同種任務に対応するための艦艇整備をお願いしたい」と懇請するに至った。

さしもの小泉も艦艇稼働率のデータを叩きつけられては何も言える筈もなかった。
第二、第四水雷戦隊及び地方隊がローテを組んでいたものの、地方隊配備の吹雪型が青息吐息であり結果的に第二、第四水雷戦隊に所属している吹雪型にしわ寄せがきている状態であった。
無論、第一及び第二航空戦隊所属の暁型を出すのは論外であった。
共産中国にしろ北朝鮮にしろ(そして徹底的にお灸をすえられた韓国にしろ)日本の戦力が低下した場合、また何かしでかす可能性が高いのである。
国際世論を味方につけるにしても、自国の防衛をおろそかにしていいなどとは欠片も考えてはいなかった。故に、16大綱において、小泉は「国際貢献活動を主体的・積極的に取り組めるよう基本任務に含まれる」
とした上で、同任務に対応するための艦船整備を正式に認可することになる。

もっとも事態はそう単純ではなかった。
何しろこの時期海軍は、瑞鶴型空母『翔鶴』及び妙高型イージス艦2隻の建造に取り掛かっていたのである。
MDにも予算を費やし、空軍はF-2、陸軍は88式戦車、99式自走砲と96式装輪装甲車配備に全力を尽くしていることを考えると、当然予算への制約は厳しいものがあった。(小泉曰く『聖域なき財政再建』を掲げるも、『唯一の聖域』と揶揄されることになる)
そうであるが故に、海軍としても当初望んでいた3,000t級駆逐艦建造は早々に諦めざるを得なかった。
建造費用もそうだが、地方隊配属とした場合、人員の問題も出てくるのである。
出来うることならば100名前後で抑えたいというのが海軍の本音であった。

その為、海軍としては当初考えていた多用途艦の能力を付与することを諦めた。
一部には、島嶼防衛支援のための機雷除去及び火力支援用艦としての役割を求めようとしたのだが、財務省から提示された2,000tという排水量では、127mm砲は搭載は可能だが、やや安定性に欠けるということで、コンセプトを放棄することになる。
結果的に「長期間での運用が可能なことを第一義」とし、航洋性能と高速での巡行能力を重要視しそれ以外の能力については、建造費用の圧縮の為に、最低限度の兵装としている。
ステルス性能についても最低限であったが、これも予算の問題と「艦船のステルス化は程度問題」と海軍側が割り切ったことも要因である。
ただし、居住性は、長距離航海及び救助者のことを考えてかなり良く、東日本大震災では、菊月と長月が、岸壁に取り残された園児達を助け、臨時の避難所となっている。

同艦は1隻辺り300億弱と従来の駆逐艦の半分程度で収まり、国防海軍側も、兵装等に不満はありながらも、補助戦力としては最低限ラインをクリアしていることと、何より維持費用が安かったことから、最終的には12隻建造することになる。(当初は8隻だったが、ライフサイクルみると吹雪型よりも維持費用が安価だったことから、財務省側が吹雪型の代替として追加を認めた)近年では、海外救助部隊の護衛としてでることも多く、海軍の顔としての役割を果たしている。

810 :yukikaze:2015/08/08(土) 22:47:31 以上投下終了。ネタはDEX。
まあありていに言ってしまえば「正面戦力を海賊退治や国際協力部隊に使うのってきついよね」というのがコンセプト。
史実のDEXは「島嶼防衛支援のための機雷除去及び火力支援用艦としての役割」になりそうな雰囲気だが、ここでは「正面戦力を可能な限り本土近海に貼りつけておく」ための2線級部隊の構築に他ならない。

吹雪型(史実あさぎり型の改修)を地方隊に置くのは、正面戦力の底上げとしては間違っていないんだけど、維持費用やら何やらを考えた場合、やはり安上がりに運用できる艦にしておかないと、牛刀を用いるようなことになってしまう。
第一兵員の充足率という問題があるからねえ。

睦月型は個艦能力は最低限なんだけど、それは駆逐艦としてであって、この時期の海軍が欲していたのが強武装巡視船だったと思っていただければありがたいです。
あくまでこれは低強度向けのパトロール艦なんですよ。

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最終更新:2021年04月05日 01:37