875 :yukikaze:2014/04/20(日) 03:30:36
休日なのに何で深夜まで残業させられるんだ・・・
しかも3月からほとんど休みなし状態。
なので、ついかっとなって大陸版金剛作った。反省はしない。

金剛級高速戦艦(戦艦狂の暴走ver)

基準排水量:29,000t
全長×全幅:215m×33m
主機:パーソンズ式直結タービン 2基4軸 72,000馬力(過負荷値 84,000)
主缶:重油専焼缶32基
速力:25.9ノット(過負荷時には27ノット)
航続距離:14ノットで8,000海里

兵装
主砲:45口径35.6センチ4連装砲×2基
副砲:50口径14センチ単装砲×16門

装甲
垂直装甲:254ミリ(12度傾斜)
水平装甲:70ミリ+傾斜部75ミリ(史実長門型と同じ装甲防御配置)
司令部装甲:356ミリ
砲塔装甲(正・側・上面):305ミリ・305ミリ・150ミリ

(解説)
日本海軍が初めて手に入れた超弩級戦艦であり、日本が海外に発注した最後の艦である。
その斬新なスタイルから、ジェーン年艦でも大きく取り上げられると共に、これ以降の列強海軍の戦艦設計に(色々な意味で)影響を与えることになる。

日露戦争以降、日本海軍の艦隊整備は、比較的低調なものであった。
領海警備に必要な巡洋艦や、母港のインフラ拡張には熱心であったものの、戦艦整備については、日露戦争時に整備した富士級4隻(史実敷島級)と三笠級4隻(史実鞍馬相当。鞍馬より舷側装甲が厚い分、速度は低下)が配備されて以降は、薩摩級弩級戦艦(30.5cm砲連装5基。砲塔配置はオライオン相当)4隻の建造でお茶を濁しており、英独間で勃発しつつあり、アメリカも反応し始めた建艦競争には超然とした態度を取り続けていた。

と・・・言っても、別に日本側が博愛主義に目覚めた訳ではない。
むしろその逆で、彼らは徹頭徹尾リアリストであった。
この時代、戦艦の進化というものは、第二次大戦時の航空機や戦車と同様、「どこのジャンプ漫画だよ」とぼやきたくなる程のインフレ状態を引き起こしていた。
何しろ就役した瞬間に旧式艦扱いされるという事態が平然と起きているのである。
そうしたことを知っている彼らにとって、過度の戦艦建造など「ムダ」以外の何物でもなかった。
進化のスピード強化を防ぐため、敢えて日露戦争時には前弩級戦艦のみの配備を進めた(ロシア海軍の拡張と徴発に対応するべく、日本側も早期に戦力強化しなければならなかったという実情もあるが)日本にとって国力の慢性的な消耗を促しかねない建艦競争に付き合うつもりはさらさらなかった。
彼らにとって必要なのは、出てきた瞬間旧式化が決定づけられる艦ではなく、長期的にも十分使用可能な戦艦であり、そしてそういった感を建造するだけの技術が熟成されるのをじっと待っていたのであった。

かくして、薩摩級戦艦でヴィッガース社と提携を結んだことで、戦艦設計や建造のノウハウを取得した(誰もかれもが逆行者という訳ではないのですよ)日本海軍は、新型巡洋戦艦建造を開始しようとしたのだが事はそう上手く運ばなかった。

876 :yukikaze:2014/04/20(日) 03:32:01
何故か? 簡単に言ってしまえば、逆行者の設計者を中心とした一派の暴走にあった。
彼らは、これから建造される金剛級の優秀さをよく理解していたものの、同時に防御性能に関しては、後付け設定ではどうしてもカバーしきれない弱点があることも理解していた。
ついでに言えば、逆行者の中には、(前世における)英国の裏切り行為から、英国に対しぬぐいがたい不信感を持っている者もおり、その者達を中心に、ヴィッガースとの共同設計ではなく、単独設計による建造を進めるべきであると主張したのである。
そして彼らが設計案として出したのが、憂鬱版扶桑の砲塔を1基減らす代わりに、機関能力を向上させた金剛級であった。攻防走に優れ、多くの面で装備品が共用できることからコスト面でも有利というのが、彼らの主張であり用兵側からも好評を受けたのも事実であった。

しかし、いかな大陸日本と言えども、技術的な壁には勝てなかった。
これまで日本が建造していたのは、薩摩級戦艦の2万トンクラス。
しかしながら、今度建造するクラスは、おおむね3万トン近い大艦なのである。
幾ら建造のノウハウを学んだとはいえ、流石に一足とびでチャレンジするには、経験も何もかも不足していた。おまけに主砲塔として鋭意開発中であった35.6センチ3連装砲塔は、技術的トラブルが続発してしまい、開発に遅延が出る有様であった。
幾ら最適解を知っていても、それをこなせるだけの体力が、大陸日本には今少し程足りなかったのである。
趨勢は、憂鬱版金剛を建造する方向に向かおうとしていた。

だが・・・その趨勢を一撃で粉微塵に破壊した男がいた。
憂鬱世界において「天下無双の戦艦狂」と呼ばれ、戦艦派の英雄にして辻政信を全面撤退させた唯一の男。
金田秀太郎海軍中佐。この男に、どうしても諦めきれない逆行者の一部が接触したことにより、事態は一気に混沌へと突き進んでいく。
逆行者の不満を聞いた金田は、悪魔のような笑みを浮かべてこう宣言したという。

『素晴らしい。私によって最強の金剛が産み出せるわけか。良いだろう。私が作ってやる。最強の金剛を』

魔王が解き放たれた瞬間であった。

それ以降の金田の動きは迅速だった。
彼は一晩で素案を作り上げると、懇意にしている軍令部や艦政本部の人間に根回しをし、来る設計会議に自案を発表できるように要請する。
普通ならば「ふざけるな」の一言で終わりなのだが、薩摩級戦艦での彼の働きと、前世の彼をよく知っている人間達は「まあ金田の事だから、良い艦は作るだろ」と、この横紙破りを敢えて黙認する有様であった。
そして当日。金田が出した作品は、見る者すべてを唖然とさせた。

まず注目を集めたのは、主砲の4連装砲塔を2基、前部に集めた事であった。
「無茶だ」「砲塔潰されたら終わりだ」という声が出る中、金田は事もなげに言ってのけた。

「無茶? 連装砲塔2つ繋げただけです。技術的には何ら問題はありません。技術的冒険もなしです」
「砲塔の防御ですか? そのための集中防御です。第一砲塔が残っていても、薄い舷側装甲抜かれたら何基残っていても意味がありませんよ」
「第一、正面への投射能力はこれが最適です。敵艦隊に突撃しながら大火力で圧殺。高速戦艦の正しい使い方です」

反対意見をあっさりと封殺してのけると、今度は防御力の説明に移る。
傾斜装甲については、憂鬱版金剛と同等ではあるが、主砲塔を纏めた分、その厚さは増していた。
また水平防御についても、最適な材質の装甲がない事から、史実長門にならってVC装甲を水平装甲にし、装甲配置も長門そのものの形態をとっていた。
無論、効率という点では問題があったのは事実だが、下手に条約型戦艦と同じにしてしまうと、排水量の増大という問題に直面することになり、更に急激な変化よりも漸進的な変化の方が、最終的には目標地点に到達できることを知っていた金田は、暴走しがちな逆行者を抑えつつ、あえてこの方式を採用していた。
無論、逆行者の中には不満を覚える者もいたが、大半の者達からすれば、従来の防御構造の延長線上であり、また史実長門の防御構造は、完成時最良の防御構造であった事実から、おおむね好評に迎えられた。
なお、水中魚雷発射管については「使う機会がほとんどない」ことから廃され、その分水中防御に注意が払われていた。

877 :yukikaze:2014/04/20(日) 03:32:44
機関については、艦の中央部に大容量の重油専焼缶を突っ込んで、大馬力で動かすというオーソドックスなものである。
憂鬱世界よりもさらに油田を複数有している大陸日本だからこそあっさり認められたわけだが、それを知った英国海軍は「これだから日本人は・・・」と、半ば恨み交じりの視線で見たとか。
勿論、重油オンリーになった事で、機関科は大いに喜び、重油層を防御構造に組み込むことによって、魚雷防御に役だたせることに成功している。
もっとも、「この時期に手に入る高馬力機関」の限度から、通常の速度は26ノット弱がせいぜいであった。
タイガーの機関を望んでいた金田であったが、流石のイギリスもそこまでの技術供与には消極的であった。

こうして、一見奇抜でありながらも、実は意外と堅実な金田の案は、いつの間にか会議室の空気を支配し、気付いた時には金田案が採択されるという事態になっていた。
ある設計者はこの時の事を後にこう語っている。

「あ・・・ありのまま今起きた事を話すぜ。
俺達は、念入りに設計してほぼ本決定だった新型巡洋戦艦の案を、金田中佐の乱入で潰された挙句、気付いたら金田中佐の案を拍手で賛同していた。
何を言っているかわからないかもしれないが、俺達も何が起きたかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった。
催眠術だとか巧妙な話術とかそんなちゃちなもんじゃ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」

この設計者の意見は、そのままヴィッガース者の技術陣の意見そのものであったことを追記しておく。
彼らもまた戦艦狂の意見に翻弄され、そして彼らが有している英国面に火がついてしまったのである。
数多の同業者が「何でこんなものを作るんだ」という視線を向ける中、金田とその眷属達(日英設計者)達は実にいい笑顔でこの戦艦の完成を喜んだとされる。

戦艦金剛。数多の改装により、第二次大戦終焉時まで「高速戦艦」として縦横に活躍し、「戦艦史上最も武勲を上げ続けた艦」として称賛を受ける彼女の活躍はここから始まるのである。

881 :yukikaze:2014/04/20(日) 04:51:28
元ネタはダンケルクですが、あれよりも装甲防御の考えを古臭くしています。
排水量ですが、常備排水量で考えると31,500t程。「奇抜な割には攻撃力はそう高くなく、防御も変な所に力を入れ、肝心の速力も巡洋戦艦としては中途半端」と、叩かれかねない所はあります。
まあジュトランドでドイツ巡洋戦艦部隊を徹底的に叩きのめし、大改装後はマーシャル沖でアメリカ前衛艦隊にカチコミして食い荒らし、最後には大規模輸送船団にコンニチワして、やりたい放題やらかすわけですが。

そういや憂鬱版金剛ってまだ決まっていなかったけど、憂鬱版扶桑の巡洋戦艦verにしても別に問題ないんだよねえ。史実金剛も優秀なんだけどさ。

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最終更新:2021年04月15日 11:57