233 :ぽち:2011/12/06(火) 23:01:07
「それじゃあ行ってきます!」
「無理にいかなくてもいいんだよ」
「いえ、なんていうのか・・・・・・おじさんがボクのためにいろいろやってくれてたのは知ってます。
 誕生日に言ってくれましたよね『生まれてきてくれてありがとう、出会ってくれてありがとう』って。
 だから今ボクはこの世界が好きなんです、守りたいんです」
そういって駆け出していく碇シンジ少年。
『彼』はその後姿と、舞い降りる最強の使徒ゼルエルを待ち受けるエヴァ弐号機を見守っていた。
可能であればアレが「THE BEAST」を発動する前になんとかしたい それは確かだ  しかし・・・・・・
「よろしいんですか」
「おや君は・・・・・・加持リョウジくんか」
「ネルフもゼーレも、あなた方に脅え続けていましたよ
 常に前もって何が起きるのかを知っているかのように事態事態に準備し、対処を行うあなた方夢幻会に。
 『裏死海文書』以外の何か情報源を持っているのではないか、と。
 そしてネルフのメインスポンサーとなり類稀なる発想と資金を提供する代償が『自分達のやる事に手を出すな』
 で、やった事といえば『一人の少年に友達と知識を与えること』ただそれだけとはね
 まさか『笑う女豹』と『風』まで動員するとはね
 ゼーレも、あの夫婦にばかりは手を出せず歯噛みしていましたよ」
「我々はね、知っていたんだ    あのくそジジィと、ヒゲオヤジが何を望み、何をしようとしているのか
 何が『人類補完計画』だ、ただの無理心中じゃないか。
 しかもその計画の「要」とやらが一人の子供のこころを虚ろにする事だなんて」
「どうやら随分と『何か』をご存知なようですな」
「かつてあの馬鹿どものせいで滅んだ世界を見ていた、そういったら信じるかね」
「だからあの夫婦の息子や陸自のスパイ、さらには一度使徒が取り付いた少女を庇ったりしたのですか」
「我々は犠牲を否定しない。
 誰かが、そして何かが犠牲にならねばならない事態、というのは確かにある。
 だが最初から生贄にするつもりでことを進めるなんざ許せん、ただそれだけだよ。
 子供を犠牲にせねば救われぬ世界など、いっそ滅んでしまったほうがその世界のためだ。
 そうは思わんかね」
「わたしの立場では何とも言えませんな」

234 :ぽち:2011/12/06(火) 23:02:03
「それに・・・・・・綾波レイ。
 彼女も救いたいのだ。
 彼女はわたしだ。
 辻のクソ野郎がわたしのクローンを作ったが、それに魂は宿らなかった。
 しかしわたしが『死んだ』時わたしの魂は冥府になぞ落ちず、わたしのクローンに宿ってしまった。
 しかも辻のクソ野郎も・・・・・・夢幻会の主要メンバーは皆そうだ。
 よほど・・・・・・我々は業が深いらしい。
 だからこそ彼女は、彼女とシンジ君だけは救いたいのだよ」
「その挙句が幾人もの少女はおろかオペレーターの伊吹君まで巻き込んだ『碇シンジハーレム計画』ですか」
「あの少年はね・・・・・・救われるべきなのだ。
 何故なら・・・・・・あの子の笑顔はとても綺麗なのだと我々は知っているのだから

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最終更新:2012年01月04日 08:20