563 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:21:50
日企連×史実

リンクスの日常



ここはラインアークに存在するバーテックス。そのシミュレーター施設。
多くのレイヴンやその候補生たちが使い常に繁盛している施設である。

また一部だがリンクス用のネクストシミュレーターなどもある。
レイヴンのノーマルシミュレーターとは対戦もできるようにセットされており、架空空間の出来事とはいえ貴重なノーマルACでネクストとの戦闘を経験できる。

ラインアークやバーテックスの新人ノーマル乗りやレイヴンはこのシミュレーター対戦によりノーマルACでネクストに挑むことが以下に恐ろしいことかを体験するのである。

逆にリンクスはホワイトディンゴ隊やベテランレイヴン勢による連携に新人リンクスが当たり、ノーマルとはいえ侮れないということを実感させる。
リンクスでは主に日企連とGAの新人リンクスや独立傭兵などが使用している。



そんな中で特によく利用しているリンクスがいる。
その名をダン・モロ。
カラードランク36位と下から数えた方が圧倒的に早い新人リンクスである。
AMS適性は高いのだがその腕前は素人丸出しであり、ノーマルの相手ですら手こずるリンクス最下層組の一人である。

彼自身もここままでは駄目だと思い、シミュレーターに登録されているネクスト(テスト先生)との戦いや徒党を組んだベテランレイヴンとの対戦、また偶にやってきては相手をしてくれる独立傭兵や日企連リンクスやGAリンクスとの特訓をしている。

そのかいあってか最近は目に見えて動きが良くなってきた。



そんな彼だがここラインアークでは一種の名物となっている。
リンクスのくせに弱いし、よくシミュレーターも使用しており、そのくせどこか抜けており、ヘタレな性格も相まって「馴染みやすいヘタレリンクスの兄ちゃん」と。

来るたびに暇な時間を見つけては孤児院の子供たちの相手をしていたり、格安で依頼を引き受けてくれたりしているためラインアーク職員の印象も良かったりする。
またよく手の空いたベテランレイヴンにネクスト、ノーマルACシミュレーター問わず手解きを受けているためかレイヴン勢やバーテックス職員からの覚えも良い。
そのためGAや日企連だけなくバーテックスからもよく依頼を回してもらっている。

564 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:22:38 訓練風景

「ちょ、ま…ヤバイって!?」

「ほらほら。口じゃなく手を動かせ。ネクストの癖して簡単に追い詰められちゃ笑い話にもならないぜ」

1vs1の対戦シミュレーター。
一方はネクスト セレブリティ・アッシュを駆るダン・モロ。
一方は同じくネクストのサベージビーストを駆るカニス

「そんなこと言うの大人しく俺に当てさせてくれよ!」

「ハハハッ。そりゃ無理な相談ってものだ。なんせこの対戦には今夜の飲み代が掛かってるからなっと」

そんなことを言いながらダンは手持ちのライフルを撃つが、タイミングを合わせたかのようにカニスはQBを吹かせて避けてくる。

「試しにブレードでも振ってみればいいんじゃないか」

「嫌だね。そういったこの前は俺がブレード空振った隙に近距離からしこたま当ててくれたじゃねえか!」

偶々依頼の報告でバーテックスで鉢合わせした二人は今夜の飲み代をかけてシミュレーターで訓練兼賭けをしていたが、ビックマウスの割りにちゃんとした実力のあるカニスと違い、最近はマシになってきたとはいえまだまだ新人のダンでは分が悪く、カニスのサベージビーストからの攻撃はある程度避けられるようになってきたはいいが、攻撃が当たらない。

「どしたどした!このままじゃ勝負つかねえぞ!!」

カニスが言いたい放題言っているが、実際ダンはカニスにシミュレーターで勝ったことはない。
逆にカニスから言わせれば最初の頃と違って十分良い動きをするようになったし、今までのダンと違い攻撃をちゃんと避けるようになってきたので驚いている。
男子三日合わざれば括目して見よとはこのことか。
とは言え攻撃の方はまだまだ隙も多く、ここは先輩として、最後尾とはいえ腐ってもランク20番台の実力を見せておきたいところである。
何よりカニス自身にも先輩リンクスとしてのプライドがあった。

当のダンは未だアリーナのベテランレイヴン達には勝てないわ、後輩の首輪付きは先に自分より成果を上げているわ、暇を見ては練習に付き合ってくれる白鴉さんには一発も当てれないわで自分の腕が上がっていることに対して疑問符がある。

565 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:23:09
確かに前よりは相手の動きは良く見えるようになってきたし、攻撃を避けられるようになってきてはいるが、ダン自身はビックマウスとは逆に己の腕の低さから来る自身の無さと心の中では師匠と呼んで目標としているランク9の白鴉と新人としては異様な動きをする後輩の首輪付きと比較しているので失礼な話だがカニス相手に善戦できるようになってもそれはようやく標準に追いついたという感じなだけで、自分が強くなったという実感がわかないのである。

そんな中互いに致命打を与えられない状況にダンが焦ったのかブーストを吹かせながら接近してきた。
カニスはダンが焦ってブレードを宛てにきたのかと思い、接近してくることを逆手に取りブレードを避けた瞬間のすれ違いざまにがら空きの胴体に銃撃を叩き込む。
そうすれば今回も賭けに勝って酒をおごりで飲める。

そのまま近づいてくるダンのアッシュがブレードを振りかぶり、予定調和的にカニスのビーストがそれを避ける。
チャンスだと感じたカニスががら空きの胴体に銃撃を叩き込もうとした瞬間目の前から大きな音と光と共にダンのアッシュが消えた。

何が起こったのか呆然としてしまい隙を晒したのがいけなかった。
いつの前にか横に回っていたダンのアッシュがブレードを振りかぶりカニスのビーストの胴体をPAを貫通しながら切り裂いたのである。

この瞬間システムはサベージビースとの大破と判定し、シミュレーターは機械的な駆動御と共にダンが勝者であることを伝えた。

シミュレーターを降りたカニスは負けたことなど忘れたかのようにダンに駆け寄った。
「おいダン!今の凄いなんだよ!!ばっと光ったと思ったらいつの間にか目の前から消えていたやつ!あれもQBなのか?それとも機体のチューンに何か特徴が…」

カニスは試合の最中に起こったことを問い詰めようとダンの乗るシミュレーターの傍までいったが、当のダンは壁に手を付きながら何やら気持ち悪そうにしていた。

「ごめん。気持ち悪いからまた後でな…あと約束していて悪いが今日は飲みにいけなさそうだ…ううぅぅ……」

「だ、大丈夫か?賭けのことなら気にすんな。どうせ負けたのは俺の方だしな。
それより医務室にでもいくか?顔色悪いが」

「ごめん…吐きそう…」

「ちょ、ここでは不味い!?待てっておい!!」

この後カニスが早急にダンをトイレに連れていき、シミュミレーター室で嘔吐するという恥をかかずにすんだのであった。

おしまい。

566 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:23:44
○解説

  • ダンの依頼料
基本実績がアレなので余り高い料金設定にはされていない。
本人もヘタレだが気前がいいので知人からの依頼は比較的安く受けることが多い。
そのせいで余り儲かっていないが、バーテックスやGAから定期的に依頼を回してもらっているので何とかやりくりしている。

  • ラインアークでの評判
リンクスなのに弱い。レイヴンと親しくする。孤児院の子供たちの面倒を見るなどで
一種のマスコットのように扱われている。多分ゆるキャラ枠。

  • バーテックスでの評判
よくレイヴン相手に特訓を依頼していたりする代わり者として有名。
ノーマルAC同士での訓練か、もしくはダンがネクストに乗る場合は1対多数の戦いとなる。

この依頼は主に酔狂なレイヴンか、彼のことを知る知人や転生者系レイヴンなどが受けている。
実はこの依頼を受けているレイヴンはその誰もが腕は確かであり、彼らの連携は下手なカラードランカーなら十分通用するレベル。
そんなのに毎回ボコされているのでダンの粘り強さは割と高い標準に育っている。

  • ランク9白鴉(アナトリアの傭兵)との関係
よくバーテックスのシミュレーターを扱っているリンクスの評判を聞き、興味本位で白鴉の方が会いに行ってみたのが始まり。
へっぽこな動きを見ていられず暇を見ては練習を見てやることにした。
ダン本人は心の中で師匠と呼んでおり、目標にしている。
因みに白鴉のホワイトグリントが大破した時は余りのことにショックを受けていた。
その後ラインアークの報復以来の多くを引き受け、オーメルAF整備基地への襲撃を成功や補給基地へ援軍に来たオーメルのネクスト[スペルビア]を撤退させるなど、その戦果に今までの彼を知る人々を大いに驚かせた。

その後実は生きていた白鴉と再開した時には人目をはばからず泣き崩れた。


  • ラインアークの孤児院
何らかの理由で親を失った子供や戦死したレイヴンの子供などを引き取っている。
訓練をつけてくれた白鴉からの頼みでダンが孤児院の手伝いをしに行ったときに子供たちに懐かれた。
それ以来暇を見て子供たちにお土産を持って行ったり、遊び相手をしていたりする。
また依頼での稼ぎの一部を寄付したりしている。

  • ダンの家族
元はGA圏の中流家庭の生まれ。
日系の母とGAに努める父と就学中の妹の4人家族。
かつて自分たちの住むコロニーが攻撃されそうになった時にアナトリアの傭兵に助けられた。
リンクスになったのはその時にネクストとリンクスが彼にとってのヒーローになったからである。
依頼の報酬の一部を仕送りしている。妹さんは最近高校にあがった。

  • カニス
まだダンがリンクス養成所を出たばかりの頃に偶々同じ依頼を受けた時から続く腐れ縁。
ビッグマウス気味だが腕は確かでありダンの良き兄貴分である。
今回初めてシミュレーターでダンに負けたがどちらかといえば彼の成長を喜んでいる。

  • ダンの奥の手
日企連の依頼で日本に行ったときに知り合った親切なお兄さんに訓練をつけてもらった二段QB。
突然声をかけられたと思ったらシミュレーターに連れていかれ散々その相手をさせられた。
その時に教えてもらった技術であったが難易度が高すぎて最後の最後に一回だけ成功したっきりである。
なお現在のダンではAMS適性が高いがために成功できたが、負荷が高いので一度でも使えばそのGも相まって物凄く気分が悪くなり、碌に戦えなくなるため実戦では使うことができない。
カニスとの対戦では二段QB後にブレードを当てられたのはまぐれに近い。

因みに余りにもその訓練が厳しかったことと最後にようやく成功した二段QBの負荷のせいでぶっ倒れてしまい、親切なお兄さん(Unknown)の名前は聞きそびれている。
ダン自身も相手がどこの誰なのかわかっていない。

Unknown曰く「ただの気まぐれ」とのこと。
  • ダンが訓練を頑張るわけ
余りにも自分の腕前が不甲斐ないためとこれでは碌に依頼が回ってこないためである。
最近では親しくなったあの子に追いつくためだとかで更に気合が入っている。
そんなランク3なBFFのお姫様に追いつくのはまだまだ先の話である。

567 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:25:03
投下終了

みんなのアイドルダン君のお話しでした。

リリウムと仲がいいのは影響を受ける人さんの設定から流用させてもらいました。
実は彼女この世界だとランク3なんですってね(流星さんが2位なので)

568 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:25:33
あ、書き忘れましたがwiki掲載Оkです。

569 :トゥ!ヘァ!:2016/09/11(日) 21:28:52
あと>>93から投下したラインアークの報復ミッションも掲載OKです。

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最終更新:2016年09月12日 09:16