809 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:50:50



コルセール傭兵団。
北アフリカを中心に活動する傭兵組織であり、その中でも飛びぬけた知名度と戦績を有する。
それもそのはず、この傭兵団はカラードに所属するリンクス「フランソワ・ネリス」が率いている。

そのため彼女の駆るネクスト「バッカニア」の存在がかの傭兵団の価値を押し上げている。
支援企業としてインテリオル・ユニオンとのコネを持ち、試作パーツのテスターを任されるなど高い評価を受けている。

と、ここまでは世間一般で言われている話である。
その実態はオーメル、インテリオルの傀儡として活動する集団。
自社のリンクスには任せられないような危険な依頼や目障りの敵対勢力を掃除させるための使い潰しても懐の痛まない体の良い駒である。

頭領であるフランスト・ネリスの正体はリンクス戦争時旧レオーネ・メカニカのリンクスであったセーラ・アンジェリック・スメラギその人。

リンクス戦争時にローゼンタールのカノン・フォーゲルに敗れ捕虜になっていたところを
元ローゼンタール特殊部隊サフィラス・フォース隊員、イサミ・ジャッシュに救出され、そのまま二人は逃走。

企業の争いから離れアフリカにて数年前までは整備屋として生計を立てていた。
男女の双子という子宝にも恵まれ、細々と、しかし幸せな生活を送っていた。

しかし、夫であるイザミのもとへ元ローゼンタールの特殊部隊所属という事実を嗅ぎつけたオーメルが接触。
芋づる式に妻であったセーラの過去も判明し、そのまま二人はオーメルの圧力と脅しのためリンクスとレイヴンとして復帰することとなった。

コルセールには二人を捉えておくための檻であり、使い潰しの効く捨て駒でもあった、

セーラは名をフランソワ・ネリスと変え、過去に所属していたインテリオル・ユニオンからの支援という名の体の良い試作パーツを含めたネクストを渡され、夫であるイサミはコルセールのノーマル乗りとして活動している。
二人の子供は名目上保護という名でコルセールの後方拠点にて人質になっている。

コルセールにおいてフランソワは頭領となっているが、その実態はオーメルから派遣されてきた指揮官が音頭を取っており、彼女はわかりやすいお飾りである。

またノーマル部隊に所属するイサミの機体には逃亡防止用の自爆装置がセットされており、それぞれの部隊には監視員兼指揮官としてインテリオルから派遣されてきた人員が存在する。

ネクスト「バッカニア」においても逃亡・裏切り防止用の自爆装置がコックピットにつけられており、このことは搭乗者であるフランソワには明かされていない。

これらの自爆装置は基本後方の指揮所からか、前線で監視している各隊長機からも操作できる。

810 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:51:24
  • ミッション アフリカ某所のシティに属する傭兵団駐屯地を撃破せよ
ミッションだ。依頼主はバーテックス。
アフリカの某所にあるレヴナント・シティ郊外に存在する傭兵団の駐屯地を攻撃してほしい。

傭兵団自信は前々から悪評ばかりの連中だ。
最近調子に乗っているらしく見せしめも兼ねているんだそうな。

駐屯地自体はノーマルやMT程度しかおらず、諸君からすれば簡単なミッションだろう。
ただ駐屯地の規模自体はでかい。
そのため今回はコルセールの全力でかかってもらいたい。
これは依頼主からの強い願いでもある。
無理を言っている自覚があるのか、弾薬非もこちら持ちだそうな。

まあ、そのぶん報酬は弾むそうだろうから是非とも受けてくれ。
期待している。







  • フランソワ・ネリス またはセーラ・アンジェリックの独白

今回のミッション自体は簡単だった。
なんせ相手はネクストも持っていない通常戦力だけ。
しかも、こちらはコルセール傭兵団の全力。数でも質でも圧倒しているのだから負けるはずもなかった。

今回の仕事自体は私が強く推したミッションだ。

最近オーメルが独断でラインアークを攻めて返り討ちにあった話は記憶に新しい。
ランク1を含めて傘下のアスピナのネクスト3機の合計4機ものネクストとそれを操るリンクスの喪失。
そして始まったラインアークからの苛烈な報復。
そのため現在のオーメル本社は戦力の立て直しにかかりっきりだ。
そして支援の比率としてはネクストを提供したぶんだけインテリオルは負担が少なく、多くはオーメルから直接送られてくる。
そのメインの支援元となっているオーメルがあんな状態だから支援も当然減っており、どこかで大きな依頼を受けて補てんしておかないといけなかった。

そのための依頼が今回のミッション。
オーメルの派遣員は何か言いたそうだったが、報酬の良さで黙らせた。

結果は大成功。こちらへは殆ど被害はなく、敵を殲滅し終えた。
あとは帰還するだけ…だけど、あの話の通りならここらで…

811 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:51:56
「! 未確認の反応を検知!急速に接近してきますこれは…ネクストです!?」

私たちの目の前に黒い機体が接近してくる。予想していない状況に、インテリオルから派遣されてきた人員含めて慌てている。
そんな中で冷静なのは私と彼(イサミ)くらいだ。

正体不明のネクストが外部スピーカーから話し出す。

「予定通り来ていたようだな。まあ、なんだ。先方は君らが目障りだそうでな。
つまりは…だまして悪いが、というやつだ」

黒い機体がそういうと次に味方のノーマル部隊から悲鳴が聞こえた。

「も、もう一機のネクスト反応急速に接近中!」

そういった瞬間ノーマル部隊の機体が一機爆ぜた。
確かあれはインテリオルから派遣されているパイロットが乗った機体だったはず。
周りの機体を巻き込まず、ピンポイントにあの機体だけ撃ち抜いている。良い腕だ。

インテリオルから派遣されている人員が乗った隊長機が慌てる。

「ネ、ネクストが二機も!?」

「よくやったなブッパ・ズ・ガン。それとな諸君。君たちは運が良い。今日はなんともう一機ネクストが来ているのだ」

そういうのと同時にノーマル部隊でまた別の機体が爆散する。
そちらを見るとブレードを装備した白い機体が見える。あれには見覚えがある。
幾つか見た目や武装は変わっているが確か企業のリンクスをやっていた時にデータベースで見たレイレナードの…

「レーダー何をしていた!」

インテリオルの犬は吠えるが無駄だ。なんせいつの前にか周囲には強力なECMが展開されている。
このレベルだと各機間での通信も難しいレベルだろう。

黒い機体が外部スピーカーを通していう。

「さて諸君。精々足掻いてくれよ」

812 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:52:32
  • オーメルと日企連 交渉の席において


ロシア某所

「早いお付ですねオーメルさん」

「ふん。そちらが呼んだのだろう。で、要件はあのことでいいのだな?」

「はい。こちらも十分報復は済ませました。面子は立つのでここらでやめようかと」

「その割には随分と暴れてくれたな。こちらはAF一機を失ったぞ」

「もとよりそちらが先にけしかけてきたのではありませんか。ラインアークの防衛隊半壊にランク9の大破、養殖場の汚染。十分釣り合ってると思いますが?」

「こちらに非があるとはいえ、あの襲撃でネクスト4機を失っている。
今回の損失分も含めればこちらの方が損害が大きいと思うが…」

「それはそちらの自業自得でしょう。本来企業連ではラインアークは神聖不可侵と決定されていたのを反故にしたのはそちらでしょう?
ネクストに関してはこちらの正当防衛です」

「よく回る舌だ。ラインアークなど実質日企連とGAの傀儡だろうに」

「それが何か?傀儡だろうが、何だろうが先にルールに反したのはそちらです。
それともします? 我々との戦争」

オーメルの男は考える。
現在傘下のアスピナ含めネクスト4機失っており、戦力的に激減している。
補填として用いようと思っていたコルセールもネクスト「バッカニア」含めて依頼先で音信不通。通信が途絶える前にネクストという声があったことから本社は何者かに襲撃され、壊滅したと判断している。

現在養成所から繰り越しで候補生をカラードに送り込んでいるが、それでもなお戦力的には心もとない。
せめて現在建造中のアンサラーさえ完成していれば話も変わっただろうが…

男が思考していると日企連側の男が突然話し出した。

「ああ、そうそう。風の噂で聞いたのですが、そちらがご贔屓にしていたコルセール傭兵団が何者かの襲撃に会い壊滅したそうですね?」

馬鹿な…まだこの情報は出回っていないはず…では何故…まさか!

「貴様ら…まさかコルセールを襲ったのはそちらの!!」

「いやいや、そんなわけないじゃないですか。いくらそちらがご贔屓にしているとはいえ、一回の傭兵団相手に我が社の貴重な戦力を使うわけがありません。
それに…むしろ我々は彼らを助けたのです」

813 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:53:05
「なんだと?」

「偶然あの地域で活動中の我が社の部隊がおりましたなあ。近場で大規模なECM反応があるとのことで駆けつけてみれば、なんとかの有名なコルセールが壊滅状態だったそうで。
そこで我が社の部隊は人道的観点から救助活動を行い、彼らの生き残りを保護しました」

それを聞いたオーメルの男は焦った。なんせあの傭兵団には何度か世に出せぬ汚れ仕事をさせたこともある。
そのことが公に出れば我が社の損失は計り知れない。
力で無理矢理押さえつけることはできるが、日企連やGAはここぞとばかりそこを追及してくるだろう。

このタイミングで交渉の呼び出しを行ったのもこのためか!!

「…何が望みだ?」

「我々も戦争は望みません。しかし、どうしてもラインアークのことに怒り心頭な人々はいるもので…具体的にはGAとBFFを説得しましょう」

「ほう…それで?」

「なので、我々が保護したコルセールの人員…こちらに預けてくれませんか?」

こう言っているのだからこちらの裏事情は大体知っているのだろう。
生き残りの人員が喋ったのか、はたまた前々から掴んでいたのか…

「…コルセールの生き残りはそちらで管理するのだな」

「はい。無論彼等への干渉は今後なしで。そちらが気掛かりにしていることも致しません。GAやBFFにも伝えませんとも」

「わかった。その条件を飲もう。こちらも戦争は望んでいないからな。
リンクス戦争の例を見れば勝っても負けても大損だ」

「結構。ではそのように。今回は互いに良い商談ができたようですね」

「何が良い商談だ。ペテン師共めが」

オーメルの男は苦々しくそう言い捨て、両者は握手を交わした。



その後、北アフリカのコルセール根拠地にて何者かが襲撃。
襲撃者は格納庫を爆破したあと行方をくらました。
その時基地のスタッフは気づいていなかった。襲撃者と共に二人の子供の姿も消えていたことに。

814 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:53:57
  • 事の顛末

「ありがとうございました」

私は夫と共に目の前の人物に頭を下げた。

「気にするな。こちらも良い慣らしができた」

目の前の男はあの日私たちを襲った張本人だ。


あのミッションを受ける前…秘密裏に日企連の人が私へと話を持ってきたのだ。
「旦那さんやお子さん共々自由になりたくはありませんか?」

最初は余りにも都合のいい話に疑ったものだが、今の状況に散々嫌気がさしていた私は監視員に気付かれないように夫と相談を重ねて話を受けることにした。

シナリオはこうだ。

まず最近オーメルからの支援が減っていることを理由で傭兵団全てでとある依頼を受ける。
ここで相手をするのは生贄に選ばれた哀れなただの傭兵団。
評判が悪い連中というのは本当なので好きに殲滅してくれてもいいという話だった。
そして、それらを殲滅し終えた後でネクストの襲撃。
強力なECMを展開している中で私と旦那以外の機体を殲滅。
連中は自爆装置を操作する間もなく、機体ごと焼かれた。
また私と旦那の機体ももしものために、強引にコックピットを破壊し、生身で脱出。機体は念のため破壊しておいた。

そして、私は今までやらされてきた悪事の全てを吐いた。
この情報を使い日企連の交渉員が私たちの身柄を安全を確保する。
また、コルセールの本拠地に軟禁されている子供たちは同じく彼らの特殊部隊が救出する。

全く信用のできない賭けだったが、終わってみれば全てが手元に戻ってきた。
自分自身の自由も旦那の自由も子供たちも。

そして今私たちはラインアークにいる。戸籍や家に資金も用意してくれるそうだ。
もしものことも考え当分は名前を変えてほとぼりが冷めるまでここで過ごすらしい。
その間はラインアークの外に出れないそうだけど、十分だ。

しかし、不可解なことがある。
幾らリンクスとはいえ、私の正体を知っていれば過去にノーマルに撃破された不甲斐ないリンクスということはわかっていたはず。
夫も元特殊部隊出身とはいえ、しがないノーマル乗りだ。

幾らなんでもここまで手助けしてくれる理由にはならない。
なので目の前の人物に思い切って聞いてみた。

「どうして…私たちを助けてくれたのですか?」

男は答える。
「色々理由はあるが…敢えて言うのならば…これが私のロマンだからだ」

「ロマン…ですか?」

「そうだ。正直なこと言えば感化されたのかもな…」

そういって男は私たちの前から去っていこうとする。
明確な答えを言わずに

「あの!せめてお名前だけでも!!」

「名前か…そうだな。そう遠くないうちに知ることになるだろう。では去らばだ諸君!」

そういうと彼は私たちの前から今度こそ去っていった。

815 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:54:33
  • 真実

「あの、このたびはどうも」

そういって頭を下げる女性はミド・アウリエル。
元はオーメル所属のリンクスであったが、リンクス戦争中に捨て駒同然の作戦に投入され、機体が大破。
本人も危ないところだったのを当時GAのリンクスをしていたエンリケ・エルカーノに救助された。

ケガと機体が大破されたことによるAMSの負荷により戦後はリンクスを引退。
オーメルには戦後に辞表を叩きつけて、亡命同然に日企連の手引きの下でラインアークへとやってきた。
現在では彼女を救ったエンリケと夫婦である。

因みにオーメルは彼女の亡命より、セロを撃破したユダを探すことに夢中になっており、リンクス戦争中に碌な戦果をあげれず、リンクスとしてもほぼ価値を失った彼女へは興味がなく、二束三文で話がついた。

そんな彼女が頭を下げている相手は先ほどスメラギ夫婦の相手をしていたテルミドール。

ことの発端を話すと今回の依頼は彼女からである。
まず、ラインアークに住んでいた彼女は偶にラインアークへと顔を出すフランソワ・ネリスの顔を偶々見て気づいたのだ。

リンクス戦争から音沙汰がなかったため死んでいると思っていたが、あの人物は昔の友人だと。
彼女曰く随分と成長しているが、昔の面影が残っている。後は女の勘だと。

死んだと思っていた友人がなぜ名前を変えて傭兵団を率いているのか。
そのことを疑った彼女は独自にコルセールについて調べることにした。
夫のコネも使い徹底的に調べている間にあの傭兵団が色々きな臭いことに行き当たった。

そしてそんな時に日企連から接触があった。
日企連も突然現れた傭兵団を率いるリンクスが何者なのかを調べていたためだ。
その調査の途中で同じことを調査している女性がいると聞きつけ、その女性へと接触を果たしたわけである。

ミド的には日企連の手を貸してもらえるのなら万々歳であり、日企連側もまさかフランソワ・ネリスがセーラ・アンジェリック・スメラギだとは思っておらず、彼女からの情報に大層驚いていた。

両者は調べていくうちに色々ときな臭いものを感じ、遂に後ろにオーメルはいることを突き止めたがそこまでであった。
完全に首輪が繋がれており。人質もいる。そして彼女たちを解放するだけの労力と見返りが合わないと。

ミドは図々しい願いだとわかっていながらも何度も彼女たちの救出を懇願したが、日企連側はリスクに合わないと却下。
折しもラインアークが襲撃され、その後始末と報復に忙しかったため、動かせる戦力もなかったのである。

万策尽きたかと思われたその時、見捨てるものあれば救うものあり。
丁度リーダーが戻ってきたORCA旅団が待ったをかけた。

彼らは自分たちのことは秘密にすること、追及しないことを条件に彼女の願いを承諾。
日企連へも先にオーメルの戦力は出来るだけ削った方がいいという理と更に作戦は全て自分の団員が行うという条件で日企連からの支援を勝ち取り、あのミッションへと続いたわけである。

因みに実働要因はテルミドール、ブッパ・ズ・ガン、真改の三名。

作戦は見事成功し、彼女の願いは叶えられたわけである。

ミドは言う
「お礼を言わせてください。何の利益にもならない私の我儘を叶えてくれて本当にありがとうございました」

「別に私たちもオーメルの戦力を出来るだけ削いでおきたかったからな。
目的が合致したに過ぎんよ。それに丁度いい予行演習にもなった。
逆に私からも聞いていいかな?」

816 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:55:07
「はい。何なりと仰ってください」

「それでは聞くが何故君は彼女とその家族を助けようと思ったのだ?
失礼だが古い友人とはいえ、今の立場を危うくしてまで助ける必要はないと思うのだが」

「それは…彼女が私の救いだったからですね…」

「救い…か」

「はい。訓練所時代の私は自分のような親を失った子供を生み出さないという使命に燃えていました。
しかし、訓練は厳しくなんども挫けそうになったことがあります。
その時に私の支えになってくれたのが彼女でした」

「ほう。それで」

「彼女は…厳しい訓練の後でも笑顔でした。いつか私を助けてくれた人のようになるんだと。
それに訓練所時代は私の妹分みたいなもので、何度も彼女の笑顔に助けられました。
そんな彼女へのせめても恩返しにというのが今回の行動です」

「なるほど。それが理由か…」

「私からも質問いいですか?」

「なんなりと」

「なぜあなた達は私の願いに協力してくれたのですか?
先ほども言いましたが、特にこれといった利益もないのに」

「それはだな…」

「それは?」

「ロマンだ」

「ロ、ロマン…ですか?」

「そうだ。私はこう見えてロマンチストでな。こういった話に弱いのだ」

「本当にそれだけ?」

「それだけだな」

会話が途切れる。彼女としてはもっと何かあると思っていたのだが、それがロマンなどと言われては何も言えない。
というよりも何を言えばいいのかわからない。

「さて、そろそろ私は行かせてもらうとするよ。待たせると煩い仲間がいるもんでな」

そういってテルミドールは彼女の前からも去ろうとする。

「あ、あの本当にありがとうございました!この御恩はいつか!」

そういう彼女を背にテルミドールは悠々と去っていく。

ミドは彼が見えなくなるまで頭を下げていた。

817 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:55:37
ORCAのお茶会 メルテェルのお小言。

「随分と無茶してくれたじゃないかテルミドール」

メガネをかけた男。ORCAの副旅団長メルツェルが言う。

「すまないと思ってる。感謝もしているさメルツェル」

それに答えるのは旅団を率いる男マクシミリアン・テルミドール。

「覚えておけ。私は予定外の面倒が嫌いなんだ。それに決起寸前とはいえ、一歩間違えばオーメルに我々の存在を感づかれていたかもしれんのだぞ」

「わかったわかった。そう言うな。事実オーメルの戦力は削げたのだからな」

「それだけはないのだろうか。実際のところどうなのだ?」

「いや、彼女に言った通りだよ。今回は私のロマンチストな部分が疼いたのだ。
後はまあ…あの世界に行って私自身も変わったのかもな」

「変わったか…確かにあの世界はこちらにはない自然に満ち溢れているが、あれが貴様を変えたのか?」

「ああ。ことをなす前だというのにどうにも放っておけなくなった。ただそれだけだ。
それに人類に黄金を時代をもたらすのだ。家族の一つくらい救えないで何が理想家か」

「全く…そういうロマンチストすぎる点は貴様の悪いところだぞ。
とにかくだ…今回はこれ以上何も言わん。だが次はないからな」

「了解だ、副旅団長殿。当分は大人しくしているよ」

「そうしてくれ旅団長殿」

因みに作戦行動中はブッパと真改というORCAでも指折りの無口ズに挟まれ、テルミドールは息苦しかったそうな。



  • 裏方あるいは転生者の思惑

「では、作戦の成功とスメラギ一家の未来を祝して!」

「「「カンパーイ!!」」」

ここは日本のとあるビルに存在する居酒屋。

そこでは様々な人物…主に転生者が集まって飲んでいた。

「いやー 一時はどうなるかと。なんせ許可おりませんでしたからね」

「そうそう。その点戦力を提供してくれたORCAには頭が上がらん。
ORCA様様だ」

「そうだよなぁ。彼らの進言がなかったら、この作戦実行できなかったものな」

ここに集まっているのは主にミド&セーラのファンクラブ。
前世でミド日記や小説版を読んでいた筋金入りのファン達である。

当初は彼女たちの情報を得て、どうにかしてやりたいと思い行動してみたが、
上役からはリスクとリターンに合わないと却下され意気消沈していたが、
しかし、途中でORCAからの口添えもあり、どうにかこうにか作戦を進めることができた。

そんな彼らは今回の作戦ではミッションの斡旋からECMの支援、救出したご両人とORCA実行隊のメンバーの回収などを担当していた。

彼らは明け方まで飲んだくれ、次の日は手痛い二日酔いになったそうな。

818 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:56:07
  • 解説
セーラ&イサミ夫婦。
救出後は子供たちと一緒に名前を変えラインアークで生活中。

第二次リンクス戦争後はオーメルの影響力が激減したため、名前を戻した。
またもう一同傭兵団を結成しないかと日企連からオファーが来ており、本人たちはもう少し平穏な生活を続けていたいが借りがあるため、交渉の末に名義を貸すことと前線に出ないでよいので、経営に携わってもらうことで決着した。

アフリカの地でコルセールの名前は結構なネームバリューがあるらしい。
また傭兵団の戦力は日企連からの紐付き…いわゆるV系廃人を集めており、同地域でも屈指の強さを誇る。
一度壊滅したのを再編したため、実際には新生コルセール傭兵団というのが正しい。

ミドとも再開しており、十数年ぶりの再会とミドの助けを知ったセーラ&イサミ夫婦は泣いて礼を言ったそうな。
現在はミド&エンリケ夫婦と友人同士として交流がある模様。もっぱら子育てのことについての話題と旦那についての話だとか。



  • オーメル
第二次リンク戦争後にセーラ・アンジェリック・スメラギとイサミ・ジャッシュが生きていることに驚いき、交渉後の旧コルセール拠点での下手人を理解したが、既に何をするにしても大勢が決しており、特にこれといった行動は起こさなかった。
というよりも、傾いた企業の経営を立て直すのに難儀しており、それどころではないそうだ。


  • ミドとセーラのファンクラブ(転生者たち)
彼等曰く歳を取って子持ちの人妻となったがそれはそれで良いんだそうな。


  • テルミドール
彼曰くロマンチストな面が疼いたからだそうだ。
多分史実世界の自然を見て気分的にハイになっていたのであろう。

819 :トゥ!ヘァ!:2016/09/13(火) 16:57:11 投下終了
いつも通りwiki掲載はokです。

多少不自然ですが二次創作だし多少はね?

今回はテルミさんはっちゃけるの回。
セリフは大体十傑集のオマージュ。

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最終更新:2016年09月13日 17:46