211 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:00:23
大日本企業連合が史実世界にログインしたようです 「国防は軍人の……」8 -名は体を表す-


AF「アシハラナカツクニ」 居住区画 第6会議室。
今日も今日とて会議が行われている会議室で、司会進行役が次の議題を知らせる。

「では、案が固まりました扶桑型の改装計画について日企連造船局の宇野技師から説明してもらいます」

線の細い男がファイルを片手に壇上へと上がり、一礼する。

「宇野です。では扶桑型の改修案について説明いたします」

宇野に促され、事務員が資料を配布する。

「まず、扶桑型は戦艦をやめていただくことになります」

その言葉のとおり、改装案の資料の表題は「扶桑型強襲揚陸艦」と書かれている。
その艦種と役割については、すでに史実側も理解している。平たく言えば輸送艦だ。

「扶桑が戦艦をやめるか……山城も」
「ええ。日企連の技術でも、扶桑型を戦艦として使うための改装には費用が掛かりすぎます。
 むしろ、新造した方が速い。だが、費用を抑え、工期を短くし、それでいて訓練などに使用可能で、将来的な戦術の多様化に対応する艦(フネ)とすることができます。おそらく、これまでにない物でしょう」

そこでいったん言葉を切り、改めて問いかけた。

「よろしいですか?」
「レイテ沖でこのまま散らせるのは……私個人としても納得できるものではない。
 ならばせめて、海軍のため、陸さんのために役立つ艦(フネ)として生かしてやりたい……」
「うむ。彼女らが新たな姿になって活躍してくれれば、それはうれしいことだ」
「どのような物か楽しみだな」

集められていた史実側臣民の答えを、南雲忠一 草鹿任一 米内光政らの扶桑と山城の歴代艦長が代弁する。
改装案については、史実側でもあれこれと考えられてはいたのだが、結局根本解決は難しかった。
それ故に、この日企連の改装が楽しみであったのだ。

「では、立体映像を出します」

そして、壇上の映写機から空中に扶桑型の縮小図が投影された。

「な、なんじゃこりゃ!?」
「……!?」
「戦艦……空母?それとも、なんだ!?」
「胴体が3つ!?」

展開された立体フォログラフィック映像は、陸海軍の将校や技術屋の度肝を抜いた。
向かって左側には現在の扶桑型の、そして右側には大きく変貌した扶桑型の姿があった。
明らかに艦尾が延長されている。艦尾だけではなく、扶桑型の側面には駆逐艦を思わせるような何かが繋がれている。
しかもそれは、紐や縄などではなくフレームごときっちりと連結された強固な繋がりで、あたかも一隻の艦であるかのようだった。

212 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:01:14
「扶桑型三胴式強襲揚陸戦艦。全長 266.9m 本体船体幅がバルジと隔壁などを含めて34.4m。
 基準排水量 49000t 満載排水量 60000t、速力は25ノットを予定しています。おそらく全力ならば28ノットを出せるかもしれません。艦載機として試作97式艦戦ならば20機前後を搭載可能。陸軍の持つ揚陸艦神州丸を扶桑型につけ足したものと言ってもよいでしょう。破格の搭載能力と揚陸能力、そして揚陸支援能力をそなえています」

あっけにとられる史実側臣民だが、すぐに思考を切り替えた。
日企連と付き合うときに、驚いてはいけないのだ。
突飛な考えであろうとも、そのような答えを出すときは必ず理由が存在する。

「後部主砲は全て取り払い、代わりに日企連製造の飛行甲板を移植してきます。それに伴い艦尾を大幅に延長。
 バルジの増設と補助船体の連結によってバランスをとります。動力源はこれまでの石炭と重油の混成ではなく、新艦本式の高温缶に全面的に切り替えます。他にも補助機関として鳳翔と同じくVシリーズACの水素燃料ジェネレーターを搭載。
 発電力を強化して電探や空調などに必要な電力をまかなうことになります。また水素燃料精製装置と海水ろ過器も搭載して、真水と水素燃料を自力で確保することが可能となっています」

資料をめくれば、確かに5式発動機とそれに付随する設備の搭載が綿密に書き込まれている。

「何か質問は?」

一通りの説明の後、一斉に手があがる。
宇野はまず、山本五十六を指名した。

「航空艤装を移植してくるのか?移植による弊害はないのかな?」
「その通りですが、弊害はないと考えられています。無論航空艤装を一から組むというのも可能ですが、工期短縮のためには日企連が建造している空母から骨組みごと移植するのが一番です。扶桑型が元から持っている砲塔と火薬庫などの
 隔壁や障害物を全て取り払って格納庫とし甲板をつなげます。確かに構造的にもろさは出る懸念もありますが、そもそもこの扶桑型が艦隊戦に持ち込まれること自体が間違いであるため、そこは運用でカバーできると割り切りました」
「これはある意味我々も真似できるな。ブロック工法の要領で航空甲板を載せてやれば建造を短くできる。
 甲板の作成と船体の建造を並行してできるだろう」
「たしかにな……そうか、なにも土台から順番にする必要はなく最終的に載せていけばよいのか」
「なるほど、戦艦と空母を一つにしてしまうのか」
「これ、マル3計画に生かせないかな?」
「甲板の装甲化と合わせるのは少々厳しいかもしれんな」
「斜めに発着艦するのは飛行士に相応の訓練をさせなければ」
「いや、発着艦するときはほぼ止まっている状況だろう。あまり訓練させる必要はないかもしれん」

牧野茂や平賀譲などの技術者が議論し始めるなかで、次に山口多聞が挙手した。

「この、斜めにした飛行甲板はどういう意図があるのかな?」
「飛行甲板の中でも意図的に斜めにしたものをアングルドデッキと呼びます。
 第二次世界大戦までの空母は概ね直線の甲板ですが、補給のために着艦している艦載機がいますと着艦に支障をきたし、着艦機が駐留機と衝突する危険があります。まっすぐな甲板で着艦作業を行う際には既に着艦した機体を甲板から格納庫へと移動する必要があるのですが、それがまた面倒ですし、時間を食います」
「ふむ……確かに」

213 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:02:15
この時代の空母は直線が基本だ。だからこそ、このような斜めの甲板は予想外だった。
三段式空母というのが考えられたのも、並行した発着艦や砲撃戦に備えての物だった。結局それは没となったが。

「着艦失敗時の再アプローチを容易にすることが、21世紀におけるアングルドデッキの目的となりました。
 この扶桑型の場合では、発着艦の邪魔となる艦橋と煙突を避けるために採用の見込みです。飛行甲板の幅は十分ありますので、その気になれば発着艦も並行して行うこともできます」
「なるほど……新米や所属が動いたばかりの飛行士にはありがたい配慮だな」
「慣れたパイロットでも空戦後に疲労している状態では思わぬ事故があり得ますからね。その意味でもこれは重要です」

航空屋の一人として参加していた源田の言葉に宇野は頷く。

「そこまでして航空機を搭載する理由は?」
「扶桑型は強襲揚陸艦として安全に揚陸を行うために、制空権を握る戦闘機を持たせる方が望ましいためです。
 また制空権掌握後に、上陸支援のために対地支援攻撃機を飛ばすことで、迅速な制圧を支援可能です。
 制空権を確保すればA-10などの攻撃機や97式回転翼機のようなヘリコプターが安全に飛行させることが可能であり、
 その支援力は映像などで見ていただけた通りです」
「うむむ……」
「そもそも強襲揚陸とは上陸戦において発生する、極めて攻撃側が不利となりやすい戦闘です。
 敵陣が十分な迎撃戦力を配備していた場合、上陸させた端から部隊が壊滅します。なので、艦載機という支援は必須です」

続いて挙手したのは陸軍の本間雅晴。

「搭載できる上陸艇はどれくらいかね?」
「大発動艇(D型)を10隻以上、小発動艇を8隻、高速艇甲を4隻などと予定しています。
 専用のフレームをかぶせれば、補助船体との間を丸ごと搭載スペースと出来ますので、さらに増えます。
 無論速力はおちると思われますが」

その後いくつかの質問がかわされたが、史実側の回答は決まっていた。
考え得る限りの疑問をぶつけたが、いずれも宇野技師の説明には隙が無い。
とするならば、もはや迷う必要はない。

「我々にはそちらに任せるしかない。これだけの性能を持つ艦が出来上がるならば、海軍としては賛成するしかない。
 造船技術習熟には、このような改装を経ることも必要だろう」
「陸軍としても、海軍の意見に賛成である。このような艦艇を用意してもらえるならば、また将来的な作戦能力の向上や
 新たなるドクトリンの構築には役立つだろう」
「わかりました、承りましょう。では早速取り掛かりますね」

そして宇野は足早に会議室を後にした。
史実側の臣民は、次の議題へと意識を切り替える。まだまだ考えることはたくさんあるのだ。

214 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:03:45
「こりゃまた、芸術的な艦橋ですね……」
「だよな。実物を見れるとは思わなかったが」

アシハラナカツクニ第4ドックと第3ドックには、並んで戦艦が係留されている。
どちらも比叡から見れば一回り小さく、それでいて芸術的な艦上構造物がそそり立っていた。
搭載されているのは35.6センチ連装砲連装6基12門という破格の火力。しかしながら、欠陥が目立つ船体ゆえに完成した時から失敗作という烙印が押されてしまったことは否めない。勿論日本初の超弩級戦艦ということもあり、ある意味ここで日本の技術がどの程度であるかをはっきりさせる指標となったことは、造船全体に大きく貢献したと言える。
そんなことよりも有名と言えるのは、この艦上構造物だ。ジェンガであるとか違法建築であるとか、あるいはクリスマスツリーだったり
門松だったりと何かとネタにされることもあるが、ともかく15階建てという非常に高い艦橋が特徴だった。

係留作業が完了した扶桑と山城には多くの作業員が群がっていた。
特徴的なのが作業員が持つ機械だ。真珠のようなものをたくさんつけたそれを持った作業員は扶桑の船内をくまなく歩きまわっている。
それこそすべての通路、船室、機関室やボイラー室、機銃や砲塔の隅々までを撮影している作業員だけでなく、ドローンや外部からも大きなカメラで四方八方から撮影が行われていたし、アシハラナカツクニへの回航中にもヘリコプターや航空機によって撮影がなされていた。その作業員には寿屋や田宮などの模型屋も多く混じっていたことは言うまでもない。
定規や巻き尺あるいは基準となる物品を持ち込んだりしている。その熱中ぶりは、史実側の人間にとっても奇妙に映った。
無論、多くの社員がそこまで熱中する理由を知ることはなかったか、あるいは改装に向けた測定だろうと考えていた。

「何をしているだね?」
「ああ、これはカメラでしてね。ここの風景を少しでも残しておこうと思いまして」

西村祥治大佐は作業員の持つカメラが奇妙な形だと思い、それを伝える。

「まあ、これは全方位の撮影を可能とする特別なカメラですからね。いずれは仮想空間に保存されます」
「仮想空間?」
「ええ。ま、それについてはいずれお見せ出来ますよ。恐らくですが、この姿の扶桑と山城は二度と見ることができません。
 我々の世界においても、こうした戦艦は貴重な資料となるのですよ。我々の世界ではこの時代の資料がかなり散逸しておりまして、
 現物も失われて久しくなっています。多くの艦艇は戦後に解体され、日本の復興の礎となりましたから」
「礎か……」

鍋、釜、鉄筋などなど。鉄は多くの形で生活を支えている。
戦時中に徴発が行われたことも、当然教えられていた。

215 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:04:26
また、西村は教えられていた。自らの運命を。
今日扶桑と山城がアシハラナカツクニにドック入りするのに立ち会ったのも、彼女らとレイテ沖に突入することを知ったがためだ。
水雷畑出身であり、あまり縁があるとは言いにくかったのだが、運命を知らされると、なかなかどうして、感情が動いてしまう。
扶桑型の水兵に話を聞けば、やはり出来そこないと断じられた艦にいることへの不満ややるせなさを訴えてきた。
それを思えば、そして戦況を思えば、彼らは喜んだのだろう。

「彼らは、死ぬとわかっていても喜んでレイテに行くのだろうな……」
「ええ。しかし、結果的には無駄になってしまいます。無論、様々な要因がありましたが」
「……戦艦として、戦場に送り出せないのは残念だな。不謹慎かもしれないがね」

その言葉に、作業員は困った。
回答のしようがない。なまじ史実を知っている分、返答に困ってしまう。

「あ、宇野主任!」

振り返れば、線の細い男が歩いてくる。

「君が……?」
「ええ。日企連造船局 宇野です。初めまして西村中将、いえ、西村大佐」

宇野という技師については知っている。
自分は出席できなかったが、改装についての設計図を引いたのが宇野だと聞かされていた。
宇野は自分が対応すると手で合図すると、西村に三面図を手渡す。扶桑型の改装後の姿だ。

「何度見てもとんでもない戦艦だな」
「自信を持って言えますが、こんなのは考えもしなかったでしょうね。
 ところで、西村大佐は残念ですか?」

何がとは言わない。

「ああ。戦艦として生み出された彼女らが、結局戦艦としては不出来だったと、そういわれるかもしれないと思うとな」

それへの宇野技師の返答は意外なものだった。

「いえ、むしろ誇らしいものとなりますよ」

216 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:05:31
宇野の言葉に西村は耳を疑う。

「だが……戦争になった場合、扶桑型は役に立てないのだろう?だからこそ、改装すると」
「役に立たないことも、ある意味誇らしいのですよ。私自身、この改装に携われたのは誇りです」

何故なら、と宇野は心中を明かす。
設計図を引きながらも思ったことを、正直に、隠すことなく、理解されないことも恐れずに。

「戦争が回避されれば、扶桑型はきっと1人も殺さずに艦としての役目を終えます。
 それどころか、輸送艦として災害に際して出撃して、たくさんの命を救えます。数え切れないほど、たくさん。
 そして、日本は胸を張って言えるのですよ。日本で初めての超弩級戦艦は、誰も殺さずに、たくさんの人の命を救ったのだと」
「……」

青天の霹靂。
西村はそれを感じた。
軍人とは、殺し殺される職業だ。
攻撃することばかりを考えていた。それが戦果につながり名誉となるのだと。
だからこそ、宇野のような考えは、考えたこともなかった。

「私はね、たくさんの艦艇を建造してきました。
 軍艦も民間船もAF、たくさんありました。でも、それは全て人を救う為です。殺すためじゃありません。
 どんな軍艦を送り出すときも、できる事なら不用品として砲火を交わすことなく退役してほしいと、そう願っています」
「不用品か……そのように作る側の人間から言われるのは初めてだな」
「浮かべる城ぞ頼みなる、と言いますが、それはつまり存在するだけで十分な能力があるということですよ」

西村はその言葉を、深くかみしめた。
異邦人とは言え、同じ日本人。彼らの考え方を、いずれはしっかりと理解したいと、そう思えた。

「では、この扶桑型を任せるよ。宇野君。君の願いが叶うことを、祈っているよ」
「ええ、お任せください」

将来の西村艦隊の提督と技師は、がっちりと握手を交わした。
そこには確かな信頼があった。

217 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:06:34
扶桑型強襲揚陸戦艦

全長:266.9m
全幅:34.4m(船体+バルジ)
最大幅65.2m
甲板様式:アングルドデッキ(推進方向から左に9.4度)
飛行甲板幅:26m
飛行甲板全長:174m
新三菱製汎用カタパルト:2基
エレベーター:2基
基準排水量:49000t
満載排水量:60000t
速力:25ノット(過負荷時28.4ノット)
主缶:新艦本式イ号缶大型6基
主機:新艦本式タービン4基4軸
補助機関:VシリーズACコアジェネレーター並列6基+複列4基×2(補助ユニット搭載)
機関出力(ジェネレーター除く):17万馬力
推進機:スクリュー4基
補助推進機:ウォータージェット4基

装甲:
側面装甲(本体):通常装甲280mm+有澤装甲50mm
甲板装甲:通常装甲110mm+有澤装甲60mm(最厚220mm)
飛行甲板:軽量合金装甲80mm+有澤装甲30mm
司令塔:通常装甲220mm+軽量合金装甲60mm+有澤装甲50mm

補助ユニット装甲:
側面装甲:通常装甲86mm+有澤装甲70mm(最厚170mm)
甲板装甲:通常装甲60mm+有澤装甲58mm(最厚140mm)

主砲塔:
前面装甲:250mm
天蓋装甲:140mm

主砲:97式35.6センチ砲改 3連装2基6門
兵装(竣工時 扶桑型本体):
127mm速射砲単装12基
ボフォース40mm機関砲連装8基
20mm近接機関砲4基
25mm機銃 単装28基

兵装(竣工時 扶桑型補助ユニット1隻あたり):
127mm速射砲連装連装2基
20mm近接機関砲(CIWS)2基
25mm機銃 単装4基

艦載機(搭載例):
VシリーズAC×30機
試作97式艦上戦闘機『南風』×18

搭載上陸艇(搭載例):
大発動艇(D型):10隻
小発動艇:8隻
高速艇甲:4隻

同型艦:扶桑 山城

218 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:07:17
概要:
日企連が大改装した扶桑型。
史実側の要望もあって改装が決定した扶桑型及び伊勢型であったが、その扱いについては正直日企連も困っていた。
日本の国産の超弩級戦艦の草分けたる扶桑型は技術的な未熟さが響いており、根底から改装で直すにはあまりに費用と時間がかかり過ぎてしまうことが予測されており、事実扶桑型の調査を行った日企連技師たちの意見も戦艦として扱えるように改装するよりもいっそのこと別な艦種とすることで使いやすくするべきという意見が上がった。
改装案の策定には、紀伊型の設計に取り掛かっていた水沢秀太技師から抜擢された宇野時也技師が行った。

戦艦型の強襲揚陸艦ということで、改装の中心は、

1.水際防御を吹き飛ばすのに十分な砲撃能力
2.地上・航空機からの攻撃に対する防御力・迎撃能力
3.ACや支援航空機あるいは大発動艇などの上陸戦時に必要な物資の搭載能力・母艦能力
4.長距離航海や長期間の作戦行動に必要な施設の搭載
5.1~4を支えるための排水量増大とバルジ増設・全長の延長・補助ユニットの追加

以上の5点に重点が置かれた。

艦隊戦に持ち込まないということを前提にしているため、砲は2基まで削減する代わりに3連装砲の採用で投射量を増加させた。
散布界が広がるというリスクもあったが、対地砲撃という点で見ればより広い範囲に影響が及ぼせるという利点につながっている。
半自動装填装置の搭載と砲身の改良によって速射性も向上しており、改装前に比べればむしろ砲撃力は向上している。
砲塔配置は艦首側の砲塔のみを2基残し、対空用の速射砲を4基配置。艦橋周辺に20mm近接機関砲を4基配置し、後部飛行甲板と補助ユニット、および連結フレーム上に対空砲と20mm機関砲、25mm機銃が搭載されている。
また、補助ユニットには対空・両用砲として127mm砲が採用され、肉薄してくる駆逐艦や駆逐艇 魚雷艇への備えとしている。

トップヘビー化を避けるためにほぼ丸ごと艦橋は取り換えが行われて縮小されて10階建てとなり、煙突は船体の右舷より配置された。
後部は砲塔をほぼすべて排し装甲甲板としている。この飛行甲板は日企連が保有していた空母の甲板フレーム全体を、砲塔などを取り払い格納庫を用意した船体に丸ごと移植してくるという力技で設置されている。
それでも不安定化する傾向が見られたため、AC4で登場したBFFの艦艇『047ST1260』のように左右に新たな補助ユニットを連結し、3胴式艦艇とすることで解決がなされた。左右の補助ユニットは全長124m 幅9.1m 喫水7mほど。扶桑型本体との間隔9m前後。
左舷側は一部が飛行甲板の下に隠れている。この補助ユニットには対空機銃と両用砲のほか装甲艇/大発/小発や戦車などの搭載スペースとなっており、戦艦でありながらも上陸用装備を潤沢に積み込むことができる。船体同士は大小3つのフレームによって繋がれていて行き来がたやすく、扶桑型船体と補助ユニットの間を隔壁によって封鎖を行うことで簡易ウェルドックとしても機能する。補助ユニットは重量が増した船体を迅速に動かすための補助推進機関となっており、進路変更を行う際には、補助ユニットが先行して向きを変えることで幅のある艦艇でありながらも、滑らかな変更が可能である。
また補助ユニットは航空魚雷やPTボートなどの魚雷艇に対するある種の肉盾としての意味合いを兼ねている。

219 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:08:06
飛行甲板はアングルドデッキで距離を稼いでいるが、少々構造に無理があったことは否めない。この扶桑型のアングルドデッキはそもそも砲塔や艦橋を避けるための物であり、発着艦を並行して行うことを目的としていないことに由来しており、特に着艦に関しては斜めに着艦する独特の感覚に慣れる必要があった。将来の大型化する艦載機の発着艦が厳しくなることが予測されたが、この時代の複葉機や大型化していない全金属戦闘機には十分であり、油圧カタパルトとアレスティングワイヤーの採用によって大型の全金属戦闘機であっても発着艦が可能であることは後に確認された。ただし、艦載機の搭載は一部露天が避けられなかった。史実側ではこの扶桑型を航空戦時における補給空母としても期待しているところがある。

本艦の防御性に関しては改善はされているが、艦隊戦には不向きである。
装甲化がなされた飛行甲板による防御と装甲の素材の交換による質的向上によって軽く頑丈な側面・水平防御へと改められたとはいえ、強い衝撃を受けた際の影響に関しては未知数なところが大きい。特に甲板を貫通した際には内部構造が破られやすいと想定された。その点については宇野技師は「こればかりは妥協しなければ、扶桑を一度解体したうえで根本から直す必要があり、それでは設計案の意図から外れる」とコメントしている。他に欠点としては、船舶としては異常なまでに横幅があるため、通常のドックではなくアシハラナカツクニの支援艦『トヨアシハラ』や水上航行型工作艦アキツシマなどの大型の水上工作艦の支援が必須となることである。

また本艦は電探やエアコンなどの搭載による電力消費の拡大をカバーするため、通常の蒸気タービンなどに加えて航空母艦「鳳翔」で実績のあったVシリーズACのコアをジェネレーターごと船内に搭載するハイブリット方式を採用した。
電力系統は本体と補助ユニットでそれぞれ独立しておりながらも、互いに余剰電力を融通し合う形態となっている。
その為発電量や計算上の馬力は補助ユニットも含めれば120万馬力を優に超えるとされる。

外見も含めてすさまじい変容を見せた扶桑型は史実側の度肝を抜いたが、その利便性は史実側の予想をはるかに超えるものであり、海軍のみならず陸軍の揚陸艦として、そして頻発する災害時の物資の輸送及び揚陸艦や航空基地としての役割を持たせることが可能になり、大蔵省的にもにっこりな仕上がりとなっている。

1936年4月からアシハラナカツクニ内部ドックにて改装がスタートし、砲塔の撤去と飛行甲板の移植の後に、1937年11月頃から補助ユニットの連結と船内の内装の設置が開始。1938年5月に扶桑、同年6月に山城の改装が完了した。
扶桑型は竣工直後の5月23日に発生した茨城県沖の地震に対応するために支援物資や救助隊を搭載して出撃し、これの支援にあたった。

この扶桑型の大改装後の活躍は日企連の広報部の喧伝もあって広く世界へと広められ、同じく公表された紀伊型と並んで
各国の造船業や各国海軍をすさまじく混乱させ、英国面溢れる艦艇が多数世に送り出されるのだが、それはここでは割愛する。


……設定に関してはワロスワロスと(ry

220 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:09:13
以上です。wiki転載はご自由に。
やっとこさ出来ました……(赤疲労
全国100万人の扶桑型ファンに捧げます……

たぶん艦これだと扶桑姉妹の艤装がえらいことになるでしょう。多分飛行甲板持ってる方の腕が義腕になるかも。

この戦艦を設定しながら思ったのは、日本刀ですね。
平時には抜かれないことこそが至上の喜びにして、戦時には敵対者に容赦なく切り裂く。
戦争など起きてほしくないものです。すべての軍人がニートをやって、政治家が頑張って、我々がのんきに仮想戦記を楽しむ。
こんな平和がずっと続いてほしいものですね。




登場人物

宇野時也(うのときや):
日企連の造船局の技師。水沢の同僚で、落ち着いた物腰で線の細い男性。
しかしそれ以外は謎。名前の由来は「そして誰もいなくなった」のUlick Norman Owenから。
U.N.Owen → ウノウェン → UNO When → 宇野 いつか? → 宇野時也

223 :弥次郎:2016/09/17(土) 00:15:35
おうふ…タイトルをミスってました

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最終更新:2016年09月17日 13:37