544 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:28:14
367 の続きのようなもの 1


 秘かに同盟を組んだ独ソは、表向きは無関係な国家を装った。ソ連もドイツも、1936年はただ自国の国力を溜める事に集中し、互いに無視しているように見えるよう図った。
 しかし、勿論そんなわけは無い。秘匿チャットで連絡を取り合う彼等は、相対的に高めの技術を持ち、相対的に多数の研究ラインを持っていながら、その運用資源の無いドイツが研究担当。技術も研究ライン数も劣るものの、資源だけはあるソ連が物資供給担当。という風に国家の特徴を活かして役割を分け、互いに協力し合っていた。
 言うまでも無いが、ソ連の貢いだ資源でドイツが研究開発した青写真は、更なる資源と引き換えにソ連の手元に帰って来ている。この青写真をもとに研究すれば、研究に掛かる期間は半減。研究ラインの数で劣るソ連がドイツに追い付き追い縋るためには、この横流しされる青写真の価値は計り知れぬものであった。

 とはいえ、騙し討ち上等のこのゲーム。ある日突然ドイツが裏切る事を想定し、ソ連は重要拠点の防衛だけは怠らなかった。兵力を集中し、要塞化を始めて守りを固めたのは主に三ヶ所。バクー、スターリングラード、そしてモスクワである。
 将来誰と戦うにしろ、ソ連には大量の機甲師団と、航空機部隊が必要となる。それらの燃料供給地点であるバクーは、ソ連にとって生命線。ここを落とされるとほぼ負けが確定するとまで考えていた。
 そして、貧弱極まりないインフラを集中整備し、工場の乱立が急がれるモスクワとスターリングラードは、ソ連にとっては技術力を稼ぐ場所だ。ドイツに近過ぎて防衛不能なキエフ、フィンランドに四六時中監視される上に港町であるため帝国海軍から一瞬で焼け野原にされるレニングラードは、棄てた。
 無論、この三ヶ所に全てを集中させるという事は、その他の箇所がガラ空きになるという事だが、ソ連にはそれはもうどうしようもない事だった。ソ連は、スタート時点での人的資源こそ多いものの、その回復速度は遅々たるものだ。当時、帝国のトップたる夢幻会の重鎮達はソ連人民を畑で採れると揶揄したそうだが、その畑が凍り付く事が確定しているソ連にとっては人的資源は希少資源だった。
 下手に歩兵を作ってあちこちに分散でもさせて、それで各個撃破されでもしたら、それだけでソ連は終了だ。パルチザンが目障りなのは欠点だが、戦力の集中運用による被害軽減策はソ連プレイヤーにとっては必須だった。

 なお、ゲーム開始後、開幕早々から色々と用意されているイベントは、だが、ソ連に限らず他の国にも特に大きな動きはなく、流し読みするぐらいしか価値が無かった。
 まず開幕第一発目となる大きなイベント、『第二次海軍軍縮条約』。その中で日英仏伊米五ヵ国は、その全てが『現状維持』を選択。派生イベントが全く起こらないという何ともつまらない展開になった。これにより、本来アメリカがゴネにゴネて潰した筈の日英同盟が手付かずで存続するという事態になった。第二次日英同盟が成立するしない以前に解消すらされないというのは一瞬驚きはしたが、よくよく考えれば当たり前だった。何しろ、アメリカが帝国にすり寄るのは始める前から予想していた事だ。わざわざ日英同盟を潰して帝国の神経を逆撫でする理由は無い。
 一応可能性として、アメリカがゴネる事で帝国が日英米仏四国同盟を提案する可能性があるのだが、確実ではない。場合によっては帝国の逆鱗に触れて日米関係が最悪になる可能性を考えると、開幕早々そんな危険な博打はやりたくなかったのだろう。イベント『同盟か条約か』ですぐにまた日英同盟復活の機会が訪れるイギリスと違い、アメリカは帝国と同盟するどころか、一度悪化した関係を改善する事すら難しいのだから。
 次の『ラインラント進駐』イベント。ドイツは独仏国境までは行かなかったものの、ライン川の東岸までは進撃。ルールの主要地帯を背にそこで防衛線を敷き始めた。序盤のドイツ陸軍はフランス陸軍とはまともに戦えない戦力なのだが、川を挟んで防衛し待ち構えている分には、そうでもない。フランスが速攻を仕掛けて来る事も考えられた以上、取り合えず守りを固めるのは必要な事だった。
 フランスは、このイベントに呼応し『戦時体制への移行』はしたものの、かと言ってドイツに早速手を出すような事も無く、沈黙を守った。まだフランスも戦争の準備が出来ていないに違いない。両国ともに、今はまだ戦争のために力を蓄える時だと言えた。

545 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:29:04
367 の続きのようなもの 2

 今は静かな欧州。そこから目を離し、ちら、と極東方面に目を向ける。
 帝国では、既にイベント『戦闘機無用論』が発生。それに対し、帝国担当NPCは史実通りに『大規模演習』を選択。戦闘機無用論を木っ端微塵に粉砕した。これにより、帝国は戦闘機研究、それどころか対空レーダーの研究にまでブーストが掛かっている。スタート時点で既にぶっちぎりで世界最先端の帝国が、更にブーストである。今頃東京は対空ハリネズミだろう。事実上の敵国であるソ連からすると、最早泣き面に蜂である。泣きたい。
 加えて、帝国の情報を見てみると、政治首班には近衛文麿。軍需大臣には辻政信。海軍大臣には嶋田繁太郎。どう見ても歴史より四年も早く嶋田辻体制が確立している。ソ連側の立場から見ると、軒並み優秀な閣僚を選び放題な帝国政府は、拉致してでも誰か連れて来たいか、是が非でも暗殺してやりたくなるぐらいである。
 だが、今のソ連では――否、このゲーム中のソ連では、天地が引っ繰り返っても絶対に手が出せない。技術はあるが資源が無いのが帝国なのだが、その配下には恐らく既に英米がくっ付いている。大量の資源を朝貢する強大な腰巾着を二国も引き連れた帝国を叩きのめしたソ連など、聞いた事が無いのだ。

 その頃アメリカでは、ルーズベルトが心労で退場。ロングが大統領に繰り上がっていたが、あの戦争狂ロングの動きは言うまでも無く穏やかだった。思わず史実何処行ったと言いたくなるぐらいに。
 中華民国の『上海でテロ』イベントで、アメリカは案の定、帝国を強烈に挑発する『領海通過を要求』ではなく、『艦隊派遣は必要無い』を選択。本土の艦隊を動かす事無く、在フィリピン艦隊だけが台湾の西側を通って北上。上海へと向かって行った。その上、上海に湧いたパルチザンだけをプチッと踏み潰すと、そのままUターンしてフィリピンまで帰って行った。
 当然、この後に続くイベント『奉天軍閥の支援要請』では、帝国を刺激する『奉天軍閥を支援しよう』など選ぶ事は無く、『役目は果たした』を選択。大陸深入りを遠慮した。勿論、強大な米軍が居ないのでゼークトラインでの戦いなど起こらない。
 アメリカが帝国への挑発を控えているのは目に見えて明らかだ。その代償としてアメリカ国内では不満がかなり高まっているはずなのだが、その代償をこうむってなお、アメリカは帝国との関係悪化を避けたがっている。どう見ても、露骨な帝国すり寄りプレイである。
 その代わりに、帝国にもイギリスにもそっぽ向かれたメキシコが米軍の兵器実験場になってしまったが――メキシコは今回はNPCという事も有り、そんな事を気にする奴は居なかった。

 因みに、一応ソ連にも関係のあった『スペイン内戦』は、ソ連は完全に無視した。ドイツと組んでいる事に加え、ソ連にはスペイン如きに送りつけられる人も物も無い。第一そんな物資があるならインフラの整備がしたいし備蓄も欲しいのだ。
 史実同様、帝国は政府である共和派に対し武器装備を売り飛ばし金儲けにいそしんでいたが、高みの見物を決め込んだソ連にはどうでも良かった。一応、これに付随するイベント『帝国の未来予知能力疑惑』では、帝国にスパイを三人ほど送りつけてはおいたものの、行動の成功率の低さに笑えもしなかったのはいつもの事である。流石はスパイ殺しに定評のある阿部内務大臣だった。
 結局、このスペイン内戦は、ドイツから義勇軍という強大な援軍を貰ったフランコ率いる国粋派が終始優勢を保ち、しばらくして史実通りにフランコ将軍の勝利で終息する事となる。

546 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:29:49
367 の続きのようなもの 3

 1938年。ゲーム開始から二年が経った。ずっと国力拡充を目指していた準備期間とも言える二年が終わり、遂にいよいよ、動乱の時代が幕を開ける。世界大戦の足音は、既にすぐそこにまで迫っていた。

『冬戦争、やるのか?』

 優秀な将軍達をバッサバッサと切り捨てる『大粛清』を却下した頃、ドイツからまた秘匿メッセージが飛んで来た。それは、来年にまで迫ったソ連にとっての一大ボロ負けイベント、冬戦争についてだった。

『ドイツはどう動く?』

 対する俺は、そう切り返す。冬戦争直前、フィンランドはドイツに助けを求めるはずだったからだ。

『動かない』

 返ってくる言葉は短い。ドイツは様子見に徹するつもりのようだ。いや、戦力の無駄遣いをしている余裕など無いとでも言うべきか。
 一般に欧州枢軸の盟主と言われるドイツだが、今回は枢軸の盟主というより、独裁者同盟の片方とでも言う方が正しかった。それだけドイツには味方が居ないのである。
 イタリアはいの一番に全体チャットで完全中立を宣言。どちらにも味方しないし、攻撃された場合はその逆側に付くと豪語している。トルコもまた中立宣言をしているが、その姿勢はイギリスや帝国寄り。独裁者同盟にとって、潜在的な敵国であった。またスペインも、未だ続く内戦が終わっても次は荒れ果てた国土の復興をしなければ大した国力は無い。
 ソ連にとっては、どうなのだろう。ドイツがソ連を裏切り難くなったという点では良い事なのかも知れないが、枢軸と共産が組むという観点から見れば、頼りになる味方が激減したという事でもある。特に、イタリア海軍がごっそり抜けてしまったのは、同盟にとっては大きな逆風だ。十中八九敵に回る帝国海軍を相手に、鍔迫り合いを行える戦力が居なくなってしまったのだから。独ソの貧弱極まりない海軍では、帝国の世界最強の連合艦隊との海戦など無理無茶無謀もいいところだった。
 何をどうしても不安しかないのはソ連プレイヤーには最早御約束だが、相も変わらず暗い未来に、俺は思わず溜め息を漏らした。

『けど冬戦争ショックは欲しい』

 数秒経って、新たなメッセージが来る。
 冬戦争ショック。それはフィンランドへの援軍に現れた帝国陸海軍の戦車と戦闘機に、ソ連軍部隊が鎧袖一触される歴史的大敗北イベントである。
 発生するのにいくつか条件はあるものの、そのどれもが気が付いたらクリアしているような代物でしか無い。冬戦争が発生すれば、ソ連が攻めずに引き篭もっている、もしくはフィンランドが逆襲し始めるでもしない限りはほぼ確実に起こるイベントだった。
 この目玉は、フィンランド領内に攻め込んだ部隊が文字通り殲滅の憂き目に遭う大損害の代わりに、ソ連陣営が驚愕。重戦車と戦闘機の青写真が手に入り、更にはその研究にもブーストが掛かるというものだ。ドイツはその青写真をさっさと研究してその成果を寄越せと言っているのだ。

『戦車か?』
『戦闘機も。暗号と交換』
『乗った』

 暗号をやると言われたら断れない。
 ソ連は、暗号関連技術は相当遅れている。というより、白紙から始まる。重工業化の失敗のせいでコンピュータどころかまともな計算機すら無いという当時のソ連内部の実情を現したのだろうが、余りに酷い有様だった。それが少しでも解消されるなら、やるしかない。
 無論、冬戦争をするという事は、あの帝国と事を構えるという事だ。冬戦争当時は39年にも拘わらず、帝国からフィンランドにやってくるユニットは、どいつもこいつもソ連では39年まででは配備不能の強力な連中ばかり。チートである。この超練度の格上ユニット群を相手に、凄まじい勢いで溶けていく部隊を補充しながらイベント発生まで耐え凌がなければならない。
 これに耐えられるだけの部隊が用意出来なければ、日英仏の後押しを受けたフィンランドが逆にソ連に侵攻してくるという笑えない冗談が始まる。最悪の場合には、帝国海軍の猛攻も手伝ってレニングラードをフィンランドに奪われるという最大級の悪夢も付いて来る。戦力の出し惜しみは悪手だ。
 はっきり言って資源と人と燃料の消費がかなりの痛手になるのだが、どうしようもない。景品として貰える重戦車と戦闘機の青写真は必要だ。ソ連にとっても、ドイツにとっても。これが無ければ帝国相手に陸戦など到底挑めないのだから。そして、ドイツが倒れれば明日は我が身なのだから。

547 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:30:52
367 の続きのようなもの 4

 1938年3月、イベント『アンシュルス』が発生。ドイツはオーストリアを併合。
 一応全体チャットで『くたばれ全体主義者』とコメントしておいた。すぐにイギリスから『お前が言うな虐殺者』と返されてしまったが。酷い。俺大粛清しないのに。

 1938年9月、イベント『ミュンヘン会談』が発生。ドイツがチェコスロバキアからズデーテンラントを確保した。
 そしてこれが引き金となり、間髪入れずに帝国でイベント『遣欧艦隊』が発生。ドイツを脅威と睨む帝国は、同盟国イギリス支援のために『艦隊を派遣』を選択。イギリスに艦隊派遣の用意があると伝えた。これに対し、イギリスのモズリー首相――チェンバレンでもチャーチルでもハリファクスでもなかった――は、その返答となるイベント『大日本帝国遣欧艦隊』で、史実とは異なる『派遣要請』を選択。これにより、戦艦四、空母二を中心とする帝国海軍の大艦隊がイギリスを目指して出港した。
 併せて、フィンランドでイベント『冬戦争の足音』が発生。ソ連のフィンランド侵攻計画を察知した帝国は、フィンランドに対して建築機材の提供を提案。フィンランド側はこれを受け入れた。これにより、フィンランドのヘルシンキを目指して帝国から更に輸送船と、軽空母を含むその護衛艦隊が出港した。
 続いて、イギリスとフランスの中の人はこの時点で事実上手を組み、二国揃ってポーランド、ユーゴスラビア、ブルガリア、ギリシャに独立保障をかけた。あるいはかけ直した。これで、ドイツがそれらの国家に攻め込むと、その時点で日英仏の三ヶ国が一気に敵に回り第二次世界大戦が始まるというわけだ。

『お前等早過ぎ』
『うるさい、死にたくないんじゃ』
『ナチズムはんたーい』
『やばい帝国と友好度下がった』
『そのまま死ね』

 上から、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、そして我がソ連である。
 やはり予想はしていた事だが、何とも動き辛い。ドイツはこれでほぼ完全に封じ込められた。加えて、モロトフ-リッベントロップ条約まで封じられた。仮に史実通りポーランドを攻めると、その時点で彼等連合軍はソ連とも交戦し始める気だ。
 遣欧艦隊だけを警戒すればいいドイツは特に何も思う事は無いだろうが、ソ連はそうはいかない。極東で、ソ連は帝国と国境を接しているのだ。一度戦端が開かれれば、あの鬼神帝国軍が、帝国本土防衛部隊が極東で暴れ回る。民兵レベルでたいして役に立たない雑兵揃いの極東軍だけでは、勝ち目なんてあるわけが無い。
 やはり、ロシア東半分は棄てるしかない。シベリア辺りまで後退して時間を稼ぎ、山岳兵達を利用してあの極寒で不毛で何も無い大地で帝国を消耗させるしかないだろう。流石にスヴェルドロフスク辺りにまで攻め込んで来る事は無いと信じたい。

『先に東欧を始末すべきだ』

 俺はドイツにそう意見を投げ掛けた。
 ポーランドなどドイツにとっては単なる雑魚だが、それでも東西二正面作戦はドイツでもキツい。バルカン半島を含めて東欧をさっさと捻り潰し、東部戦線の部隊も西に回さねば、日英仏の連合軍相手には分が悪かった。

『そっちの取り分は?』
『ポーランド』
『他には?』
『トルコ』
『トルコ?』
『そう』

 ドイツからの問い返しに、俺はそう答えた。
 モロトフ-リッベントロップ条約の通り、ポーランドの東部はやはり欲しい。加えて、ソ連としてはトルコも何とかしたかった。
 大人しくドイツ側陣営にでも付いていればよかったものを、トルコは中立を謳いながら親英、親日の立場を取っている。表向き中立して火の粉が降りかからないようにしながら、その実、様子を見て勝ち馬に乗る、または火事場泥棒でもやろうという魂胆なのだろうが、それが目障りで仕方が無い。
 日英仏米の四ヵ国が事実上組んでいる今、自分達独ソ同盟は苦戦するのが目に見えている。間違いなく守勢に回るだろう。目標は最早戦争の勝利ではなく、自分達の生存だ。その時、トルコが敵の快進撃に便乗して敵側に付き、その結果帝国軍を引き入れる様な真似をする事は、ソ連にとっては到底許容できる話ではない。敵の主力中の主力たる帝国陸軍山岳歩兵隊にバクーを直撃などされては堪らない。それ故、ドイツの味方でも、ソ連の味方でもないのであれば、後方の憂いを消すためにも是が非でもトルコには御退場願わねばならなかった。

548 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:31:50
367 の続きのようなもの 5

『敵を増やし過ぎる』
『トルコの事?』
『そう』
『バクーがやばい。ドイツに渡す石油が無くなる』
『よし潰そう』

 トルコはバクーに近い。故に、トルコが敵に回るとバクーがやばい。今まで気付いていなかったのか、この事を指摘するとドイツは即座に手の平を返した。この変わり身の早さに苦笑しつつも、この状況では仕方が無いかと思い直した。
 今回、全方位敵対外交を強いられているドイツは、ドイツの事だけで頭が一杯だ。そもそも、ソ連と組んで、しかしトルコが敵に回る展開など、大規模マルチプレイでもしない限り早々起こるものではない。こんな展開になった経験が無いのだろう。
 とはいえ、今やバクー油田はソ連のみならずドイツの生命線でもある。この油田を奪われたら、ドイツの支援は不可能なのだ。ルーマニアのプロイエシュチ油田だけでは、独ソ両国の将来の石油需要全てを満たすのは厳しい。そこは覚えておいて貰わねばならなかった。

『東欧を始末したら、次はトルコとフランス、どっちをやる?』
『フランス。トルコはしばらく様子見だろう。多分』
『じゃあ次、開戦時期は?』
『19390830』
『MR条約まで待つの?』
『確か独ソ同盟できるから』
『OK、それまでこちらも大人しくする』

 こうして、独ソの今後の国家戦略は決まった。独ソ両国は、中の人同士のまやかしの同盟ではなく、正式な軍事同盟の設立を内定。ポーランドで、フランスで、そしてトルコで、赤と黒の軍が肩を並べて戦う事が決まった。
 また、戦車と戦闘機の青写真を欲する独ソは、フィンランドで潰されるため、そしてその後に控える対フランス戦のため、陸空軍部隊の増強を開始。研究の進んでいるドイツが機甲部隊や航空機部隊を造り、そのための資源をソ連が手渡し、最後にソ連にプレゼントという方法で、冬戦争とそれに続く第二次世界大戦に備える事となる。

549 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:32:43  
捏造イベ
『戦闘機無用論』 大日本帝国 発動条件:無し
1936年、大日本帝国では高性能な九五式陸上攻撃機を過信した戦闘機無用論が叫ばれていた。これに海軍内での勢力争いが加わり、巨大な派閥争いとなっていたのである。
この事態に対し、後の海軍元帥嶋田繁太郎は大規模な演習で決着をつける事を提案。攻撃機側を全滅させる事で戦闘機無用論を論破した。
A『大規模演習』
 エネルギー-50 石油-50 希少資源-30 戦闘機と対空レーダーの研究にブースト
B『説得しよう』
 何も無い

『上海でテロ』 アメリカ合衆国 発動条件:大日本帝国と戦争していない、奉天軍閥と戦争していない
1936年、上海で大規模なテロが発生し、アメリカ人十二人が死傷した。アメリカ世論は激怒し、政府にその報復を求めた。
これをうけ、アメリカ政府は直ちに報復攻撃を決断。日英仏独からの制止を無視し、艦隊の派遣を決定した。
この際、アメリカは上海に急行するため、そして大日本帝国への挑発と威圧のため、艦隊の領海通過を要求した。
A『領海通過を要求』
 大日本帝国との友好度-45 イギリスとの友好度-5 フランスとの友好度-5 ドイツとの友好度-15 国民党との友好度-25 奉天軍閥との友好度+20 アメリカの好戦度+20 大日本帝国イベント『米艦隊が領海通過を要求』が発生 スライダーがタカ派、介入主義に1傾く
B『艦隊派遣は必要無い』
 国民不満度+10 奉天軍閥との友好度-10

『奉天軍閥の支援要請』 アメリカ合衆国 発動条件:『上海でテロ』が発生済み 奉天軍閥と戦争していない アメリカ艦隊が上海近海に居る
1936年、上海で起こったテロの報復に艦隊を派遣したアメリカに、奉天軍閥からの増援要請が舞い込んだ。
奉天軍閥と共に国民党を挟撃すれば、アメリカは中国での覇権に近付ける。
中国市場を狙うアメリカは、この要請を受諾。中国内戦に本格的に介入する事になる。
A『奉天軍閥を支援しよう』
 大日本帝国との友好度-15 イギリスとの友好度-15 フランスとの友好度-10 ドイツとの友好度-15 国民党との友好度-15 奉天軍閥との友好度+10 アメリカの好戦度+15 スライダーが介入主義に1傾く イギリスイベント『同盟か条約か』が発生
B『役目は果たした』
 奉天軍閥との友好度-10 スライダーがハト派に1傾く

『遣欧艦隊』 大日本帝国 発動条件:ドイツイベント『ミュンヘン協定』で『ズデーテンラントを要求する!』を選択 イギリスと戦争していない
1938年のミュンヘン会談により、チェコスロバキアはズデーテンラントをドイツに割譲。その代わりにドイツは領土的野心をこれで最後にすると約束し、一応は戦争が回避された。
しかし大日本帝国は、ナチスドイツがこれで止まるとは思えなかった。いずれ次なる欧州大戦が始まる事を見越した大日本帝国政府は、イギリスに対して艦隊を派遣し万一の時は共にドイツと戦う用意があると伝えた。
A『艦隊を派遣』
 イギリスとの友好度+10 アメリカとの友好度-15 ドイツとの友好度-30 大日本帝国の好戦度+15 スライダーが介入主義に1傾く イギリスイベント『大日本帝国遣欧艦隊』が発生
B『派遣は必要無い』
 何も無い

『大日本帝国遣欧艦隊』 イギリス 発動条件:大日本帝国のイベント『遣欧艦隊』で『艦隊を派遣』を選ぶ 大日本帝国と戦争していない
1938年のミュンヘン会談により、チェコスロバキアはズデーテンランドをドイツに割譲。その代わりにドイツは領土的野心をこれで最後にすると約束し、一応は戦争が回避された。
しかし大日本帝国は、ナチスドイツがこれで止まるとは思えなかった。大日本帝国政府は、次なる欧州大戦に備えてイギリスに艦隊派遣の用意があると伝えて来た。
A『派遣要請』
 大日本帝国との友好度+15 ドイツとの友好度-25 アメリカとの友好度-5 国民不満度+5 大日本帝国のイベント『遣欧艦隊を派遣』が発生 イギリスイベント『同盟か条約か』が発生 スライダーが介入主義に1傾く
B『必要無い』
 大日本帝国との友好度-10 アメリカとの友好度+15 スライダーがハト派に1傾く

550 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:33:14
『遣欧艦隊を派遣』 大日本帝国 発動条件:イギリスイベント『大日本帝国遣欧艦隊』でAを選択
イギリスは大日本帝国からの遣欧艦隊の派遣要請を受け入れた。
A『帝国軍の力を見せてやれ』
 高速戦艦二、戦間期型戦艦二、改良型空母二、改良型重巡二、改良型軽巡四、改良型駆逐六、計十八の艦隊(指揮官:古賀 峯一中将)がイギリスに向けて出港

『同盟か条約か』(1) イギリス 発動条件:大日本帝国と同盟していない アメリカイベント『奉天軍閥の支援要請』でAを選択 大日本帝国と戦争していない
1936年、アメリカの露骨な中国進出策は、イギリス政府に不信感を与えるのに十分だった。
イギリスは、1938年に切れる予定の日英同盟について、何らかの形で存続させるべきではないかと考えるようになった。
A『同盟』
 大日本帝国と同盟を締結し直す 大日本帝国との友好度+15 ドイツとの友好度-25 アメリカとの友好度-20 ソ連との友好度-25 大日本帝国イベント『第二次日英同盟締結』発生
B『条約』
 大日本帝国との友好度+10 ドイツとの友好度-10 アメリカとの友好度-5
C『断る』
 大日本帝国との友好度-5 アメリカとの友好度+5

『同盟か条約か』(2) 発動条件:大日本帝国と同盟していない イギリスイベント『大日本帝国遣欧艦隊』でAを選ぶ イギリスイベント『同盟か条約か』(1)でAを選んでいない 大日本帝国と戦争していない
1938年のミュンヘン会談の後、イギリスは大日本帝国からの忠告を聞き入れた。
ドイツの更なる拡張に備えて遣欧艦隊を受け入れると同時に、次なる欧州大戦に備えて大日本帝国と再び同盟を結ぶ事が議題に上がった。
A『同盟』
 大日本帝国と同盟を締結し直す 大日本帝国との友好度+25 ドイツとの友好度-40 アメリカとの友好度-30 ソ連との友好度-15 大日本帝国イベント『第二次日英同盟締結』発生
B『条約』
 大日本帝国との友好度+5 ドイツとの友好度-10 アメリカとの友好度-10
C『必要無い』
 大日本帝国との友好度-15

『同盟か条約か』(3) 発動条件:フィンランドイベント『日出る国よりサンタの国へのプレゼント』が発生 ソ連イベント『冬戦争ショック』が発生 大日本帝国と同盟していない イギリスイベント『同盟か条約か』(1)(2)でAを選んでいない 大日本帝国と戦争していない
1939年に発生した冬戦争で、フィンランドは大日本帝国の義勇軍と共にソ連軍を迎え撃った。
この時の圧倒的な戦果を目の当たりにし、イギリス政府内部では大日本帝国の再評価の動きが強まっていた。
大日本帝国を味方につけるため、再び同盟か条約を結ぶべきだという声が政府内であがるようになった。
A『同盟』
 大日本帝国と同盟を締結する 大日本帝国との友好度+15 ドイツとの友好度-40 アメリカとの友好度-30 ソ連との友好度-30 大日本帝国イベント『第二次日英同盟締結』発生
B『条約』
 大日本帝国との友好度+5 ドイツとの友好度-15 アメリカとの友好度-15 ソ連との友好度-15
C『必要無い』
 何も無い

551 :367(俄か煎餅):2016/05/06(金) 11:35:34
以上。
妄想するだけなら楽しいもんです。
問題はそれを文に起こすと色々整合性が取れなくなって調整に四苦八苦する事ですが。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年09月17日 14:50