963 :960:2015/04/19(日) 15:01:13
では、お言葉に甘えて。

OCU 日本、演習場上空
演習場上空を一機の輸送機が飛んでいる。
機体自体はOCU加盟国では広く使われている機体で、「一般的な」輸送機であった。
其の機体は一定の高度を保ちつつ…後部昇降扉を開放し、一機のWAPを-陸戦兵器を降ろすにはあり得ない高度で-投下した。
そのWAP-細身で、機動性重視と一目でわかるが、下半身はやや大型-は自由落下しつつ、一定高度で「翼を広げた」。
滑空翼を広げた機体は空中でも安定した姿勢を維持し、目標地点近くで「アフターバーナーに点火」、着陸の衝撃を和らげながら、即座に行軍を開始した。

OCU 日本、会議室
「…思った以上ではあるな」
件のWAPが着陸後、WAPや戦車では踏破不能な高低差を「跳ねて」、待ち構えていた部隊にトップアタックをかける映像を見つつ、OCU防衛軍の将校がつぶやいた。
「東南アジア方面ではジャングルや高低差の多い土地は多いからな…」
「しかし、防御力は低いです。兵士の生還率を考えますと」
「だが、行軍に時間をかけては重装甲機であっても待ち伏せにあって危険だろう。戦車が入れる地形ではないしな」
OCU防衛軍の将校が活発に意見を交わす中、日本軍の将校達-転生者-は小声で会話していた。
「倉崎がWAP作るというからどんなかと思えば」
「まあ、航空屋だからな…戦術機の名前を見たときは目を疑ったが」
「でもあれ…HIGH-MACSだよな?」
「ああ。いや確かに3次元機動可能で技術的にあまり無理ない陸戦兵器といえばあれなんだが…」

この演習、我らが倉崎が開発した新型WAPのお披露目であり、「3次元機動可能なWAP」という目を疑う機体のデモンストレーションでもあった。
とはいえ、実際にどれほど受け入れられるのか、それはこの場の誰も知らない…。


「撃震」
倉崎が初めて開発したWAPで、外見は『ガングリフォン』シリーズの「12式装甲歩行戦闘車」そのものである(当然、WAPの技術に合わせて変更はなされている)。
高機動型の機体だが、本体の性能は平凡で、特記すべきことはない。
最大の特徴は常用ジェットパックを発展させた高機動バックパック、通称「跳躍ユニット」を固定搭載し、限定的ながらも3次元的戦闘が行えることである。
このバックパックは倉崎航空部門で基礎研究されていた小型ジェットエンジン技術を流用し完成した小型高出力ガスタービンエンジンと滑空翼で構成されており、意外にも奇抜ではあるが堅実にまとめられている。
「撃震」はこのバックパックを胴体部に組み込んだ設計をしており、バックパックだけを他の機体に流用することは不可能である。
ただし、他の部分は共通規格とされ部品や武装の流用に問題はない。
その後の倉崎WAPの基礎になった機体でもあり、良くも悪くも倉崎を代表する機体。

余談だが、転生者からは名前と機体の不一致についてツッコまれることもしばしばあった。


駄文失礼しました。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年10月10日 21:32