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日米蜜月(ユーラシア共産化)ルート考察擬き

大戦に置ける主要会戦記録 『第二次世界大戦~開戦前夜~』

『ポーランド会戦』

ソ連の策謀によりヒトラーが死亡した後、コミンテルンの工作にて共産化したドイツ軍と、共産陣営の頭であるソ連軍が共同でポーランドを一か月半で制圧、併合した戦い。

第一次世界大戦中に発生したロシアの赤化により、ポーランドはロシアから独立したが、史実とは違い『ポーランド・ソヴィエト戦争』に置いては同盟関係に有ったウクライナ人勢力との取り決めを反故にはせず、最終的な結果こそ変わらなかったものの(ウクライナ人民共和国のソ連併合後に講和)最後まで戦闘を続けていた為にソ連からのポーランドへの悪感情は文字通りのストップ高状態になっていた(ポーランドには秘密裏に日本が物資援助を実施した為、戦闘が長期化した)。

欧州共産化後、世界革命を掲げるレフ・トロツキー(スターリンは権力抗争に敗れて家族全員と日本に亡命。現在特殊作戦群の厳重な護衛の元、客員顧問として活動中)の指導により、ポーランドに潜り込ませていた工作員の手によって、ポーランド軍が越境して独ソ軍に発砲したように偽装。
トロツキーが望む様に踊った独ソは『国家予算15年分の資金の即時賠償』『首都を含む全領土の半数を独ソへの割譲』『ポーランド軍に独ソからの監視委員を常駐させる』その他諸々と言う最後通牒を突き付け、ポーランドが拒否した直後に宣戦布告し、戦闘が開始した。

建国の経緯とポーランド孤児救出の一件から、欧州地域でも随一の親日国であり、又『中欧の宝玉』と謳われているほどに治安が良く、豊かな穀倉地帯を持つ事から日系資本の投資によって史実よりも良好な経済状況に有り、それに引っ張られて史実よりも良好な兵器、戦力配備状況ではあったが、ドイツからは『韋駄天 ハインツ』を筆頭とした世界トップクラスの名将たち、ソ連からは損害ガン無視の物量スチームローラー作戦の猛攻相手では、幾らなんでもポーランド軍では歯が立たなかった。

辛口採点でも『十二分に奮戦』と評価される激戦の末、ポーランド軍は壊滅。砲爆撃にて政府庁舎や国家遺産等の重要、貴重な建造物が崩壊しており、政府閣僚の大半が死亡する等の末、ポーランドは独ソによって分割併合され、一時歴史から姿を消す事となる。そしてその後、共産連合の支配下に置かれたポーランド人は、対共産連合との戦争を開始した日米からの救援を信じて激しいレジスタンス活動を続けるも、特にソ連軍からの徹底的な弾圧、虐殺、略奪を報復として長期間受け続け、人口グラフが悲劇的な数字と線を描き続ける時を過ごし続ける事となった。


『第一次満州防衛戦』

共産連合の強力なバックアップの元、国共合作にて中華勢力の大統合に成功した蒋介石。連合国から大量に流れ込んでくる各種兵器、資金によって形成された(賊上がりが主体だが)中華史上最大規模の大軍勢を組織する事に成功。その軍事力に自信を深めた為、共産連合と内々に支持を取り付けた上で、日米の投資と工作、教育によって第一次世界大戦後に中華地域から独立し、『第一次満州防衛戦』の頃には完全に『満州国人』としてのアイデンテティを確立しつつあった満州国に対して突如侵攻を開始し、日米満連合軍が総力を挙げて防衛戦に突入した戦い。尚この『満州防衛戦』と『第二次世界大戦』に置いて、満州国は完全に中華思想の呪いと楔を断ち切る事に成功した。


序盤は圧倒的大軍勢かつ奇襲的に侵攻した中華連合軍のペースにて進み、国境地帯に有った市街地や遼河油田が占領されるも、所詮は無教養かつ賊上がりの兵が大多数を占める中華軍。市街地に取り残された民間人や降伏、捕虜となった兵士に対する暴行や虐殺、拷問、又軍事施設のみならず純民間施設(病院、学校等)からの略奪に放火等の戦争犯罪に大半の部隊が夢中になり、日米満連合軍に対して反撃準備を整えさせる時間を与える愚を犯してしまう。(尚この頃に共産連合から『満州国の中華連合への併合』を条件とする停戦案が提出されるも、当然の如く日米のみならず満州からも即時一蹴された)

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ソ連からの軍事的プレッシャーに対して日米軍が主体で対応した為に、一部機甲戦力を除けば陸上戦力(特に歩兵戦力)は満州軍が主体となる反撃部隊の編制となったが、元々自らの庭であり、援軍として日米航空戦力が多数加勢しており、国民国家の軍としての意識が確立されている為に中華軍とは精神面からして根本的に段違いの抗戦意欲を持ち、止めに満州軍の総司令官は米軍と日本の夢幻会との交流によって『今孫子』と謳われる張学良満州軍大将(兼MMJ満州支部長)が指揮にあたっていた為に、中華軍は5対1と言う戦力差を持ちながら満州侵攻部隊を一方的に蹂躙され、最終的に部隊の8割強の戦力を喪失(戦死傷者以外にも脱走、MIA含む)して満州全土から一兵残らず叩き出される醜態を全世界に曝け出してしまった。


満州侵攻部隊が殲滅された後、蒋介石は大慌てで崩壊状態の中華軍の再建に奔走し、農民や流民等一般市民の強制徴兵によりある程度見た目の兵力を回復して中満国境地帯に再配備するも、今は無き先の満州侵攻部隊よりも質量共に悲惨の極みであり『拉致された一般人が見た事も使った事も無い旧式銃を持っているだけ』の部隊も普通に存在する時点で戦力価値は極めて低い状態だった為に、第二次世界大戦勃発後の満中国境地帯は(小競り合いこそ発生するも)他戦線と比べると『ファニーウォー』に近い物であった。

中華思想と満州民族の二度目の、そして第二次世界大戦最後の大規模決戦は、欧州戦線がほぼ終結し、戦争終了へのカウントダウンが始まりかけた矢先に発生する。


『第一次カリブ海海戦』


共産化欧州から多数脱出した民間船を保護しようとしたアメリカ海軍と、脱出した欧州籍民間船の帰還、若しくは拿捕、撃沈を目的とした欧州海軍が偶然かち合い、相互不信からの押し問答の末、欧州側から放たれた一弾によって『第二次世界大戦』の開幕が確定した海戦。


満州国では、アメリカ陸空軍が頼れる友軍である日本陸海軍航空部隊と満州軍とで轡を並べて中華軍が放つ人海戦術に総力を挙げて反撃を開始し始めていた丁度その頃。共産化した欧州から、共産主義を恐れて多数逃れて来る民間船の保護をホワイトハウス直々に(欧州赤化後、民間船が脱出を始めだした辺りで)命令されていたアメリカ海軍。

速力こそ不満だが砲撃力、防御力、航続力に関しては世界の『ビッグセブン』内でも優秀な部類に入る『アメリカのつよいせんかん』として世界の子供達にもかなりの知名度を誇る『コロラド級戦艦』三隻。 軍縮条約内での建造ではあるも完成度は高く、汎用性に優れた『最初軽巡、今重巡』の米海軍重量級ワークホースの『ニューオリンズ級重巡洋艦』二隻。 日本海軍の『赤城』『加賀』と同様の経緯で航空母艦に改装され、太平洋での日本海軍との演習では一航戦相手に過去二回勝利の美酒を挙げた事でも知られる『レキシントン級航空母艦』二隻。 全世界の軽巡洋艦の中でも驚異的弾薬投射量を誇る『ブルックリン級軽巡洋艦』四隻。 そして『リヴァモア級駆逐艦』が多数。

この大艦隊がカリブ海海域で訓練哨戒を行っていた際にSOS信号を受信し、現場に向かうと共産イギリス海軍所属のフッド級戦艦二隻、イラストリアス級航空母艦四隻、共産ドイツ海軍所属のアドミラル・ヒッパー級重巡洋艦四隻を主体とする艦隊が民間船に対し砲口を向けている姿を発見。強引に民間船と共産欧州海軍との間に割って入り、民間船はアメリカが難民として引き受けると共産海軍に通信にて通達。共産欧州海軍、突然の乱入者からの有無を言わせぬ宣告に当然ながら(政治士官が)大激怒。

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その後は『民間船を直ちに引き渡せ』『いや渡す訳にはいかない』『その船舶には我が国の人民が多数搭乗している』『彼らはステイツに亡命したいと懇願している』『アメリカは我が国の人民を拉致する心算か』『我々は彼女たちの望みを叶えるだけだ』…等と言う数十分に渡る押し問答の末、痺れを切らした共産海軍が無警告で民間船に向けて発砲。奇跡的に民間船には被弾しなかった物の、その流れ弾が偶然にも民間船の直衛に就いていたニューオリンズ級重巡洋艦『アストリア』に対して、イギリス海軍のフッド級戦艦『アンソン』の38,1㎝砲弾が二発直撃し、一瞬で轟沈。『アストリアス』の周辺海域に響き渡った爆音の断末魔をゴングとして、政治士官からの指示に従うしか無く、負けたらあらゆる意味で後が無い共産連合海軍と、機動力がまちまちな多数の民間船と言う護衛対象を抱え、戦艦戦力の機動力は共産欧州艦隊に対して劣勢なアメリカ海軍との突発的海戦が発生した。

海戦は終始(結果的に奇襲攻撃を成功させた)欧州側に主導権を握られ続け、民間船もアメリカ艦艇も攻撃目標になっていた為に手当たり次第に砲雷撃戦を開始、続行出来た欧州海軍に対して、心構えも無しに宣戦布告も何も無い中での唐突な戦闘開始に加えて、長年苦楽を共にして来た重巡『アストリアス』の一瞬の轟沈が放った衝撃による動揺がアメリカ艦隊全体を覆い、又護衛対象である多数の民間船の存在による艦艇移動ルートの制限が、優位な戦力を持つ筈のアメリカ海軍に対して強烈な足枷となり、逆に少数かつ護衛対象も存在しない為に縦横無尽に襲撃を掛ける欧州海軍側の勢いは全く止まる気配が無かった。

レキシントン級航空母艦『レキシントン』『サラトガ』は、空母隻数にして二対四では有るも、艦載機の数では大よそ対等、質では自軍優位で有った為に五月雨式にアメリカ艦隊に攻撃を仕掛けるイラストリアス級航空母艦四隻の艦載機を手当たり次第に撃退し続け、隙を見て艦爆隊を出撃させて敵艦隊を爆撃する等の勇戦力闘を見せつけるも、防空網の一瞬の隙を突かれて爆装した少数の『フェアリー ソードフィッシュ』が『レキシントン』『サラトガ』に突入、爆撃に成功して飛行甲板が破壊。航行には全く問題は無いも即時戦線復帰は不可能の損傷を受け、撤退せざる負えなくなる。

重巡洋艦『ニュー・オリンズ』軽巡洋艦『ブルックリン』『フィラデルフィア』『サバンナ』『ナッシュビル』の米巡洋艦部隊は、独共海軍重巡洋艦『アドミラル・ヒッパー』『プリンツ・オイゲン』『ザイドリッツ』『リュッツオウ』と交戦するも、アメリカ側は相変わらず牛歩の勢いで戦線区域から離脱を図る多数の民間船を気にしつつの戦闘な上、重巡洋艦の中では比較的薄い装甲の『アドミラル・ヒッパー』級と言えども、流石に『ブルックリン』級軽巡洋艦の15,2cm砲では短時間で『アドミラル・ヒッパー』級重巡洋艦を撃破するのは厳しすぎた。また、アメリカにとっては不幸、共産陣営からすれば幸運な事に『不運な一弾』『奇跡の一発』と言った物が一切発生しなかった事も大きかった。 最終的に『アドミラル・ヒッパー』には『ニュー・オリンズ』からの8インチ砲弾による砲撃により、前部二砲塔が崩壊し大破判定、『ザイドリッツ』に対して『ブルックリン』級四隻が袋叩きにして撃破に成功した代償に『ニュー・オリンズ』は第一砲塔が被弾の衝撃で使用不能、又機関部に砲撃戦での被弾衝撃ダメージが響き、最大速力が23ノットまでに低下。『ブルックリン級』に至っては『サバンナ』が撃沈、『フィラデルフィア』は大破後一時漂流(後機関部が復活し、独航にて奇跡的に帰還に成功)、『ナッシュビル』が機関部損傷、燃料が多量流出し、『ブルックリン』のみが被弾しつつも何とか戦闘続行が可能と言う惨状だった。その後、自己犠牲精神を発揮した戦艦『コロラド』の命令により、命令無視して『コロラド』に付き添った『ナッシュビル』、そして戦没艦を除いた全艦艇は帰還する事に成功する。(尚余談だが、生還した巡洋艦部隊の乗員が帰港して暫くの間は、軍港周囲に有る教会が連日満員御礼状態だったらしい)

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アメリカ海軍所属『コロラド』級戦艦三隻と、イギリス海軍所属『フッド』級戦艦二隻との艦隊決戦は、速力差で8,5ノット優位に立つイギリス海軍が主導権を握った砲撃戦を展開するも、大改装が施されたとはいえ元々巡洋戦艦であった『フッド』級では、『コロラド』級が放つ40,6㎝砲弾を防げるのかは確信が持てなかった為に、元々の戦略目標であった『欧州から脱出した民間船』の確保を優先する事に、イギリス海軍の『フッド』『アンソン』は決定した。一方の
『コロラド』級戦艦では、相手の『フッド』級戦艦がこちらと砲撃戦を組み合おうとする気が見られない事や、味方巡洋艦部隊から飛び込む割に合わない戦果、損害報告と『レキシントン』級航空母艦の二空母ともが甲板を破壊されて戦線離脱する等次々飛び込む凶報に、『今現在機関部が破裂する覚悟でステイツに向けて走り続けている多数の民間船』を必ず守る為に『栄光のビッグセブンの一角』である『コロラド』を人身御供として捧げる事を決意。機関部損傷と燃料流出の為に逃げ出せるだけの足が無くなった『ナッシュビル』が、唯一撤退命令を拒否し、『コロラド』と共に欧州艦隊に向けて突貫。両艦とも、砲塔が完全に沈み切るその瞬間まで砲撃を繰り返し続けた史実神通張りの激闘の末、『ナッシュビル』は艦体全てを『アドミラル・ヒッパー』級重巡洋艦に穴だらけにされるも、総員退艦令発動後、乗員全てが脱出するまでは浮かび続け、全員が脱出直後に力尽きたかのように静かに沈没していった。一方の『コロラド』は、アメリカ
海軍の誇るダメージコントロールでカタログスペックを遥かに上回る奮戦を続けた事が皮肉にも仇となり、『フッド』の放った一弾が、度重なる被弾で限界に来ていたバイタルバートを貫通し、弾薬庫に命中し誘爆、撃沈。欧州海軍の救助活動でも総数12名しかコロラド乗員は発見出来なかった、壮絶な最期を遂げた。
そして、彼らが守り抜こうとした民間船は、無事アメリカに、一隻もかける事無く到着していた。


この『第一次カリブ海海戦』と、後述する『黄海海戦』『オランダ会戦』により、『ポーランド会戦』『満州防衛戦』ですでに激高する寸前までヒートアップしていたアメリカ世論が完全に『爆発』。アメリカ全土が共産連合軍との戦争に『是』の意思を示し、議会、ホワイトハウスに対して対共産陣営への宣戦布告をアメリカ国民全てが
要求し、政府も当然これに応え『ステイツ史上最高の戦友』たる日本帝国と共にソ連や中華軍、共産化欧州への宣戦布告を実施した。(尚オチとして、徴兵事務所に無数の若者が殺到した為に一時交通網や工業製品、農業生産その他諸々に多大な混乱が生じた)


『黄海海戦』


大陸日本本土から満州に向けて進発した多量の軍事物資、増援を搭載した輸送船団に対してソ連、ドイツ、イギリスを主体とする潜水艦が秘密裏に襲撃を実行し、護衛任務に就いていた連合艦隊が損害を受けつつも反撃、後に損傷したソ連潜水艦を拿捕し、日米が共産連合軍相手に戦争を開始する決断をする事になる原因の一つを生んだ海戦。

時間軸としては『満州防衛戦』において、日本とアメリカ両軍を教師として学び、結果として日米双方の習慣や性癖を満州風にアレンジされつつも受け継いでいた満州軍の奮戦により、満州領内に侵攻した中華連合軍が蹂躙され始めていた頃。敵軍の圧倒的な数の前に、以前から備蓄していた軍事物資だけでは少々心もとなく感じ始めた満州駐留軍の要請により、日本本土から一部戦時徴用した船舶も動員しての大量の武器弾薬、高純度燃料(主に航空機用)等を、先の大戦以来久方ぶりに編成された連合艦隊の護衛の元で、満州の旅順港に向かっていた。黄海海戦が発生したのは、後暫くすれば旅順港が双眼鏡で薄ら確認できるか否かと言う距離(史実日本海軍超熟練見張り員基準)の場所であった。

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始めに雷撃を確認したのは、艦隊の外円部にて航行していた綾波型駆逐艦『潮』と『漣』であり、最初に損害を受けたのもこの両艦であった。時間的には丁度日没間近であり、夕日の照り付けで雷跡を確認しにくい時間帯に雷撃を受けてしまったのなら、(史実よりは劣るが)高連度に定評のある日本見張り員でも雷跡を早期発見するのは厳しかった。雷撃された『潮』は命中部分の艦首部分が丸ごと消し飛びはしたものの、同じく雷撃を受けた『漣』は魚雷が船底を通過(後信管の誤作動か自爆)して無傷だった為、『潮』は『漣』にすぐさま曳航されつつ近くの大連港に放り込まれる事となった。

『潮』『漣』からの潜水艦からの雷撃報告に、輸送船団の護衛艦隊は対潜戦闘に移る様命令を出したが、対潜戦闘での大きな切り札たる航空機は時間的に既に収容されており、夜間飛行しながらの対潜戦闘が可能な艦載機などは(時代的に)配備されている筈も無く、夕刻から夜間にかけて群狼戦術で襲い掛かる正体不明、隻数も不明の潜水艦隊に大苦戦を強いられる。

旅順港に輸送船団が入港する事に成功し、護衛艦隊が付近海域の制圧に成功。敵潜水艦隊を撃退したと護衛艦隊司令部が判断し、改めて被害状況を精査すると、沈没艦が吹雪型駆逐艦『白雪』『白雲』球磨型軽巡『多摩』、大破艦が前述の綾波型駆逐艦『潮』に加え、位置関係から偶然輸送船を庇う形となった長良型軽巡『名取』、吹雪型駆逐艦『深雪』の二隻も敵潜からの雷撃を受け、旅順のドックに入渠する散々たる結果になった。物資満載の輸送船の沈没被害が二隻に抑えられたのがせめてもの救いだろうか。色々な面で焼石に水ではあるが。

その後日本海や黄海で跳梁跋扈する不明潜水艦の対応に連合艦隊は奔走する事になる。状況や戦力的に共産連合軍の潜水艦であると推測されはしたが、確たる証拠も無く共産側も完全否定している為に日本側はイラつきつつも対潜掃討を続けていたが、『黄海海戦』から大して時を待たずに『確たる証拠』の確保に成功した。

旅順港なら兎も角としても、他国かつ商港である大連港では完全に修復するのは無理であった為に、応急修理として取り敢えず仮艦首を突貫設置後に、僚艦である『漣』『朧』『曙』の護衛の元、一路舞鶴鎮守府に向けて出港した『潮』。その途上、『曙』のソナーが敵潜水艦の反応を探知。『朧』を『潮』の護衛に回した上で『漣』と共に対潜掃討を開始し、敵艦から放たれた稚拙な雷撃を簡単に回避後に爆雷攻撃を開始し、敵潜水艦を浮上降伏させる事に成功。そして偶然にも、この降伏させた潜水艦がソ連海軍の艦であり、日本の船舶を襲撃する様に指示した命令書すらも処分される前に確保に成功すると言う大金星を『曙』は挙げる。

…ただ、『とんでもない事になった』と頭を抱える幹部連中を尻目に、詳しい諸事情を知らない『曙』と『漣』の乗員は『潮』の仇を取れたとその場で呑気に万歳三唱していたが。(尚『潮』はキッチリ本土に帰還し、修復後艦隊に復帰しました)

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棚から牡丹餅とも言える思わぬ形での共産陣営の国際法無視の介入の明確な証拠を確保した日本帝国は、直ちにソ連に対して猛抗議を行うも、ソ連側はのらりくらりと言を左右にし、最終的には『日本の捏造』を言い立てるばかりか、事実上欧州本国領土の全方位が敵地になっても、ずっと日米両国と親密な関係を維持し続けているオランダ王国に対して『フランス人民共和国に対してオランダ王国軍が攻撃を仕掛けた』として、内容的に突っ込み処しか無い、回答期限がたった一週間の最後通牒をユーラシア共産連合軍がオランダ王国に突き付け、既に国境地帯に展開していた共産連合軍で侵攻を開始するにあたって、既に限界まで怒りで静かに燃え盛っていた日本帝国人もアメリカ人と同じく『爆発』。ユーラシア共産連合軍に対する宣戦布告案が即座に両議会を満場一致で通過後、アメリカ合衆国と共に宣戦布告を実施した。

後世のとある歴史家曰く…『共産主義者は完全に思い違いをしていた。彼らは戦車に乗ってライオンと狼に喧嘩を売った心算だったが、実際に彼らが喧嘩を売ったのは、礼儀も誇りも無い無法者に自分達の友人を殺され、傷付けられ、自分達にも攻撃されて本気で激怒したオーディンとヴァルキュリアだったのだ』


『オランダ防衛戦』


ユーラシア共産連合軍からの言い掛かりと属国化要求の最後通牒、そして国境地帯に展開する多数の共産連合軍と言う国難の極みの中、『オランダ』が『オランダ』で有り続ける為に、本土の一時陥落に耐えてインドネシアと日本、アメリカからの援軍を待つ事を決め、そして日米と亡命蘭軍が将来少しでも余裕を持てる様に、共産連合軍の戦力を少しでも削る為に絶望的な徹底抗戦を繰り広げた戦い。

日米からの投資とインドネシアでの開発、また長年の融和政策によって史実よりも遥かに良好な経済状況に有る為、オランダ軍の戦力はかなり強力な編成であった。陸軍では、国土の各所を堅固で防空も考慮された最新式の要塞防衛網と、共産軍の新型戦車(T-34やKV―1)を潰せる機甲戦力や砲戦力。
空軍は空冷式ながらも1500近い馬力を発揮可能なエンジンを搭載した『コールホーフェンFK60』。海軍はアメリカに発注した念願の近代戦艦である『ロッテルダム』『ジャワ』…『史実』と比べて遥かに強大な戦力を持っていたが、悲しいかな、今回の相手は共産化したユーラシア連合軍と言う途方も無い強大すぎる相手であった。

空はBf109とI-16、ハリケーンにドボワチーヌD520と言う当時のユーラシア共産軍の主力戦闘機の群れに覆い尽くされ、オランダ空軍が誇る『コールホーフェンFK60』は文字通り押し潰されて制空権を喪失。要塞に籠る陸軍は全力で抗戦するも、共産空軍の爆撃でじわじわと抵抗力が低下して行き、昼夜を問わないソ連軍を筆頭とする共産軍からの砲撃と装甲部隊の突撃により各地の要塞は続々と陥落。無論相応の損害は与えられてはいたが、戦力差、補充能力差が圧倒的
過ぎる為に焼石に水でしかなかった。海では海でイギリス海軍の新型戦艦『キング・ジョージ・5世』級とドイツ海軍のビスマルク級、フランス海軍の『リシュリュー』級の手によって、オランダ本国艦隊は文字通り『消滅』した。一応袋叩きの中『ロッテルダム』級戦艦はイギリス海軍所属の『キング・ジョージ・5世』級戦艦の『プリンス・オブ・ウェールズ』『アンソン』を撃沈、大破に追い込んだのが唯一の大きな戦果になるか。


戦闘はオランダ王国の首都、アムステルダムが陥落した事で終息するが、オランダには国力の増大と貿易の増大によって欧州でも有数の大規模な港湾施設が存在した為に、ユーラシア連合軍の盟主であるソ連軍が直々に駐留。艦船技術の収奪に加えて、中華兵よるも大分マシ程度の連度と教養しか無いソ連兵が引き起こす様々な事件が多発するも、現地ソ連軍は(粛清を恐れて)これを隠蔽し、力で抑え付ける事を選択。最終的に見た目は平穏に見えはするも、以前の活気は掻き消え、通りからは人が消え、時折銃声が聞こえると言う『日常』へと変貌する事を余儀なくされた。

オランダに平和と活気が戻るのは、未だ数年の時と多数の様々な人種、国籍の人間の生血が消費されてからの事である。

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以上になります。相変わらずの長文で申し訳ありません…。

マズイ、明日仕事だ(いやもう今日か)
なのでスミマセヌが寝ます。返信などはまた何時か…

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最終更新:2016年10月11日 00:01