471 :641,642:2015/09/28(月) 19:13:59
日米蜜月(ユーラシア共産化)ルート考察擬き

大戦に置ける主要会戦記録 『第二次世界大戦~枢軸軍の初期作戦行動と連合軍の対応~』


『インドシナ進駐』


第二次世界大戦開幕後、日本軍が(増援としてインドシナに来ていた)共産化したフランス本国軍と、本国軍の行動に反発する現地インドシナ軍との間で対立が発生し、その後内乱からの『インドシナ国』独立を好機として、現地勢力と交渉しインドシナに進駐した戦い。
直接的戦闘自体は、一部ゲリラ兵化した本国フランス兵を狩り出した程度だが、本国軍が大量にばら撒いた地雷の処理やインフラ整備、独立直後の『インドシナ国』への対応や支援問題等で『政治的な戦争』とも言える事例が多発した為、ここに経緯等を記す。

ユーラシア共産連合軍と枢軸軍との全面戦争が開幕する事が確定的になると、世界各国、各地域ではそれ相応の対応準備速度を加速させるか、準備完了させていたりしていたが、フランスの植民地領であったインドシナ政府では、『対枢軸軍との戦争開始が確定』の情報に完全に狼狽し、マトモに対応策が浮かばないインドシナ在中の現地官民軍が揃って泡を吹いていた。元々インドシナにはフランスの植民地支配に抵抗する現地民武装組織が未だに勢力を保っており、長年の巧みな統治で白人に対する絶対的な畏怖を受け付ける事に成功し、統治されているイギリス領のマレー半島やインド、ビルマ等と比べると、かなり治安が悪かった。まあインドシナでは、イギリス領程には徹底した愚民化政策や情報封鎖が行われていなかった為に、『オランダ王国に属するインドネシア人』と言う何だか凄いアイデンテティが確立されているインドネシア地方、アメリカ合衆国から(極めて長いとは言え紐付きだが)独立して、暗中模索状態だが建国直後の国家特有の強烈な熱意と熱気、そして一体感で包まれているフィリピン共和国、そして有色人種唯一の列強国である日本帝国。これらの国家の情報が流れ込んできている以上、独立運動が激しくなるのは当たり前ではあったが。

そして激しくなる独立運動でとうとう根を挙げたインドシナ政府は、現地武装組織との取引を行い、自らの政府組織に多数の現地インドネシア人を採用し、将来的かつ段階的に自治の権限を委譲して行く事を条件に武装勢力と停戦する。実質的な降伏宣言とも取れる停戦条件に、白人の面子云々の話は当然ながらあったが、本国が共産化して日米との関係が急速に悪化し、近頃で立て続けに発生した戦闘で共産連合と日米の対立が決定的になった以上、後方の安全は出来る限り確保したかった為である。残念ながら、そのプライドを投げ捨てた必死の努力はあっさりと無に帰すのだったが。

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開戦間近となり、自国、同盟国の植民地で、枢軸国の二台強国の一角である日本帝国の本土と比較的近いがそこそこ離れてもいるインドシナには、防衛の為に共産フランス本国軍が増援として来着し、現地インドネシア軍は最初はそれを歓迎したのだが…現地軍は、数週間と経たずにこの増援がただの『疫病神』で有る事を思い知らされた。現地インドシナ政府が血反吐を吐きつつ成立させた停戦を契機として、現地住民との関係改善を少しずつ進めているその脇で、本国軍は『共産主義の思想に反する物』の破壊や『反逆者』の摘発、『共産思想の強制的植えつけ作業』等をインドシナに到着した直後から大々的に行いだし、本国軍の行動に仰天した現地軍が真意を糺したり猛抗議するも、本国軍と本国から来た政治士官からは『無知な原住民への教育』『共産主義の素晴らしさを広める為の神聖な行い』等々…インドシナ武装独立運動組織との銃と口、そしてペンでの激しい殴り合いの末、『白人主義』の様な幻想が薄れた相当な現実主義に何時の間にか変わっていたインドシナ在中のフランス人にとって、共産本国人のインドシナ人に対する差別的な言動は、何もかもが香ばしすぎて頭が痛くなる代物だった。

その後の共産本国軍と現地インドシナ軍との溝は深まり続け、最終的に本国軍が子煩い現地軍の目を欺いて、日本軍の上陸地点と推測された地点全てに、強制的に徴兵した現地住民を民兵として自らの弾除け扱いにして配備し出し、抵抗した住民を多数『反逆者』として殺害する惨劇が発生するに及び、インドシナ独立運動組織とインドシナ在中フランス軍はとうとう激発。『インドシナ国』の独立宣言を発表した上で、呉越同舟、俄作りの共同軍を即席編成して本国政府に反旗を翻した。本国軍は俄作りのクセしてやけに連携が取れている『インドシナ軍』の奇襲攻撃の前に、全方位が敵になっていた事も有り一支えすら出来ずに敗北。そのまま『インドシナ軍』は元仏印領全域を確保する事に成功するも、独力での『自国』防衛には、特に海上戦力が皆無な事も有って先ず『不可能』と誰もが考えていた。その為、日米からの『枢軸国加盟』と『日米軍のインドシナ進駐』の申し入れは渡りに船だった。


その後の『インドシナ国』は、元フランス系勢力と現地インドシナ人系勢力が喧々諤々の論争を行いながら、共産本国軍がばら撒いた地雷や騒乱の種を削除しつつ、『国家建設』と『対連合軍戦争』を同時並行で実行すると言う、控えめに言っても無茶な所業を行いつつも、一応国家組織は脆弱ながらも存在しており、また日米から色々と支援、援助が来た為に意外と『枢軸国』に参戦後の『インドシナ国』は、戦後に連合国から独立した諸外国よりも遥かに安定し、ゆるゆるとながらも発展し始めた国家となっていた。日米から見たら、正しく瓢箪から駒の様な国家である。

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『マレー半島電撃戦』


インドシナ進駐にて安定した根拠地を獲得した日本軍を主体とした枢軸軍が、連合国の東アジア戦略に置いて最重要拠点と言える、既に要塞化されたシンガポール港を、海上からの濃密な支援を受けながら、要塞陣地が多数存在するマレー半島を短期間で走り抜け、陸路でシンガポール港を陥落させた戦い。
この戦いで、連合国側の植民地に『白人主義』がただの幻想で有る事実を叩き付けて、宗主国に対する抵抗運動の激化を枢軸国側は殆ど意図せずに誘発させ、また日米軍共同での作戦が、満州だけでなく東南アジアから他方面、世界規模に拡大する手始めとなった会戦でもある。

インドシナに配備された共産仏軍が、よりにもよって離反した現地軍によって叩き出され、連合軍が再介入する間もなくインドシナに日米軍が進駐した事に、マレー半島に配備された共産英軍を主体とする連合軍は戦略環境の変化に地団駄を踏むも、マレー半島には『ジットラ・ウォール』と呼ばれる、史実よりも強化された防衛陣地群と各種戦力が多数存在していた為、現地連合軍は『最低でも二年は防衛できる』と士気高く、鼻息荒く侵攻してくる枢軸軍を待ち構えていたのだが、それに対する枢軸軍は、日本からは近衛戦車師団を含む精鋭機甲部隊、アメリカからは後に心労で性格がすっかり丸くなる『ジェネラル・マック』ことマッカーサー率いるフィリピン、アメリカ連合機械化、自動車化歩兵部隊、そして海上では史上初となる日米合同艦隊による対地支援攻撃が行われると言う、戦前の連合軍想定を遥かに圧倒する大戦力が、マレー半島に襲い掛かってきたのであった。

戦闘開始直後こそ、『守りが優位』と言う戦場の原則の通りに連合軍優位に始まったが、装備更新が終わったばかりの新鋭戦車『九七式中戦車』の戦闘力の前に、配備されていた英陸軍装備の『バレンタイン戦車』は一方的に撃滅され、数的主力の『ハリケーン』と切り札に『スピットファイヤ』と言う編成の英国空軍も、海上から『赤城』『加賀』『飛龍』『蒼龍』『ワスプ』を根城にする空母艦載機部隊の、陸上基地同士の航空戦とはまた違ったルールによる攻撃に翻弄されて制空権を早期に喪失。その後は『九七式戦闘機』すらも対地攻撃に参戦する空からの猛攻も加わり、連合軍が誇る『ジットラ・ウォール』は一月未満で突破された。


その後の枢軸軍はシンガポール港を陸上から包囲し、水源を遮断した上で降伏を勧告。政治士官はシンガポール全土を血に染めてでも枢軸軍と抗戦するように主張するも、現地司令官は降伏を選択。シンガポール港の陥落は、連合軍に対する始めての反攻となり、枢軸国側の士気を大いに高めるばかりでなく、港湾施設も殆ど無傷に近い状態で確保出来た事から、その後の枢軸軍側の戦略を大いに手助けする結果ともなった。  



尚決戦を主張した政治士官は、本国に対して『敗北した事に面目が立たない』との事にて『両手を後ろ手に縛り、後頭部から拳銃で脳天を撃ち抜いて』自殺した。

474 :641,642:2015/09/28(月) 19:22:37
『第二次カリブ海海戦』


『第一次カリブ海海戦』に置いて大打撃を受けたアメリカ海軍の隙を突こうとした連合国が、長距離爆撃機による米本土爆撃で米海軍を引きずり出し、更なる打撃を与えようとしたところ、逆にアメリカからの猛反撃により連合軍側の方が手痛い一撃を受けた戦い。アメリカの艦艇建造修理技術、技能を甘く見過ぎた連合軍の油断による必然的敗北であったと様々な戦史家より言われている。

『第一次カリブ海海戦』に置いて、戦艦『コロラド』を筆頭として戦艦一、重巡洋艦一、軽巡洋艦二、駆逐艦八撃沈。撤退に成功した艦艇もそのほとんどが損傷しており、中には『ブルックリン級軽巡洋艦 フィラデルフィア』の様に、何時沈んでも可笑しくないような状況で帰港に成功したような艦艇も少数ながら存在し、東海岸各所の港湾施設は突然の戦争開始と多数の損傷艦で一時混乱する事を余儀なくされ、後に有名なCIAへと発展、進化を遂げるOffice of Strategic Services(OSS)が未だに刈り取れ切れて居なかった連合国側の諜報員からこの状況が連合国軍に伝わり、これを『大打撃を与えてアメリカを戦争から早期離脱させて革命を推し進める好機』と考えたソヴィエト連邦のトロツキーの活動により、欧州海軍と長距離爆撃機部隊を動かしてアメリカ海軍の撃滅と米国本土への襲撃を実行させた。…が、初手の長距離爆撃機部隊から行き成り蹴躓く事になった。

カリブ海に存在した連合軍側の植民地から出撃した当時連合軍側最大の戦略爆撃機『アブロ ランカスター』は、完全に隠密に出撃し、事前情報に記されていたアメリカ軍の哨戒ルートを避けたハズが、気づいた時には海上艦隊、陸上の対空砲部隊、そして事前情報には欠片も記されていなかった『未確認双発夜間戦闘機』によって形成されたキルゾーンに誘い込まれており、『アブロ ランカスター』部隊は任務遂行に失敗するばかりか、損傷や機位を見失うなどで出撃基地に帰還できた爆撃機は全体の四割未満と言う、戦果に対して割に合わなさすぎる結果に終わった。因みにこの『未確認双発夜間戦闘機』だが、戦略爆撃を異様に恐れる日本軍との交流で、基本的に単座戦闘機ばかりで夜間戦闘に耐えうる戦闘機がステイツに無い事に気付いた一部米軍将官が本国に報告し、自国企業が
夜間戦闘機を開発、実戦配備に移れるまでの代用として、日本陸軍航空隊が運用していた『双発複座戦闘機 屠龍』を『P-1 ドラゴンスレイヤー』としてステイツ流に改良、改変しつつ採用していた物である。『有色人種国家の企業が作った戦闘機をステイツで採用するとは何事だ?!』と叫ぶ白人主義者の猛抗議も発生する一幕も有ったが、今回の本土防空戦での活躍でそういった声はほぼ水面下に封殺されている。また余談になるが、戦後のアメリカ人に対する調査で、この『P-1 ドラゴンスレイヤー』が全戦闘機中第三位の人気を獲得したりもしている。活躍ぶりもさる事ながら『名前がカッコいい』と言うのが人気な理由の多くを占めたりしてもいたが。

475 :641,642:2015/09/28(月) 19:25:40
米国本土への戦略爆撃が大失敗した連合軍だが、本命である水上艦隊に対してもアメリカ海軍からの刺客による損害で撤退を余儀なくされていた。連合軍はイギリス海軍から、フッド級戦艦の『フッド』『アンソン』航空母艦『フォーミダブル』『インドミダブル』『ハーミーズ』、フランス海軍からダンケルク級戦艦の『ダンケルク』『ストラスブース』ジョッフル級航空母艦の『ジョッフル』を中核とした大艦隊がカリブ海に大挙襲来。先の海戦で戦艦『コロラド』を含む多数の艦艇を撃沈しており、また『レキシントン級航空母艦』も二隻とも戦線離脱させていたと連合軍側は認識していた為、比較的容易にアメリカの通商破壊を実行出来ると当時の上層部は認識していた。

対するアメリカ海軍では、『第一次カリブ海海戦』で飛行甲板が破壊された『レキシントン級航空母艦』を文字通りの突貫修理を敢行し、一部修理未了の部分を残すも艦載機運用には如何にか問題無い程度に修繕する事に成功し、また『ヨークタウン級航空母艦』の『ヨークタウン』も突貫建造で就役後に猛訓練を行っており、
一定の練度を持っていた為、彼女も今海戦に投入された。戦艦では『ノースカロライナ級戦艦』の『ノースカロライナ』『ワシントン』が空母部隊…特に『ヨークタウン』に対して重点的に護衛に就き、『サウスダコタ級戦艦』の四隻が航空母艦『レンジャー』と共に遊撃として機動部隊の支援に当る等、『第一次カリブ海海戦』で受けた屈辱を数倍にして返すべく、有力な戦力を多数動員し、連合軍の襲来を満を持して待ち構えていた。

海戦初期の索敵合戦では、連合軍艦載機よりも優秀かつ長い航続距離を持つ枢軸軍側が圧倒的優位であり、機体性能差そのままにアメリカ海軍の航空母艦『ヨークタウン』が初陣であるにも拘らず連合軍の機動艦隊を発見。発見された連合軍艦隊は、元々調子に乗ってアメリカの懐に潜りこむ事に余り賛同して居なかった事も有り、戦果よりも『艦艇保全』が上位命令となっていた事を良い事にあっさり反転し、撤退を開始し始めていた。そして撤退途上の彼らのレーダーには、多数の機影の反応が映りだした。論ずるまでも無い、アメリカ海軍の攻撃で有る事は明白だった。


最終的に、日本海軍の『九七式艦上戦闘機』と総合能力的には互角である『F4F ワイルドキャット』の前に、連合国艦上戦闘機である『シーハリケーン』『フルマー』『艦載機型Bf109(ジョッフル艦載機)』は奮闘するも攻撃隊の阻止に失敗するばかりか、一部のベテランやこの空戦で才能が覚醒したパイロットを除き、自分達の生存を優先しなければならない位に劣勢に追い込まれた。そして攻撃機隊も、日本軍パイロットから『ドン亀』や『時代遅れ』と酷評され、あと少しで後継機の『TBF アヴェンジャー』に更新される状況に有った『ダグラス TBD デヴァステイター』であっても、大規模艦載機攻撃を初めて受ける連合軍にとっては、華麗な動きで低空で射点に着いて次々と雷撃して来る『デヴァステイター』に対し、経験不足も相まって本来の実力以下での迎撃しか実行できず、無様にも雷撃を多数の艦艇が受け続ける悲劇的な結末を迎える事となった。

476 :641,642:2015/09/28(月) 19:27:56
最終的に全力で遁走する連合軍艦艇を追い切れなかったアメリカ海軍はこの一撃だけしか与えられなかったが、大物ではイギリス海軍の航空母艦『ハーミーズ』、護衛の『タウン級軽巡洋艦(別名サウサンプトン級軽巡洋艦とも)』である『サウサンプトン』『ニューキャッスル』、新鋭の『ダイドー級軽巡洋艦』の『ダイドー』『ナイアド』。
フランス海軍の重巡洋艦である『デュケーヌ級重巡洋艦』のネームシップ『デュケーヌ』を撃沈する(自沈処分含む)事に成功し、又小破させたフランス海軍航空母艦の『ジョッフル』に関しても、史実より大分早期に実戦配備されたばかりのガトー級潜水艦の『アルバコア』によって、ブレスト軍港を目前にして撃沈すると言う、開戦直前に発生した『第一次カリブ海海戦』の屈辱と借りを『それなりに』返す事が出来、アメリカ国民に対しても『それなりに』溜飲を下げさせる戦果にもなった。尚『アルバコア』は、共産連合軍から日本海軍の『伊 58』と共に名指しで『人民海軍最大の敵潜水艦』と言われる程に、要所要所での鮮烈な戦果を連合軍に対して叩き付ける活躍を残す事となる。


『第三次カリブ海海戦(対潜哨戒)』


機動艦隊戦の敗北に衝撃を受けた連合軍が、少しでもアメリカ軍の進攻と軍備増強を押し留めるべく、独ソを中心とした潜水艦隊が多数カリブ海に派遣され、通商破壊を実行。これに対しアメリカ軍は、対潜装備満載の多数の駆逐艦に加えて、これまた就役して余り間の無い『ヨークタウン級航空母艦』の『エンタープライズ』『ホーネット』、そして既に実戦を経験した『レンジャー』を動員し、徹底的な敵潜水艦の狩り出しを決行。独ソ海軍がカリブ海に派遣した潜水艦隊が一時全滅状態に追いやられた海戦。
アメリカ海軍にとっては、新人の『エンタープライズ』と『ホーネット』の良い修練となったばかりか、これから激しさを増していく敵潜水艦からの攻撃に対処する方法を、教科書だけでは無く実地でも修得した重要な戦いでもあった。

『第二次カリブ海海戦』に置ける連合軍の敗北は、共産陣営の政治的上層部にとって大きな衝撃となった。今まで『共産主義の理想』『世界革命』を掲げて戦争を始め、幾度も連戦連勝し続けていた為に、天狗になっていた鼻っ柱を圧し折られた形になるからである。その後、特にソ連以外の欧州共産政府の要望により『アメリカの継戦能力を可能な限り減殺する』と言う名目にて通商破壊が実行される事になった。ただこの通商破壊も、欧州共産政府が『第二次カリブ海海戦』で敗北した艦隊に無意味な懲罰任務を与えようとしたのをドイツとソ連政府、そして英仏に少数派ながらも残存した良識派の反対により潰され、代わりにこの通商破壊任務が実現したと言う事実が、連合軍の内幕の真実と質を伝えているだろう。

主にカリブ海に派遣された潜水艦隊の国籍は、潜水艦に関しては相変わらず世界でも有数の技術を誇るドイツと、そのドイツからの技術を全面に使われているソ連が大多数を占め、英仏に関しては、数が少なかったり、質が悪かったり等で主に哨戒任務に回されていた。そしてその独ソ連合潜水艦隊は、初期こそ何度も奇襲を成功させて多数のタンカーや商船を撃沈して、潜水艦乗りとしての面目を大いに果たす大活躍をするも、それに対するアメリカ海軍からの反撃は強烈極まりない物だった。

477 :641,642:2015/09/28(月) 19:29:55

輸送船団方式を採用し、多数の駆逐艦を護衛に回していたとはいえ、一部を除けば艦も古いが装備もかなりの旧式だった駆逐艦が多かった為に、不景気からくる軍需産業への多大な投資と共産化による各国技術の統合によって急速に進化を遂げた連合軍潜水艦に対しては、かなり不利な戦いを強いられる事となる。ただ、批判される事も多いこの事態だが、日本の支援で大きく緩和されたとはいえ、自国が震源地である世界恐慌の爪痕は意外と後に引いており、削られた軍事予算を正面装備に回さざる負えなかった結果でもあった。爆雷や魚雷等が不足する事態にはならなかっただけ未だマシな方だろう。

一定の潜水艦撃沈破の戦果を挙げてはいるが、輸送船や護衛駆逐艦への損害も案外馬鹿にならない数のまま推移している戦況に業を煮やしたアメリカ海軍とホワイトハウスは、どうにか実戦に耐えうる連度まで鍛えられた『エンタープライズ』『ホーネット』を含む、潜水艦狩り専門の艦隊を複数編成し、徹底的なハンターキラーを実行。まさか『新鋭の正規空母』すらも対潜哨戒に繰り出して来るとは思わなかった独ソ潜水艦隊は、多数が撃沈、撃破され、最悪な事に有る意味その貴重さから潜水艦隊最大の虎の子的存在でもあった潜水母艦すらも『エンタープライズ』航空隊の爆撃により撃沈されるに及び、連合軍潜水艦隊は撤退せざる負えなくなっていった。


この会戦により、アメリカ本土近海の大よその安全は確保され、護衛こそ必要ではあるも安定した海上輸送体制が確保され、軍部だけでなく民間…特に流通や保険関係企業は安堵の深いため息を吐いていた。だが、あくまでも『大よそ』の安全で有る為、完全に被害なしの状況にまで戦況が優位に進むのは、未だ何年も先の話ではあったのだが。



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478 :641,642:2015/09/28(月) 19:35:57
以上になりまする。相変わらず長い…(何時も同じこと言ってる…)

ふと思い出した汚いイギリスルートでの、艦これ金剛が大変な事になった支援SS。この世界の金剛は、あの世界よりも遥かにマシとは言え、かなりの期間心痛に苛まれたんだろうな。『ワタシがブッ飛ばしてイギリスの目を覚まさせてアゲルネー!』とかそっち方面の方が『らしい』っちゃあ『らしい』気はするけど。

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最終更新:2016年10月13日 10:46