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日米蜜月(ユーラシア共産化)ルート考察擬き

大戦に置ける主要会戦記録 『第二次世界大戦~枢軸軍の大反攻~(アメリカ軍編その2)』


『ブレスト港・ジブラルタル奇襲戦』


『第四次カリブ海海戦』にて出征した欧州艦隊が極僅かな例外を除いて還ってこなかった事に欧州共産陣営の上層部が狂乱し、ソ連の強力な『指導』の下『大西洋の城壁』と喧伝された防衛網を欧州諸国が共同で建設している最中、先の『第四次カリブ海海戦』に参加したアイオワ級戦艦6隻とリプライザル級装甲空母4隻に加えて新たに戦力化されたリプライザル級装甲空母『クィーンストン・ハイツ』『チッパワ』『シャルメット』『セントフィリップ』の装甲空母計8隻を主軸とする大艦隊が遠路はるばる洋上補給を行いつつ大西洋を突っ切って欧州本土へと殴り込み、応戦した欧州航空戦力の多くを撃墜した戦い。この戦いによって、現在共産軍が建設している『大西洋の城壁』が何の意味を成していない事が欧州の一般市民に印象付けられた上に、枢軸軍の本命の攻略目標であるブリテン島の航空戦力を多数漸減する事に成功した。又諸事情によりソ連から距離を取り始めた独仏が、枢軸へのアクセスを何度も取ろうとし始めた切欠でもあった戦闘であった。


カリブ海に送った多数の船舶、艦船が、ドイツ海軍の『テルピッツ』等極一部を例外として除くと、軍事学用語では無い文字通りの『全滅』した事は、共産連合国にとって痛恨の極みどころの話では無い痛手であった。本国から遥か彼方の敵地にて沈められた為に兵員は皆戦死か降伏のどちらかしか選択肢は無く、艦艇の損失に加えて長期間の練成を必須とする技能者集団である海軍兵を喪失したのだ。アメリカ合衆国や日本帝国程の海軍強国が居ない連合国にとって、この損失は絶望的だった。国内関係に関しても大問題だった。景気よく出征した英独仏の優良艦艇を総動員した大艦隊が、何時まで経っても帰ってこないのだ。時間が経つにつれ不信や疑念に思う市民が出るのは自然の事であった。

この市民の不信、疑念に対して、連合国は情報操作と被害情報を小出しにし、又枢軸国への敵対心を煽る事で対処を行う。これほどの大惨敗を一度にかつ馬鹿正直に発表する訳には行かないからだ。そしてこの連合国の努力は、ある二国を除きアメリカ海軍が欧州本土に直接殴りこむまでは何とか報われた。

連合国の盟主であるソヴィエト連邦では、連合国所属の政治委員会や自国のKGB、また共産主義に魂を売りとばした他国籍の人間を動員し、『第四次カリブ海海戦』の真相を知る者や、それを知ろうとする者を監視し、出過ぎた者は『事故死』して頂いたりとした事がかなり有名では有るが、自国民に対しては元々件の海戦に参加していない上に、教育制度の不味さのせいか大半のソ連人は『連合国の海軍が壊滅した』と言う情報に接しても余り意味が分からない程度の教養しか無い兵士が主体であり、ソ連共産党が肝煎りで製作した戦意高揚映画の『インド洋の復讐者』と名付けられた嘘と突っ込み処満載のこの映画(大陸スレその52 >>858-863の物)を真実と認識していた程度であり、戦時中や戦後にこの映画を捕獲して鑑賞した枢軸国所属の軍人は等しく頭痛を感じるか、乾いた笑いを浮かべるか、この映画を製作したソ連をある意味尊敬すると言った反応を見せた時点で、大体『セイロン島の復讐者』の映画の真実度合の出来は分かって頂けると思う。エンターテイメントとしてみても、後世この映画を見たハリウッドのある関係者曰く『リップサービス満載で良く言って二流半。正直に言えば五流にすら届かない。高校生辺りでの自主製作映画の方がよっぽど清涼感が有って良いね』と言われてしまう体たらく振りであったが。

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イギリスに関しても、情報操作は上手く行っていた。元々そういった事柄は歴史的に大得意でかつノウハウや経験も無数にあるお国柄であり、『卑怯なアメリカ』『恩知らずの日本』等の枢軸への敵対心を煽ったり『損傷艦や健在艦はジブラルタル等にプレッシャーをかける為に居る』と言った様な一見真実に見える偽情報を流す等の、今まで他国で威力を発揮していた扇動や思考誘導が、元々枢軸国への敵対心が醸成されていた上に、政府だけで無く諜報部も動員した努力の甲斐も有って奇跡的に成功していた。
そして本来、こういった所業に異を唱える筈の野党議員は、チャーチルやイーデン等有力政治家のみならず、共産政権にとって邪魔に『なりそうな』人間が片っ端から国家反逆罪や内通罪等の罪状によって逮捕されており、大半は絞首刑やシベリア行きの国外追放か劣悪な収容所での強制労働を余儀なくされ、最良でも国内での軟禁であった。
その為に、現在のイギリス国会に居るのは共産党議員と共産党の威に屈服した連中だけであり、枢軸軍に奪還されるまでイギリスの国会は、共産党党首の中身の無い演説や共産党に利の有る政策に国会議員全てが拍手するだけと言う、イギリスが今まで長期に渡って積み重ねてきた民主主義の歴史を冒涜し尽くした国会運営が執り行われていた。

また東欧諸国に関してだが、大体の政府首脳部が共産党構成員でいる上に、元々全方位を共産主義国家に包囲され、尚且つ多数のソ連軍による無言の重圧を感じている戦略状況で有る為に、仮に『第四次カリブ海海戦』の情報を入手したとしても『こんな情報を知ってどうしろと…』としか言えない状況であった。ソ連の機嫌を損ねたら即座にソ連兵が大挙襲来して来るだろうし、国内にもKGBや共産主義に心酔する自国民を筆頭としたソ連配下の『目』と『耳』が多数いる事は、東欧各国の既存勢力も認識していた。水面下にてソ連の支配下から逃れようと画策した人間が相次いで『事故死』『自殺』する事件が発生するに及び、東欧諸国は完全に怯えてしまい、一部気骨、若しくは愛国心、復讐心その他様々な物に燃え盛る人間が、元ポーランド軍や、第二次世界大戦が勃発する嚆矢となった『ポーランド会戦』のドサクサまぎれにソ連に併合されたバルト三国の軍隊が中核となって編成された『欧州解放同盟』と呼称されるレジスタンス活動に身を投じた以外は、ソ連の威光と命令の成すが儘と言う状況だった。だがそれでも、ユダヤ人などの少数民族をソ連と共に迫害した事は覆す事も言い逃れも出来ない事実ではあるのだが。

英ソや東欧諸国が対枢軸戦に向けて表面上は一致団結しての戦力配置を執り行っている中、共産陣営でも多数の主要戦力を提供しているドイツとフランスでは、少しばかり異変が起こっていた。ドイツではソ連やイギリスの監視をこれまで以上に封殺し始め、誤魔化しながらユダヤ人等を保護し『欧州解放同盟』へ秘密裏に武器弾薬を横流しし始めた事と、
フランスでの統治政府の無能さから過度な生活の締め付けと繰り返されるフランス国民への弾圧、そしてソ連への異常なまでの売国行為にとうとう限界に近づいていた上に、フランス全土にモロバレした『第四次カリブ海海戦』の結果を知ったフランス人による対共産主義へのレジスタンス組織への参加の発生だ。


元々ドイツで起こった共産党による政権奪取は、先代首相のアドルフ・ヒトラーがそのカリスマと弁舌で、対ソ連と不景気対策の為に既存政党を巻き込んでいく中、当時の党首の意向によって『確かな野党』となる為に敢えてヒトラーとは袂を分かっていたところ、当のヒトラーが既存政党の有力者と共に原因不明の列車事故死を遂げてしまい、結果国政が大混乱になり、その混乱の蚊帳の外に居た共産党に政権統治の御鉢が回ってしまった経緯が有った。『各政党の有力者が唐突に全滅』と言う危機的事態を前に、共産党による初の国政統治を泥縄的に残存議員や官僚と共に政権を作り上げ、初めての国家統治に共産党員が半死半生になりながらも何とか回している内に気付けばフランスもイギリスも東欧も共産党が政権を奪取しており、戦略的に完全に包囲下に置かれた中で、ソ連の書記長直々に来独しての『ユーラシア共産連合』への
参加を要請された為に、ドイツは共産陣営に参加せざる負えなかった。

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そして実際問題、ドイツ共産党の党首は所謂『スターリン派』…世界革命に心血を注ぐ『トロツキー派』とは水と油である自国優先型の愛国心の有る『政治家』であり、『革命家』では決してなかった。ヒトラーの様な民衆を熱狂させる弁舌の才も、トロツキーの様な洗脳レベルのカリスマも無いが、生真面目で粘り強く、穏健で優秀な『政治家』であった。
そうした現実志向のドイツ政府と二言目には『世界革命』と嘯くソ連政府と話が噛み合う事は少なく、市場や資源での力関係でドイツが引き下がる事が多い物の時たま戦略や政治で衝突する事が複数回見られていた。そして今回の『第四次カリブ海海戦』での惨敗を『テルピッツ』から無電で知った直後、フランスのブレスト港でソ連軍とフランス赤衛軍によって『情報封鎖の為』と称して『テルピッツ』が勾留させられ、その後アメリカ軍に撃沈された事を知るに当って、ドイツは明確に『生き残る』為に動き出した。『欧州解放同盟』への物資横流しや裏での繋がりの強化、そしてユダヤ人への保護がその『生き残る』為に行われた行動だった。

一方フランスに関してだが、此方に関しては国を挙げて一芝居を打ち始めたドイツと比べてかなり情けない事情が有った。元々第三共和政によるグダグダな政治体制が共産化によって強力な指導体制を整える事が出来たのは良かったものの、肝心の政府首脳部が無能過ぎた事がフランス人が苦難の道を歩ませる事になった。イギリスやドイツでは曲がりなりにも共産圏への輸出入で景気回復をしたり、その兆しを見せていたのだが、フランスでは素人統治による無茶苦茶な『政治ゴッコ』が行われており、各企業の強制的国有化や農地の作物割当等によって今までの『フランスの日常』は破壊され、声を挙げたフランス人は新設された『フランス政府赤軍親衛隊』と呼ばれる武装組織によって何処かへと連れて行かれていた。第二次世界大戦勃発直後は何とかソ連やドイツ、イギリスからの支援と旧世代の官僚が踏ん張っていたのだが、戦争中盤となり他国が支援する余裕が無くなり、又フランス人が戦争に対して中弛みを見せ始めると、仏共政府は官僚に対して無理な生産計画を強行させ、抗弁したり避けようが無い失敗をした官僚を粛清し始めた。戦後の証言により、当時の政府は『腑抜けた官僚共に活を入れる』為にこの事を行ったそうだが、粛清した官僚の穴埋めが共産党所属の何も知らない素人、しかも監視役として邪魔ばかりして来る連中だらけだった為に、この後のフランスの生産体制は少しずつ劣化し始めた。しかも救いの無い事に、この時のフランス共産党政権や政党員が忠誠を捧げていたのは『エリゼ宮殿』と
『フランス国旗』では無く『クレムリン』と『ソ連国旗』だった。何か一つ切欠が有れば、フランス人が活動を開始するには十分な状況が揃っていた。そしてその『切欠』が『第四次カリブ海海戦』の真実と『ブレスト港・ジブラルタル奇襲戦』だった。

『テルピッツ』が這う這うの体でブレスト港に入港後、フランス赤軍が『テルピッツ』の乗員を全員確保するまでに、ホンの僅かながらにタイムラグが有った。被弾によって『テルピッツ』の通信機器がブレスト港に辿り着く直前まで死んでいた為、フランス赤軍が情報を把握して押っ取り刀で駈け付けるまでにブレスト港に一部乗員が負傷兵を抱えて上陸し、世紀の大敗北を目撃、そして体験し、また負傷兵を抱えていて精神的に不安定だった事も有り、何も知らない港湾職員にどういう事か問い立たされて勢いで真実をぶちまけていたのだ。『連合軍艦隊はカリブ海で全滅した』…と。それから少しして押し寄せた仏赤軍によって『テルピッツ』の乗員は猛抗議も空しく力ずくで強制的に軟禁され、港湾職員も拘束、自宅軟禁されたのだが、仏赤軍の手から逃れた数十人が処刑やシベリア送りを恐れてフランス各地に逃走。その過程で『第四次カリブ海海戦』の真実が拡散したのだ。フランス共産政権が新聞やラジオ放送でこれまで以上に共産軍の奮戦を宣伝し、現在フランス各地に逃亡している『反逆者』を即座に逮捕する様に命令している事が余計に真実味を帯びさせた。最早フランス人はこれ以上共産党政権を信任し続ける事は身の破滅で有る事を、遅まきながらも『本能』で気付いた。フランス人は、漸く『アカ』によって塞がれていた眼を開き始め、性質の悪い『良き夢』から目覚め始めたのだ。

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英ソが戦力拡充に必死になっていて他国に向ける余裕が無くなりつつあるそんな中、内実水面下で『仏独の連合国離脱』と言う共産連合崩壊の序曲が加速する切欠であるアメリカ大西洋艦隊のブレスト港への奇襲攻撃は、戦艦6隻、大型装甲空母8隻と言う大艦隊で有りながらも、確かに完全とまでは行かなかったものの、それでもアメリカ海軍士官が思わず連合国を『無味乾燥な空っぽの演説内容を考えている内に戦い方も忘れたのか』と罵倒した程に多大なる成功を収めていた。スカイレイダーの早期開発成功によって一度も敵艦隊と交戦する事無く超短期間で二線級へと追いやられたアヴェンジャーに、日本からライセンス生産した対潜水艦用磁気探査装置を搭載して艦載型対潜哨戒機へと改造し多数搭載して来た為に、これまで以上に効率的に敵潜水艦を撃沈破しながら進撃してきたとは言え、ブレスト港を攻撃圏内に収めて第一次攻撃隊を発艦させた頃に漸く連合国の索敵機と接触したのだ。本土への爆撃未遂を数回経験した結果、他国を完全に引き離す勢いで世界最強クラスの本土警戒網を構築したアメリカ軍から見て、連合国の索敵体制は完全に穴だらけであった。

一応連合国の言い訳としては、枢軸軍が引っ切り無しに潜水艦を撃沈しまくるので補充が追い付かずに一時的に警戒網が崩壊しかけたので、再編成の為に新鋭潜水艦との入れ替えや索敵ルートの再構築を行っている最中にアメリカ艦隊が乱入して来たので、唯単に怠惰を貪っていた訳では無く『運が悪かった』と言う事であった。とは言え、大西洋に点在する連合国側諸島に配置された哨戒機部隊が枢軸軍の攻撃で壊滅し通信途絶しても、警戒レベルを上げただけで実質的に何も手立てを打たなかった事から、特に『テルピッツ』を撃沈されたドイツ国内では戦後『共産軍は無根拠の楽観論に基づき友軍の戦艦を枢軸軍に人身御供役として献上した』と痛烈な批判を飛ばしている。

巡航速度の違いから先行してブレスト港に突撃した『F6F ヘルキャット』制空戦闘機隊は、事前に予測されていた空中待機している防空戦闘機隊がやけに少ない事に驚きつつも、代わりに飛行場で今まさに飛び立とうとしている多数の連合軍戦闘機隊を発見。嬉々として誘導路や滑走路に待機し、一部スクランブルで飛び立った『Fw 190A』『スピットファイア Mk-14』『ラボーチキン La-7』と言うよみどりみどりな連合国最新鋭戦闘機を『F6F』からの機関砲とロケット弾にて瞬く間に叩きのめしてスクラップヤード送りにし、目に付く対空砲や地上に駐機していた重爆撃機や戦闘機を弾薬の続く限り蹂躙し始めた。

『A-1 スカイレイダー』隊は常識的に考えてとっくに脱出しているハズの戦艦『テルピッツ』『ダンケルク』『ストラスブール』が未だにブラスト港に停泊している事に驚愕するも、『第四次カリブ海海戦』では多数の正規空母へ雷撃出来た上に、今度の自らが抱えて来た魚雷を叩き込む相手が戦艦で有る事に喜びながら雷撃隊は高度を低下させていった。真珠湾程では無いにしろ、外洋と比べれば難易度的にかなり高いと言われる港湾区域での雷撃だったが、既にカリブ海で実戦経験を得た武勲持ちの勇士たちに取って見れば、難易度の高い任務程『俺たちの腕の見せ所』と士気が燃え上がる存在であった。

そして雷撃を受けようとしている三隻の戦艦に関してだが、『テルピッツ』に関してはクレムリンの意向を忠実に代弁するフランス赤軍によって乗員全てが陸地に挙げられて『情報封鎖の為』と称した軟禁状態にあり、その為に『テルピッツ』の乗員は全員先の戦闘で負った傷以外の負傷を受ける事無く生存するも、誰一人として乗員の居ない『テルピッツ』は『スカイレイダー』による雷爆撃によって敵機に対して機銃弾一発も放つ事も出来ずに叩かれ続け、『テルピッツ』はそのままブレスト港にて大破着底の大損害を受けた。『ダンケルク』と『ストラスブール』は政府から『民心安定の為』ブレスト港に待機する事を強制させられていたのだが、仏共政府よりもよほどマトモな危機感や分析能力を未だに保持出来ていた事も有って、可能な限り奇襲を受けても即時戦闘が行えるように態勢を整えていた。その為、この時の奇襲にも即応態勢に有った乗員が即座に反応して、米軍の攻撃隊の第一撃が投弾される前にブレスト港からの脱出と乗員の居ない『テルピッツ』への援護を開始するも、無情にも高高度爆撃隊と雷撃機部隊からの一弾が航行を始めた直後の『ダンケルク』と『ストラスブール』に相次いで命中し、両艦とも早期に沈黙。そこから後は『スカイレイダー』隊による機銃弾すら使い果たした徹底的な破壊劇の始まりであった。

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既に三戦艦と目ぼしい対空火器が潰されて色々と手遅れになりつつある頃に、ようやくフランス内陸部とブリテン島より『スピットファイア』『タイフーン』等による戦闘機隊の増援が来襲するも、ブレスト港の防空隊を先遣隊が早期撃滅した後は仕事が無くて『哨戒中』と言いつつも実際は『スカイレイダー』隊の攻撃を眺めていただけだった『ヘルキャット』部隊が満を持して立ち塞がり、連合軍側が手当たり次第に戦闘機をブレスト港に向かわせていた事も有って教科書通りの各個撃破の形となり、唯単に連合国はアメリカ海軍艦戦部隊にキルスコアを献上しただけと言う惨状であった。当然ながら大して戦果も挙げる事も出来ず、滑走路に加えてハンガーも破壊されていた事も有って戦闘機どころか偵察用の機体や練習機すらも綺麗サッパリ撃破されて追撃も偵察もままならない状況となり、そのままブレスト港防衛部隊はアメリカ艦隊を取り逃がさざる負えなかった。当然ながら、その後のアメリカ艦隊の足取りは掴めなかった。


寝耳に水のブレスト港奇襲攻撃で『港湾施設、並びに防衛部隊、増援部隊が全滅状態』と言う報告を受けて、共産軍上層部が上へ下への狂乱騒ぎとなり、『テルピッツ』からの最後の通信とその『テルピッツ』とは別に、あの大海戦から命辛々撤退に成功し、途中で遭遇した『テルピッツ』や損傷放棄艦又は連合国側諸島基地から燃料を一部譲渡されたとはいえ、満身創痍かつ燃料切れ寸前となりつつも『テルピッツ』の乗員が拘束される寸前に放った警告文に従い航路を変更してキール軍港の目前まで辿り着き、その後はタグボートで曳航されて生還した独駆逐艦『Z1 レーベレヒト・マース』仏駆逐艦『ル・アルディ』乗員からの事情聴取で詳細な『第四次カリブ海海戦』の真実を知ったドイツのみが独自行動を加速させる事を決意した当日。

ブレスト港が攻撃されてから丁度5日後、連合軍、と言うよりイギリス軍にとって本土並みかそれ以上に最重要拠点であると言えるジブラルタル港に対して、アメリカ艦隊が航空攻撃を決行。殆どが『戦車や航空機と食料や各種原材料』でのバーター取引とは言え、『共産連合軍と交易関係を結ぶ数少ない国家であるスペインに対して不要な波風を立てない為』と言うお題目の元、実態は『割ける戦力が無い』と言う世知辛い実情の為に旧式機中心かつ数自体も少ないジブラルタル防空隊では、ブレストとは違い事前に稼働全機を空に上げられていた物の、根本的な戦力差の前では技量や闘志で差が有ったとしても何の意味も無く、一撃で壊滅。後は航空隊が目ぼしい標的を破壊した後、止めとして『第四次カリブ海海戦』でその圧倒的な能力を全世界に証明したアイオワ級戦艦6隻による怒涛の艦砲射撃によって、ジブラルタル港は完全に壊滅した。



アメリカ大西洋艦隊が欧州本土沿岸部から完全に撤退した事が連合国側に確認されると、連合国内ではインド洋で『戦闘航海中の戦艦を純粋な航空攻撃のみで撃沈する』偉業を成し遂げた後、インドからスエズ運河目指して快進撃を続ける日本軍と地中海で合流する為にブレスト港とジブラルタルを攻撃したのだと結論付けられた。共産軍が丹精込めて建設『中』の『大西洋の城壁』は、既に枢軸軍に『建造完了し防備も万全である』と言う風に諜報員からワザと伝えさせるように指示していた。その為に『大西洋沿岸部の攻略を諦め、比較的防備の柔らかい地中海側からの攻略を意図したのだろう』と連合軍上層部は考察し、今度は我らが『カリブ海の屈辱』を何倍にもして返す時だ…と。ブリテン島や欧州大陸に駐留している軍の主力部隊をフランスやエジプト等地中海沿岸部の各地域に配置変更を行う。

コロラド級戦艦2隻、サウスダコタ級戦艦4隻、ノースカロライナ級戦艦2隻、レキシントン級空母2隻、ヨークタウン級空母3隻、インディペンデンス級空母10隻(日本海軍の飛鷹型軽空母の影響を多大に受けた艦隊型軽空母)、その他多数の輸送艦、揚陸艦を含む大艦隊がアイルランドとブリテン島西部に出現したのは、ブリテン島やフランス駐留の共産軍が多数地中海側に移動して輸送船に搭乗するか否かと言う時だった。


『Operation Enduring Freedom』と呼ばれたこの作戦では、アメリカは『一月以内』に『ブリテン島全て』を『解放』する心算であった。

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はい、以上になりまするー。次回での『ブリテン島攻略戦』で一旦アメリカ・大西洋戦線の話は終わる予定です。さてインド洋海戦(仮)…ネルソン+KGV級戦艦VS流星とか英軍戦艦に勝ち目見えないんですがホントどうしましょか
(英空母?イラストリアス級全部突っ込まされる予定ですが大鳳型装甲空母に勝てると思います?無理やろ色々と)

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最終更新:2016年10月13日 12:17