486 :888:2016/10/19(水) 22:50:19
まあ、毎度の1スレだけですが……
もし完結するような事があったらその時はwikiに乗せてくれたら嬉しいなって。


ダン・モロ 星になる

茫々の体でなんとか目的の建物に転がり込むと、オートマトンはこちらを見失ったのか周囲をクルリと見回すと来た道を引き返して行った。

「ふぅ…… 俺の敵じゃなかった……」
自分自身“心にも思っていない台詞”を誰に聞かせるでもなくため息に乗せて呟く。


そうでもなければ、自分の「風船の様に膨らませた」なけなしの勇気がどこかに消えて言ってしまいそうでこんな独り言の一つでも呟かなければやっていける気がしなかったからだ。

ロックオン・アラート音の様に己が内で鳴り響く心臓の音が落ち着いたところで周囲の光景を観察する。

とは言っても、この世界ではありふれた、廃墟のテンプレートを持って来たかの如く、床は汚れ、架かる餌が無くなって久しい蜘蛛の巣にも塵芥が積もっていた。

どうにもこう言った場所は苦手だ。
床から舞い上がった埃が鼻腔を突き、鼻がムズムズしてくる。

大きく、そして盛大にクシャミをかますとその後に吸い込んだ空気に大いに咽せ、目尻に涙を浮かべつつ洟を手で拭いながら探索を開始した。

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最終更新:2016年10月24日 10:55