658: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:45:36
大日本企業連合が史実世界にログインしたようです-4- 「日企連の胎動」-承- 舞台裏




太平洋上、船団を組む艦艇がひたすらに進んでいく。
船団というよりは、もはや艦隊である。戦艦、航空母艦、軽巡洋艦、駆逐艦を揃えた大規模な艦隊だ。
まるで戦争をしに行くようでさえあり、エスコートされていると思われる客船を除けば、並々ならぬ雰囲気を漂わせている。
そして、その艦隊では会話がなされていた。その艦隊を動かしている、実質的な意味で支配している人間の種族の、白人の会話だった。


全く黄色い猿は何を世迷言を言っているのか。

誰かがわざとらしく嘆息する。

ハワイとジャパンを3日で移動する?

どうやって?船なら1週間以上、最低でも10日はかかるだろう。

実現可能だとするならば飛行機か船だ。しかし、そんなものなどあるわけもない。

自分達に劣る猿がそんなものを作れるはずもないのだ。

だからこうして出向いてやる羽目になった。

前から言っていたのだ、あの猿共は信用ならないと。

賛同の声がいくつも上がる。

第一、と誰かが言う。

あの企業は国際秩序の崩壊さえ引き起こしかねない企業なのだ。それに対して武力を用いるのは順当な処置だ。

そのとおり、と誰かが賛同する。

高々国を一つ乗っ取ったことで調子づいているのだ。

だが、あの国は小さい。我々の手にかかれば一瞬だ。資源を止め、圧力をかけてやればすぐに干上がるさ。

誰かが嘲笑する。

躾け直し、余計なおもちゃを取り上げてしまえばいい。我々が教育し直さねば。

ここは白人の支配する世界なのだ。企業だろうがそれに例外はない。

いや、政府が無くなったのは好機だ。これを機会に政府の樹立を手伝ってやらねば。

誰かが言う。

その通りと、追従する声も上がる。

友人関係であればなおのこと良い。チャイナに行くには邪魔な島なのだ。

その立地だけは有効活用してやればいい。あの蛮族が白人の役に立つのだ、むしろ光栄だろう。

砲を向けて少々脅せば、エンペラーの宮殿に旗を立てるなど容易いことだろう。

その旗は合衆国の旗でなくてはならない。ソ連にはマンチュリアをくれてやればいい。

そうすれば太平洋は丸ごとステイツのものとなる。

その時こそ太平の海(パシフィックオーシャン)は実現する。

艦隊の白人たちは、自らの考えに愉悦しながら、ひたすらに航路を進む。その行先に何があるかも知らずに。

659: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:46:38
そして、艦隊の白人たちは知らなかった。
その艦隊を見張る天空の目があることを。
天空の目で彼らの常識よりも早くに発見していることを。

「間違いなく本土に向かっているな」

「これほどの規模でいきなり動かすとは……」

「先遣艦隊が来るとは聞いていたが、まさかこうくるか?」

「なるほど……白人による支配を嘯く連中には、日企連というのは目障りで、おまけに気に食わない。
 我々の宣戦布告に対し、IOCや国連の名を借りて躾けてやろう、と考えているか」

「愚かしいな。いきなり艦隊で乗り込むなど。如何に受け入れを表明しているとはいえ、戦争を吹っ掛ける気か?」

「今なら我々が白人世界を敵に回すと高を括っているんだろう。我々が武器を持って出迎えれば難癖をつけて攻撃できる。
 穏当に受け入れれば図に乗ってとてつ飲み込めない要求を突き付けてくるだろう。国連では日企連の武装解除や解体についての真剣な議論が起こっているようだし、制圧してしまえば何とでもなると考えているのさ」

「つまり多少の血を流そうが、既成事実化を図るつもりか」

「流れた時点で既に向こうの勝利だろう。いや、そもそも存在しない艦隊についてでっち上げてくるかもしれんな。
 アフガニスタンの例を思い出せ。あると決めつけて何のためらいもなく突撃してくる」

「ふん、流石は白人様らしい『理性』的な方法だ」

「そうでなくても沿岸を捉えた時点で降伏でも迫るつもりだろう。そうでなければ攻撃すると」

「時代錯誤なことを……砲艦外交をいきなりやるつもりとは、彼らの頭の中は帝国主義のままなのか?」

「ありうる話だ。我々はさしずめ企業主義かな?」

「はっはっは、確かにな」

「さて、どうする?」

「単純なことだ。圧倒的な暴力を見せてやればいい。建前も本音も何もかもを踏みつぶす、圧倒的な力をな」

「具体的には?」

「上は既に手を打った。明日の朝にでも会敵する」

「何をぶつけると?」

「天狗だ」

「ほう、我々の本気を見せるにはいい機会ですな」

「貴様を天狗の国に連れていく!」

「アイエエエ!?狂人!?」

「貴様ら……」

日企連を実質支配する夢か幻のような組織は、いつものノリで話し合う。
これから行うのは、日企連にとってみれば戯れだ。少々浮かれている身の程知らずに現実を突きつけてやるだけ。
それ以上の意味はない。そう、日企連にとってみれば、史実世界など吹けば飛ぶようなものなのだから。

660: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:47:59
傲慢が浮かんでいる。
そのようにタケミカヅチは光学カメラの望遠で艦隊を捕捉した際に思った。
別にNTのように人の感情を察知する能力があるわけでもない。その振る舞いに印象を覚えたのだ。
艦隊を揃え、突如として殴り込んでくる。外交儀礼も何もない、ただの蛮行だ。

『所詮はアメリカ人。考えることがペリー提督と同じかよ』

そう思ったのだが、よくよく考えるとペリー提督が浦賀に来航したのは1853年の事だ。
現在、史実側世界の時間の1936年から遡っても僅か80年ほど前の事。世代はそこまで大きく変わってはいない。
その80年の間に、江戸幕府は倒れ、明治維新を行い、日清・日露戦争を潜り抜け、生まれ変わった。全くもって驚愕すべきことだ。
自分達の世界の日本も、政府機能がどうしようもなく弱体化し、国家解体戦争が起こり、企業が支配者となり、アーマードコアネクストやAFが闊歩して戦場を支配するようになった。そういう意味では驚愕すべきことだが、それは技術などが発展していたからこそとも言えた。

『戦力は……レキシントン……ニューメキシコ級2隻……護衛が多数。戦争でも仕掛けるつもりか?』

AMSを通じて艦隊の陣容を認識したタケミカヅチが思わずつぶやく。
空母1隻と戦艦2隻、重巡洋艦と軽巡洋艦に駆逐艦。ほぼフルラインナップだ。過剰と言っていい。
少なくとも、視察に向ける艦とは言えない。一応視察団を乗せていると思われる客船もいるのだが、数はあまり多くはない。
はっきり言おう。これは日企連に対する恫喝のための戦力だ。ブリーフィングで情報は確認してあったが、それでも信じ難かった。
ここまでやるかという疑いがあった。GAの母体となった国家がそこまでやるとは信じたくはなかった。だが、現実はそれを否定した。

(いくら挑発したからって暴走し過ぎじゃないか?)

だが、と思う。白人の、非白人への差別の大きさは資料などで知っていた。
アメリカでは特にそれが顕著だ。差別の撤廃が進んだとはいえ、一度目の生の際にもしぶとく残っていた。
白人警官と黒人住人の、本来ならばあってはならない小競り合い。流血や人の死までおこった事件はいまだに覚えている。

(まあ、白人様の心情のことはどうでもいいな)

今は任務だ、と切り替える。3.14蜂起以来、あれこれと考える悪い癖が出来てしまった。
本来はもっとシャープな思考だ、と自分を戒める。もっとためらいを無くし、もっと容赦を無くす。
イメージするのは一本の刀。自分は常にそのイメージで動いてきた。教官であった一目連の影響もある。
敵対者を、日本という存在を邪魔立てするものを斬り割く一本の刀。イメージするのは最強の自分、とはよく言ったものだ。
もっとも、その最強筆頭があのUnKnownなので少々困る。アレに勝つにはどうすればいいのか、さっぱりわからない。
時計を認識すれば、そろそろアプローチに入る時間だった。無粋な艦隊は、すでに成層圏プラットフォームとして飛行する、ハワイに向かったのとは別のコウノトリによって補足されていた。その進路と速度については既に十分把握している。
通信回線にコールがかかる。受諾すると視覚にウィンドウが立ち上がり、人物のリアルタイム映像が表示される。

『タケミカヅチ君、調子はいかがですか?』

神崎代表だ。

『良好です』

その問いかけに、つい反射で答える。かつて、前の人生において数千、数万回と聞いたやり取りと同じだった。
それに思わず笑ってしまった。向こうもそれを狙っていたのだろう。回線に笑いが混じる。

『こういう会話をするとJになった気分です』
『さしずめ私は財団でしょうか?』
『間違ってもいないかもしれません。企業のトップなのですから』

しばし笑ったあと、神崎は余計な言葉を言うこともなく用件だけを伝える。

『派手にやってください。目的などはすでに伝えた通りです』
『はっ!』

いい、とタケミカヅチは思う。
これだ。神崎代表はどうやら二度以上転生を経験し、そのうち一つで、あの嶋田繁太郎へと憑依し、アメリカを打倒し、大日本帝国を列強筆頭にまで引っ張り上げたらしい。天性の才覚か、そのカリスマ性はとてつもない。
会ったことのある人間の中で匹敵する人物は数えるほどしか知らない。だが、悪くない。
こういう人間のためならば、戦ってもいいと思うのだ。いや、神崎代表だからこそ戦いたいとも思う。
力のコントロールを委ねる感覚は、存外悪くない。

(さあ、行こうか)

タケミカヅチの意思を受け、漆黒の翼が空を斬り割く。
N-WGIX/vの再現機体『鴉天狗』。
V.O.B.Ⅱに跨ったその異形のACは、飛ぶ。
目指すのは、無粋な客人。破壊目標は、その客人のちっぽけなプライド。
全てを焼き尽くす黒い鳥は、音を置き去りに、羽ばたいた。

661: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:49:17
鴉天狗は時速1600kmで飛んでいたが、ある一点から急降下する。
高度およそ1万メートルの巡航高度から高度600mへ。
航空屋なら、この高度の意味は分かる筈だ。接敵するときはもう少し高度を下げ、音で耳を壊さない程度の距離を通過してやる。
落差9400m。その急降下にともなって体を襲う浮遊感と、舵を引き戻した時に体に感じる強烈な重さ。肉体を強化してあるとはいえ、相応に負荷は来る。
だが、これを味わえるのはリンクスだけだ。史実の美しい空を飛べる。元の世界の人間ならば、万金を積んででもやりたがるだろう。
音を超え、重力にさえ逆らって、何者にも追いつけぬ速度で飛行する。快感はある。堪らないのだ。
視界に広がる風景は一気に雲海から海洋へと変わった。

(まさに太平なる海(パシフィックオーシャン)だな)

タケミカヅチは、その光景を俯瞰している。
まるでバイクに跨ったような感覚でV.O.B.Ⅱを操っている。
真正面を向いているのに自分の肩甲骨にあたる部分にある飛行ユニットやV.O.B.Ⅱと鴉天狗(自分の体)をつなぐジョイント部も見える。
本来ならばありえない広い視界。AMSを通じて膨大な情報がなだれ込みながらも、タケミカヅチは平静を保っていた。

(転生者の脳の処理能力が高いことに、AMS適性の高さは関係しているんだろうか……)

神崎代表らが、幾度目かの転生時に非人道的な実験を繰り返して導き出した説。
それは、転生者は平均的な人間よりも脳の機能が解放されているという説。
通常、人間の脳味噌の機能は説にもよるが、数パーセントも活かされていないとされる。
残りの部分は脳味噌に満ちる膨大な雑音によって埋まっているか、あるいは眠っているために、よほどの状況でなければ動かないらしい。
ネクストを操縦する際に必須となるAMS手術は、ナノマシンやサイバーパンクも真っ青な電子回路の埋め込みなども行い、人間の脳の持つ能力を人為的に拡大する面も持っているのだが、やはりというべきか、そこには先天性が絡んでいる。

そういう意味では、転生者はリンクスとなるのにふさわしい、あつらえたかのような肉体を持っていることが多い。
日企連に属するリンクスは、候補生までを含めて非転生者と転生者で比較するとその適性の保有率と適性の高さの平均は、転生者の方が圧倒的に勝っている。タケミカヅチ自身も、UnKnownも、流星も、嘗て日企連のトップランカーを務めていた一目連も、高い適性を持ち合わせ、二段QBや長時間の作戦行動を行うことができるほどAMS負荷への耐性もある。

(そこら辺はまだ未解明ということだが……)

今もそうだ。ネクストほどではないにしろAMSを通じた負荷がある鴉天狗を長時間操れる。
我々転生者は、そういうところからすでにイレギュラーなのではないか。人という形をしているだけなのでは。
そのようなことをつらつらと考える。栓のないこと。だが、幾度となく考えたことだ。
イレギュラーな企業。イレギュラーな介入者。イレギュラーな存在。果たして、我々はまともなのだろうか。

『敵艦隊の視認領域に入りました』
『了解した』

オペレーターの声が意識に響く。
そろそろ向こうも気がついただろう。
高度を再度調整。高度600m。速度はやや抑える。
ファーストアプローチ。そこにすべてがかかる。
意識をするだけで、予定の軌道が視覚に表示されていく。

(……)

戦闘に入る前にタケミカヅチはすっと意識を沈める。
同情、哀れみ、憐憫、躊躇い、恐れ、恐怖。
代わりに、敵意や殺意を表に出す。侮蔑や憎しみさえも引っ張り出す。
そして覚悟を定める。殺し、殺される覚悟。
何もかもを蹂躙する覚悟と、同時に蹂躙される覚悟。
戦場という理不尽に立ち向かう気概を身に纏う。
殺すのは自分の殺意。引き金を引くのは自分の肉体。

それらをまとめ上げることができた時、リンクスは物理的にも精神的にも恐ろしき蹂躙者となる。
一目連やアナトリアの傭兵をはじめとした先達に鍛えられたのだ。自らの殺意を束ね上げ、敵にぶつけるということを。
ネクストをはじめとしたACの登場で、たった一人の、個人の持つ力が戦場を支配することも珍しくなくなった。
それは物理的な面でも支配し、同時に兵士の士気や感情さえも支配することでもあった。
英雄(エース)によって、簡単に戦局や戦場を覆す。それは、古代から続いていたことだ。出来ぬ道理はない。

(アプローチ……!)

機械のように精密に、タケミカヅチの意識はV.O.B.Ⅱとの接続を解除する。
ベストなタイミング。機体を前後から固定していた部位が外れ、機体がふわりと空中に浮かぶ。
機体を、鴉天狗をV.O.B.Ⅱから躍らせ、敵艦隊の斜め上空から接敵する。
V.O.B.Ⅱは自動操縦に切り替わり、暫くの間自立飛行する。
そして、貯めていた殺意の解放と共に、タケミカヅチは、鴉天狗は艦隊へと突っ込んだ。

662: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:50:22
「うっ……あ、あ……」

アーネスト・キング中将は赤子のように泣いている自分を自覚した。
下半身に感じるのは失禁の温かさ。顔は自分の目から零れ落ちた涙で濡れている。
喉がカラカラに乾き、それでいて膨大な汗をかいている。
視界は90度傾いている。
いや、自分が横に倒れているのだ。
それを遅れて認識する。

(な、なんだ……)

一瞬見えたのは、走馬燈か。碌でもない走馬燈だ。
海軍と、酒と、ギャンブルと、自分。それ以外はろくになかった。
自分だけではない、とようやくキングの脳味噌が周囲の状況を把握する。
艦橋に、レキシントンの艦橋にいた水兵が殆ど自分と同じように泣いていたり、おびえていたり、あるいは失禁したりしている。
力なく倒れている水兵は、どうやら失神しているようだ。意識のもどった水兵が揺さぶったり声をかけているのをぼんやりと眺める。

(何があった……?)

そう問いかけようとしたが、キングの口から洩れたのは意味のない掠れ声のみ。
手を動かそうとする。動かない。何故?
震えだ。
何かの理由で手がすさまじく痙攣している。
何なのだろうか。原因は?恐怖。それだ。自分がおびえていた。

(一体何に怯えた?)

おぼろげにキングの意識が戻り始める。
四肢の感覚が徐々に復活し始める。硬直していた筋肉が神経を経由して脳の刺激を受け、再起動する。
この感覚は、体験したことがある。まるで二日酔いだ。気分の悪さ、体の動きが鈍くなる感覚、どれもそっくりだ。
体の感覚が戻り始め、強張っていた筋肉がようやくいうことを聞き始める。

「はっ……はっ……はっ……!」

荒い息を、知らずのうちに乱れた荒い息を繰り返し、酸素を吸い込む。
体がゆっくりと動き出す。呻く。体が重い。とてつもなく思い。まるで鎖に縛られているかのように。
嫌な感覚だと顔を顰めようとする。だが、顔の筋肉まで強張っている。しゃにむに体を動かす。

キングは思い出した。
自分達がなぜここにいるのかを。
IOC査察団の先遣隊を護衛して、ハワイから日本へと向かっていたのだ。
先遣艦隊ということであったが、ここまで艦を揃える必要はなかった。だが、嫌がらせのように多くの船を連れて出港した。
気に食わない黄色い猿に懲罰をくれてやるのだと、ごく自然に思い、そのように行動した。賛同者は多く、既成事実化は楽なはずだった。
ここまで順調に航海を続け、2,3日もすれば到着するはずだったのだ。

(そうだ……順調だった。これ以上もなく、順調だった)

順調なはずだった。
だが、その途中で、いきなり予期せぬことが起きた。

(鳥……黒い鳥……!)

水平線の彼方から飛んできたのだ。巨大な黒い鳥が。レシプロ機とはまるで異なる、轟くようなエンジン音が耳を蹂躙したのだ。
そして、見張り員の言葉に従って外を見た時、“黒い鳥”が現れたのだ。その鳥から『人型』が分離した。
AC、アーマードコア。日企連の保有する、人の形を模した兵器。しかし、まさか空を飛んでくるとは。
その事に驚く間もなく、『人型』が咆哮した。

(まるであれは……)

獣だ。首輪から解き放たれた獣だった。
その咆哮と同時にどこからともなく殺意がぶつけられた。
咆哮はすさまじい音量だったが、それ以上に、殺意をぶつけられて、誰もがおびえた。
自分達はそれにおびえ、気を失ってしまった。レキシントンは特にひどかった。 手に持つ巨大な銃のような何かを突きつけられたのだ。その光景はいまでも瞼の裏に張り付いている。
まるで戦艦の主砲のようなデカい銃口がのぞき込むことが出来た。そして、キングは航空畑出身ではあるが理解できた。
あの銃は、本当に撃てるのだと。躊躇いなく引き金が引かれるのだと。
それを理解した時、自分たちは気を失った。

(……くっ!)

記憶のフラッシュバック。
気を失う直前の光景が思い出される。
同時に、その時の恐怖も。体に震え。そして滴る尿と涙。
恐怖で歯の根が合わない。思考が定まらず、動きが取れない。

663: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:52:11
「ち…畜生がぁ…!」

体が震える。ようやく立ち上がったのに、再び倒れそうになる。
生まれたての鹿よりもおぼつかない足取り。
何とか体を腕で支える。

「や、奴は……?」

いた。レキシントンの前方800mほどの所にたたずんでいる。
まるで、鴉のように黒い。
海の上ではその黒さがひときわ目立つ。
人型の周囲だけが、まるでその黒さに飲み込まれて暗く見える。

大きさは、新聞などで見た人型よりも一回りも二回りも大きい。
より尖ったデザインだ。引き締まったボディと言えるかもしれない。
人に甲冑を着せて、ゴテゴテとした機械を無理やり取り付けたかのような、あるいは人と鳥を無理に混ぜているようにも見えた。
その場に浮かんでいるが、背中から噴出している光がX字に広がっており、まるで翼のように錯覚させられる。
また、縄のような何かが体のあちこちから露出し垂れていて、猛烈な熱を放っているのか陽炎が立ち昇っている。

              • 嘗ては美しく、しかし今は見る影もなく醜い怪物

ふと、そのような印象がキングの中に湧き上がる。
どこか美しくも、禍々しい。
何故なのか。
どこか、悲しくも見える。
恐ろしいと同時に、こう、哀れみのようなものを感じてしまう。
何故?そんな感情など、とうの昔に捨て去ったと思っていたのに。
そんな思考は、不意にその人型が発した光の点滅によって遮られた。

「ひ、人型から発光信号……!」

震える声で艦橋にいた誰かが報告する。

「『IOC査察団の先遣艦隊と見受けるが、大日本帝国の領海に先導も受けず、度重なる連絡さえも無視して押し入ろうとするのは何事か』です……!」

その信号に、また一つキングは思い出した。
そうだ。ジャップはこちらの動きを把握していたのだ。潜水艦か、それとも飛行機によってなのかはわからない。
ともかく、長距離飛行できる飛行艇や潜水艦などで散々警告を受けていた。元々IOC査察団の先遣艦隊に迎えをよこすことは決まっていた。
そして迎えの艦隊と太平洋上で合流してから大日本帝国領海に入る筈だった。だが、自分たちはそれを無視した。
信用ならなかったからだ。それが、ひどく昔の事のように思い出される。信用ならないから、自分達から出向いてやろうと勝手に動いた。
今頃待ちぼうけを食らっているだろうと、笑いもした。

(だが……!)

こんな方法で反撃するかと、憤りが湧いた。
キングの思考はある意味間違っておらず、同時に間違っていた。
外交儀礼を無視し、事前の取り決めを無視し、挙句に警告さえ無視した。
そんなことをして許されるかと言えば、道理の上では許されない。少なくとも公平に見れば、間違っている。

だが、キングたちは自分たちが白人の総意を代弁していると高を括った。
世間も、世論も、国連も、自分たちの行動を支持すると勝手に判断していた。
確かに大日本帝国は国際世論から批判を浴びていたのは確かだ。チャイナで領土を求め、利権を握ろうと策動していたのは、チャイナというフロンティアを求める列強には目障りであった。だから、誠意を尽くす必要はないと思えるかもしれない。

唐突に、人型が動いた。
一瞬で距離が狭まり、次の瞬間にはニューメキシコの艦橋の眼前にいた。
ニューメキシコは、何とか動いていた。前部主砲を動かし、砲弾を装填し、攻撃しようとしたのだ。
それまで人型は動いていなかったし、視線は明らかにニューメキシコからそれていた。その隙を狙ったのだ。
しかし、それを分かっていたかのように人型は動きを作った。その動きは、きらめくような光を伴っていた。
長大な紫の光の奔流。それは、人型の、ACの手の部分から発生していた。
それはまさに光でできた剣だった。

「何っ……!?」

その一閃は、まるで冗談のようにニューメキシコの前部砲塔を斬り飛ばした。
砲弾が命中することも前提に頑丈に、分厚い装甲に守られているはずの砲塔が、あっけなく斬り割かれる。
砲塔を構成していた金属がレーザーによって斬り割かれ、部品が宙を舞い、飛び散り、海へと落ちた。
内部で砲弾を装填しようとしていた水兵は、その一瞬の動きにあっけにとられていた。
辛うじて誘爆はしなかった。装弾が完了する前だったからよかったものの、下手をすれば高熱で砲弾が誘爆して、
ニューメキシコが沈んでいた可能性もあった。だが、そんなことを考えている暇のある人間などいない。

『交戦の意思があるようであるならば、日企連への宣戦布告と受け取り、この場で殲滅する』

再び発光信号。
ふざけるな、とキングは反射で思った。
自分達は戦争をしに来たわけではないのだ。
懲罰だ。そう、黄色い猿を躾けてやるのだ。
攻撃を仕掛けることがどういうことか、分かっているのか。
白人に猿が武器を向けたのだ。許されるはずがない。

664: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:53:28
しかし、そんなことを考えはしても、キングの口からは何も出ない。
言葉にさえならない。湧きあがった衝動的な反論は、突き付けられた銃口とそのサーベルに、そして殺意によって殺された。
急速に萎えていく。それだけの説得力があった。アーマードコアの武力の恐ろしさは攻撃を試みたニューメキシコが証明した。
次は、誰が犠牲になるのか。あの光輝くサーベルが、戦艦さえも斬り割く剣が、攻撃を試みようとするモノをためらいなく切る。
その事は、その場にいた誰もが瞬時に、本能的に理解した。そうでなくても、ACの持つ銃が襲うだろう。
その威力は自ずと理解できる。大きさからしてとんでもないサイズだ。戦艦の主砲に匹敵するかもしれない。

今度こそ、艦隊の動きが止まる。
次は本当に殺しにかかって来る。
そして自分たちはそれを防げない。防げるはずもない。
あの動きの素早さを見たのだ。瞬きをする間に動き、攻撃を繰り出した。
一体どうやって動かしているのか。あの光っている剣は一体何だったのか。
さっぱり理解できない。理解できないし、理解しようという気にもならない。
唯々混乱だけがあった。

どうにかするには、アーマードコアに対して何らかのアクションをとることだった。
だが、誰もが混乱し、叫び声をあげ、逃げ回り、意味もない祈りを叫ぶ。
あるいは、必死に罵倒する。神を冒涜するのかと。白人ができぬことを何故猿ができるのかと。
しかしそれらは、何ら意味を持たない。
いくら叫び、救いを求め、罵倒しようが、何も現実は変わらないのだ。
目の前に鴉天狗はおり、艦隊の命運は全て握られている。いくばくの抵抗ができる可能性は低い。

「ひっ……!」

キングは、アーマードコアと窓越しに目が合った。
海の上に浮かんでいた『人型』と目があった。
昆虫のような、ぎょろりとした紅に染め抜かれた複眼が、キングの目をのぞき込んだ。
同時に、のぞき込んでしまった。その眼の中に宿る、深淵を。
すっと、キングの体温が下がる。
怯えだ。
恐怖だ。
どうしようもなく、キングは恐れてしまった。

(くそ……!こんなことが……!)

受け入れたくはなかった。
こんなことなど、あっていいはずがない。
神が、ステイツを愛してくださる神が許すはずがない。

(ありえてたまるものか!)

そうだ、ありえないのだ。
あの卑怯なジャップが、こんな、こんな、こんな、こんな、こんな!
黄色い猿にできるはずがない。猿真似と奇襲が上手いだけの、ゴミクズのような奴らが、できるはずがない。
こんなものは起こる筈がないのだ!ジャップが起こせるわけもない!

人型が飛んできた?
人型が鳥だった?
アーマードコアは空を飛べる?
鉄でできた巨人が、プロペラもなく空を飛ぶ?
ナンセンス。ありえない。あり得るはずがない。

こんなものが現実なわけがない!
そうだ、夢だ!夢なのだ!悪い夢だ!ありえないのだ!
ありえない!ありえない!ありえていいはずがない!
思考能力のオーバーヒート。
循環。無限ループ。
それの連鎖は、ニトログリセリンとあだ名されたキングの思考回路を焼き尽くすのに、十分すぎた。
そして、全てが飽和する。
それは容易く限界を超えた。
その結果は、ほどなく現れた。

「あーはっはっはっハッははっはははははっははーーーーーーーー!」

キングの精神は、振り切れた。
彼は笑い声を上げた。自分でも何を叫んでいるかさえ認識していない。叫びながら笑い、笑いながら叫んだ。
彼はもう現実を受け入れることを拒否したのだ。どうしようもないほどに、認めたがらなかった。
指示を仰ごうとしたレキシントン艦長は、いや艦橋にいた誰もが、それを茫然と見るしかなかった。

この後、IOC査察団の先遣艦隊は、旗艦であるニューメキシコが旗を、白旗を掲げたことで日企連に拿捕された。
武装解除と臨検が実施され、さらに載せていた無粋な客人や艦隊司令部の人員の逮捕が行われた。
日企連の取り調べにより、アメリカ海軍を主体とした先遣艦隊は事前の指示を無視し、強硬策に出たことが判明。
3日でハワイと日本を結んでみせるという日企連の明言が信用ならないことを理由にして、自分たちの自主的な行動と正当化し、戦争さえ招きかねない暴挙に出たと証言と証拠を得た。
平和を謳うオリンピックを理由として戦争を招くという信じがたい行為は白日の下にさらされたのである。

665: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:55:47
先遣艦隊そのものは日企連も受け入れるつもりであったし、IOCの総会で決定されていたことであった。
別に派遣されてきたことは問題ではない。問題なのは、日企連の警告を無視し、事前の取り決めをまるでなかったかのように振る舞ったことだ。
「自分達は白人の総意の代弁者である」。
取り調べを受けたIOC査察団先遣艦隊の人員が述べた言葉は、世界にセンセーショナルに伝えられた。
まるで強がりであった。事実、自棄になって叫んでいた。どうしようもならない現実を忘れようと叫んだ。
しかし、後先考えない発言であったのは間違いない。何時から先遣艦隊はそこまで偉くなったのか。
戦争を吹っ掛けるつもりで行動し、オリンピックを汚したと言える彼らを表立って弁護することができる人間はいなかった。

各国は証人が強い精神的ショックを受けていることを理由に証言の信頼性の低さを指摘。その上で和解を提案したのだが、これを日企連は切り捨てた。日企連の腹は既に決まっていた。戦争か、それとも責任者の処断か。日企連が選択肢として出したのはその2つ。
如何に理由があれども、日企連に限らずすべての国家にとって「オリンピックを口実に内政干渉をする」という信じがたい前例を残すことは全ての国家の利益にならないと断言した。無事に期日通り日本に到着し、査察の準備を行っていた
IOC会長のアンリ・ド・バイエ=ラトゥールも、この事件を知らされ激怒。日企連の反論に賛同を示し、オリンピックの
精神を著しく歪めた暴挙を痛烈に批判した。

さらに、このオリンピックにかこつけた介入を嫌ったのは、間もなくオリンピックを迎えようとするナチスドイツも同様であった。
元々オリンピックをユダヤ人やフリーメイソンの行事とみなしていたヒトラーは自国でのオリンピックを認めようとしていなかったのだ。
彼が政権を握る前にベルリンオリンピックは開催が決定していたのだがそれを拒否しようとした。しかし、閣僚らからその宣伝効果や見込める経済的な利益を提示されて説得を受け、差別的な発言や政策を一時的に緩めてオリンピックの招致活動を継続した。
ここには国際連盟およびIOCとのかなり政治的なやり取りがあったのだが、ヒトラーにとってみれば第三帝国にもたらされる利益に免じて自らの政策を緩めてやったという認識だった。非常に恩着せがましい発想なのだが、間違ってもいない。
ここにきての介入ができるという事実は、再軍備を始めたばかりの第三帝国にとってはあまりにも恐ろしいものだった。
1936年という時点においては、ラインラント進駐時のヒトラーが言及したように、まだドイツは準備期間であった。

加えて、国連が東京オリンピックの代替として開催を打診したヘルシンキもこの状態でオリンピックを行うことに難色をしめした。
1940年におけるオリンピックを東京と争った立場であるが故に、このような暴虐に加担することを嫌ったのであった。
暴力によって勝ち取ったオリンピック。そんな汚名を受けることを嫌ったヘルシンキは、むしろオリンピックを東京で実施すべきとさえ言い切った。
オリンピックは世界に対してアピールをする場であると同時に、極めてリスクも背負うものだった。
今回のような暴挙の片棒を担いだとなれば、少なくとも日企連に喧嘩を売り続ければ、あのコウノトリが軍を乗せて飛んでくるのだ。

それでも何とか、とする各国に止めを刺したのが、日企連が切ったカードであった。

      • 拿捕した船舶及び船員、査察団の身柄の扱い

事実上の人質。これをすぐさま非難した各国だが、日企連は非難をごく平然と無視した。
逆に食って掛かった。IOCの先遣艦隊という攻撃できない相手を迂闊に国内に導きいれた場合、一体どのような地獄が生まれたかと反論した。

「数百名どころか数千、数万人もの命と財産が奪われ、国家としての総体を保てなくなっていただろう。
 それは一方的な差別と偏見に基づく、大義ばかりは立派な暴力や略奪に過ぎない。もしこれを阻止できなければ
 日企連はとてつもない損害を受け、保護という名の侵略を受けていただろう。
 それを容認するような世界ならば、我々は嘗ての如く門戸を閉じ、自らだけで生きていこう。
 そして、国家防衛と存続のためにいかなる手段であれとることを宣言する」

事実上の最後通告。この事態に慌てたのは、ほかならぬアメリカとイギリスだった。
アメリカにしてみれば自らの不手際で船員達が帰還してこないというのはあまりにも世間体が悪すぎた。
水兵たちもまた有権者であり、その家族もしかりである。ただでさえ海軍が暴走したという事実が国家の統制能力を疑われる情勢なのに、水兵たちが捕縛されて帰ってこないなど、とてもではないが敵を作り過ぎてしまう。元より海軍に近いスタンスのルーズベルト大統領は、立場とスタンス故にこのような強硬策を海軍に密かに命じたのではないかと疑われても全くおかしくない人物だった。

666: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:57:21
実際のところは海軍長官のクロード・スワンソンが深く関与しているのだが、いずれにせよ、ルーズベルトの責任を問う声は起きた。
精神ショックによって夢の国の住人となったキングを筆頭として海軍に存在した強硬派の一部をスケープゴートにしたアメリカは公式に謝罪。
同時に日企連のIOCに対する説明不足を指摘して時間を稼ぐも、かなり手痛い枷をはめられることになった。

  • アメリカ海軍およびアメリカ合衆国を筆頭とする派遣艦隊の派遣元から日企連に対しての賠償金の支払い
  • ハワイ以西の領内に停泊する戦力の制限
  • 関連国の艦隊整備計画についての詳細な情報の公表

固まりつつあった史実におけるヴィンソン案についての公表は、アメリカ海軍にとって屈辱と言えた。
性能の要求項目やどの程度まで実現可能であるかまで丸裸にされ、おまけに賠償金を名指しで払うことを迫られた。
当然であるが、海軍の予算から抽出するにしても限界がある。

「賠償の目途が立つまで艦隊と人員については返却しない。支払いがない場合、艦艇と船員及び査察団の所有物を代替として接収する」

何とか引き延ばしをと動いていた海軍は、ついに退路を断たれた。
帰ってこないのは困るというレベルではない。仮想敵に自分の艦艇を抑えられるということは抱えている軍事機密も露見する危険がある。
このままずるずると解析のチャンスを与えれば、その可能性はどんどん高まっていく。時間を稼いでも何ら意味がない。

イギリスがなぜ慌てたかと言えば、軍縮条約への影響だった。
勿論イギリス海軍からも先遣艦隊に艦艇が参加しており、相応の賠償金を支払うように命じられたのだがそのことに慌てたのではない。
空母のレキシントンとニューメキシコ級戦艦2隻を主力とする一個艦隊がアメリカから日本へと移動したという事実に慌てたのだ。
その事実によって、条約によって維持されてきた軍事バランスがいきなり崩れた。
アメリカが補てんのために戦艦を建造し始めれば、これまでの平和を保ってきた軍事バランスが崩壊する。
今はまだ準備の最中。無条約時代はまだ明確には訪れていないが、いきなり過熱してしまうことも困った。
ただでさえ、日企連への懲罰という名目で艦隊の増強計画が持ち上がっていることをつかんでいたイギリスは、情報を知ってしまったがために焦っていた。チャーチルらは軍縮条約の脱退を見越しているのであるが、如何せん周囲の動きは遅かった。
ならば、せめて時間稼ぎはしておきたい。そのように自然と動かざるを得なかった。ついでにアメリカ海軍から予算を減らし、建造ペースを間接的に長くするしかない。それゆえの、賛成だった。

ソ連とフランスはこれを受け入れられないと拒否したのだが、アメリカとイギリスの説得により承認を得る。
結果、日企連は大人の対応ということで拿捕した船舶・艦艇の返却を承認。IOCはなし崩し的に査察の続行を余儀なくされた。

日企連はこの外交上の非礼を、下手をすれば戦争にもつれ込みかねない蛮行を行ったことを理由にあらゆる国家に対して、外交上の態度を急速に硬化させた。国連の名のもとに介入してきた彼らがいたという事実は、日企連を失望させるのに十分すぎた。
各国は自らの傲慢と無知を棚に上げ、彼らが招いた失態を口汚く罵り、IOC査察団の送迎の際に見せつけられた戦力が、一体いつ自分達に向けられるかに怯え、恐怖するしかなかった。

ようやく落としどころを得られたかに思えた各国だが、彼らは知り得なかった。
この結果さえも、日企連が描いたシナリオの一部に過ぎず、日企連の都合と思惑によってその結果を選ばされたものに過ぎないことを。
ブラフと思われていた全世界との戦争が、まったくの迷いごとなどではないと。まだ、知らなかった。
そう、彼らは、まだまだ知らぬことの方が多かったのだ。

667: 弥次郎 :2016/11/22(火) 18:58:53
以上。wiki転載はご自由に。

賛否両論あるかと思いますが、やりかねない、と思ったので。

これでキングはほぼ再起不能状態に。
悪いね、キング。だけど、あんたならやりかねないんだよ。
能力は優秀だけれども、人望などが壊滅的な彼がここでリタイアというのは小さいけれども大きな損失です。

真珠湾の戦力は日企連に難癖付けられないように控えめに配置されます。
おまけに太平洋でドンパチやりたがるキングがいなくなりましたからね。
これも地味に大きな影響です。両用艦隊法にも地味な打撃。というかアメリカ海軍そのものの信頼に関わりますな。


〇分かりやすい流れ

日企連「ハワイに迎えを送るからそれで来てください」

IOC「でもそんなの信じられないよ。先遣艦隊だけでも遅らせて」

日企連「しょうがないですね。まあ、認めますよ。迎えは配置しますから」

先遣艦隊「ジャップなんか信用できるかよ。そうだ、勝手に押しかけて脅してやろw無理難題吹っ掛けてやればビビるさw」

鴉天狗「ウェルカム」

先遣艦隊「」

IOC「え、ちょ、まっ……!オリンピックにかこつけた侵略とかふざけんな!おい、艦隊を動かしたアメリカ何やってんの!」

ルの字「何か言うことは?」

アメリカ海軍「俺は悪くねぇ!」

ま、こんなもんですかね。

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最終更新:2016年11月28日 14:32