510: 第三帝国 :2017/03/26(日) 17:01:46


銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「異星人と日本人の驚愕」


――――官邸 日ヤ安全保障委員会


「しっかし、一晩で島が出現するとはな。
 ティ連合が来て以来ちょっとやそっとじゃ驚かない自信はあったけどなあ、二藤部?」

「まだまだ世の中には驚くべきことがあったわけですよ三島さん。
 在日アメリカ軍も横須賀から緊急出撃、またオーストラリア、インドネシアといった近隣諸国。
 加えて中東から帰還中でありました中国の艦船も当該海域に向かっていますし、それに――――――—」

「ソれに『日の丸をつけた未確認機』を目撃しまシタカラ。
 ヴェルデオ大使もこの件について非常に関心を抱いていマス。
 一夜で島が現れるなんてティエルクマスカ連合の歴史上にもなかった現象ですカラ」

チラリとフェルが視線を上に上げる。
会議室の中央には「小笠原諸島と沖縄の間に存在する北海道を超える巨大な島」の衛星写真が映し出されていた。
その隣には島が現れる前の衛星写真が提示されており、異変は明らかであった。

「兎も角、一刻も早く接触しないとな。
 アメさんはティ連合とのファーストコンタクトに失敗したのを挽回するつもりだ。
 抜け駆けしようとしたくせに今度は譲ってくれ、なんて外務省宛てに厚かましく要求して来やがったぜ」

白木が憤慨交じりの言葉を吐く。
ティ連合とのファーストコンタクトでアメリカがやらかした事を忘れていなかった。

「ダカラこそ、私たちの出番デス。
 デロニカならグアムのB52なんかよりも早く接触できマス」

ポルが胸を張って答える。
宇宙での航行を前提としたティ連合のなら、
アメリカのB52だけでなく自衛隊のP-1哨戒機よりも早く移動できる。

加えて今や日米同盟以上に親密な関係を構築しており、
ティ連合の意向はすなわち日本の意思でもあるが表向きは、
「日本でなくティ連合が先に接触した」という事実は非常に都合が宜しい。

511: 第三帝国 :2017/03/26(日) 17:02:22


そして・・・。

『コチラシエ。
 島ヲ視認シタ』

「お、早いな。
 流石デロニカ」

デロニカを操縦するシエ・カモル・ロッショの報告が会議室に響く。
一番最初に接触を図るべく動いたのはグアムに駐留するアメリカ軍であったが、それよりも早くたどり着いたのだ。
柏木は神様仏様、ティ連合様様だなと内心で呟いた。

『ソレト・・・今未確認ノ艦隊ヲ確認シタ、映像ニ映ス』

艦隊?
という言葉に疑問符が浮かぶ中、目の前に映像が映し出される。
確かに無数の船舶が陣形を構築して航行している姿があった。
しかし、距離がまだまだ離れているせいで白い航跡ぐらいしか見えない。

「多いですね・・・形からしてたぶん輪形陣を組んでると思います。
 唯の商船などならする理由などありませんから恐らく軍艦だと思います」

海自の加藤幸一海将が呟く。

「と、いう事はあの島には国家がある。と考えるべきですね」

続けて映像を見た五辻麗子が、
「日本の近海に新たな国家が出現した」という事実を指摘する。

「とは言エ、どんな相手かこれではまだわかりまセン。
 シエー、私たちが分かる程度にもっと映像を拡大して下サイ」

『了解シタ。
 映像、拡大スル』

フェルの指示で映像が一気に拡大される。
画面の染み程度でしか認識できなかった艦影が画面一杯まで拡大され・・・・・・。

「な、なんですか、あれは・・・?」

「おいおい、冗談じゃないよな?」

総理大臣である二藤部新蔵、
それに外務大臣兼副総理の三島太郎の困惑の声を皮切りに会議室は俄かに騒がしくなる。

ティ連合の撮影機材は確かに良い仕事をした。
映像は何せ距離数万メートル先から艦橋に居る人間すら識別できるほどなのだから。
だからこそ、映像に映る船の名前に心当たりがある人間、特に日本人は当惑し混乱しつつあった。

「マサトサン、
 日本の皆サンはあの船に見覚えがあるのデスカ?」

当惑する日本人たちに疑問を覚えた余所にフェルが柏木に質問する。
対し柏木は呆然としつつもフェルの質問に答えた。


「大和だ・・・」


かつて太平洋戦争で沈んだ戦艦が柏木達の前に現れた。






おわり

512: 第三帝国 :2017/03/26(日) 17:05:40
以上です。
銀河連合日本の時期は日ヤ安全保障委員会結成一か月後で、ハイジャック事件でキャプテンシエがデビューする一か月前です。

ちまちま書いていきます。

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最終更新:2017年03月27日 12:30