27: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09:37:17
銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「艦娘たちの憂鬱」
「初めに言っておく。
この会議は同じ艦娘の意見交換と意思統一のためにあり、普段の階級は忘れて欲しい。
そして今回の件はこの島最大の危機であると私は考えている。大淀、状況説明を」
「はい、昨晩0000にて駆逐艦吹雪が進行不能点の突破を確認。
電波情報を収集した結果、我々が戻ってきたのは21世紀の世界であると判断。
これに対し、軍令部総長の権限で第1種防衛基準体制を必要と判断し発動。
鎮守府は総動員体制へ移行、各種予備役の配置も間もなく完了する予定です」
「流石だ、大淀。
で、基地航空隊の方はどうだ?」
「全ての戦略爆撃集団は空中待機命令。
さらにすべての基地航空隊は24時間の即応体制に入っています。
また、景雲を始めとする偵察機による哨戒網を構築したさい米軍と自衛隊との接触を確認しました」
「マリアナと硫黄島は目と鼻の先ですからね・・・。
軍艦を派遣して来るのは、もはや時間の問題でしょう」
「ああ、違いないな大和。
この島の位置で無視してくれるお人好しな国はどこもいない。
ましてや人工衛星が飛び交うこの21世紀という世の中で誤魔化しは効かない」
「既に在日米軍と海上自衛隊が訓練を中止。
こちらに向かって来ているのは分かっていますから、それこそ2、3日後には邂逅するとこの霧島は計算しています」
「ひえー、殆ど時間がないじゃないですか!」
「それだけこの島の位置が絶妙だからな。
加えて北方と南方にある油田地帯も衛星で見られているだろう」
28: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09:37:49
「だよねー。
株や先物取引でも早くも動いているのは衣笠さんも確認したし。
後たぶん皆が気になっている大陸の反応についてだけど、青葉が説明するわ」
「青葉です。
大陸で軍の通信が増大しているのを確認しました。
島の発見について国営メディアでの論説は既に中国の夢を実現させる絶好の好機。
と盛んに宣伝しており、軍令部第3部としましては最悪の事態について考慮すべきと意見を一致させています」
「まあ、予想通りだな大陸の反応は・・・。
飽和している人口に破裂寸前の経済を解決するために植民地を欲しているからな、あの国は」
「歴史は繰り返す。
というけど今度は相手が同じ歴史を繰り返すなんて皮肉よね、長門」
「それよりも中国の艦隊はどうするのですか?
空母こそ1隻しかありませんけど、フリゲート艦の数が多い上に技術差は埋められません。
もしもこの島を目指して来たらいくら改二となった瑞鶴先輩でもとても太刀打ちできませんよ!?」
「安心しなさい葛城。
あの子はどんな状況であろうと必ず一矢を報いるわ。
それと中国の正規艦隊については米軍が阻止するでしょう。
南沙諸島の件といいこれ以上の狼藉はあの国は許しはしないわ。
・・・だけど問題は21世紀の便衣兵である海上民兵による上陸ね。
こちらか手を出せない上に、最悪一方的に悪者にされかねないわ・・・私が経験した上海事変のように」
「加賀さん・・・」
「心配しないで、赤城さん。
少しばかり感傷に浸っただけよ」
「ケケケケ、モシモノ時ハ望ミ通リ悪ノ帝国トシテ振ル舞ウダケ」
「ココハ幾度モ水底ニ沈ミ、ソノ先ニ得ラレタ安寧。
ユエニ我ラ深海棲艦モ協力ヲ惜シマナイ・・・・・・。
モシモノ時ハ、アイアンボトムサウンドノ様ニ纏メテ水底ニ沈メテアゲル・・・!!」
「協力はありがたい。
しかし、こちらから拳を振り上げることは無しだ。
ましてや提督が決断を下していない状況で軽挙妄動は控えてくれ、頼む」
「ヲ、分カッテイルヨ、長門サン。
深海棲艦デアル私達ハドウシテモ理性ヨリモ負ノ感情ガ先行スルダケサ」
「ところで、大淀さん。
提督の様子は?具合とか悪くないよね?」
「提督はこれまで纏めた報告書を確認している最中よ、神風さん。
流石に混乱しているみたいだけど、食事はしっかり取っていたから大丈夫よ」
「流石に提督でもこの事態は混乱するよねー。
増してや宇宙人が地球にやってきて何故か日本に居座っているなんて」
「何でも最近は日本で観光旅行をしているそうですわ、鈴谷。
イゼイラ人も神戸ビーフを食べているのでしょうか・・・・・・」
「・・・オホン!
兎に角、確認が終われば提督が決断を下すだろう、我々とこの島を守るための手段を。
それまでの間、何時での抜錨できるように準備をしておいてくれ」
おわり
29: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09:41:20
以上です。
楽しんで頂けたら幸いです。
次回こそ本格的な接触となるでしょう。
しばらく出かけますので、では。
最終更新:2017年04月02日 14:58