トゥヘァ氏や休日氏やトーゴー氏やスレ住人の世界観をごちゃまぜ参考にした休日系。
こやつの話だけはまじめに書く話じゃないっぽいんだが思い付いたからまじめに書いてみた。
まじめってもちょっとだけだぞ。
マリー黒いぞ。
クララ白いぞ。
玉城が逃げてるけどラブりすぎてるぞ。
中華連邦大ピンチだぞ。
裏では嶋田さんとユフィがラブラブしてるぞ。




こうなったからにはもう駄目男は卒業させるbyギアス嚮団嚮主




「で?どちらを選ぶんだいクソニート」

「ニートじゃねーよもう立派な酒屋のマスター様だっつーの!!」

「うるさいよ恋愛面では総受け身の鈍感ニートの分際で生意気な口を叩くんじゃないっ キミのしでかした小さな一つ一つがいったいどれだけ大きな影響を及ぼしているのか自覚してるの?!」

珍しく怒っていた。
とても珍しくも温厚で有名な叔父様が激怒なされておいででした。

「単純計算で最悪日本3億強ブリタニア約10億の 計13億人もの人々に影響を及ぼす事になるんだぞっ! これに保護国や衛星国の国民への精神的な動揺を加えれば20億じゃ利かなくなってしまう! 市場の動揺に円もポンドも暴落してオセアニアドルが高騰でもして政情不安に繋がっていけば第二次太平洋戦争 いや第一次世界大戦の引き金を何処かの国が引くことになったりする事態にも繋がりかねないんだっ」

とても物騒なお話しでした。

日武とその衛星国家群。
オセアニアとオセアニアの衛星国家群とそれに加えてイラクを中心としたイラクの傀儡政権を立てられている中東の共産主義の国々。
およびオセアニアの体の良い操り人形にされているプレトリアや オセアニア側に付くだろう清国高麗国による二大勢力が起こす空前絶後の大戦争が巻き起こる可能性が出ているのだ。

連邦の一角を成すインド軍区ことインド帝国は最悪の事態に備えて内密にブリタニアへと接触を図ってきている。
インドの目的はブリタニアに日本との仲介をお願いできないかというもので すでに実務者協議に入っていた。
インドも日中戦争でインド海軍を全滅に近い形にされていた為に日本を恐れて付かず離れずの外交を行って来ていたが ここにきて日武同盟に参加したいとの打診をしてきていた。

《無論のこと日武同盟とは 他の同盟とは異なる真に日武間にのみ適用される最重要条約と条項そして各種の機密の塊 残念なことですが 我ら日武同盟に加えられる余地があるのはヴェランス大公と欧州北アフリカ連合王立政府首相アドルフ・ヒトラー卿が率いているかつてのユーロブリタニア 現在のAEUのみ ですのでブリタニアにできるのは インド帝国の日本との仲介とその先に在る平和条約締結へと至る道筋を付けられるかどうかだけとなります》

V.V.に報告してきた協議担当者も これには日中の国民感情が深く関わっていることを厳に知っている為に苦しい答弁に終始していたとか。

インドに遅れて方針の定まらない中華連邦中核国たる中華帝国も 事ここに至り日中平和友好条約の締結仲介をブリタニアに打診してきていた。
中華連邦がオセアニアに勝てないことを自分が一番よく理解しているからだ。

《一方で中華帝国内部には反日派も数多く いまだ意見が定まってはおりません もちろん第二次日中戦争など現在の日中両国の国力差を鑑みれば中華帝国含めた連邦全土が焦土と化すこと必定なために 日本との戦争などについては考えてはおられないでしょうが それでもオセアニア圏 南側諸国の大北進が現実のものとなれば中華連邦も抗しきれず 連邦の一部の国が対日強硬派と共にオセアニア側へ付くか降伏 のち日本と開戦 などという愚かな選択をしないとも限りません》

中華帝国の密使と協議した担当者は苦渋の色を滲ませていた。

《このなにも持たずなにも成し遂げず生きてきたむしょ・・・・失礼フリーターにして日本の平民青年と我が国が誇る戦姫マリーベル殿下がご結婚なされるという話になれば ブリタニアはまともな政治感覚のない国との疑念を持たれて協議が打ち切られる可能性もございます 最悪はアジア全土をオセアニアに掠め取られかねず 四千年と続いた中華王朝も滅び去るでしょう そして中華の遺跡や力も物にしたオセアニアは南側諸国と共に日武にまで宣戦布告し第二次世界大戦の引き金となりましょう》

「すべてキミの軽はずみな言動や行動が引き起こした事態なんだぞ一体どう責任を取ってくれるんだっ!!」

怒鳴り散らしながらも ランペルージ家社長令嬢との結婚がどうして世界大戦に繋がるのかといった 事態の詳細など自分たちの素性など話せない相手に対してV.V.はただ苛ついていた。


話を聞いていたのはマリーベル・メル・ブリタニア。
彼女は色々と考え始めた。

温厚な叔父様が私とにいさまの結婚についてこんなにも真剣にお考えになり 尚かつ日武両国臣民の皆様への配慮までなされる御発言。
にいさまの隣で粛々と聴き耳だけを立てている私はただにいさまのお言葉をお待ち致しておりました。

マリーに決まってんだろクソジジイっ!

きっとこう述べられるはずですもの。
運命の出逢いを経て再会を果たした私たちなのですから 私たち二人が力を合わせれば打ち破れぬものなど何処にございましょうか。
オセアニアなにするものぞ 日武の いいえ真にいさまの激励によって私が創設した大グリンダ騎士団の力を用い まずは先兵たる高麗国を打ち破って御覧に入れますわ。

「違う違うっ こんな無効な選択は無視して元々の予定通りにクララとお兄ちゃんが結婚すればそれで八方丸く収まることだよっ」

なにか雑音が聞こえますね。
私とにいさまの闘争が始まる前章としてはまったく以て相応しくない雑音が。

「お黙りなさいなピンクチビさん あなたがこの私に勝てるとでも仰いますの?」

低身長 普通より少しくらい大きく御成長なされた・て・い・ど・の・でしかない胸部。
教養 血筋 武芸一般すべてにおいて完璧な私に対してたかが諜報を兼ねた暗殺者でしかないおちびさんに私が負ける要素など まったくを以て皆無でしたわ。

「ピンクチビって呼ばないでくださいおひめ マリーお姉ちゃん! それいってもいいのはお兄ちゃんだけなのっ!!」

マリーベルのにっこり微笑む視線に微かな優越感を感じ取っていたのは V.V.の愛娘にして玉城とは年の離れた幼馴染みクララ・ランフランクだった。
彼女は心中を吐露していく 当然心中内で収めながらに。

パパの言うとおり御自分のお立場を理解されているのかいないのか分からないお姫様の一方的な勝ち誇ったあの態度。
あのね 実は態度は普通なんだけどその目がもうクララを思いっきり見下してた。
選ばれるのは自分だってもう確信してるその目が見てて頭に来ちゃった。

そりゃね 背はクララよりずっと高い ハイヒールがとても似合うおみ足も長いし胸なんか勝負にもならないモデル体型。
ギアス無しの一対一の戦いじゃまず勝てないし剣技なんかもうからっきしなクララじゃ一撃で負けちゃう。
容姿だって幼いって言われるクララよりもずっと大人っぽくて綺麗だし美人度数でいっちゃえば逆立ちしてもかないっこないよ。

ただひとつ嬉しいことに 最近はお兄ちゃんもクララのことを女の子としてみてくれるようになってきたのか「おまえってやつぁあのクソチビ親父に似てどうしようもねーくれーのガキっぽい女だがよ そのなんだ普通にしててもな 普通に可愛いんだからな 変な化粧とかすんなよ? ぜってーすんなよ似合わねーから」なーんて褒めてくれたりしてくれたりなんかしてくれちゃってるんだけど~♪

それでもお姫様みたいな美女相手じゃね お兄ちゃんてば非モテの童貞の分際で 年上モデル体型の美女が好き だとか舐めたことをいっつも言ってるから時々怖くなっちゃう マリー姫様とかコゥお姉ちゃんにはどうやったって勝てないんだもん。
身体的に勝負できるところなんて髪くらいしかない。
クララの髪は膝まで届く真っ直なストレートの桜色でお兄ちゃんはよく褒めてくれる 本当は桜色っぽいところに反応してるだけかも知れないけれどね。
でもお姫様の濃色ピンクか薔薇色か そんな色の髪もふわふわウェービーな腰下までのロングヘアですっごおく綺麗ではある。
綺麗ではあるんだけど結構目立つんだなあ御髪の痛み具合が 戦ってばかりだからそうなるんだろうね~。


命懸けてさ 民のために剣を振るう騎士姫様には仕方ないことなんだけどさ そういうのにクララのお兄ちゃんを巻き込まないで欲しい。
悪いけど 日常とか平凡とかお馬鹿こそが似合うお兄ちゃんには相応しくないんだよお姫様は。
皇帝陛下直轄の機密情報局でさえも同盟国「日本帝国の真の支配者らしい」だなんて噂の段階を超えられない不確定な人物 大日本帝国前宰相閣下も うちに来た時にパパと縁側でお話しをしながら平凡や日常はいいものだと言っている。
その宰相閣下が最近結婚した超年下の奥さんが実はうちの国の陛下の娘 要約しちゃうとこのうだうだとうざいお姫様と同じくお姫様 我がブリタニアの第三皇女様だったりする。

この空気読めないお姫様の腹違いの妹様でユーフェミア・リ・ブリタニア殿下 クララはユフィお姉ちゃんと呼んでるそのお姫様は直系の祖先にあの英雄帝クレアがいるらしい。
幼いころ コゥお姉ちゃんにリ家の家系図を見せて貰ったことがあるんだけど ずっと辿っていったところに確かにクレア・リ・ブリタニア 救国の英雄帝の名前が記載されてたのを覚えてる。
でもユフィお姉ちゃんにはその血の片鱗が見えないから嘘だって思わず口走っちゃったよそのときは。
でもねしっかり受け継がれてるんだよ 武人のコゥお姉ちゃんにね。
まね 旦那さん日本元宰相閣下ってパパと同じくらいのお爺ちゃんらしいから観てると祖父と孫みたいにみえちゃうんだけどさ 実はもう子供まで生まれちゃってる。
結婚したその年の内に生まれてたからユフィお姉ちゃんのご懐妊は元宰相閣下のリ家への婿入り前だったりするのよね 英雄帝も破天荒なひとだったらしいからそっちの血はユフィお姉ちゃんが引き継いだのかな。

ああもう 大日本帝国前宰相閣下とユフィお姉ちゃんの話なんかいまは関係無いの。
問題はお姫様を選んじゃったり お姫様に盗られちゃったりしたら お兄ちゃんはまず間違いなく血生臭い経験をすることになるって事が問題なの。

立場上クララだってたくさんひと殺してきてるよ? 血も付いてるよ? でもそれにお兄ちゃんを巻き込んだりしたことなんてこの長い付き合いの中で一度だって無い。
好きな人っていうのはね クララたちみたいな 私たちみたいな裏側のお仕事をしている人間はその裏側の世界からね できるだけ遠ざけて置かなくちゃ駄目なんだよ。
それなのにお姫様ってば巻き込む気まんまんじゃない だから相応しくないっていってんのクララは。

だからもうクララも我慢しない 運命だとかわけわかんない出会いだけじゃ不可能な時間ってものを教えてやるんだから。


「はい質問お兄ちゃんの初恋の相手は誰でしょう?」

「え? と・・・・クララさん? 唐突になんです?」

「お兄ちゃんの渾名はなんでしょう? お兄ちゃんの脳みそは何ビットの容量でしょう?」

「え? え?」

「お兄ちゃんは捨てられた動物を拾って上げましたがその動物とはなんだったのでしょう? またなにを目的として拾ったのでしょう?」

ほーら答えられないじゃんなーんにも。
クララは全部知ってるもん。
お姫様がそれを知らないってことはね それだけお兄ちゃんのことやお兄ちゃんの人生を知らない証拠なのだ。
お兄ちゃんはお姫様みたいな生活はしてません そんな環境でもありません 普通の家庭に生まれて普通に生きてきた普通のひとなんです。
そんなふうに人生を生きてきたお兄ちゃんにはいまの生活かクララが養うかしか選択肢は無いの 血生臭いお姫様のいくさばになんて誰が連れて行かさせるものですかっ!

「お姫・・・・マリーお姉ちゃん お姉ちゃんの選択次第で世界は大きく動くんだよ?」

「・・・・・」

答えないお姫様。
ああもういいや どうせお兄ちゃんに聴かれたって意味分からないだろうし。
明後日の方むいて鼻ほじってるし。

「パパの言った通り株価の変動が起きたりするかも知れない 原理主義組織討伐の先兵たる大騎士団の長にして戦姫の異名を持つお姫様が こーんななんにも考えずに生きてるようなアホを婿にするなんて国中混乱するし落胆しちゃう 日本だってもしかしたら信用度を下げてくるかも」

「誰がアホじゃ誰が!」

鼻ほじりながら突然ばっと反応して怒り出すお兄ちゃんには注意していなす。
ごめんね マジモードのいまは構ってられないの。

「邪魔だから黙っててねお兄ちゃん」

笑顔を浮かべて。
暗殺するときのあの薄ら笑いを浮かべてお兄ちゃんを突き放す。

「・・・・」

お兄ちゃんは黙ってくれたけどこんな顔見せたくなかった。
はじめてだったんじゃないかな裏の顔なんて見せたの。

お兄ちゃんが唾を飲み込む音 はっきりと聞こえたよ。

                • 嫌われちゃったら 避けられるようになっちゃったら やだな・・・・・・


そのあとはまた大変だった。

もちろん自分預かりの直属としてお兄ちゃんを鍛えると言い出すお姫様。

このバカには無理だというパパ。

コゥお姉ちゃんやルルお兄ちゃんまで交えての話になり そのうち日本元宰相シマダ卿は来るわ ユフィお姉ちゃんも御子をお抱きになって付いてくるわ ツジ閣下とか なぜかヴィンセントも飛んできたり すごいのばかりがやってきた。
ああ 途中から私は抜け出したよお兄ちゃんと二人でね。

「なっなあよークララぁ」

「ん~?」

「おめえ選ぶかマリーの嬢ちゃん選ぶかの話になんであんな集まってぎゃあぎゃあやかましくいわれにゃならねんだよ」

あれだけの話をしていてもランペルージ家の正体は疎か 自分の国の政治家のこともまともに覚えていないお兄ちゃん。
馬鹿を通り越して鈍感の天才なんじゃないかなって最近思いはじめてる。
もうこれってさ 気付かない方が異常な段階に入ってきてるよ?
失敗続きの人生でネジが100本くらい飛んじゃってるのかなあ。
2ビットの脳が1ビットに欠けてきたとか。

まあいいや クララは当たり障り無く説明することにした。

「うちってね 国際的なグループ会社で 日武勢力圏を中心に欧州中東アフリカ中華まで手広く商売してるでしょ? それでまあ色々あるの」

「はぁ なんかよくわからん説明をどうも」

「わかんなくっていいんだよお兄ちゃんはね♪」

「さいですか・・・・」

あとお兄ちゃんは悪運がもの凄く強い 昔ルルお兄ちゃんとナナちゃんと私と三人に 保護者役のジェレミア卿やヴィレッタ卿と出掛けていたとき 暇を持て余していたお兄ちゃんがうちを訪ねてきてそのまま一緒に連れて行ったことがあった。
そこで運悪く発砲事件 ルルお兄ちゃんからジェレミア卿までお兄ちゃん以外よりどりみどりのターゲットが連れだって歩いてるんだからこれは予想できたことだったんだけど それが自動小銃コイルガンによる数十にも渡る連射弾がちょうど私たちの真ん中にいたお兄ちゃんを中心にして全弾外れちゃったんだ。
日本にも民主共和制原理主義過激派がいることは知ってたし そのあとの対応も早く警護の日本のSPやヴィ家親衛隊が素早く対処して制圧した。

うん まあなんていうのかな 悪い目に合う星の下にいるんだけど決定打は全部回避するひと?みたいな。
苦心にて揃えた一生掛かっても出ないかも知れないロイヤルストレートフラッシュが1円とか10円賭けてる時にだけしょっちゅう出るとかそんなの。


「それよりおまえってあんなコエー笑い方する事あんだな・・・・・ちょっとさびびったわ ありゃ平気でひと殺せるやつの笑い方だぜ?」

昔反政府のテロの現場にいたときにそんなのを見たらしい。

「シマダ内閣の時代?」

「そうそう んでそいつ全天に秩序あるなんだかんだ叫びながら宰相閣下の車列に突っ込んで自爆しやがった」

幸い無傷だったらしいお兄ちゃん。
幸いで片付けて良いお話でもないような気がするけど。

「そんときのそいつの笑い方とな かぶったんだよ」

クララの笑い方のことだ。
やっぱり変に思われてたんだ。

うんそれはそうだよね。
だってさっきのアレ 平気でヤるときの お仕事のときの顔・・・だもん。

俯く私 まともに見られない 身体が震える。
もし この事が切っ掛けとなってお兄ちゃんに避けられたらって・・・・・でも。

ぽん。

気が付くと頭に手を置かれていた。
怖々見上げた先には私の直ぐ真上で笑うお兄ちゃんの顔がある。
ワイルドで不良っぽい感じに髪の毛を逆立てて顎に無精髭を生やした人相の悪い顔が笑っていた。

「んまぁクララにゃ関係ねーか 単なる企業オーナーのお嬢ってだけだもんな」

「・・・・・・・・お兄ちゃん」

「あん?」

「やっぱりお兄ちゃんって馬鹿だよね」

でも大好き。

「うっせ締めんぞくそガキャ!」

「うわ~んお兄ちゃんがいじめる~っ そんなお兄ちゃんに勇者クララは反撃だぁ~っ ちゅっ」

「んむっ!? おっおまえまたキスしてっ」

「えへへーもう何回目かなぁ奪っちゃったのはぁ」

うわぁお兄ちゃんトマトさんになってるよ。
きっとクララもだけれどね。

そんなことしてたら。

「にいさまお消毒ですわァァーーっ!! ちゅっ」

「んむうっ」

横から背中の羽をマント状に広げて靡かせながら走ってきたお姫様が勢い止めずにお兄ちゃんにキスしてきた。
あんたの話をしてるのに抜け出して来るなぁっ!!

「んっんふぅ」

しかもちょんって触れさせるに止めず重ねた唇塗り込んじゃってるよお姫様。

「駄目ぇぇぇぇっっ」

それは駄目 許さない。
だから身体でぶつかって引き剥がしてやったもん。

「きゃあっ もうなにをなさいますのクララさんっ」

「うるさいこのキス魔の間女っ」

「間女ですってこのわたくしがっ?! 赦せませんわいまの御発言は撤回なさいっ!!」

「いやっ絶対にいーやっ!!」

ひっつかみあいの喧嘩を始めるクララとお姫様だったけど喧嘩その物は仲裁された。
お兄ちゃんにまあまあって抱き寄せられて。

でもそのあとお兄ちゃんってば逃げちゃった。
最低だよそれっ! 逃げ足も早っ!

このときばっかりはクララもお姫様と共闘したよ?
だってさあ 同じ馬鹿で駄目な男に惚れちゃった女同士だもん。
どこかで似てるんだよきっと。

けどほんと不思議だなって思う。
さっきお兄ちゃんが話したシマダ元宰相閣下がそこにいるのにやっぱり気付いてなかったし。
鈍いんじゃ無くって本当に正真正銘の馬鹿なのかなあ。

それでまあクララより脚も長ければ鍛え上げられた脚力を持つお姫様がお兄ちゃんをひっつかまえてはきたんだけど 結局結婚話は一時棚上げになっちゃった。
クララなら問題無いんだけれど ブリタニアの裏の顔にも通ずるメル家のお姫様が出て来ちゃうと どうしても外交の話に直結してくるからこの場では決められないんだってさ。

ほんと余計な事してくれるお姫様。

お兄ちゃんはね クララとお日様の下でのんびり暮らしてる方が絶対に幸せなんだよ。

奥様は暗殺者くらいならちょうどいいし 許してくれるよね?

そのときの嶋田とユーフェミア。


「でもマリーにもクララさんにも幸せになっていただきたいものですわ」

「いやそれ無理だろう 皇女殿下と暗殺者と一般市民だぞ どんな組み合わせだ」

「わたくしたちはお爺ちゃんと孫くらい年齢差のある夫婦ですわ わたくしたちもどんな組み合わせだと仰られてしまう関係ではございませんか? ヤマモト卿とリーライナさんも ですがわたくしたちはこんなにもラブラブでしょう」

嶋田に抱き着くユーフェミアからの口づけ。
嶋田は静かに受け止める。

「ん・・・・」

塗り合せるように動く唇は20秒ほどで離れた。

「俺達と彼等ではまた事情が違うだろう 皇女と暗殺者となんの実績も功績もないそこらの平民の重婚なんて そんなのが成立すると思ってるのかユフィは」

「愛があればこそ ですわ」

「やれやれ強情だな」

抱き合う二人はもう一度口づけを交わす。
このあいだ ユーフェミアの腕に抱かれていた赤子はコーネリアが抱いていた。


そのときのコーネリア。

「我が妹ながらあんな甘い夫婦の接吻をこの場でやってしまうとは 剛胆なのか周りが見えていないだけなのかわからんな・・・・おまえもそう思うか?」

抱いている姪に語りかけても寝ている姪は返事をしない 0歳児の赤ん坊なので起きていたとしても返事はできないわけだが。

「物心付く頃にはあんなのを毎日見させられるのだから この子には軽はずみに接吻などするなと私が教育しておかねばな」




そのときの辻とV.V.。

「クララとマリーベルとシンイチロウの重婚だって? そんなの全皇族全貴族の猛反対に遭うに決まってるじゃないか シンイチロウなんだぞシンイチロウ 馬鹿に馬鹿って言われてしまうほどの馬鹿で調子乗りなシンイチロウなんだぞ? 国民感情も最悪な事になっちゃうよ よしんば僕の皇籍復帰が認められてシンイチロウを僕の養子にしてマリーベルと結婚させても周囲からの反発は必至だ 結婚は出来るからマリーベル本人は幸せなんだろうけど批難受けるこっちの身にもなってほしいよ それにクララから一生恨まれるし下手すればあの子シンイチロウのこと殺しかねないんだぞ そんな事態まで想定して動けって 僕は結婚相談所の相談員じゃないってのにみんななにを考えてるんだよまったく 外交も緊迫してるし ううっ 不死身なのに胃が痛くなってきた」

「恋愛は個々の問題とは云え中々難しい物ですねぇ 嶋田さんや山本さんのときは一発でゴールインしたのですが あっ胃薬要りますか?」

「なんでそんなの常備してるんだい?」

「ユーフェミア殿下が現れるまで年がら年中胃痛の重症患者を診ておりました物で」

「一発で誰のことかと分かってしまう回答をありがとう」

辻 心の声《原作の玉城くんを知ってるから少し心配ですよ余計な事にならなければいいのですがね》

そのときのヤマモトとリーライナ。

「いっくんシマダ閣下とユーフェミア様が接吻しておりますわよ?」

「だからなんだ なにがいいたいんだ」

「うふふふっお分かりなのでしょうに誤魔化しますの~?」

仏頂面のヤマモトへにこやかに微笑むリーライナはヴァルキリエのパイロットスーツを着ていた あの紫色の露出箇所の多いレオタードみたいなスーツを。
V.V.邸の緊急脱出用VTOLポートに駐機しているのは彼女のヴィンセントで ちょっとした皇族貴族間での意見交換がしたいからというV.V.の召集に態々駐日ブリタニア軍の駐機場から駆け付けたのだ。
ちなみに駐武日本軍のKMFパイロットの女性用飛行服はブリタニア軍のように露出が少なく あちらではその違いについての意見交換や文化の違いが話し合われているとかいないとか。

「10秒だぞいいな?」

ひとこと注意したやまもとはリーライナの腰を抱き寄せてそのレオタード風のパイロットスーツに包まれた肢体を力強く抱き締めながら 宣言した10秒の間だけしっかりとした口づけを交わした。

「んうっもう少し」

「駄目だ場を選べと言っておるだろういつものことだが恥ずかしいのだぞ人前での接吻など」

顔真っ赤な山本に抱き着いたまま肢体を押し付けて離れないリーライナを彼も放さない。
二人は見つめ合ったまま話し合う。

「いっくんはどうお思いですのあの方々の とくにマリーベル殿下の婚姻について」

「訊くまでも無かろう 国益と国民感情を考えればマイナスにしかならん 皇国では絶対に成立させんぞとくにあの辻がな」

「まあ国益を考慮致しますと確かに致し方ございませんわね あとはどうなるかですが議題が貴族会議に上がればわたくしお父様は反対票を御投じになられることでしょう」

「だろうな 俺でもそうする 個人としてはまあ可哀想だが 結局のところはV.V.氏と兄君のシャルル皇帝陛下次第だな 皇国側に意見を求められるようなことがあれば御上も伏見宮殿下も反対に回られるとだけ言っておこう」







終わりだぜい。

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最終更新:2017年04月02日 19:14