888: 陣龍 :2017/05/25(木) 18:12:57
……アカンな、湿気と暑さの為かとんでもない物が出来てしまった。尚かなりブラックな代物(だと思う)

極東危機ifの悪夢ネタの奴ですが、まあ取り敢えず投下して見ます。細かい精査は相変わらず
投げ捨てていますが気にしないで下さいな

889: 陣龍 :2017/05/25(木) 18:14:02
【苦労をしても栄誉を得られるとは限らない。だが労せずして得た他者の栄誉等、紙屑にすら劣る】
                                          ----ダィエフ・アントン

【我等の偉大なる父祖が築いた光に寄って集るウジ虫に掛ける情け等不要。空虚な妄想を語りたいのなら、壁か土とでも話して居ろ】
                                          ----安・泰福


【極東戦争の後始末 ~悲哀溢れる統一朝鮮の一日。将軍様よ、お助け下され~】


「……ふぅー……。全く、こんな閑職送りを喰らってるロシア人を態々指名するとは、彼らは一体何を考えてるのやら」


 ロシア連邦の民間旅客機の中で澄み切った青空を眺めつつ、そんな事を呟く壮年のロシア人男性。彼の手の中には、半棚ぼた的に
祖国統一を成し遂げた末、ロシア軍の本土駐留や対満州外交での一定度の譲歩によってロシアの忠良な衛星国へと何とか舞い戻る事が
出来た、朝鮮民主主義人民共和国からの書簡が収められていた。


「……意外と、そこまで閑散とはしていないのだな」


 元大韓民国の国際空港であったのをそのまま流用している仁川国際空港に降り立ったロシア人の男…アントンは、想像しているよりも
賑わっている現地に暫し両目を瞬かせていた。と言っても、先進国一般の視点で見れば未だ混雑しているとは到底言えない程度の人込みだが。


「……お、いたいた。おーい、アントン」
「その声は…安?もしかして、安k……はぁ?!」


 そんな中、聞き覚えのある声が耳に届いたと同時に、自身の脳髄がひょんなことから旧来の友ともいえる関係になった北朝鮮人の姿を
浮かばせた。そして『お前が迎えだったのか』と少々喜悦を浮かばせながら振り返ったアントンの眼に映ったもの。


「…おい、久しぶりの友人を目にして『はぁ?!』は無いだろ、『はぁ?!』は」
「い、いや、悪い。だが、まあ、その、なんだ、アレだ……お前、痩せたな、冗談抜きで」
「ああ……まあ、な」


 記憶の中に存在する、それなりに恰幅の良かった安の姿からはかけ離れた、骨と皮の骸骨人形3歩手前程度にやせ細った安の姿が、そこにはあった。





「……それで、何でわざわざ俺見たいな閑職送りになった奴を指名したんだ、お宅の国は」
「アントン。お前さん、確か仕事上旧ソ連時代からの教育関係を網羅していたな?」
「?ああ、そうだが……一応資料も持って来ているが」
「なら適任だ。いやこれ以上ない程に適任だ。歓迎するよ、本心から」
「お、おう……?」


 安が既に用意していた車に乗り込むや否や、そそくさと走り出したのを他所に、何故か妙に安に歓迎されている事に困惑しているアントン。
歴史や教育関係の職に長らく携わっていた事が一体何の役に立つのか、アントンにはサッパリ予想が付かなかった。北朝鮮も旧東側陣営内でも
極々一般的な独裁国家である為、教育関係に関しては自力で可能なのは知れている。同じ民族である旧韓国人への教育も、北朝鮮独力で
可能と考えていた故に、アントンは『なんでだろうか』と疑問を持ち続けていた。


「……よし、着いたぞアントン」
「……所で安?一つ聞いて良いか?」
「ん?何だ?」

 そんな中、取り敢えず雑談で時間を潰していた安とアントンの会話は、アントンのふとした疑問によって爆薬が投入される事となる。


「……何で公園とか道路とかに、あんなに蝋燭が立ちまくってるんだ?」
「デモと抗議活動の一環だとさ」
「デモ?何に対してだ?ノースコリアやロシアの支配に対してか?」
「……いや、日本の竹島と対馬、それと旧韓国陸軍に対してだ」
「…………はぁ????」

890: 陣龍 :2017/05/25(木) 18:15:39


「……そう言う事か。いや正直言って全然理解出来ないが、そういう事か。理解出来ないが」
「そう繰り返さなくても分かってるさ。……これで分かっただろ、俺達がロシアに支援を求めた理由」
「まあ、な……」



 時は夕刻、場所は旧大韓民国首相官邸の青瓦台。一塊のロシア人でしかない男が普通は踏み入る事は無いであろう場所で詳細な
説明を受けたアントンは、今現在北朝鮮が直面している深刻な危機を知り、頭を抱えていた。そして、何故自分が指名されたのかの
理由を、何とか理解出来た…気がした。



「……廬武鉉前大統領を避難するのは、まあ分かる。その大統領を選んで支持していた時の貴様らの言動を顧みろと言いたくなるが。
だが何故、母国防衛の為に奮戦した韓国陸軍を迫害するんだ!?そして何故未だに整合性皆無の領土要求を繰り返してるんだ!?」
「韓国陸軍の迫害は、奴ら曰く『無駄な戦闘行動により同胞を多数殺害した為』であり、まあハッキリ言えば『自分は何も悪くない、悪いのは
全部韓国陸軍と廬武鉉だ』と金切り声で発狂しているせいのようだ。後者の領土要求は『北朝鮮はロシアの第二の同盟国=新参の日本より
格上=格下の日本は格上の朝鮮に領土を差し出すべき』とか言う知識人の主張が受けた為だとか」
「全く持ってサッパリ意味が分からん!!言っちゃなんだがロシア視点じゃあ朝鮮どころか満州やウクライナを突き放すクラスで日本の
地位は格上安定だろうが?!」
「俺だってそうだよと言うか分かりたくもねえしんな事位分かっとる!!第一逆立ちしたって朝鮮は単独じゃあ日本に打ち勝てない事ぐらい
俺達は朝鮮戦争で身に染みて分かっているわ!!」


 風邪を引いた覚えがないのに頭痛を覚えだす程に理解し難い旧大韓民国領域の知識人による論理展開とその論理に狂喜し暴走する
大半の旧韓国人の狂乱沙汰に、思わず周囲を気にせずに思いっきり叫ぶ男二人。幸いなのが、この二人の心の底からの絶叫に対して、
この場に居る全員が様々な形で賛同してくれている事だろう。要はこの青瓦台に居る人間全てが『旧韓国人の愚行被害者の会』に所属
している様な物であるのだが。


 あくまで旧東側陣営における一般的な独裁国家出身である北朝鮮人の思考は、南側の旧同胞の奇々怪々とした感情的な思考展開では無く、
世界一般的に見ても至極常識的な物である。朝鮮戦争での被害によるソ連からの逆恨みを受けた恐怖から、北の将軍様が戦時の指揮権を
ソ連に委譲し自己の神格化などせず必死に民生に力を入れていた結果こうなっていたのだから、やはり教育と民間の活力と言う物は大事である。



「はぁ…はぁ……。それで、俺の仕事は、この常時夢の世界に飛び立っている連中を現実世界に引きずり出して現状を理解するまで叩き付け
続ける事で、良いんだな?」
「はあ……はぁ……。ああ、そうなるな。人員も配置するし、欲しい物は何でも言ってくれ。時間がかかる物も有るかも知れないが、全力で調達する」
「助かる。……だが、中途半端に知恵と知識を身に着けたクソガキ程面倒な奴は居ないぞ。それに、此処まで来たら最早手遅れな奴も続出して
いる可能性も高いが……」


 そう言って不安げに返すアントンに対して、安は何処か皮肉気な笑みを浮かべながら、こう切り返した。




「そういう奴は【病院送り】にすればいい。何、精神疾患とでも言っておけば良いだろう。我が国は独裁国家だから、その点の処理はスムーズに突き進む。
他国に文句は言わせないさ、安心してくれ」






 その後、リベラルが蔓延した欧米から『21世紀のラーゲリ』『洗脳拷問施設』『ファシストと非人道的行為の象徴』と幾度と無く批判、罵倒され続けた統一
朝鮮政府が運営する『改善教育学校』には、旧大韓民国に蔓延っていた無責任かつお花畑な知識人が多数強制的に放り込まれて徹底的な【再教育】が
施され、一般大衆にはテレビ放送やインターネットでのサブリミナル効果を狙った頻回な宣伝や義務教育段階からの教育改善が実行された。独裁国家
だからこそ可能なこの無茶苦茶な政策でも、旧大韓民国人の大半の【思考改善】には四半世紀以上の時間がかかった事を考えれば、通常の方策では
最低一世紀以上の時間を費やした可能性が極めて高かったのだろう。極まったお花畑な知識人連中に対する【再教育】が完全に完了したのは最短で
20年前後、一部に至っては完了しないまま死亡してしまった事を鑑みれば。

891: 陣龍 :2017/05/25(木) 18:17:02
以上小ネタ完了。取り敢えず風呂入ってきます。頑張れ北の将軍様、堕犬の躾けは滅茶苦茶大変ですぞ(他人事並感)

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最終更新:2017年06月17日 19:53