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2倍日本in夢幻会2
1917年8月、トボリスクへ移送されていたロシア皇室が日本と白軍の特殊部隊による救助(奪還)が成功した3日後、その報告を受けた夢幻会は急遽会合を開いた。

「特殊部隊の活躍に乾杯!!」
「皇帝や皇太子を含めた家族全員の救助が出来て良かったですね。」
「やはり、前世の知識に加えて転生者の数と資金が増えていたのが大きい。加えて、西伏見宮殿下がかなりやる気を出していたからな。まぁ、前世では自分の妻だったアナスタシア皇女の家族を助けるとなれば当然か…。」
「前世と違って皇帝と皇太子が救助出来ましたが、次の一手はどうしますか?」
「一番良いのはソ連のカウンターとしてロシア帝国を存続させる事ですが…、我が国の国力を考えるとかなり厳しい状況でしょう。何しろ、ワシントン海軍軍縮会議が始まる前に海軍の整備を行わなければなりませんから。」

対米戦を回避するのが高確率で厳しいと考えている夢幻会としては、ワシントン海軍軍縮会議始まる前に国防上必要な戦力を或る程度整える必要が有ると考えていた。
更に、海外領土の開発にも莫大な予算が必要であり、脱出したロシア皇室からの金融支援が有ったとしてもソ連と正面から長期間殴り合う財政的余裕は無かった。

「まぁ、ソ連成立については仕方ないでしょう。その代わり、ソ連へのカウンターとしてニコライ2世を旗印としたロシア帝国亡命政府を設立しましょう。幸い、日露戦争で史実における沿海地方周辺を割譲出来ましたから亡命政府の地盤は比較的揃っていますし。」
「それしかないか。しかし、亡命政府を設立したとしても諸外国が認めるのか?」
「少なくとも英国は認めるでしょう。アレクサンドラ皇后はヴィクトリア女王の孫娘ですから。ソ連…いや共産主義が立憲君主制や宗教と相いれないと説得すれば欧州の君主国家も亡命政府の支持に動く可能性が高いでしょう。」
「亡命政府の拠点は沿海地方で問題ないが…ソ連によって暗殺されない様に皇太子殿下は血友病の療養を兼ねて日本で暮らしてもらおう。後は…可能な範囲で白軍を引き入れておけば自衛能力は持てるだろう。贅沢を言えば、チート軍人であるトハチェフスキーが欲しい所だが…。」
「それは神に祈るしかないでしょう。まぁ、それについては特殊部隊に頑張ってもらいましょう。」
「そうだな。そして、ロシア皇室を旗印にした亡命政府が有れば、前世で起きた英国の裏切りを抑制する効果も有るな。衝号を行わずに開戦する時には、仲介役に位にはなってくれるだろう。」
「英国については、世界恐慌で毟る度合いを手加減する必要も有るのでは?幸い、国力や資源埋蔵量の増加と相まって資金は比較的有りますし。それに、英国が前世よりマシな状態だったらチャーチルもそう簡単に死なないでしょう。」
「ふむ…。確かにナチスドイツに押し切られなければ日本の立場も変わりますからね。残念ですが英国から毟るのは手加減しておきましょう。」


会合の2ヶ月後、日本政府は日露戦争で割譲した沿海地方に日本へ亡命したニコライ2世を旗印とするロシア帝国亡命政府の設立を発表した。
夢幻会の思惑通り、英国は亡命政府への支持を表明、またイタリアやオランダと云った欧州の諸王国も亡命政府への支援を打診している。
欧州の諸王国からの支持を取り付けた夢幻会は、かねてから進めていた八八艦隊計画の進捗状況を確認する会合を翌年正月に招集するのであった。


余談ではあるが、アナスタシア皇女は憂鬱本編では存在しなかった西伏見宮家に嫁ぐ事となった。
これは、閑院宮家の嫡流が夢幻会の努力によって存続していた事が大きい。
(嫡流が続いた事によって生まれた閑院宮雄仁王殿下(海軍系)は新たにやって来た転生者である。)
この結果、伏見宮載仁親王殿下は新宮家である西伏見宮家を創設しており、前世でアナスタシア皇女と結婚していた篤仁王殿下(転生者)もその流れで宮家が変わっていたのである。
篤仁王殿下は「前世で愛し合った妻を他人に寝取られる事は断じて承認出来ん!!」と夢幻会の会合に殴り込みをかけて他の宮家への嫁入りを阻止したのであった。


宮号についてはham様のご意見を採用しました。

281: 545 :2017/07/01(土) 10:18:01
投稿は以上です。
転載してくれるお方が居れば嬉しいです。

さて、買い物に行こう。

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最終更新:2017年07月02日 14:37