855: 陣龍 :2016/08/01(月) 15:30:06

日米蜜月(ユーラシア共産化)ルート考察擬き

大戦に置ける主要会戦記録 『第二次世界大戦~始まりの終わり・終わりの始まり~』


『オーバーロード・零号作戦 ~紅き太陽と蒼の星、蒼穹と大地を駆け巡る~』


『司令部、司令部。こちら沿岸防衛部隊。枢軸軍の大軍勢を視認せり』

『了解。侵攻部隊の総数を知らせよ』

『敵軍の数、青が二部に黒が八部なり』

『司令部より防衛部隊。情報は正確に伝えられたし』

『事実なり。敵軍の総数不明。空と海は黒に染め上げられり』


~ノルマンディー防衛部隊と司令部との間で交わされた無線。尚この通信の直後、通信手は大和型戦艦の艦砲射撃の直撃を受け、消滅する~


人類史上、侵攻側の投入戦力が最大規模である、枢軸軍の大兵力を結集して行われた、米軍側秘匿名称:Operation Overlord。日本軍側秘匿名称:零号作戦と表記された、フランス沿岸部のノルマンディー上陸作戦。細かい差異を除けば殆ど同一の艦艇、言ってしまえば姉妹艦と同義であるアイオワ級戦艦、大和型戦艦、そして就役して間もないモンタナ級戦艦、紀伊型戦艦が全艦。陽炎型駆逐艦、フレッチャー級駆逐艦、その他多数が多数勢揃いした作戦であり、そして連合軍が決定的に崩壊していく始まりの作戦であった。


ブリテン島に集結した無数の大軍。枢軸軍の高度な技術力、工業力、そして高度な民度が生み出す高連度の兵士たち。彼らの手に入れた力は、第二次世界大戦開始直後とは段違いと言えるまでの威力を誇っていた。航空戦力では、日本の倉崎社が開発したジェット戦闘機『疾風』、同じく倉崎社製のジェット爆撃機『竜山』が最前線で欧州に殴り込む全戦力の元へと届けられ、今まで枢軸軍を支えていた『烈風』『隼』『F6F ヘルキャット』等は二線級戦力へと格下げされ、戦闘爆撃機としての任務に投入されていた。陸上戦力に関しても、戦争中期までの枢軸軍を支えた『九七式中戦車 チハ』『M4 シャーマン』は、特に日米と優先的に新兵器が提供されている蘭軍の機甲部隊から消え去り、アメリカの自動車産業界の技術者たちが揃って『我が親愛なるジャパニーズはカイジュウと戦うつもりなのか?』と呆れ顔で言ってしまった、120㎜ライフル砲と言う長槍を持った世界初の第一世代型主力戦車『三式中戦車 チヌ』が雁首揃えて配備されていた。当然ながら『九七式中戦車 チハ』や『M4 シャーマン』よりもお高い調達費用と重量に、その極端な兵器統一病から重度の『反新型戦車配備病』化していたアメリカのAGFは反発する姿勢を隠そうともしなかったが、欧州本土に殴り込む司令官として内定していた『ジョージ・パットン』直々の『真摯』な説得により、アメリカ合衆国陸軍でも『三式中戦車 チヌ』のアメリカ版改良型である『M25 パーシング』に更新されていた。海に関しては最早言わずもがな、暫く後に近代海戦唯一の、本当の姉妹艦対決を行う元イギリス海軍『ロイヤル・オーク』、後ドイツ海軍所属の『バルバロッサ』、同じく元イギリス海軍所属だった『リヴェンジ』『ロイヤル・サブリン』、後ソ連海軍所属になる『アルハンゲリスク』『ノヴォロシースク』程度の大型艦艇を除けば、世界の海は全て枢軸国の物であった。マトモに艦隊決戦出来そうな獲物が皆無になった事で毎回毎回目の前で戦艦を友軍に沈められているとある戦艦部隊が血涙を瀧の如く流しているが、それはひとまず置いて置こう。最早今更の話である。

856: 陣龍 :2016/08/01(月) 15:32:30


対する連合軍の戦力配備状況だが、少し前にポーランド人の工作により爆死したトハチェフスキーの生前の言葉に従い、ソ連とフランス共産党軍主体で枢軸軍が上陸作戦を仕掛けるノルマンディーに対して多数の部隊を配備していたとされる。後世枢軸側国家の戦史研究家の多くがこの『トハチェフスキーの予言』に対して疑問を投げかけているが、連合軍側の公式資料ではこの様に明記されて居る為、兎も角その様に記しておく。
配備された戦力も、途中で宣戦布告したイタリア王国方面には新兵やそれに毛の生えた程度の戦力しか送り込まなかった事も有り、連合軍でも指折りの精鋭で揃えられていた。ただし、連合軍有数の国力を持つドイツだけはこの防衛戦に参加していない。バトル・オブ・ユーロでの人外染みたキルスコアを叩き出すエースを複数排出するまでに戦い抜いたドイツ航空戦力の疲弊が著しく、戦力回復の為に本国に戻っていた、と言う事になっている。実際には機関部全損で穴だらけの連合軍と言う沈没船から逃げ出す為の準備の為であった事は、公然の事実である。

機甲師団は数的主力は今大戦に置いて連合軍の基軸戦車となっている『T-34/85』が主体であり、少数量産した『LT-1』を実戦部隊よりの報告にて一定の修正、改良が加えられた、120㎜戦車砲を搭載した最新鋭重戦車である『LT-2』が仏ソ赤軍親衛師団を中心に一定数配備。
『砲兵は戦場の神』と謳うソ連らしく重砲部隊も同じく開発されて間の無い『152mm榴弾砲M1943(D-1)』がそこそこ配備され、輸送車両が少ないが為か自走砲系統がこの規模の軍ではかなり少ないが、基本的に防御側である連合軍にとってそこまで大きな問題になるとは考えられていなかった。歩兵師団に関しては枢軸軍の海上戦力並みに特に言う事は無い。兎に角凄まじい物量が整えられており、一年程後のソ連軍とは違ってそれぞれにしっかりと兵装と訓練が施されていた。だが枢軸軍の歩兵が使用する『M3 オオサカ&スプリングフィールド・アサルトライフル(一式突撃銃)』とは違って、連合軍が使用する歩兵銃は枢軸軍より旧式のボルトアクション式ライフルであり、尚且つ日米が盛大に使用しているバズーカ砲や零式噴進弾の様な歩兵用対戦車兵器は対して無かった。この点からも、連合軍の限界が見て取れる。大物に対してはある程度どうにかなったが、膨大な歩兵師団に対する手当までには少し時間が足りなかったのだ。


陸海と来たら次は連合軍の航空戦力であるのだが、枢軸軍主力の日米は既に完成度が極めて高いジェット戦闘機を全面配備しているのに対して、連合軍は今なお旧来のレシプロ戦闘機を使用していた。勿論努力自体はしていた。ヤコブレフシリーズの最新にして最終傑作機である『Yak 9』や新鋭の『MIg 3』、ドイツのフォッケウルフ社が多数生産して連合軍全般で使用されていた『Fw190D』にそれを改良した『Ta152』変わり種ではソ連空軍が何故か大量にライセンス契約を結んだ『Me163 コメート』等、少なくとも第二次世界大戦開幕初期と比べると遥かに強大化はしていた。だがジェット戦闘機になると、ドイツが必死に開発していた『Me262 シュワルベ』は今なお実験機が初飛行に成功した段階で戦場には姿を見せられる状況に無く、ロシア奥地でドイツから技術を導入して開発しているソ連製ジェット戦闘機もこれまた実用化時期は完全に未定な状況。フランスは本土に猛爆撃を受けている上にレジスタンス活動が激化して居る為にもう当てに出来ない。その為陸上と同じく徹底的な物量戦でしか手段は無いのだが、性能差が隔絶して居る為に現場では大半のパイロットが遺書を書き置いて居るまでに『Hayate』と交戦した時の生還が絶望視されていた。未だに苦戦する『烈風』『ヘルキャット』が二線級戦力に格下げにされているのだから、彼らの絶望した心情は想像だに出来ないだろう。

857: 陣龍 :2016/08/01(月) 15:34:26



連合軍内部で様々な思惑が交錯している中、枢軸軍は『そんな事は知った事では無い』とばかりに作戦行動を開始。先手として枢軸軍の中でも最も対地砲撃に精通している大和型戦艦を小分けしてそれぞれの艦隊の旗艦としての各方面に対する砲撃を開始。事前にノルマンディーに来ると確定して戦力を配備していた連合軍沿岸砲台が応戦しようとするも、幾度と無く隠蔽した砲台や陸上部隊をその砲力で消し飛ばして来た大和型戦艦によって即座に存在地点を見抜かれ、対して応戦も出来ずにその多くが土台ごと消し飛ばされるか砲台内部の弾薬庫を撃ち抜かれて奇怪なオブジェクトへと変貌していった。余りにも次々と綺麗さっぱり吹き飛んでいく連合軍に歓声を上げ続ける後方待機中の枢軸軍上陸部隊だったが、当の大和型戦艦各艦が自身の指揮下に多数の戦艦を喰らったアイオワ級戦艦や自身よりも強力な紀伊型、モンタナ級戦艦等が置かれ、尚且つ艦隊決戦では無く対地砲撃で称賛される事に対してどう思っていたのかは不明である。因みにこの作戦後、大和型戦艦の乗員はアイオワ級戦艦を含むアメリカ戦艦の乗員に大量の日本酒をプレゼントし、その飲みやすさで大量に飲み干したアメリカ人乗員の多数が翌日二日酔いで酷い目に合っているが、きっと恐らく多分戦艦乗りの本懐であるド派手な艦隊決戦で大勝利したアメリカ戦艦群に対して嫉妬した訳では無いのだろう。

『岩盤丸ごと吹き飛ばす活火山』と後に軍歌で揶揄された、旧式戦艦も含めて行われた戦艦だけでも30隻を超える対地砲撃によって戦艦砲の射程圏内から連合軍が自然諸共物理的に消滅した後、これまた日本帝国原産、アメリカ合衆国改良生産された航空母艦型の『秋津丸型』『エセックス型』強襲揚陸艦によって以前とは格段の効率によって多数の戦力が上陸を開始。海岸に多数設置された地雷も艦砲射撃によって根こそぎ掘り返され、張り付けていた陸上部隊も同じく艦砲射撃によって纏めて物理的に消滅させられるか、士気崩壊で後方に逃走を図って艦載機部隊によって蹂躙されるか、逃走に成功しても督戦隊によって追い返されるか、本当に幸運だった極一部の兵士がマトモな部隊に保護されるかの何れかの道を選択させられた。
そして陸上部隊だけでなく、連合軍の300機ほどの即応の為に掻き集めた航空戦力もこの上陸部隊に対して攻撃を仕掛けたのだが、その攻撃隊は大鳳型、リプライザル級装甲空母が事前に上げていた『疾風』『FH-1 バンシー』によって投弾する事すら出来ずに文字通り一瞬で蹂躙し、蹴散らされた。



敵艦船は兎も角、航空機どころか歩兵も自動車も防御陣地すらも艦砲射撃によって徹底的に耕し尽くされて、枢軸軍で最初に欧州本土へ足を踏み入れた海兵隊や日本軍の近衛師団は陣地構築の傍ら、上陸前に思い描いていたド派手な銃撃戦では無く下手すれば肉片程度にしか残っていない物も存在した連合国兵士の遺体収容を暫くの間行う羽目になって色々と大変では有ったのだが、彼らの鬱々とした感情は上陸作戦開始後三日を過ぎてようやく海岸線に向けて突撃して来た連合軍の末路によってある程度は解消された。戦艦群の艦砲射撃によって想像を遥かに超える短期間で海岸線防衛部隊が壊滅し、航空部隊も第一波が何も出来ずに全滅した事も有って第二派、第三派による攻勢が急遽中止される中、命令誤認の為か連合軍の機甲部隊を含む一部有力な部隊が、時間の制約上比較的簡易とは言え有効な防御陣地を構成した枢軸軍橋頭保に対して正面攻撃を実行。日本の戦国時代で言う『付け入り』を狙って突撃した連合軍部隊の思惑は多少成功し戦艦群の大半は誤射を恐れて射撃を中止するが、彼等視点では『最早飽きるほど』『目を瞑っていても大丈夫』と言い出しかねない程に対地砲撃に精通した大和型戦艦と艦載機部隊、そして当の直近で迎撃する初陣を迎えた『M25 パーシング』に『三式中戦車 チヌ』が全力で応戦し、機動性重視の為『T-34』系統で揃えられた迎撃部隊は散々な大打撃を受けた末に敗走した。補充兵力がきわめて豊富な枢軸軍に対する実質的損害はゼロに等しく、結果的にはただ単に枢軸軍の士気を向上させた上に連合軍の戦力が削れた末に橋頭保が余計に増大するだけに終わった。

858: 陣龍 :2016/08/01(月) 15:36:04



そうこうしている間に刻一刻と時間が経過するに連れて増大し続ける枢軸軍の戦力に対して、連合軍パリ前線司令部は水際作戦を完全に放棄し、事前に一応策定されていた内陸持久作戦へと作戦方針を転換、兎に角フランス領内で可能な限り枢軸軍を失血させ、枢軸国国民の戦意喪失を狙うようになった。とは言え、ソヴィエト連邦のツァーリたる『レフ・トロツキー』は今は亡き親友である『ミハイル・ニコラエヴィチ・トゥハチェフスキー』元帥の遺言に固執して多数の戦力を水際に配備させていた事も有って、一部優良部隊は『交代』等の文句で後方に下げられた以外は悉く艦砲射撃によって
母なる大地ごと耕された為、いかに陸軍戦力が豊富であるソ連軍で有っても無視出来ない数の兵士が編成表から消滅していた。フランス革命政府からは『自国民を多数徴兵して徹底抗戦する』と気炎溢れる宣言が届いていたが、既にレジスタンスとの激烈な戦闘でほぼ内戦状態に近いフランスの言う事は、ソ連はもう何もマトモに受け取っておらず、自身に近いフランス軍精鋭部隊のみを信用していた。その為後にフランス革命政府はソ連からの信用を再度受ける為に、ソ連に相談も無しに自国の引き締めを図る為に『反逆者』を多数公開銃殺刑に処してフランス全土をフランス人同士で殺しあう地獄絵図に叩き込むのだが、それはもう少しだけ先の話である。


オーバーロード・零号作戦と呼称される大作戦の第一段階である英語名称『ネプチューン作戦』、日本語名称『登号作戦』であるノルマンディー上陸作戦は大成功の内に終わり、重厚な橋頭保は確保された。次の目標は、オーバーロード・零号作戦における本命であるフランスの首都。昔は花の都と
呼ばれ、今ではアカの都と揶揄される『パリ』に向けての電撃的突進であった。尚、総司令官で有ると言うのに自身も戦地に突っ込む気満々な『ジョージ・パットン』の副官役……と言うよりも実質的には『猛牛』のストッパーとなる為の生贄的存在として拉致されて来た牟田口廉也大将が、『ジョージ・パットン』元帥に仮に総司令官が突撃した場合にこれから起きるであろう未来図を予想して胃に穴を空ける思いで魂の抜けた表情で説得に当たっていた姿が目撃されていたそうである。

859: 陣龍 :2016/08/01(月) 15:42:52
取り敢えずノルマンディー上陸作戦までは終了。日米ルートではもう『共産主義をフルボッコにする』と言う主題(的な何か)よりも『どうやって大和を苛め抜くか』という方向に主眼が置かれてますがもう気にしない様にしよう

次回はフランス首都でアカの都『パリ』への突貫戦(牟田口吐血モード(仮))かオランダ軍+アルファによるベネルクス地方解放作戦であるマーケットガーデン作戦(フラグビンビンモード(仮))か、視点を極東に移しての第二次満州防衛線(韓国軍覚醒からの転生者白目モード(仮))のどれかになりますかねぇ……ドイツの寝返りはもうちょっと先なので

暑いから変なところ満載かも知れないな……

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最終更新:2017年08月07日 21:39