944: 第三帝国 :2017/09/19(火) 06:44:43


銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「信任状捧呈式」前1


「マサカ・・・本国が続いてこの判断をするナンテ」

フェルは本日二度目の驚愕で声がかすれる。
なぜ彼女が驚愕しているのか?
その原因は机の目の前に置いてある2つの書類にあった。

1つは昼間柏木にも見せて「日本向けの大使信任状」
そしてもう1つは・・・。


「神崎島に対してティエルクマスカ連合は国交の締結を承認する」


と明記された「神崎島向けの大使信任状」の存在があったからだ。

「それだけあの島には価値があると本国は見出したのでしょう
 そしてコレモ創造主、ナヨクァラグヤ様のお導きだと思います、フリンゼ・フェルフェリア」

ヴェルデオ・バウルーサ・ヴェマ司令がフェルの驚愕に答える。
元々ヤルマルティア、もとい日本以外の国とは一極集中外交の方針で関わる予定はなかった。

しかし、神崎島の特異性。
一晩で突然島ごと出現した点や艦娘、妖精と称する種族の存在。
そしてハルマ(地球)でも失われて久しい一部文化や技術は発達過程文明の調査に大いに役立つと判断。

だからこそ日本と神崎島の間に「日本国の主権が潜在的に及ぶ地域しつつも神崎島自身の主権を保証する」
とする国家間の条約が締結せれたのを「神崎島も日本」と解釈して今日までヤルバーンは神崎島と関わって来た。

だが、この大使信任状が出された日からその解釈は終わる。
ティ連合と神崎島の間に正式に国交が成立し、一独立国家として扱うことになるのだ。

「コレデ神崎島もティエルクマスカ連合とは隣国となるのは分かりましタ。
 デスガ、これが公表されればチャイナ、もとい『ガーグ』がどう動くかガ最大の難点デス」

「局長の言う通りでス。
 『ガーク』が物理的な利益だけでなく精神的な勝利を求めている以上、
 必ずや二ホンとカンザキ島で執り行う信任状捧呈式を台無しにする事を狙っているでしょウ」

945: 第三帝国 :2017/09/19(火) 06:45:32

ヴェルデオ司令もフェルの言葉に賛意を示す。
悪い予想に暗い話題でさぞかし場は落ち込んでいるかに見えるが・・・違った。

「なのデ司令。
 私達がやるべき事ハ唯一つ。
 何が何でも信任状捧呈式を成功させることデスネ!」

「ええ、そのためのメルヴェン。
 そのためのヤチホコなのですかラ」

むしろ非常に前向きであった。
それも既にヤルバーンには対『ガーク』として準備された特務部隊が存在し、
何よりも彼らの科学力を以てすれば『ガーク』の陰謀を真正面から打破できる技術があるからだ。

「この件について私からカンザキ提督とはよくよく話し合いましょウ。
 局長は二ホンで行う信任状捧呈式についてシエと共に専念してくださイ」

「ハイ、ワカリマシタ」

ヴェルデオ司令の言葉にフェルは頷く。
これで話は終わったとヴェルデオ司令は席から離れようとしたが、

「司令、神崎島の大使ガ正式に二ホンに赴任するのは何時になりますデショウカ?」

「確か、もう間もなくと聞いていますが何カ?」

フェルの質問にヴェルデオ司令はアイランズ大使とソ連空挺部隊の軍装が似合う奥方を思い出す。

「・・・デシタラ、いけますネ」

「局長?」

フェルが小声で呟き、
ヴェルデオ司令が何の話か問う。


「司令、ティエルクマスカ連合と神崎島との仲の良さを『ガーク』に見せつける策を思いつきマシタデス」



フェルの言葉に最初は首を傾げたヴェルデオ司令であったが、
徐々に話が進むにつれて非常に妙案であると賛同を示すに至った。
そしてそれを実現すべく早速全権委任大使の権限で日本の二藤部総理と神崎提督へ根回しを開始した。


さてさて、フェルがガークに見せつける光景は何か?
その答えは信任状捧呈式にて判明する・・・。





おわり

946: 第三帝国 :2017/09/19(火) 06:52:41
以上です。
それと遅レスですが>>786の198様完結お疲れ様です。
そして今後のご活躍を期待しています。

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最終更新:2017年09月21日 15:46