291: ハニワ一号 :2017/12/30(土) 22:27:00
現代ドイツが憂鬱世界に転移ネタSS その2

突然に憂鬱世界に転移した現代ドイツは屈辱的ではあるが憂鬱日本と同盟を結ぶことによって、少なくとも大日本帝国勢力圏内では安定した平和が得ることに成功して安定した資源の確保や外貨獲得のための日本勢力圏の市場の参入に目途が立つことになったのである。

そこで今回は転移後の現代ドイツの軍事や内政事情に目を向けてみよう。

まず現代ドイツ政府は現代ドイツ軍の立て直しに取り掛かることになる。ソ連崩壊による冷戦終結以後の現代ドイツ軍は軍事力の削減が進み弱体化することになった。その結果が現代ドイツ軍の総兵力は陸海空含めて約18万人という数字であり現代ドイツ空軍は戦闘機の稼働率が50%未満、ドイツ海軍は揚陸艦なし保有する潜水艦が稼働率0%、ドイツ陸軍は約6万人で主力である戦車が完全に稼働するのは100両以下という惨状であり、現代ドイツ軍が異常に弱体化している事が憂鬱日本に足元を見られる要因の一つとなったのだ。

NATOもEUも存在せずナチスドイツや冷戦時代に東側の盟主東ドイツを支配し西側陣営の西ドイツを脅かしたソ連がいまだに存在する憂鬱世界では最終的に自国の安全を守る存在は自国の軍隊であり強い軍隊の存在がこの世界における発言力の増大につながる要因である事を現代ドイツは自覚させられることになる。

かくして現代ドイツ政府は自国を守るためにも最優先でドイツ軍の軍拡を開始する事になるのである。人員の数をそろえるためにも現代ドイツ内では徴兵制が復活し現代ドイツが転移によって島国となってしまった事によって海と空の戦力強化が優先された。特に現代ドイツの海軍強化は最優先課題で揚陸艦の建造が決定され将来の空母建造が検討されていた。だが憂鬱日本の支援と協力を得るにせよ、海軍国家としての現代ドイツ海軍が完成するのは2,30年以上もの長い時間が掛かるものと予想されていた。また現代ドイツ陸軍も徴兵によって人員を拡充し、戦車を復活させたり新規生産したりと強化に余念がなかった。

とにかくも高価な質よりも量をそろえることが優先されたために現代ドイツの兵器は値段が掛かる高価な兵器よりも安価で量をそろえやすいロー的な役割を持つ兵器が最優先されることになり艦艇・航空機・車両問わず生産・新規開発されることになる。新規開発では枯れた技術や民生品も使用するなどの堅実な開発がなされる事に成る。半世紀以上の軍事技術に開きがある事から枯れた技術や民生品も使用した安価で量をそろえやすいロー的な役割を持った現代ドイツの軍の兵器でも憂鬱世界では優位に立てると現代ドイツ政府や現代ドイツ軍は見ていた。

また現代ドイツの資源・エネルギー事情であるが、国外から電気を買っていたために突然の転移によって不足する事になった国外購入分の電力を回復させるために、ドイツ国内にある運転停止の状態にある原子力発電を緊急に再稼働させ原子力以外の発電では火力発電などを中心に様々なエネルギーを利用した発電所を緊急に新規建設するなどして対策する事になった。

また現代ドイツに必要な資源の安定確保のためにも現代ドイツ国内の資源開発や未来知識を生かした憂鬱世界では未発見・未開発の有望な資源地帯の採掘権の確保する事が決定されていた。また現代ドイツが保有する最新の現代世界の資源マップの存在はアメリカ風邪対策に現代ドイツが持つ現代医学の支援と合わせて憂鬱日本に対する強力な外交カードとなるはずであった。

292: ハニワ一号 :2017/12/30(土) 22:27:40
また憂鬱日本からは自国勢力圏である朝鮮半島における現代ドイツの開発を認めるための対価や朝鮮半島における憂鬱日本の安全保障を脅かさない行為はしない事や朝鮮の現地政府が日本について何と言おうが無視する事などの条件付きではあるもの憂鬱日本の安全保障に必要な分を除いた朝鮮半島丸ごとの開発権の購入を打診される事になる

憂鬱日本が現代ドイツに朝鮮半島丸ごとの開発権購入打診した理由は憂鬱日本の勢力圏が急拡大した事で朝鮮半島よりも最優先して開発するべき地域が多く朝鮮半島にまでには手が回らない事が理由とされたが実は夢幻会が朝鮮半島を現代ドイツに押しつけたがった事も理由の一つとされる。

一応、現代では朝鮮の南半分の国家だけでも先進国であり世界11位にランクインされる経済強国であり朝鮮北部は資源地帯として有望でもあったのだ。要するに現代ドイツから見れば朝鮮半島は将来有望な市場であり資源地帯であり、それを丸ごと現代ドイツの物とすることができるのだ。当然、現代ドイツが独自に保有できる資源地帯や市場が欲しかった現代ドイツはとても美味しそうにみえる憂鬱日本からの提案に喜んで飛びつくことになるのである。なお当たり前の話ではあるが後に朝鮮半島の開発で朝鮮の残酷な現実を知ることになり現代ドイツは美味い話には裏があったと大後悔するもそれでも完璧主義者たる現代ドイツ人は大金を朝鮮半島に投資して朝鮮半島を熱心に教育し現代ドイツにとって有望な経済植民地に育て上げる事に成功する事になるのである。

転移によってEUという経済植民地が消滅してしまったために現代ドイツは内需を拡大して現代ドイツ国内の市場を成長させなくてはいけない羽目になっていた。約1500万人の移民に約150万人の難民、約900万人以上の在独外国人という爆弾を抱える現代ドイツにとって彼らに内需拡大による経済成長によって職を与えて生活を保障する事は現代ドイツ国内の市場を成長・拡大させるのと同時に現代ドイツの治安を安定させるのに必要な事でもあった。現代ドイツを内需拡大させるための手っ取り早い方法として今まで放置されていた国内のインフラ整備や港湾整備などの公共工事が行われる事となる。

これらの諸政策を実行するには転移前のドイツお得意の均衡財政では不可能であっただろう。厳しい現実の前に敗北した現代ドイツはやむなく税収で足りない分は国債で発行する積極財政に手を染めることになるのである。そして発行する国債は海外向けの国債のリスクを考えて現代日本を見習って発行するほとんどの国債が国内向けとなっていた。転移後に現代ドイツが行う政策はナチス的との批判する声が上がったが憂鬱世界の厳しい現実の前に封殺されることになるのである。

いずれにせよ現代ドイツは憂鬱世界に転移という非常事態とヒトラーとナチスドイツ打倒のためにも理想ではなく現実を直視せざるを得なくなり、否が応にも覚醒せざるを得なくなったと言えよう。とはいえ現代ドイツ政府が行っているこれらの諸政策は財政や人的資源などの限界もあって諸政策が実を結ぶのに数年どころか10年、20年単位と数十年単位の時間がかかる事が予想されている。このため現代ドイツのドグマたるヒトラーとナチス滅亡のための行動を起こせる能力を現代ドイツが完全に獲得できるのは数十年先の事と見積もられている。

293: ハニワ一号 :2017/12/30(土) 22:28:44
あとがき
現代ドイツが憂鬱世界に転移ネタの続編をお届けしました。
現代ドイツネタはネタスレを利用している人たちにご迷惑をおかけしないためにもネタスレから架空戦記スレに移転する事にしました。
今後の現代ドイツネタの話題は架空戦記スレでお願いします。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2018年01月01日 11:41