583: クー&ミー :2018/03/29(木) 23:20:02
大内氏in夢幻会7-1
注意事項
憂鬱本編で寺内寿一に転生した人物の出身地は不明ですが、この世界においては山口県出身者が寺内寿一に転生したと云う事にしています。

転生した際に付いてきたチート
自分が見た人物が転生者かどうか見分けられる。(ぱっと見ではなくしっかり見る事が前提)
転生者が知っている夢幻会メンバーであれば、当該人物の仕草から中身が誰であるかも見分けられる。
夢幻会の中堅メンバーと邂逅した時の経緯で辻~んの指摘通りの能力を転生チートで貰ったとほぼ確信するに至った。


一先ず、戦の前に出会った新たな仲間との邂逅シーンを少し触れるとする。

~1524年(大永4年)3月~
この日、義隆(in寿一)は陶興房とその嫡男である陶興昌と会っていた。
これは、興房が次期当主である義隆に興昌が元服した事を伝えに来たという面が大きい。

「若様、陶興房様と興房様御嫡男であります次郎様がいらっしゃいました。」
「分かった。こちらに通してくれ。」
「かしこまりました。」
「(陶興昌…、確か興房の長男もとい隆房の兄だったな。史実だと25歳で死んでいるが、死因には興房が主家である大内氏の未来を案じて殺した説も有ったな。まぁ、史実義隆との仲が険悪だったから仕方ないとも言えるか…。だが…考え方を変えれば興昌が転生者の可能性も有るのか?まぁ、これから見定めれば分かるか。)」

「(大内義隆…。これまでに集めた情報から考えるとガチホモでは無さそうだ。もしかすると、義隆の中身も転生者なのかもしれないな。まぁ、前世では大角岑生に転生して海軍軍人になった事がきっかけで出来た趣味で帆船の構造や建造についての知識も得た。洋式帆船の知識を上手い事使えれば貿易での効率と水軍の強化に繋がる。故に、義隆が転生者だったら自分を無碍に扱う事はないだろう。)」

「若様、本日は私の嫡男である次郎が元服したのを報告しに来ました。」
「そうか。」
「次郎、こちらに来て名乗りなさい。」
「義隆様、陶興房嫡男の陶興昌でございます。」
「うむ、興房の嫡男とあって凛々しい顔つきだな。これから大内氏を共に盛り立てようではないか。」
「はっ!!」
「興房、少し興昌と雑談したいのだが宜しいか?」
「ええ、構いませんぞ。では、私は先に帰るとしましょう。」

「(やはり、陶興昌は転生者だったか。ふむ…この感じは大角さんか。ようやく海軍の転生者が来てくれたか。大角さんには大内水軍の強化を頑張ってもらおう。ついでに木造帆船の知識が有れば御の字だが…。)」
「(ここで2人きりか…。大内義隆が転生者か否かが分かるな。)」

「興昌…いや大角さん、久方振りの再会ですな。私は同じ夢幻会に居た寺内寿一だよ。」
「!!…寺内伯爵か。久方振りですな。しかし、いつ私が大角だと分かったので?」
「転生チートなのか…自分がしっかりと見た人物が転生者か否かを見分けられる能力を持ったのですよ。それも、自分が知っている夢幻会メンバーであれば、それが誰かも分かるというおまけ付きの様でな。初めは前世での同類が分かる感覚的な物だと思っていたが、辻さんの指摘と他の転生者との邂逅での経緯で、これがチート能力とほぼ確信に至ったのだよ。」
「ほう。辻さんもこちらに来ているのか。後で挨拶しなければな。で、誰に?」
「辻さんは相良武任に転生している。他には、自分の顔見知りの中堅メンバーが数名居る。このうち、1人は製塩業をやっていた事から辻さんと一緒に入浜式塩田による製塩事業立ち上げの準備をしてもらっている。他は、自分と同じ陸軍に居たから直参として登用し、平時は計画中の山口明倫館の教師をやってもらう予定だ。」
「中堅メンバーも数人は来ているのか。そうなると、色々とやれる範囲は広そうだな。」
「ああ、今後も時間を見つけ次第、領内視察や周辺への出征時に探す予定だ。」

「そう言えば、大角さんは木造帆船の知識は詳しいか?洋式帆船を建造したいと考えているものの、私や辻さん、他のメンバーも帆船構造の大まかな内容はともかく詳細までは知らないから進められずにいるのだ…。」
「一応、前世の趣味で勉強していたからそれなりには知っているぞ。まぁ、専門職の人には劣るが、少なくとも一般人よりは詳しいとは思っている。」
「そうか。ならば造船計画も少し前進しそうだな。後は…様式帆船建造を行う船大工の育成も必要だな…。」
「確かにそうだな。…いや、待てよ…。そう言えば…安芸に住んでいる船大工が今までとは違う設計をした船を作っていると聞いたな。私も未だ行っていないから確信は持てないが、もしかすると…。」
「うむ。転生者である可能性は大いにあるな。佐東銀山城の攻略ついでに調べてみるか。」

584: クー&ミー :2018/03/29(木) 23:23:19
大内氏in夢幻会7-2
<ドタドタドタッ!!>
「何事だ!!」
「大変です!!九郎二郎様が病に倒れました!!」
「何だと!!分かった、直ぐに行く!!興昌、お主も来い!!」
「はっ!!」

「父上、九郎二郎は…?」
「義隆か。今は落ち着いているが…医者の話だと今夜が峠との事らしい。」
「そうですか…。一先ず、今夜は私も九郎二郎の看病を手伝いましょう。」
「分かった。九郎二郎もその方が嬉しいだろう。」

「九郎二郎は…寝たか。大角さん、史実と歴史が変わっても変えられないものは有るのは理解しているとはいえ…残酷だな。」
「寺内さん、未だ九郎二郎が死ぬとは決まっていないぞ。史実では夭折したかもしれないが、ここから持ち直して長生きする可能性も有るぞ。既に歴史は変わりつつあるしな。」
「そうだな、私が諦めては弟にも悪いか。」

「(ここは…どこだろうか?確か、私は無念にも還暦を迎える前に病気で死んだのだったな。)う~ん…。」
「てr…義隆様!!九郎二郎様が目を覚まされましたぞ!!」
「本当か!!…!!(ん!!九郎二郎に転生者が憑依しているだと!!昨日の夜の時点では九郎二郎は転生者では無かった。と云う事は、ここで峠を越えた事で転生者が憑依した事か…。それも、転生者は毅雄じゃないか!!まさか、戦国時代に来て再び弟に会えるとは思わなかったなぁ。)」
「ここは…。」
「ここは周防国大内館です、九郎二郎様。」
「周防国…大内館…つまりここは戦国時代か…。」
「そうだ。西暦で言えば1524年、戦国時代の真っ只中だ。久し振りだな、毅雄。また会えるとは思わなかったぞ。」
「!!な、何故私の名前を…。まさか…寿一兄さんなのか?」
「そう通りだ、毅雄。この世界では私は大内義隆、毅雄は義隆の弟である弘興、いやこの時点では九郎二郎か…に転生したのだ。そして、そこに居る陶興昌も転生者で中身は海軍に居た大角さんだ。後は、相良武任に転生した辻さんも居るぞ。」
「もしかして…父や兄さんが言っていた夢幻会は今の私の様な転生者が居る組織だったのか?」
「今更惚けるのは良くないから言っておくか。端的に言えばそうなる。ただ、転生者だけではなく、転生者ではなくても夢幻会に協力的な人間も多く所属していたぞ。」
「そうか…。で、兄さんはこの世界では何を目標に?」
「大内氏を存続させて山口を発展させる事と前居た世界より日本を雄飛させる土台を築くって所かね…。流石に、織田信長相手に天下取りは難しいから、上手い事信長の同盟者になれればいいと考えている。まぁ、敵対した時は覚悟を決めて織田信長と雌雄を決するがな。」
「なるほど…。」
「まぁ、毅雄は先ず健康を取り戻して勉学と武道の鍛錬に励めばならぬな。困った時は私に聞いてくれ。」
「分かりました。この寺内毅雄、粉骨砕身で兄さんを支えるとしましょう。大角さんもよろしくお願いします。」
「頼むぞ毅雄。」
「毅雄くん、私に出来る事が有れば何でも聞いてくれ。」
「有難うございます。」

こうして、夢幻会に新たに陶興昌(in大角)、大内九郎二郎(in毅雄)が加わる事となった。
なお、この世界では九郎二郎は未だ子供であった事から会合へ参加する回数は未だ少なかったが徐々に参加回数は増えて行く事となる
興昌は、前世での知識を活用して水軍強化の面で働く事は決定したが、この時点では目前に迫っている武田攻めに集中する事になるのであった。

585: クー&ミー :2018/03/29(木) 23:24:18
投稿は以上です。
まとめwikiへの転載は自由です。

あとがき
大角さんが陶興昌に転生しました。
と云うより、こうしないとこの時点で戦場に立てる年齢の海軍出身者が集まらないという…。
なお、憂鬱世界で出来た趣味で木造帆船の知識を学んだ独自設定を作った模様。
これによって、軍船の進化に伴って大内水軍の質は徐々に上がる事になるでしょう。

寺内毅雄さんについては憂鬱世界での寿命で悩みましたが、最終的には史実より長生きして50代中頃までは生きた事としました。
階級も大佐までは昇進しているでしょう。
また、夢幻会の存在は毅雄だけでなく正毅も知っている設定です。

なお、大内弘興の生没年は不詳ですので、この世界での大内弘興の生誕年は寺内寿一・毅雄兄弟の年の差と同じ13歳となる1520年とします。

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最終更新:2018年04月01日 10:28