896 :New ◆QTlJyklQpI:2012/01/18(水) 18:42:42
前のACネタに触発され書いてみましたACfaネタです。
→(ネタ8_305さま_―― 企業家たちの憂鬱・国家解体戦争前夜(一) ――)(許可待ち)

ネタSS ~企業家たちの憂鬱 ORCA旅団決起前~

ビックボックスにて明日の決起に備えていたORCA旅団副団長メルツェルは団長マクシミリアン・テルミドールが対峙する人物を
見て冷や汗を流していた。

「いよいよ明日ですなあ”王子”。あなた方のお手並みを拝見させてもらいましょう」
「ご期待に添おう。ところでその”王子”というコードネームで呼ぶのは止めてもらえないか、辻殿?」
「嫌ですか?私どもは気に入っているんですが・・・・・・・・・」

企業国家の異名を持つ日本企業連合・ムラクモミレニアム社長辻政信は何食わぬ顔でコーヒーを啜っている。
因みにこの部屋にはこの3人しかいない。他のメンバーは準備に忙しいのもあるがこの御仁との対面する疲労を嫌ってるのだ。

国家解体戦争時、日本国を”八百長”と言える方法で下した日本企業連合に各国・各企業は目を剥いた。
そしてすぐに自衛隊を吸収した企業連は各国で戦い続けている企業に加担し、恩を売り始めた。
企業はその後、国旗を社旗に変え、国歌を社歌に変えるなど国家機構をほとんど変えていないことに
「企業という名を語ってるだけの国家ではないか」と不満を抱いたが恩があるために咎る声もほとんど出なかった。
そして、その技術力と優秀なリンクスを抱える彼らは徐々に勢力を増していきレイレナードなど潰れた企業の人材を
吸収し気が付けばGAに対抗できる巨大勢力になっていた。そして、彼らはその設立当初から宇宙への脱出を計画
していたことでORCA旅団と利害が一致し、裏で協力することになった。
彼らは宇宙への道を示し、我々は宇宙進出時に邪魔になるであろう企業を弱体化させる。
コジマ汚染の緩和などの技術に長けている彼らならクレイドルが地上に堕ちた後の処理も適切に出来るだろう。

ようやく辻氏が帰った後テルミドールは自分の機体として送られてきた逆関節の機体を見ている。
ワンオフ機の権威とも言える倉崎重工が開発し”テスト途中に奪われた”ことになっているネクスト「蜃気楼」。
彼はこちらに振り返ると不敵な笑みを浮かべながら言った。

「さて、行こうかメルツェル。血塗られた茶番へ」
「人類に黄金の時代を」

多くにとって突然に、それは起こった。
正体不明の、複数のネクスト機による、アルテリア施設の同時襲撃、その殆どは成功し、クレイドルは、拠って立つエネルギー基盤を大きく揺るがされた。
そして、ORCA旅団と、旅団長マクシミリアン・テルミドールの名でごく短い声明が、世界に発信される。
『To Nobles. Welcome to the Earth』
それは、全ての空に住む人々への、明確な宣戦であった、企業は、安全な経済戦争を放り出し、狂気の反動勢力に対することを余儀なくされ、
人々は、覚束ない足元にはじめて気づいたかのようにそれを恐怖するしかなかった。

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最終更新:2012年01月26日 20:49