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銀河連合日本×神崎島 ネタ 熊野ん観音


神崎島北部山岳地帯

神崎島の中でも特に山深いこの地域、
最高峰天叡山の大型反射望遠鏡が有名でその他にはあまり有名な場所は存在しない。
そこにある寺に本日は多くの人々が集まっていた。


神崎島北部山岳地帯 熊野補陀洛海寺

神崎島修験道の中心となっているこの寺は日本本土の寺とは異なった趣きをしている。
すぐ隣の熊野補陀洛神社と繋がり一つの寺社として機能しているのである。

この寺に来た集団、それは熊野三山と熊野信仰修験道の寺社関係者と関わりの深い研究者達であった。
ついでにヤルバーンからも文化学者等も同行している。

今回同行しているある学者はそれが日本本土ではほぼ失われた神仏習合の形の一つだと見抜き興奮した。
日本で失われてしまった物がここにはあるのだ、興奮しても仕方ないだろう。
しかし、我慢する。今回の主役は自分ではないのだ。

そんな集団を案内役となった艦娘熊野は苦笑いしながら見つめていた。


「こちらが歴代住職の名前の一覧になります。」

熊野補陀洛海寺の年老いた住職は一つの古い巻物を持ってきた。
今回熊野の地より来た修験道の僧侶は恐る恐るその巻物を解いた。

「この名前は…!、この名前も!」

僧侶は興奮した様子で巻物に魅入っていた。
そうして暫く巻物を読むと住職の方を向いた。

「住職!この方たちは!?」

「はい…、その方達は皆補陀洛浄土を目指して神崎島へと流れ着いた熊野の修験者であると伺っております。」

その住職の言葉に周囲はざわめいた。
そして住職はこの寺の縁起の昔話を語り始めた。

933: 635 :2019/04/30(火) 15:37:18 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp

補陀落へと渡る為に海へと出た修験者は飢えと乾きに苦しみながらも民衆のためと経文を唱え続け耐えていた。
しかしある日を堺に昼夜を問わず渡海船は嵐の中を進む事となった。

渡海船は川の流れの木の葉の様に翻弄され、ついには船が砕け散り修験者は海へと放り出された。
船の残骸にしがみつき修験者は経文を唱え続けた。

すると急に雨風は止み、星空が見えた。
しかし限界が近かった修験者は残骸からいつ手を離してもおかしくなかった。

そこへ修験者を一条の光(探照灯でしてよ!?)が照らした。
それが修験者には煩悩を除き、世の闇を破す神仏の光明に思えた。

修験者へと海の上を歩き光を放つ人物が近づいてきた。
その人物は宝玉の琥珀如き長き髪に翡翠の瞳を持つ天女の如き御方であった。
人事とは思えぬその姿に修験者にはこの方こそ神仏かと思えた。

その御方が「何故に汝はここにいる」と天女の奏でる雅楽が如き声で修験者に問えば。
修験者は「民衆を救う為に補陀落を目指しました」と答えた。

その御方は苦笑しながら「ここは常世にあれど浄土にあらず」とおっしゃた。
修験者がその言葉に意気消沈していると「汝はまだ成すべきことがあるのだろう」とその御方はおっしゃった。

「この常世へは使命あるものしか辿り着けない」とその御方はおっしゃた。
その言葉に修験者は我が命を助けて下さった神仏のおっしゃることだ成すべきことがまだあると考えた。

そこで修験者はとうとう力尽き瞼が重くなり船の残骸から手を離してしまった。、
しかし修験者と話していた神仏は咄嗟に法輪(深海浮輪さんですわ!?)を投げ修験者を救い上げた。

意識が落ちるで中修験者が神仏に名前を問えば答えが返って来た。

「我が名は熊野観音」と。(熊野としか名乗っておりませんわ!?)



「そして修験者は神崎島の島民の家で目を覚ましました。
 島民に問えば修験者は見たこともない小舟に乗り島民の村の浜に漂着して眠っていたそうです。」

学者たちは住職の話しを必死でメモに取り、ボイスレコーダーに記録していた。
なんか耳には聞こえない心の声も聞こえた気がしたが。

「修験者はこれも神仏のお導きと村のから程近く熊野の地によく似ていたこの地にこの寺と神社を建立したそうです。」

住職は立ち上がると本尊の御簾を上げた。

「そしてこちらがこの寺の本尊、この寺の開祖の見た熊野観世音菩薩様の像となります。」

そこには長い髪を後頭部で結い上げ今でいうポニーテールをした優しげな微笑みを湛えた仏像があった。
人々からおおーっ!という声が上がる。


同行していたあるゲームで提督をしている学者はとっさに熊野を見た。
熊野は凄まじく微妙そうな顔をしていたが学者に気づくと

「(話してはいけませんわよ?)」

と言葉を出さず微笑みを浮かべてその美しい唇が動いた。
その微笑みは観音様にそっくりだったそうな。

934: 635 :2019/04/30(火) 15:38:22 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
ホントなんで浮かんだし。

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最終更新:2019年05月05日 14:37