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提督たちの憂鬱 りっくじあーすネタ
1935年 桜島
「撃ぇー、怪物どもを消し炭にしてやれ」
号令と共に並べられた砲が一斉に火を吹き、怪物と呼ばれた異形の者たちを打ち倒していった。
異形のもの、そう表現する他なかった。あるものは単眼、あるものは下半身が明らかに人ではなかった。だがそのいずれも肌が異様なまでに白い女性であるということは共通していた。
人類はその異形の者たちと長きに渡る戦いを繰り広げていたのであった。

同時刻 夢幻会会合
「それにしても、まさかマグマ軍が相手とはなあ、予想外にも程がある。全く胃が痛いな。」
「一応、鹵獲した個体を調べましたが、T-72やT-80ではなくふつうのT-26やBT-5だったようなので、大丈夫かと」
いつも通りに胃がキリキリしている嶋田に東條が報告をしてした。
「原作通りだったら詰んでたよな。」
「それより兵器娘はまだなのか、駐屯地娘でもいいぞ」
「今のところは確認されてないらしい、やはり、陸自ではなく帝国陸軍だからダメなのでは?」
周りがガヤガヤと騒ぎ始めたので、嶋田が静粛にするように促した。
「兎に角、桜島の制圧作戦を持って、日本列島からマグマ軍の勢力は一掃される。しかし、未だ欧州各国やアメリカはマグマ軍との戦いを続けているし、日本列島への再侵攻がないとも言い切れない。気を引き締めていかなければならない。また、マグマ軍が海洋に進出しないとも限らない。陸海軍が一丸となって事にあたらなければならない。」
嶋田は話しながら過去の自分を殴りたい衝動に駆られた。

夢幻会がこの世界に現れたのは幕末頃だった。
だが、今回の転生者の中には憂鬱世界や大陸世界、戦後世界など様々な世界からの転生者がおり、憂鬱本編から活動している転生者の中には「これは神様が用意してくれたボーナスステージなのでは?」と言うものがいるほど近代化は順当に進み、
さらに日清日露でも憂鬱本編以上の成果を上げた。勿論、嶋田はそこまで楽観的にはなれなかったがそれでも喜んではいた。
異変が起きたのは1914年だった。1914年の桜島の噴火とともに日本全国の火山が噴火し始め、さらに火山の中から異形の生命体たちが出現、マグマ軍を名乗り侵攻を開始したのである。
翌年になるとロシア、アメリカなどでもマグマ軍が出現し全世界がマグマ軍と戦うことになったのであった。人類側は戦車や航空機などの新兵器を繰り出したが、マグマ軍による鹵獲と解析により、結果的に歩兵が主体だった彼等に新たな戦力を提供するだけに終わってしまっていた。
また、各国の不和や日本を含む各国での共産主義者の活動など不安要素も多々あった。夢幻会は其れ等にも対処しなければならなかった。戦いはまだ終わりそうになかった。

「ところで、次の総理はどうします?やはり、陸戦がメインですし、東條さんとか」
「ああ、それなんだが、圧倒的多数で嶋田さんという結論になったから」
「えっ」
ついでに嶋田さんの憂鬱も終わりそうになかった。

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投下終了です。

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最終更新:2019年06月09日 18:28