59: 透過の人 :2019/08/05(月) 23:49:33 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
日墨ルート
1933年、日本が神の炎を手に入れたことは決して公表されなかったが、
世界はそれとは別に一歩ずつ神の炎を手に入れるための階梯登り始めていた。
デンマークのニールス・ボーア、アメリカのグレゴリー・ブライト、
ドナウ連邦のユージン・ウィグナーといった人々によって原子核反応理論が提唱されると、
世界はその理論を動力源や兵器として応用しようと考え始めた。

そうした状況に危機感を覚える国々がいた。ドイツを始めとするミッテルオイロパ陣営とアメリカだった。
何しろ両国ともに次世代のエネルギー資源と目される石油が領内に乏しく(注)、
有望な市場となるはずだった中国は国際管理の名のもとで各国に開放されてしまった。
このまま核兵器が完成してしまい、人類の滅亡さえ招きかねない兵器を各国が保有することになってしまえば、
互いに手を出すことが難しくなり、結果、石油をはじめとする資源と市場に乏しい自陣営または自国は衰退の一途を辿る事になる。
そんな予想さえ出始めていた時に、彼らの危機感を煽る出来事が起きる。1936 年のエドワード8世の戴冠とカナダ連合の成立である。
前者についてはエドワード8 世の王妃がフランス皇女であったことから、英仏関係のさらなる深化を狙うものとしてドイツは警戒した。
後者についてはそれまでバラバラだったイギリス領北米の植民地が統合されたことによりアメリカ製品への締付けが徐々に強まり始めたからである。

これらの問題から米独は急速に接近を始める。こうして、人類史上2度目の世界大戦の幕はきって落とされようとしていた。

アメリカ勢力圏ベネズエラにはマラカイボ油田があったが、他国からの安価な石油に押されがちだった。

60: 透過の人 :2019/08/05(月) 23:50:04 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
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最終更新:2019年08月08日 09:57