76 :名無しさん:2012/02/27(月) 18:30:20
『憂鬱日本×スト魔女世界 ~扶桑皇国視点~』

「謎の門に大艦隊だと?!」

「はい……」

時は1944年、欧州でガリアを覆っていたネウロイの巣が501JFWの活躍によって見事に撃退されてから
早数ヶ月、扶桑皇国御前会議に於いて次期遣欧計画や、太平洋方面における508JFWへの追加支援に
ついて話し合っていた面々は突如入った報告に驚愕するとともに詳細を追究した。

「それで、どこで接触したんだ?」

「アウストラリス連邦カーペンタリア湾に門が出現したとの報告です。現地の魔女隊が定時の哨戒飛行中に接触したようでして」

「交信できたのか!?」

「はい、それについてですが……」

何とも歯切れが悪い部下に先を促すと信じられない答えが返ってきた。

「「「扶桑語だと!?」」」

「はい、彼らの艦隊は自分達を大日本帝国海軍所属と答えたそうです。そしてその軍艦旗や国旗等も
我が国の物と類似する点が多く艦名についてもetc,etc......」

「もうよい、下がれ」

一通り報告を済ませた部下を下げると彼らは複雑な面持ちで会議を再開させた。

77 :名無しさん:2012/02/27(月) 18:31:13
「さて、これをどう見る?」

「新たなる仲間が出現したと見るか、それとも……」

「仮に敵対的な国家だとしたら太平洋方面の警戒についている南洋島の艦隊の一部をアウストラリス方面に就かせなければならんぞ。我が軍にそのような余力は無い」

「いっそのこと太平洋の警戒は508JFWに全て任せてしまうか?」

「馬鹿か貴様、西太平洋までヤンキー共に明け渡すつもりか!」

「一応言っておくがあの部隊には我が海軍の空母や駆逐艦も含まれているんだぞ」

会議が曇りから荒れ模様へと変わり始める。彼らにしてみれば扶桑海事変より続いた
平和(欧州に比べたらの話)が今まさに揺らぎ始めているかもしれないのだ。
加えて扶桑海事変にて失った戦力を補充したと思った矢先に派遣した遣欧艦隊は全滅
、そして508JFWへの参加で貴重な空母戦力を連合軍指揮下に置かれて戦力が足り
ていないのに、今此処で新たに敵を作るのは考えたくも無かった。

それらの不安から荒れている面々を、一人冷めた目で見ていた人物がいた。

78 :名無しさん:2012/02/27(月) 18:32:37
「其方、いい加減に黙らんか」

「で、殿下。……失礼いたしました。」

あれだけ荒れていた会議が一先ずは静けさを取り戻す。壮年の男性が多い会議を若い女性が
鎮めるというのもシュールな光景ではあったが彼女にはそれをするだけの威厳と実績があった。

「今現在その者等との戦闘行動は確認されておらんのじゃろう?ならば此方から敵意を露にでも
せぬ限り、友人としてはともかく敵になることはあるまい」

「では殿下、彼らとの交流を図るといたしましても太平洋への睨みは…」

「時期的に大西洋に居る508JFWが太平洋へと戻る頃じゃろうて。太平洋はリベリオンに暫し
任せるしかあるまい。……なに、新たな戦友ができるか新たな敵が出来るかどうかの瀬戸際なのじゃ。
彼らも認めるじゃろう。外交官諸君にはさらなる苦労を掛けてしまう事になるな」

「いえ、これが太平洋、延いては世界の安寧の為と思えば」

「急ぐのじゃぞ?ブリタニアの紳士は狡猾じゃからな。既に動き始めておろう。中東利権について
は折半じゃったが今回は彼らを出し抜くぞ」

「外務省には強く言っておきましょう」

こと此処に至り扶桑皇国は新たに出現した大日本帝国との接触を図る事を正式に決定したのである。

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最終更新:2012年03月05日 21:58