45 :第三帝国:2012/03/26(月) 23:52:47

――西暦201×年 太陽系地球
  日本国 埼玉県 麻帆良学園都市

21世紀に突入してから僅か10年そこらで軌道エレベーターの建築、
さらには火星への植民、宇宙開拓時代の道を切り開いたかつての少年少女が再び思い出の地に集合した。

「さて、わざわざ忙しい中皆を呼んだの理由なのだが・・・これを見てほしいネ」

超は近年一般にも普及した立体映像を展開させる。
映ったのは魔法の住民にとってなじみがあるラテン語に英語の両者が書かれていた。
同時に音声が両者の言語に沿って流れる。

『――停船し、所属を明らかにされたし。
  こちらは大日本帝国宇宙軍所属巡航偵察艦<信濃>なり、繰り返す、貴官の所属を答えよ・・・』

「・・・おい、超。
 あれか?ファンタジーの次に平行世界なSF冒険譚が始まるとでも言うのか?にしてはタチが悪すぎる気がするが。」

最初に反応したのは、千雨だった。
破天荒な元3ーAの中で比較的常識人だった彼女は、
かつて滅んだ国名に日本人として突っ込みを入れざるを得なかったのだろう。

「バックトゥーザフューチャーな私が言うのもあれだけど、このSFは残念ながら現実ネ。
 これは2日前、刹那さんが冥王星探索のさいに(※1)人工的な電波を探知して、ワームホールの発見と同時に送られてきたのものあるヨ」

そこそこ広い会議室はざわめきに支配される。
非常識には慣れっこな「白き翼」メンバーでも想定外でしばらく建設的でない会話を交わし―――そういえば、桜咲さんの安否は!?と超に問いかける。

「心配ないネ、今は書類と事情聴取の無限地獄にいるだけだから」

少なくても彼氏(※2)に会えないとぼやける程度の余裕もあるし、と付けくわえる。

「なら大丈夫ですね。超さん、他に何か情報はありますか?」

もはや精悍な青年に成長したネギ・スプリングフィールドが自称自分の子孫に問う。

「いい質問ネ、ネギ先生。
 刹那さんは接触後即座に探索隊の指揮官であることを根拠に外交官として扱うように要求。これが受け入れられて日本帝国の概要について聞くことができたヨ。」

画像は星図に変わり、たて座・みなみじゅうじ座を中心とした勢力図、
地球を含むオリオン座にいる勢力、サジタリウスを中心とする計3つの勢力図が現れる。

「西暦にして約3000年、銀河は3つの勢力に分かれている。
 一つは徹底した帝政国家である<銀河帝国>、二つ目は民主共和制を掲げる<自由惑星同盟>、最後に立憲君主制である<大日本帝国>
アチラの話によるとこの3勢力が現在微妙なバランスの元で駆け引きを行っている途中、彼らが言うところのエア回廊付近に突如してこのワームホールが現れたようネ。」

「おい、どっから突っ込めばいいだ!?」

「事実は小説よりも奇なり、といいますが。
 これを小説にしようもファンタジー以上にファンタジーと扱われそうなのです」

千雨、夕映は突如としてやってきた問題と起こりえるだろう問題に悩ましげに頭を振る。
安定してきたとはいえ、こんな情報が表に出ればあの火星の世界が公表された以上の衝撃が走るに違いない。
そして超由来の先端技術を公表しているとはいえ、唯でさえ祖国は嫉妬を浴びている中での大日本帝国が宙(そら)からやってくる。

この事実に「将来勃興するであろう帝国主義を今の内に死滅しろ!」と特定のアジアは騒ぎだすであろう。
日本人が想像する以上に東洋鬼への恐怖のあまり、最悪、恐怖に駆られて後先なく先端を開く可能性があり、統一戦争以来の戦争騒ぎが発生するだろう。

「しかし、賽は投げら得た。もう後戻りはできないネ」

「みなさん」

ネギが立ちあがる。

「幸い、帝国のニホンは友好的でありましたが
 おそらくかつて僕たちが経験してきた冒険以上に困難な事態がやってくるかもしれません。
 でもみなさんならきっとできます、僅かな勇気だけでここまでこれたのですから。僕はみなさんを信じています」

数日後、憶測でながれていた異星人の噂に関して地球、ならびに火星が真実を公表した。

47 :第三帝国:2012/03/26(月) 23:59:38
45
ネギま完結を祝ってプロージット!
というわけで、ネギまクロスのネタを投稿しました。

※1:名パイロットになると聞いて、
   こういう探索活動の責任者になったんじゃないかと妄想

※2:元北日本出身で、祖母がロシア人でクウォーター。
   職業は刹那と一緒で遥かなる空を目指して宇宙パイロット。

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最終更新:2013年01月10日 20:41