「絆の収穫祭4」(2012/10/01 (月) 04:13:29) の最新版変更点
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-ウード×ブレディ
ブレディ→ウード
【ウード】
お、いいところにブレディじゃねーか。&br()ちょっとこっち来いよ。
【ブレディ】
あん…? 何だよ。
【ウード】
祭りといえば、音楽隊だろ?
【ブレディ】
あ、あぁ…まぁ…そうだな。
【ウード】
ふっ…俺にはわかるぞ。&br()貴様こそが、大地に見そめられし&br()楽団の担い手…!
【ブレディ】
はぁ!?
【ウード】
今こそ、&br()貴様の真価を見せるときだ…!&br()…その神秘なる竜の髭にて…&br()永遠の幸福を奏でるがいい。
【ブレディ】
永遠の幸福だぁ?&br()何言ってっか、わかんねーよ。
【ウード】
…哀れな…やはり俺の魂の呼び声は&br()貴様には届かないという事か…&br()奏でる、と言えば貴様には&br()ひとつしかないだろう…
【ブレディ】
……つまりこうか?&br()祭りなんだから、バイオリンで&br()豊穣の曲でも弾けってことだな?
【ウード】
ふっ…貴様もまだ&br()捨てたものではないな。&br()さぁそん神秘なる竜の髭にて…!
【ブレディ】
あのなぁ…竜の髭って何だよ。&br()バイオリンの弦の原料は羊の腸で、&br()弓のほうは馬の毛だからな。&br()竜の髭なんて使ってねぇよ。
【ウード】
ったく…ノリが悪いなぁ。&br()こういうのは雰囲気が大事なんだぞ。
【ブレディ】
へいへい。&br()用がそんだけなら、もう行くぞ。
【ウード】
あっ…ちょい待てって!&br()バイオリン、弾いてくれよ!
【ブレディ】
最近、全然弾けてねぇんだよ。&br()腕がなまってるから、嫌だ。
【ウード】
でも、祭りに音楽は&br()欠かせないだろ?
【ブレディ】
今は戦いの最中だろーがよ!
【ウード】
そんなこと言わずにさぁ、&br()た~の~む~よ~!!
【ブレディ】
うわっ…わ、わかった!&br()わかったから、引っ付くな!!
【ウード】
おっ、弾いてくれんのか!
【ブレディ】
ったく、仕方ねぇな。&br()よーく耳の穴かっぽしって聞いとけよ!
ウード→ブレディ
【ウード】
ふっ…なんという美しい響き…!&br()心が洗われる哀愁の旋律、見事だったぞ。
【ブレディ】
お、おう。
【ウード】
貴様はその身に、音楽の女神の魂を&br()宿しているのかもしれんな…
【ブレディ】
よ、よせよ。&br()照れるじゃねぇか。
【ウード】
ふっ、謙遜するな。&br()この俺が手放しで褒めているんだ…&br()誇りという名の魂の勲章を、その心に&br()焼き付けたと言っても過言ではないだろう。
【ブレディ】
わけわかんねぇが…&br()お前のそのしゃべり方で、初めて少し&br()良い気分になったかもしんねぇぜ…
【ウード】
しっかし、ブレディは本当に&br()楽器を弾くのが上手いなぁ~。
【ブレディ】
…お前、普通に戻ると途端に&br()語彙が乏しくなるな…
【ウード】
お前、軍に所属しないで、音楽隊にでも&br()入った方がいいんじゃないか?
【ブレディ】
それじゃ、戦えねぇだろ。
【ウード】
でも、音楽隊のほうが&br()ブレディには合ってるだろ。&br()それに、そっちのほうが安全だし、&br()金だって稼げると思うけど。
【ブレディ】
うるせーな、&br()俺はここにいたいんだよ!
【ウード】
もったいないな…
【ブレディ】
…俺だって、好きで戦いが&br()苦手なわけじゃねぇよ。
【ウード】
そういう意味じゃなくて、&br()単純にさぁ、&br()音楽隊に入れば、お前の腕なら&br()超一流になるのになって思ってさ。
【ブレディ】
いいんだよ、今は。&br()戦いのほうが大事だ。
【ウード】
まぁ、得意なことが多いのは&br()いいことだよな。&br()平和になったときに食い扶持が&br()あるわけだし。
【ブレディ】
そういうウードは、平和になったら&br()どうするんだ?
【ウード】
え…俺?&br()う…う、うーん…&br()おわっ…&br()困った…何も浮かばないぞ…?
【ブレディ】
んじゃ、&br()詩でも書けばいいんじゃね?&br()いつも変な言葉遣いしてるんだから、&br()結構いけると思うけどな。&br()その技術を活かして俺の曲に&br()詩をつけてくれりゃこっちも助かるぜ。
【ウード】
詩…詩か…&br()あぁ、なるほど! 詩か…うん!&br()悪くない!&br()詩人ウード…うん、いいかもな!&br()よし、ちょっと考えとくぜ!
【ブレディ】
へぇ…&br()乗ってくるとは意外だぜ。
【ウード】
ふっ…我は堕天使の&br()言葉を紡ぐ者…!&br()我の紡ぐ幽玄なる億千の言の葉を&br()貴様らの元へ届けてくれよう…!
【ブレディ】
な、なんか、ノリノリだったな…&br()まぁ、いいか…
-ウード×マーク(男)
マーク(男)→ウード
【マーク】
…………
【ウード】
!? お、おい、マーク!&br()なんで倒れてんだ! 大丈夫か!?
【マーク】
う…う~ん…&br()あ…痛っ!
【ウード】
どうした? 頭を押さえて?&br()まさか敵にやられたのか!?
【マーク】
えぇと…それが、この街を…&br()お祭りの街並みを見ていたら、&br()何かを思い出しかけたんです。
【ウード】
何かって…まさか…!&br()失われたお前の記憶か…!?
【マーク】
でも、思い出しかけた途端に、&br()急に頭が痛くなってしまいまして。&br()それで意識が朦朧として&br()倒れてしまったみたいです。&br()心配をかけてしまったみたいで、&br()すみません…
【ウード】
つまり、記憶を取り戻しかけたら&br()気を失ったと…そういうことか…?
【マーク】
は、はい…おそらくは…
【ウード】
…ここに、一つの仮説が成り立つ。
【マーク】
えっ?
【ウード】
ふっ…マークよ。&br()…貴様の記憶には、何か呪術的な&br()拘束がかけられているのではないか?
【マーク】
ど、どういう意味ですか?
【ウード】
貴様には、記憶が戻りかけると&br()気を失うような呪いがかけられていて、&br()記憶の復活が&br()意図的に封じられている!
【マーク】
えぇっ!&br()そ、そんなまさか…!
【ウード】
…これはまだ仮説に過ぎんがな…
【マーク】
そうですか…&br()普段ならウードさんの妄想と&br()疑ってしまうところですが、&br()今回ばかりは納得してしまいそうです…&br()でも一体、誰がそんなことを…?
【ウード】
…ふむ。&br()少し考えてみる必要がありそうだな。
ウード→マーク(男)
【ウード】
おい、どうだ? マーク。&br()思い出しかけた記憶の&br()内容はわかったか?
【マーク】
それがさっぱり…
【ウード】
やっぱり頭痛が邪魔をするのか?
【マーク】
はい…どうしてなんでしょう。
【ウード】
…やはり貴様には何らかの&br()呪術が施されているということだな。
【マーク】
どうして僕の記憶に呪術なんて…
【ウード】
恐らくは、邪教の暗黒司祭によるもの…&br()貴様も面倒な奴に目を付けられたようだな。
【マーク】
邪教の暗黒司祭…ですか。
【ウード】
ああ…そしてその&br()失われし記憶の中には、&br()世界を揺るがすであろう&br()凄まじい秘密が眠っているに違いない。
【マーク】
えっ? 僕の頭の中に、&br()そんな秘密が!?
【ウード】
マーク…!&br()暗黒司祭の呪いになど屈するな。&br()貴様に与えられし類稀な血脈の力を持って、&br()邪なる楔を解き放つのだ…!
【マーク】
う、うぅ…!&br()よし…思い出せ、僕…!&br()この楔を…解き放って…&br()う…うっ…くぅ……&br()うあああああっ!!!&br()…はっ!
【ウード】
マーク?&br()何か思い出したのか!?
【マーク】
はい! そういえば、今朝&br()寝違えたことを思い出しました!&br()頭が痛かったのは、&br()それが原因だったんですね!
【ウード】
ん…?&br()じゃあ、この街並みを見て&br()思いだしかけた記憶って…!?
【マーク】
あ、そうそう。昨日、母さんからイーリスの&br()歴史をつづった書物を借りたんです。&br()その中にお祭りの様子が描かれていて、&br()それによく似ていました!
【ウード】
な、なにぃ…!? そ、それじゃあ…&br()まったく話が広がらねぇじゃんかよ…
【マーク】
ああ~良かった…!&br()思い出せてすっきりしました~!
【ウード】
はぁ…もうどうでもいいや…&br()暗黒司祭との対決は持ち越しだな…
【マーク】
あはは、そうですね…!&br()いつか必ず二人で倒しましょうね!
-アズール×ブレディ
アズール→ブレディ
【ブレディ】
お、アズールじゃねぇか。
【アズール】
…………
【ブレディ】
おい、アズール?&br()聞こえてねぇのか?
【アズール】
…………
【ブレディ】
アズール! おいって!&br()無視すんなっつーの!!
【アズール】
はっ…な、なんだ、ブレディじゃないか。&br()びっくりした…&br()急にそんな大声を出したりして、&br()どうしたの?
【ブレディ】
急じゃねぇよ!&br()何度も声をかけたろーが!
【アズール】
あれっ、そうだった?&br()あはは…それは悪かったね。
【ブレディ】
ったく…何ぼーっとしてんだよ。
【アズール】
えっと…&br()いや、何でもないよ。
【ブレディ】
…当ててやろうか?&br()お前今、この祭り会場の広場で&br()踊ってる自分を想像してたんじゃねぇの?
【アズール】
……!!&br()ま、まさか! や、やだなぁ…
【ブレディ】
図星だろ、目が泳ぎまくってる。&br()お前、嘘つくの下手だなぁ。
【アズール】
う、嘘じゃないって。&br()僕がそんな事考えるわけないじゃないか!&br()今は戦闘中だよ? 僕の頭の中は&br()そりゃーもう屍兵のことでいっぱいさ!
【ブレディ】
何だよ、屍兵で頭がいっぱいって。&br()それはそれで相当ヤバいぞ。
【アズール】
そ、そうそう、&br()ちょっとヤバいんだよ。&br()早くこいつら倒さなきゃって思うと&br()気分が焦っちゃってさ。&br()だから、お祭り会場を見てたら新しい&br()振り付けが思い浮かびそうだなーとか、&br()お祭りが再開されたら&br()踊りで町の人たちを笑顔にしたいなーとか、&br()祭りの光景を目に焼き付けておいて&br()踊りの練習に生かしたいなーとか、&br()ぜんぜん全く微塵も&br()思ったりしてないんだからね!
【ブレディ】
…………&br()どんどん墓穴掘ってるぞ、お前。&br()もし気づいてないとしたら、&br()清々しいほどのバカだな。
【アズール】
うっ…
【ブレディ】
ま、そんな事だろうと思ったけどよ。&br()お前の夢は昔から散々聞いてたんだ。&br()そんな遠い目をしてりゃ、&br()すぐにわかる。
【アズール】
はは…参ったなぁ…
【ブレディ】
…………
ブレディ→アズール
【アズール】
…………
【ブレディ】
アズール、また踊ってる自分を&br()想像してたのか?
【アズール】
あぁ、ブレディ。&br()また見られちゃったね。&br()…さすがにちょっと恥ずかしいな。
【ブレディ】
別に恥ずかしくねぇだろ。&br()お前の夢なんだからよ。
【アズール】
な、なんだよ急に…&br()真面目に返されると調子狂うよ。&br()…あ、わかった。&br()もしかして、君もこの広場で&br()演奏してみたいって思ってたりするの?
【ブレディ】
半分…正解だな。
【アズール】
半分?
【ブレディ】
お前、昔の約束…覚えてるか?
【アズール】
約束…僕、ブレディと&br()何か約束したの?
【ブレディ】
あぁ…さっきお前が踊りで町の人を&br()笑顔にしたいって言った時、思い出したんだ。&br()小せぇ頃の約束だから&br()お前も忘れてるかもしれねぇけど…
【アズール】
どんな約束?
【ブレディ】
…俺たちの母さんの約束を&br()代わりに果たそうっていうやつだ。
【アズール】
……!!
【ブレディ】
俺は楽器を演奏し、&br()お前はそれに合わせて踊る。
【アズール】
…そして色んな町の祭りや式典で、&br()たくさんの人々に演奏と踊りを披露する。&br()戦争で辛い目に遭った人たちを、&br()一人でも多く笑顔にして回る…
【ブレディ】
そうだ! なんだよ、&br()ちゃんと覚えてるじゃねぇか。
【アズール】
うん…自分たちにできることで&br()多くの人を癒し、元気づける。&br()これは僕たちの母さんが&br()絶望の未来で約束したこと…
【ブレディ】
だが、母さんたちはその夢を&br()実現させることなく死んじまった…&br()だからせめて俺たちが代わりに&br()その夢を叶えようって約束したろ?
【アズール】
…うん。そうだった。&br()どうして今まで忘れてたのかな…
【ブレディ】
俺たちには、色々あり過ぎたんだよ。&br()夢のことなんて考える暇もないぐらい、&br()あの世界は厳しかったからな…
【アズール】
それでも…こんな大切な事まで&br()思い出せなくなってたなんて…僕は…&br()…っ、ごめん、ごめんね…&br()母さん…マリアベルさん…
【ブレディ】
うっ…ぐすっ…泣くなよお前…&br()男のくせにみっともねぇぞ?
【アズール】
うぅ…君だってそんな怖い顔して&br()泣かないでよ…
【ブレディ】
くそっ…怖い顔は余計だ…&br()というかなんで戦場で野郎同士&br()向かい合って泣いてんだ…
【アズール】
知らないよ…おかげで&br()とんだ地獄絵図の出来上がりだよ…&br()…………&br()…ねぇ。ブレディ、君はまだ&br()この約束を果たそうって思ってる?
【ブレディ】
!! 当たり前じゃねぇか。&br()思い出したからには、もう一度頑張るつもりだ。&br()…でなきゃ、こうやって&br()お前に話したりしねぇよ。
【アズール】
そっか。じゃあ僕も、もう一度&br()この約束を果たすために頑張るよ。
【ブレディ】
じゃあその夢を果たすためにも、&br()ちゃっちゃとこの場を片付けねぇとな。&br()…もう泣くのはやめだ。&br()行くぜ、アズール。
【アズール】
わかったよ、ブレディ。
-アズール×ジェローム
アズール→ジェローム
【アズール】
ねぇジェローム、噴水があるよ。&br()この町、すごく綺麗だね。
【ジェローム】
…………
【アズール】
あ、あっちは雑貨の屋台もあるよ。&br()あの人形、可愛いなー。
【ジェローム】
…おい、今は戦闘中だぞ。&br()どうでもいい用件で声をかけるな。
【アズール】
はいはい、&br()すみませんでした…&br()いつも仏頂面のジェロームを&br()笑顔にする作戦は、&br()残念ながら開始直後に&br()失敗しました、っと。
【ジェローム】
下らない作戦を考える暇があれば&br()敵の一人でも倒してこい。
【アズール】
戦いが終わったら楽しいお祭りだってのに、&br()相変わらずクールなことで…&br()君は恰好だけ見たら&br()仮面舞踏会みたいで楽しげなのにね?&br()ちょっとこれ僕にも貸してよ。
【ジェローム】
!!&br()こら、勝手に仮面を外すな!
【アズール】
あはは、&br()いいじゃんちょっとぐらい…&br()って、あれ?&br()なんか目の下のクマひどいよ?
【ジェローム】
余計なお世話だ!&br()いいからもう返せ!
【アズール】
あっ、クマ隠しちゃった。&br()ジェローム…もしかして寝不足なの?&br()駄目だよ、あんまり夜更かししちゃ。
【ジェローム】
…ふん。&br()それはお前も同じだろう。
【アズール】
ん? どういうこと?
【ジェローム】
お前も、あんな夜中に出歩いていては&br()翌日に支障が出るぞと言っている。
【アズール】
な、なんのこと…?&br()僕、夜はいつも天幕にいるけど…?
【ジェローム】
嘘をつけ。昨日は野営地から離れた&br()泉のほとりにいただろう。
【アズール】
なんでそのことを知って…?&br()ジェローム、も、もしかして…
【ジェローム】
あぁ。昨日の夜、&br()お前が踊っているのを見た。
【アズール】
えぇーーー!?&br()は、恥ずかしいよ…!!&br()ていうか、いたなら声かけてよ!&br()黙って見てるなんて趣味悪いなぁ!
【ジェローム】
それはすまなかったな。
【アズール】
…さては声をかける価値も&br()無いほど下手くそだって思ったんだ?&br()そうだよ…そうじゃなかったら&br()普通は声かけるよね…
【ジェローム】
…おい。&br()私はそんなこと一言も…
【アズール】
だって昨日はいっぱい失敗したし…&br()振り付けだって未完成だったし…&br()きっと全然ダメだって&br()思われたに決まってるんだ…!&br()もう、ジェロームの馬鹿!&br()なんでよりによってあんな踊りを…!
【ジェローム】
…おい、ミネルヴァ!?
【アズール】
え、どうしちゃったの!?&br()なんかすごく怒ってるような…!
【ジェローム】
ミネルヴァ、落ち着け!&br()お前の言いたいことはわかるが、&br()噛み付くのはさすがにまずい!
【アズール】
か、噛み付くって僕に!?&br()ちょっと待ってミネルヴァ!&br()う、うわあああっ!
【ジェローム】
待て、ミネルヴァ!
ジェローム→アズール
【ジェローム】
…さっきはすまなかった。
【アズール】
ううん、僕のほうこそごめんね。&br()色々君にひどいこと言っちゃったし…&br()ご主人を馬鹿にされたら、&br()そりゃミネルヴァも怒って噛みつくよ。
【ジェローム】
………
【アズール】
ジェローム?
【ジェローム】
…とにかく、相棒の失態は&br()私が責任を取るべきだ。&br()手当をしてやるから、&br()腕を出せ。
【アズール】
えっ…やだ、恥ずかしいよ。
【ジェローム】
おい、気色の悪いことを言うな!&br()さっさとしろ、敵が来るぞ!
【アズール】
うぅ…わかったよ。&br()じゃあ…お願いします。
【ジェローム】
…………&br()…思ったより浅い傷だな。&br()この程度ならすぐに治るだろう。&br()念のため消毒をしておくぞ。
【アズール】
!!&br()い、いたたた…!
【ジェローム】
我慢しろ、すぐに終わる。
【アズール】
わかってる…けど、&br()痛いものは痛いんだよ…!
【ジェローム】
こら、あまり動くな!&br()手当てがしにくい!
【アズール】
ご、ごめん…!&br()でも、そんな風にされると…っ!&br()ジェ、ジェローム、お願いだから&br()もうちょっと優しくして…!
【ジェローム】
!? なっ…!?&br()いきなり何を言い出すんだ!
【アズール】
だ、だって…ジェロームが&br()あんまり痛くするから…!
【ジェローム】
そういう物言いをするな!&br()あらぬ誤解をされるだろう!
【アズール】
あらぬ誤解って…?
【ジェローム】
知らん!&br()ほら、もう終わったぞ!
【アズール】
あ、ありがと。&br()へぇ、消毒は雑だったけど&br()包帯巻くのは上手いんだねー。
【ジェローム】
消毒が雑というのは余計だ。
【アズール】
あはは、ごめんごめん。&br()ありがとね、ジェローム。&br()そうだ、ここの戦いが終わったら&br()ミネルヴァにちゃんと謝ってもいい?&br()ご主人のこと悪く言って、&br()怒らせちゃってごめんねって。
【ジェローム】
…いや、あいつは主人を馬鹿にされて&br()腹を立てたのではない。
【アズール】
そうなの? じゃあどうして…
【ジェローム】
ミネルヴァが怒ったのは、&br()お前が自分の踊りを卑下したからだ。&br()あいつは…お前の踊りを&br()すっかり気に入っていたからな。&br()自分の好きなものを&br()悪く言われるのが嫌だったのだろう。
【アズール】
えっ!? う、うそ…!
【ジェローム】
こんなことで&br()嘘をついてどうする。
【アズール】
そ、そう…だよね。でも、&br()怒った理由…そっちだったんだ。
【ジェローム】
あぁ。だから私は昨日&br()お前を見かけても声をかけなかった。&br()お前のことだから、私がいるとわかったら&br()踊りをやめてしまうだろう?&br()そうしたら…&br()ミネルヴァが残念がるからな。
【アズール】
そっか…&br()恥ずかしいけど、ミネルヴァが&br()踊りを気に入ってくれたなんて嬉しいな。&br()えっと…良かったらまた&br()見においでって言っておいてよ。&br()僕、今日のお詫びも兼ねて&br()頑張って踊るからさ。
【ジェローム】
…そうだな。寝付けない時の&br()暇つぶしにはなるかもしれん。
【アズール】
はは…&br()暇つぶしだなんてひどいなー…&br()…って、まさか&br()ジェロームも来る気なの!?
【ジェローム】
夜中にミネルヴァひとりで&br()出歩かせたら危ないだろう。
【アズール】
ま、まぁ…ある意味ね。&br()でも、そうか…&br()ジェロームも来るのか…
【ジェローム】
何だ、ミネルヴァは良くて&br()私は駄目なのか?&br()まさかお前、ミネルヴァが&br()可愛いからといって良からぬことを…!
【アズール】
違う違う違う!&br()僕ってどれだけ節操無いんだよ!&br()ただ、ジェロームは僕の踊りなんて見ても、&br()あんまり楽しくないんじゃないかと思って。&br()ミネルヴァの付き添いで渋々&br()見ることになるんなら悪いし…
【ジェローム】
…そんなことはない。
【アズール】
え?
【ジェローム】
…私も、お前の踊りは&br()悪くないと思った。&br()お前さえいいなら、&br()もう一度…見たいと思っている。
【アズール】
………!!&br()ジェローム…
【ジェローム】
…少し話しすぎた。&br()もう持ち場に戻るぞ。
【アズール】
……ふふ。&br()ありがと、ジェローム。&br()おかげでちょっとだけ&br()自信がついたよ。&br()…僕、待ってるからね。&br()君とミネルヴァが見に来てくれるの。
-ブレディ×シャンブレー
ブレディ→シャンブレー
【シャンブレー】
ぜ、絶滅するーー!!
【ブレディ】
うわっ!?&br()なんだ、いきなり叫びやがって。
【シャンブレー】
こ、こんなことって…!&br()大変だよ、絶滅しちゃうよーー!!
【ブレディ】
るっせーな!&br()お前声がデカすぎんだよ!
【シャンブレー】
だって、お祭りがあるって聞いて&br()楽しみにしてたのに、&br()そこらじゅう敵だらけじゃないか!
【ブレディ】
こんなの、いつものことだろ?&br()何で取り乱してんだよ。
【シャンブレー】
これが落ち着いていられるか!&br()お祭りなら平和に決まってると&br()思ってたのにーーーー!!
【ブレディ】
だから、るっせーっての!&br()敵なら倒せばいいだろーが!
【シャンブレー】
いやだよ! 俺はお祭りに来たんだよ、&br()戦いに来たわけじゃない!
【ブレディ】
祭りなら、&br()敵を倒せば再開されんだろ?&br()こんなところで叫んでねぇで、&br()とっとと戦いに行けよ!
【シャンブレー】
う~ううう…う、うるさいっ!
【ブレディ】
あぁん?&br()うるさいのはお前だろ?
【シャンブレー】
平和なところを期待していた俺の、&br()砕かれたこの気持ちが! 悔しさが!&br()ブレディなんかに、&br()理解できるもんかー!
【ブレディ】
あぁ!?&br()ちょっ、シャンブレー…!&br()…行っちまったな。&br()なんだぁ、あいつ?&br()泣いてたように見えたけど。&br()そんなに悔しかったのか…?
シャンブレー→ブレディ
【シャンブレー】
う…うぅ…っ。
【ブレディ】
おい、シャンブレー。&br()お前何をそんなに悔しがって…え?&br()やっぱお前、泣いてんのか?
【シャンブレー】
な、泣いてなんかないやい!
【ブレディ】
嘘つけ。涙どころか、&br()鼻水まで出てんじゃねぇか。
【シャンブレー】
こ…これは、風で目と鼻に&br()ゴミが入ったから…!
【ブレディ】
あー、はいはい。いいから、ほら。&br()このハンカチで涙拭けよ。
【シャンブレー】
うん…&br()…チーン!
【ブレディ】
あっ、てめぇ!&br()人のハンカチで鼻かみやがったな!?
【シャンブレー】
…おかげでスッキリしたよ。
【ブレディ】
チッ…ったく。&br()で? 何がそんなに悔しかったんだ?
【シャンブレー】
実は…&br()俺、お祭りにずっと憧れてたんだ。&br()俺たちがいた未来じゃ、そういう&br()賑やかなことってもう失われただろ?
【ブレディ】
そういや、そうだったな。
【シャンブレー】
だから、俺にとってはお祭りって&br()世界が平和である証のようなものなんだ。&br()小さい頃からお祭りに憧れてたし、&br()ずっとずっと行ってみたいと思ってた。&br()だから、今日お祭りがあるって聞いた時は&br()…すごく心が躍ったよ。
【ブレディ】
だから、&br()祭りが中断されて悔しかったのか?
【シャンブレー】
あぁ。たとえ異界のお祭りでもさ、&br()やっぱり…憧れの場所だったから。
【ブレディ】
あのなぁ…そんなことで、この世の&br()終わりみたいな騒ぎ方してんじゃねぇよ。
【シャンブレー】
だ、だって、&br()俺には一大事だったんだよ!
【ブレディ】
祭りなんて、世界が&br()平和になればすぐに開催されるもんだろ。&br()だったら元の世界をとっとと平和に戻して、&br()祭りができるようにすればいいじゃねぇか。
【シャンブレー】
それはそうだけど…&br()そんなに簡単なことじゃないだろ…
【ブレディ】
簡単じゃねぇのはわかってるさ。&br()でも、敵を見て騒いでるだけじゃ&br()平和にはならねぇだろ。
【シャンブレー】
う…だ、だけど…
【ブレディ】
お前はこんな敵くらいで絶滅するほど&br()やわな男じゃねぇだろ!&br()この異界をさっさと平和にして&br()祭りを再開させたら、&br()次は元いた世界の番だ!&br()…だろ?
【シャンブレー】
ブレディ…!&br()うん、そうだよな!&br()俺、がんばってみるよ!
【ブレディ】
はは、その調子だ!&br()今日のお前なら絶対活躍できるぜ!
【シャンブレー】
よーし、いくぞー!
-デジェル×セレナ
デジェル→セレナ
【デジェル】
…………
【セレナ】
あらデジェル、どうしたの?&br()そんな険しい顔して。
【デジェル】
…のんきなものね。&br()さっき賊が祭りに忍び込んでいたので、&br()取り押さえておいたのよ。
【セレナ】
い、いつの間に…&br()相変わらず注意力が鋭いというか…
【デジェル】
むしろ賊の存在に気づけないみんなに、&br()問題があると思うのだけれど…&br()まあいいわ…あっ、そうだわ。&br()その時こんな小瓶を手に入れたのよ。
【セレナ】
うわっ!&br()何その中身!&br()紫色でなんか泡立ってるし、&br()明らかに怪しいじゃない!?
【デジェル】
賊が、これは高価な薬だって&br()言っているのを聞いたわ。&br()飲めばすごい効果が得られるって…&br()ひょっとしたら新たな力に目覚めるかも…
【セレナ】
まさかとは思うけど、&br()あんたそれ…
【デジェル】
セレナ、&br()一緒に飲んでみましょうよ。
【セレナ】
い、いやよ…!&br()人を巻き込まないでよ!
【デジェル】
そう? 貴重な薬かもしれないのよ?&br()力と守備が上がるかもしれないわ。
【セレナ】
そうだったらいいわね。でも残念ながら&br()恐ろしい毒薬にしか見えないわよ?
【デジェル】
なら、私だけ飲んでみるわね。
【セレナ】
止めなさいって!&br()どうなっても知らないわよ!?
【デジェル】
何よもう。&br()セレナってば大げさなんだから。&br()さて、ふたを開けてと…
【セレナ】
…ほんとに知らないんだからね…&br()あ、あたしは関係ないんだから…
【デジェル】
一気に飲み干すわよ…!
【セレナ】
!!&br()や、やっぱりだめっ!
【デジェル】
あっ! ちょ、離して! セレナってば、&br()今になって薬が惜しくなったのね?
【セレナ】
違うわよ!
【デジェル】
そうはさせないわ!&br()…ゴクゴク。
【セレナ】
ああっ! 飲んじゃった!&br()もう…知らないからねっ!
【デジェル】
よし! これで…&br()ん…何ともない?&br()特に強くなった気もしないし、&br()ただの変な色の水だったのかも。
【セレナ】
もう…びっくりさせないでよ…
セレナ→デジェル
【デジェル】
セレナぁ~。&br()あなたって~見れば見る程可愛いわよね~。
【セレナ】
ちょ、ちょっとデジェル?&br()あんた様子が変よ? え? ていうか&br()なんでそんな締まりのない話し方なの?
【デジェル】
私ねぇ~、&br()前から思ってたんだけどぉ~。&br()弱い男と一緒にいるより~、&br()強くて可愛いセレナと仲良くしたいね~って。
【セレナ】
あんたどこ触ってんのよ!&br()ていうか、なんで顔が赤いのよ!
【デジェル】
わかんにゃ~い。&br()でも、なんだかとってもいい気持ちぃ~。
【セレナ】
ちょっと抱きつかないでよ!&br()ま、まさか…これって&br()さっきのあの薬の効果じゃ…!?
【デジェル】
んん~? そういえばあのクスリ、&br()瓶の底に、ビヤク、って書いてたわよぉ~?
【セレナ】
な、なんですってぇ!?
【デジェル】
セレナァ~。
【セレナ】
あぁ、もう! 服引っ張らないで!&br()伸びちゃうでしょ、やめなさいよっ!!&br()…んもぅ! こうなったら仕方がないわね。&br()ちょっと荒っぽいけど……えいっ!!
【デジェル】
ぐぬっ!?
【セレナ】
はぁはぁ…&br()ちょ、ちょっとデジェル…?&br()大丈夫…?
【デジェル】
いたた…あれ?&br()私、何をしてたのかしら?
【セレナ】
どうやら正気に戻ったみたいね…
【デジェル】
あ…セレナ。どうしたのよ、その格好?&br()服はきちんと着たほうがいいわよ。
【セレナ】
…言いたいことは山ほどあるんだけど。
【デジェル】
私に? 何かしら…&br()…って、あら?&br()なんだか、頭が痛いわね。&br()ごめんなさい。&br()ちょっとその辺で休んでくるわ…
【セレナ】
そりゃそうでしょうよ…&br()せいぜいゆっくり休んでなさい…
【セレナ】
あら?&br()デジェルが瓶を落として行ったわ。&br()何これ…&br()ビヤクじゃなくてヒヤクじゃない!&br()…ちゃんと説明書きがあるわ。&br()なになに…?&br()この薬は、&br()体の緊張をほぐし、&br()普段は言えない心の声を相手に伝える&br()お手伝いをします。&br()…って、え?&br()ええええええ!?
-シンシア×セレナ
シンシア→セレナ
【シンシア】
あ~ん!&br()どうすればいいの~!
【セレナ】
何わめいてんのよ戦闘中に。&br()うるさくて集中できないんだけど。
【シンシア】
あのね。髪をくしでとかしてたんだけど、&br()枝毛が引っかかっちゃって上手くいかないの。&br()せっかくカッコイイ名乗り方を考えたのに、&br()こんなボサボサ頭じゃしまらないよ~。
【セレナ】
まったく…&br()普段何も手入れしないからそうなるのよ。&br()ちょっと見せてみなさい。&br()…あんた、いつも適当に結んでばかりでしょ。&br()だからこんなに髪が傷むのよ。
【シンシア】
だって、そういうの苦手だし…
【セレナ】
苦手じゃなくて、&br()女の子として意識が足りないだけ。&br()こんな髪の子と、同じ軍だと思われると&br()恥ずかしいわ。&br()ちょっとじっとしてなさい。
【シンシア】
うん! ありがとう!
【セレナ】
あんた、昔からいつも男の子と&br()ばっかり遊んでたわよね。&br()ヒーローがどうとか言って、&br()このあたしを悪者役にしたり…&br()…思い出したら腹が立ってきたわ。
【シンシア】
い、痛い痛い!&br()あたまグリグリしないで!&br()ごめんって! 子どもの頃の&br()無邪気な遊びだったと思ってよ!
【セレナ】
ふん。&br()今だってやってること一緒じゃない?&br()大体…もっと着飾ったりして、&br()女の子らしくしようとは思わないの?
【シンシア】
えっと…そういうのはいいや。&br()セレナに任せたよ!
【セレナ】
馬鹿じゃないの?&br()他人に可愛くするの任せてどうするのよ。
【シンシア】
だって~。たとえばさぁ、&br()セレナみたいに髪伸ばそうとしても、&br()多分途中で&br()めんどくさくなっちゃいそうなんだもん…
【セレナ】
確かにあんたは&br()そういうタイプじゃないもんね…&br()…ん? なんか違和感が?
【シンシア】
セ、セレナ…人の髪の毛いじりながら&br()考え事するのは止めてもらえるかな…?&br()あっ、…いたっ、痛いっ!&br()やめて! 髪の毛むしってるから!
セレナ→シンシア
【シンシア】
あ、セレナ。&br()さっきは髪直してくれてありがとね。
【セレナ】
…………
【シンシア】
どうしたの? 変な顔して。
【セレナ】
うーるさい。&br()変だったのはあんたよ。
【シンシア】
…へ?
【セレナ】
昔のこと思い出してたんだけどさ。&br()シンシアって、男の子達と遊ぶようになる前、&br()普通に女の子らしくしてなかったっけ?
【シンシア】
えっと…うん…そうだったね。&br()…思い出しちゃった?
【セレナ】
でも、あの頃から急に…&br()…っ! あの頃って、まさか…&br()あんたのお母さんが…
【シンシア】
…うん。母さんが屍兵に&br()殺されちゃった頃…だよ。&br()あたし母さんっ子だったから、&br()あのことが悔しくて辛くて…&br()女の子らしさなんて無意味なんだって&br()思っちゃったんだね…きっと。&br()だから女の子らしくいることより、&br()母さんの仇を討てる強さを身につけようって。&br()子どもって単純だから、&br()そんな風に考えちゃったんだろうね。
【セレナ】
それで、ヒーローに憧れて…
【シンシア】
うん…&br()でも、まだ全然だけどね。
【セレナ】
まったく、本当にバカなんだから。&br()…でも気持ちは…わかるわ。
【シンシア】
えへへ…なんかその話したら&br()昔のこと思い出しちゃうね…&br()うっ…ごめん、セレナ。&br()突然ちょっと…ううっ。
【セレナ】
本当にバカな子…&br()でもごめんね、シンシア。&br()あんたの大事な気持ち、&br()あたし軽く思ってたかもしれない。
【シンシア】
う、ううん…&br()そんな事無いよ……
【セレナ】
あの…これからはあたしがあんたに&br()女の子らしさ…教えてあげるから。&br()だから…元気出しなさい。
【シンシア】
セレナ…
【セレナ】
あんたが暗いと調子狂っちゃうから…&br()だから…今回だけ特別なんだからね。
【シンシア】
うん、わかってるよ、セレナ。&br()…ありがとう。
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