小話03


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ホムンクルス。

その存在が認められるようになったのは、つい最近のことである。


 *


あるところに、事故で右腕を失った少年が居た。

彼の家は貧しく、義手を買うための金も用意出来ない。

見かねた街の錬金術師は、彼のために、彼の右腕を創ることにした。


そのために錬金術師は、最初に彼そのものを創り出すことを試みる。

しかし、やはり上手くはいかない。

人の形をしてはいるものの、でっぷりと肥大した肉人形。実験室で産声をあげる。

仕方なく目的のため、右腕の部分だけを、義手用に切除する。

すると、肉人形はたちまち冷たくなり、動かなくなってしまう。

それを見た錬金術師は、無性に悲しくなったーーー


 *


後日、少年が何者かに連れ去られる事件が起こる。


 *


数年後、最初の完成型ホムンクルスが発表される。

世間のこれまでの認識を一変させる、実に美しい、少年の姿だった。



錬金術の権威達も、その完成度の高さに目を見張ったという。

そのホムンクルスは10年を生き、言動にもほとんど不自由は見られなかったが、

唯一右腕だけは、ぶよぶよの出来損ないだったと、記録には残されている。