大逆転の心得

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作成途中 大逆転。 それは相手のミスと自分の粘りとの合作である。(VIP将棋部辞書より引用) 本講座は将棋倶楽部24の早指しにおいて、 大逆転を狙う為の心得について触れたい。 まず大逆転が発生しやすい状況をあげてみる。 以下、自玉に即詰みが無い前提で下記に示す。 ***①自分より相手のもち時間が少ない。 ***②自玉にはっきりした寄りがない。(広く、玉が上部に抜ける形等) ***③アヤが沢山ある。(頓死筋、紛れ含む) ***④相手のネット回線が弱くリソース落ち、相手戻らず。(悪魔のささやきで判定勝ちへ) ①については言うまでもない。特に24の早指2においては、 持ち時間が切れると自動的に負けになる。 これによって勝敗が決まることが意外に多い。 ②、要は相手が王手は追う手をしてきたりすると・・・という意味だ。 寄せに入ってなかなか寄らないと焦りが生まれる。③と同様だ。 ③については局面が複雑な程、大逆転が生まれやすいという意味だ。 つまりは相手が間違えやすい、双方の攻め駒が入り込んだゴチャゴチャした局面である。 ④については運である。 人間性善説を信じ、生きてこられた方に申し訳ないので、良い子のみんなはやめてね。 さて、大逆転の心得という本題、講座に移りたい。 **心得 動揺を誘う 具体的に言えと文句がつきそう。 まあ図を見て下さい。 自分と将棋倶楽部24会員の誰かとの実戦である。 便宜上先後逆 #ref(局面1.png) 図1 図1は3九の金に狙いをつけて桂馬を打たれた局面である。 次の▽3九桂成が詰めろだ。相手の持ち駒は金銀5枚、△5八竜といった強力な攻め駒もある。 こちらは桂馬しかなく、相手玉に迫る手段がない。投了しようかと思った。が、 圧倒的な敗勢の中、私は▲3六馬と寄った。(図1) #ref(局面2.png ) &bold(){図1} 図1で▽3九桂成なら▲5八馬と竜を取り除く手段があり、 同時に▲1七玉~▲2六玉からの脱出口を開けた意味もある。 単調な手ではなく、2つ以上の含みを持たせることが重要である。 図1以下の手順 △4八銀 ▲2九金 △3九金 ▲6三龍 △2九金 ▲同 玉(図2) #ref(局面3.png ) &bold(){図2} 手順中▽3九金とベタっと打たれたが、こちらは▲2六の脱出口があるから詰まない。 この瞬間に▲6三竜と攻める。 図では▽1七銀(下図)とされると必死(のはず)で、以下▲6一竜と迫っても▽5一金▲6四馬 ▽3二歩で負けだった。 #ref(局面7.png) 実戦では相手の考慮時間中にその順に気づき、ハッとなったが、 30秒の秒読みの中で相手は間違った。 図2以下の手順 △3九銀成 ▲1八玉(図3) #ref(局面4.png ) 図3 ▽3九銀成に玉を1八に上がり、上部脱出を見せる。 1八なら▽38竜に▲2八金と打って受けるスペースも生まれる。 ▲1八玉に▽5二銀と受けたが、すでに逆転ムードだ。 図3以下の手順 △5二銀 ▲6四馬 △5三歩 ▲4三歩成 △同銀左 ▲3三金(図4) #ref(局面5.png ) &bold(){図4} ▲6一竜と切るのはまだ早い感じがした。▲6一竜の王手でいつでも切れるなら すぐに決める必要はない。歩を成り捨てて▲33金と紛れを求めにいった。(図4) 玉の頭上に打って嫌味を付ける。飛車を取れば▲同馬左上が詰めろになる。 図4以下の手順 △3二金 ▲同 金 △同 玉 ▲3四歩 △― 時間切れ(図5) #ref(局面6.png ) &bold(){図5} 相手の敗着は▲同金に対した△同玉である。そこは△同銀とされると困っていた。 歩を伸ばした所で、持ち時間が0になり相手の切れ負けになった。 この歩はまた玉頭に歩を伸ばし拠点として嫌味をつけたわけだ。 ▽同銀は▲4四桂が見えるし(以下▽2二玉▲3二金▽12玉▲5二桂成) ▽33歩と合わせても▲同歩成▽同玉から▲2五桂馬の活用がある。 将棋倶楽部24での早指は、秒を読まれて切れると負けなのがはっきりしている。 しかし早指2というルールでは一手秒読みと、持ち時間の切れ負けがあり、うっかりしやすい。 この将棋は持ち時間の兼ね合いもあったが、 玉のふところを広くし、寄せミスを誘うのも逆転テクの一つである。 *※ミス待ちは恥ずかしいことではないので、堂々と実行しましょう。 ***心得 辛かったら逃げても良い。 #ref(局面8.png ) 図は桂馬で繋ぎ王手された局面だ。逃げ場が問題となる。 飛車を二枚持たれ、敵玉は安泰でアヤがない。 ここで9八玉と逃げた。6九桂成はそっぽの駒になるので 指しにくくさせたわけだ。 とまあ不利には代わりない・・
作成途中 大逆転。 それは相手のミスと自分の粘りとの合作である。(VIP将棋部辞書より引用) 本講座は将棋倶楽部24の早指しにおいて、 大逆転を狙う為の心得について触れたい。 まず大逆転が発生しやすい状況をあげてみる。 以下、自玉に即詰みが無い前提で下記に示す。 ***①自分より相手のもち時間が少ない。 ***②自玉にはっきりした寄りがない。(広く、玉が上部に抜ける形等) ***③アヤが沢山ある。(頓死筋、紛れ含む) ***④相手のネット回線が弱くリソース落ち、相手戻らず。(悪魔のささやきで判定勝ちへ) ①については言うまでもない。特に24の早指2においては、 持ち時間が切れると自動的に負けになる。 これによって勝敗が決まることが意外に多い。 ②、要は相手が王手は追う手をしてきたりすると・・・という意味だ。 寄せに入ってなかなか寄らないと焦りが生まれる。③と同様だ。 ③については局面が複雑な程、大逆転が生まれやすいという意味だ。 つまりは相手が間違えやすい、双方の攻め駒が入り込んだゴチャゴチャした局面である。 ④については運である。 人間性善説を信じ、生きてこられた方に申し訳ないので、良い子のみんなはやめてね。 さて、大逆転の心得という本題、講座に移りたい。 **心得 動揺を誘う 具体的に言えと文句がつきそう。 まあ図を見て下さい。 自分と将棋倶楽部24会員の誰かとの実戦である。 便宜上先後逆 #ref(局面1.png) 図1 図1は3九の金に狙いをつけて桂馬を打たれた局面である。 次の▽3九桂成が詰めろだ。相手の持ち駒は金銀5枚、△5八竜といった強力な攻め駒もある。 こちらは桂馬しかなく、相手玉に迫る手段がない。投了しようかと思った。が、 圧倒的な敗勢の中、私は▲3六馬と寄った。(図1) #ref(局面2.png ) &bold(){図1} 図1で▽3九桂成なら▲5八馬と竜を取り除く手段があり、 同時に▲1七玉~▲2六玉からの脱出口を開けた意味もある。 単調な手ではなく、2つ以上の含みを持たせることが重要である。 図1以下の手順 △4八銀 ▲2九金 △3九金 ▲6三龍 △2九金 ▲同 玉(図2) #ref(局面3.png ) &bold(){図2} 手順中▽3九金とベタっと打たれたが、こちらは▲2六の脱出口があるから詰まない。 この瞬間に▲6三竜と攻める。 図では▽1七銀(下図)とされると必死(のはず)で、以下▲6一竜と迫っても▽5一金▲6四馬 ▽4二歩で負けだった。 #ref(局面7.png) 実戦では相手の考慮時間中にその順に気づき、ハッとなったが、 30秒の秒読みの中で相手は間違った。 図2以下の手順 △3九銀成 ▲1八玉(図3) #ref(局面4.png ) 図3 ▽3九銀成に玉を1八に上がり、上部脱出を見せる。 1八なら▽38竜に▲2八金と打って受けるスペースも生まれる。 ▲1八玉に▽5二銀と受けたが、すでに逆転ムードだ。 図3以下の手順 △5二銀 ▲6四馬 △5三歩 ▲4三歩成 △同銀左 ▲3三金(図4) #ref(局面5.png ) &bold(){図4} ▲6一竜と切るのはまだ早い感じがした。▲6一竜の王手でいつでも切れるなら すぐに決める必要はない。歩を成り捨てて▲33金と紛れを求めにいった。(図4) 玉の頭上に打って嫌味を付ける。飛車を取れば▲同馬左上が詰めろになる。 図4以下の手順 △3二金 ▲同 金 △同 玉 ▲3四歩 △― 時間切れ(図5) #ref(局面6.png ) &bold(){図5} 相手の敗着は▲同金に対した△同玉である。そこは△同銀とされると困っていた。 歩を伸ばした所で、持ち時間が0になり相手の切れ負けになった。 この歩はまた玉頭に歩を伸ばし拠点として嫌味をつけたわけだ。 ▽同銀は▲4四桂が見えるし(以下▽2二玉▲3二金▽12玉▲5二桂成) ▽33歩と合わせても▲同歩成▽同玉から▲2五桂馬の活用がある。 将棋倶楽部24での早指は、秒を読まれて切れると負けなのがはっきりしている。 しかし早指2というルールでは一手秒読みと、持ち時間の切れ負けがあり、うっかりしやすい。 この将棋は持ち時間の兼ね合いもあったが、 玉のふところを広くし、寄せミスを誘うのも逆転テクの一つである。 *※ミス待ちは恥ずかしいことではないので、堂々と実行しましょう。 ***心得 辛かったら逃げても良い。 #ref(局面8.png ) 図は桂馬で繋ぎ王手された局面だ。逃げ場が問題となる。 飛車を二枚持たれ、敵玉は安泰でアヤがない。 ここで9八玉と逃げた。6九桂成はそっぽの駒になるので 指しにくくさせたわけだ。 とまあ不利には代わりない・・

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