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307 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 01:16:32 ID:t26d1gtk  朝起きて、誰も居ない部屋で一人着替える。    意地悪な人は、玉の輿に乗りそこなったねって、捨てられたねって言う。  優しい人は、いい人が見つかるから、忘れたほうが良いって言う。

 サイトさんは、陛下の許可を頂いて来るって。  そう言って出掛けて、……帰って来たのは手配書だった。    どうしてわたしは無力なんだろう?  サイトさんを助けてあげたいのに。  わたしに出来ることなんて……    誰も居ない部屋、サイトさんもミス・ヴァリエールも居ない。  綺麗な部屋、毎日毎日掃除している部屋。

 ――二人がいつ帰って来ても良いように。

 マルトーさんが用意してくれる三人分のお食事を、毎日一人分だけ頂く。    もうシュヴァリエじゃないサイトさんの事しかないから、周りの皆の目も段々冷たくなっていく。    でも……わたしに出来ることは信じることだけだから。  きっと帰ってくるって信じて、毎日毎日お掃除する。

 誰も居ないベット。    昔住んでいた部屋から毛布を持ってきて、床で眠る。  あそこは三人の場所だから。  次もまた、三人で眠りたいから。

 今は我慢。

 日が暮れて、部屋の隅で丸くなる。

 今日もサイトさんの事、何も分からなかった。  昨日も何も分からなかった……明日は?

 信じるのが辛い。  期待するのが怖い。

 ……もし……帰ってこなかったら?  綺麗に拭き掃除した床の上に、ぽたぽたと涙が落ちる。    どんな時でも側に居たいのに、『捨てられた』のだとしたら?    寒くて、切なくて、胸が痛い。

 メイジみたいに飛べたら、真っ直ぐに彼の元に急ぐのに。

 ……わたしには何も出来なくて……

「待ってていいですか?」

 呟く声も闇夜に溶けて、今日もまた、一人で凍えていた。