※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

その日、才人はトリスタニアに呼び出されていた。 前に働いていたよしみということで、『魅惑の妖精亭』のジェシカにシエスタを通じてヘルプの要請があったのである。 大口の団体予約が入ったはいいが、シフトの関係で厨房の手が足りなくなりそうだというのだ。 その日ヒマをしていた才人は、前の恩もあるし、ということで気安く請け負った。 そして仕事自体はつつがなく終わり、今、才人は朝日を浴びながら『魅惑の妖精亭』を後にしようとしていた。

「お疲れ様、サイト。いい仕事っぷりだったよ」

才人のために入り口の扉を開けながら、ジェシカはウインクした。

「全く、人遣い荒いんだからジェシカもスカロンさんも…」

さんざんこき使われた才人はヘトヘトだった。

「うふふ。騎士様じゃなかったら、ウチで雇いたいくらいのいい働きっぷりだったよ」 「冗談でも勘弁してください…」

入り口をくぐり、朝靄に煙る通りに出ながら、げんなりした顔で才人は言った。 さんざんこき使われ、身も心もヘトヘトになっている。正直こんな生活は勘弁願いたかった。 そんな才人の腕を取って以外にある胸を押し付けながら、冗談めかしてジェシカは言った。

「あそっかぁ、私がサイトのお嫁さんになれば働き手も増えるし一石二鳥?」 「…そーですね、そりゃちょうどいいやははは…」

もう冗談に反論する気力もない。 才人がそうやってされるがままになっていると。

「…ちょっと」

ものすごくよく聞きなれた声が、前方ゼロ時方向から聞こえてきた。 ドス黒いオーラで朝靄を切り裂いて、そこに立っていたのは。 ルイズ・フランソワーズル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 またの名を『ゼロ』のルイズ。 才人のご主人様にして恋人。 そしてそのひくつく笑顔からは、いつものドス黒いオーラが立ち昇っていた。

「…疲れているだろうから馬車で迎えに来てやれば?  どういうことなのか説明してもらいましょうかバカ犬?」

いやちょっとまって。 激しく誤解だからそれ。 才人は慌ててルイズに尋ねる。

「え、えっと、参考までに聞きますけど、どのへんから聞いておいででしたか…?」

ルイズはにっこり笑って。

「『私がサイトのお嫁さんになれば』のくだりからかしら!  って何説明させてんのよバカ犬ぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!」

問答無用の全力キックが才人を通りに転がし。 魔法の連打が、これでもかと才人を滅多打ちにした。 ちなみに危機を察知したジェシカはとうの昔に店に逃げ込んでいたという。

「…ごめんなさい」

事情を説明されたルイズは、かつて使っていた『魅惑の妖精亭』の屋根裏部屋の、才人の前で小さくなっていた。

「ったく、ちゃんと話くらい聞けよなあ」

あれだけ魔法と蹴りを食らったのに才人はぴんぴんしていた。 まあ普段からあれだけフルボッコにされていれば回復力もつこうというもの。 慣れとは恐ろしいものである。 呆れたように肩をすくめて、目の前の椅子の上で小さくなるルイズを見下ろしていた。

「…ごめんなさい…」

ルイズは謝るばかりだ。 才人を完膚なきまで叩きのめした挙句、それが勘違いだったのだから当然といえば当然だ。

「毎回毎回、ボコられるこっちの身にもなれっての」

ここぞとばかりに、才人は反撃する。 こういう機会でもなければ、ルイズを見下すことなどほぼありえないからだ。 しかし相手は彼のルイズである。 使い魔ごときにいつまでもやられているわけにはいかないのである。

「それは、アンタが浮気するからでしょぉ」

言って、半眼で下から睨みつけてくる。 ところが今日の才人は一味違っていた。 なんと、そのルイズの視線にも一切怯まなかったのである。 それどころか、そんなルイズを可愛いなあ、なんて思う余裕まであったのである。 それは、ほぼ徹夜明けでナチュラル・ハイっていたのもあるだろうが。 そして才人は反撃に出る。

「それは関係ないだろ?  今は、一仕事終えた使い魔に、魔法と蹴りを叩き込むのが正しいご主人様のあり方なのか、ってコトだろ?」 「…うぅ…」

自分の非を一旦認めているだけに、ルイズには反論のしようがなかった。 こうなったらもう、開き直るしかないわけで。 俎上の鯉となったルイズは、自棄になって言った。

「わかったわよ!私が悪うございました!  アンタの気の済むようにしたらいいでしょうが!もう!」

んー、今のはちょっと可愛くないぞお、と思いながら、才人はご主人様の顎をつまむと、くいっ、と持ち上げて見せた。 そして、ルイズの鳶色の瞳を、じーっと、覗き込む。 そんな才人に、ルイズは思わず赤くなってしまう。

「あ、あによ」

あ、ちょっと目がウルウルしてきた。 いつもなら才人の手を跳ね除けるところだが、罪悪の念がルイズにそれをさせない。 ひょ、ひょっとしてこのままキス…なんて期待しはじめて、ちょっと瞼が落ち始めたルイズを、才人のとんでもない台詞が襲った。

「じゃあ、たまにはルイズがお仕置きされてみようか?」 「へ?」

ルイズがその言葉を完全に飲み込むのに、きっかり三十秒を要した。

才人は、「ちょっと準備があるから」と屋根裏部屋から出て行って、すぐに戻ってきた。

「…な、何するつもりなのよ…?」

ベッドの上で赤くなりながら、長い間待たされた(実際は十分とちょっと)ルイズは、才人に尋ねる。 しかし才人はその問いには直接答えず、

「じゃあ、コレに着替えて」

と、白い服を差し出してきた。 それは、忘れもしない。 ここ『魅惑の妖精亭』で身分を隠して働いていたときに、ルイズの着ていた、白いビスチェ。 忌まわしい思い出がルイズの脳裏をよぎる。

「ちょ、なんでこんな」

反論しようとしたルイズの唇を、才人の人差し指が塞いだ。

「反論はナシ。お仕置きだからね?」

言ってニヤリと笑う。 ルイズはビスチェを抱えて才人を睨んで、一回うーっ、っと唸ったが、

「分かったわよ!着替えるからあっち向いててっ!」

自棄気味にそう叫んだ。 才人はやれやれと肩をすくめると、大人しく反対側を向いた。 そしてしばらくすると。

「…こっち向いていいわよ」

着替え終わったらしいルイズがそう言ってきた。 才人が振り向くと、刺激的な格好のルイズがそこにいた。 真っ白なビスチェに、白いフリルのついたカチューシャ。 申し訳程度のスカートからは、ガーターベルトに吊るされた白いニーソックスが見える。 かわええ。

「…な、なによ」

思わず見とれていると、ルイズが真っ赤になって身体を隠す。 その照れる仕草が可愛くて、才人の胸をきゅんきゅんさせた。 …おっといかん、肝心のお仕置きを忘れる所だった。 それじゃあ。

「ちょっとルイズ、後ろ向いてみて?」

才人はにっこり笑ってそう言う。 その笑顔には、言外に「お仕置きだから拒否は一切認められません」と語っていた。 生意気な才人を蹴りたい衝動を必死にこらえ、ルイズは自分に言い聞かせる。 …しょ、しょうがないわよ、ガマンしなきゃ。悪いの私なんだし…。 生来の生真面目さから、ルイズは自分自身に必死になってお仕置きを許容させようとしていた。 そして、二律背反を制した、『悪いのは私』ルイズが、才人の言うとおりに背を向けさせる。 次の瞬間。 ルイズの視界が闇に染まった。

「えっ、何っ!?」

才人が後ろから目隠しをしたのである。

「ちょっと、何すんのよっ」

思わず怒鳴って、目隠しを解こうとするルイズ。 しかし、その手を才人はがっしりと握った。

「ダメだよルイズ。これはお仕置きなんだから」 「うー…」

一度罪を認めてしまったルイズは『お仕置き』という単語に反応して、渋々手をひっこめる。 才人はその手を。 あっという間に絡め取ると、ルイズの背中で、いつの間にか手にしていた麻縄で、ぎゅっと縛ってしまった。

「えっ」

驚くヒマもなかった。 ルイズはそのままベッドにころんとうつ伏せに転がされた。

「ちょっと犬、なにしてんのよっ」

怒ってルイズは立ち上がろうとするが、才人が背中を押してそれをさせない。

「抵抗も却下。お仕置きだって言ってるでしょ」 「だ、だからって好き勝手していいって誰も」 「却下です」

暴れるルイズの、暴れたせいで露になった大きく開いたビスチェの背筋を、才人は指先で削るようになで上げた。

「ひゃぁっ!?」

ルイズの背中を、電気が走り抜ける。 それと同時に背筋から力が抜け、ベッドに逆戻りしてしまう。

「さーて」

才人は、舌なめずりしそうな勢いで、ルイズの耳元で囁いた。

「ここからが本番だからね?ルイズ」

視覚を奪われたルイズは、何をされるのか不安で仕方がなかった。 でも、才人はあの『本番』の一言から、何もしてこない。

「さ、サイト?」

不安になって、才人を呼んでみる。 しかし返事はない。 ひょっとしてどっかいっちゃったのかしら、なんて考えていると。

なでなで。

「やんっ」

膝を立てているせいで突き出している、お尻を撫で回された。 お、お仕置きって、お仕置きって。 こういうことかー! 半分呆れたルイズだったが、才人の責めで、その思考に一瞬でピンクの靄がかかってしまう。 才人は、撫で回す範囲を白い双丘から、前方の小さな膨らみまで伸ばしてきた。

「やぁっ、だめっ」

もじもじと腰をくねらし、抵抗の姿勢を見せるルイズ。 しかし身体はむずがゆい快感を得始めており、すでに胎内からは牡を受け入れるための潤滑油が溢れてきていた。 才人は執拗にルイズの臀部を撫で回し、その隙間から前方に手を伸ばし、潤い始めた恥丘を揉みしだく。

「あっ…はっ…やぁっ…」

ルイズの声はやがて、艶を含み始める。 最初は抵抗するために硬く張り詰めていた太ももも、今はすっかり解れ、今にも砕けそうな腰を支えるだけになっている。 横になった顔には涎が垂れ、ベッドのシーツを濡らしていた。 じわじわと嬲るような行為に、ルイズの喉から屈服の声が漏れそうになったとき。 不意に才人の手が止まった。

「…えっ…?」

快楽の渦から一転、ルイズの身体を、冷たい部屋の空気だけが包む。 火照り始めた身体を持て余し、ルイズは呆然とする。

「さ、サイト…?どうしたの…?」

しかし、また才人は応えなかった。 ルイズは身体を動かし、ベッドの上で、才人のいるであろう方向にころんと転がる。 ルイズの身体は何にも触れず、そのまま仰向けになった。 サイトがいない…? 確かめたくても、今のルイズは視覚を奪われている。 ルイズがもう一度声を上げようとしたその時。

ちゅうっ

「やぁっ」

今度は、才人がビスチェの胸をいきなりまくり、ルイズの少しだけ膨らんだ胸を吸い上げたのだ。 そして、空いた手で、再び下半身への責めを再開する。

「やだぁっ、すっちゃ、ひあ、だめえっ」

先ほどに倍する快感に、ルイズの喉が淫らに踊る。 見えないことに対する不安が、さらにルイズの快感を煽る。 才人はそんなルイズを容赦なく責める。 乳首を甘噛みし、乳房を吸い上げ、秘裂を削り、ルイズの核を押しつぶす。 白いビスチェに包まれ、両腕を縛られたルイズの身体が、淫らにくねり、才人の送り込む快感に応えていた。

「ひ、あ、だめ、い、いく、いっちゃ、わたし、いっちゃ」

ルイズの腰がかくかくと痙攣し、浮き上がる。 あと一撫でで、ルイズは最後の階段を登りきる。 しかし。 そこで、才人の責めが再びやんだ。

「ひぁ…あう…」

涙と涎でべとべとの顔を必死に振って、ルイズは冷めていく身体に、かつてない不快感を覚えた。 イかせてほしい。 その単語で、頭の中がいっぱいになる。 腰の奥で淫らに蠢く肉襞が、才人を求めてやまない。

「さい、とぉ…」

ルイズの喉が、ついに屈服の証を搾り出す。

「もっと、いじってぇ…いかせてぇ…。  いじわる、しないでぇ…」

必死に搾り出したその声に。

「ルイズ、違うだろ?  人にお願いするときは、『お願いします』ってつけなきゃ」

初めて才人は応えた。 もう、どうでもいい。 キモチヨクなれるなら、なんだって、する…。

「おねがいします…いかせて、おねがいぃ…」

こぼれる涙とともに、ルイズは懇願した。

「よくできました」

才人はそう言うと、ルイズを覆うビスチェの要の布をずらして。 己が分身を、そこにつき立てた。

びくんっ!

「あっ…か…はっ…」

最奥まで貫かれた瞬間、ルイズの身体は大きく震え、才人の肉棒を容赦なく締め付けた。 しかし、何の快感も与えられていない才人は、ビクともしない。

「あれ?入れただけで逝っちゃった?」 「は…ふぁ…はぁっ…」

荒い息をつくだけのルイズは、才人の問いに応えられない。

「…ダメだなあルイズ。お仕置きなのに先に逝っちゃ?」

そして才人は、乱暴にルイズの中を往復しはじめた。

「…やっ、だめっ、きもちいいよぉっ、サイトぉっ」

ぎゅうぎゅうと才人を締め付けながら、ルイズの声が踊る。 いつのまにか、ルイズは、脚で才人の腰を抱え込んでいた。

「いいよぉっ、もっとぉ、もっとしてぇ」

もう、ルイズは才人を貪ることしか考えられなくなっていた。

「だめでしょ、ルイズ、人に、お願いするときは?」 「お、おねが、おねがいします、もっと、ルイズを、おかしてぇっ」

叩きつけられる快感とともに降ってくる才人の声にも、もう従うしかなかった。 そして、絡み合う二人は限界を迎える。

「だ、出すよ、ルイズっ!」 「だ、だして、サイトのあついの、だしてぇっ」

最後の一突きを差し込んだ才人の腰を、限界を迎えたルイズの脚が、きつくきつく締め上げた。

目を覚ますと、既に目隠しと縄は外されていて、隣で全裸の才人が満足そうに寝息をたてていた。

「…コラ犬」

ルイズは半眼で、眠る才人の頬を指で小突いた。

「…ん、んー?」

寝ぼけ眼をこすり、才人が目覚める。 その才人の顔を、ルイズは怒った顔で覗き込む。

「…アンタ、お仕置きの仕方がなってないわよ」 「…へ」

そんな台詞を吐くルイズに、才人は何か嫌な予感を覚えた。 し か え し さ れ る。 今までの経験則から、それを予想していたのだが。 ルイズはなんと、才人の下半身に手を伸ばし、しぼんでいる才人の竿を握った。 そしてにっこりと笑った。 …よ、よかったぁ、怒ってないんだ。

「ルイズ、ンな事言いながらどこ握ってんだよ」

怒ってないのを確認したので、ちょっと軽口を叩いて見る。 ルイズは元気を取り戻し始めた才人を掌の中に感じて、淫靡に笑うと、言った。

「お仕置きの仕方がなってないって言ってんの。  いい?お仕置きってのは、『もう勘弁』って思わせて、反省させないとダメなのよ」 「…で、俺のちんこ握るのと何の関係が」

もうすでに臨戦態勢になった才人の息子を、今度はしごき始めた。 そして、言った。

「『もう勘弁』って思うくらい、搾り取ってあげるから、覚悟しなさい…♪」 「え、おま、ちょっとま、それはいくらなんでも、アッー」

そして、才人に惚れた相手の送り込む快感に耐えられるだけの節操は元からなく。

次の日、『魅惑の妖精亭』から帰ったルイズは、やけに肌がツヤツヤで、才人は急に何歳も老け込んだように見えたという。〜fin

*しばらくの間、才人の浮気が収まったのは言うまでもない*