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378 名前:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 17:57:56 ID:+cGMEEgS 夜のしじまに陰陰とした水音があった。硬い物と布地が擦れ、その間にある水が跳ねたり、滴ったり、 弾けたりで音が発生している。有体に言えば洗濯の音であり、それを人力で行っているのは月明かり の下、ただ一人だった。

そよ風が草を揺らす音が聞えそうな静けさの中で一人洗濯、これだけも侘しい。時偶汚れの落ち具合 を確認する為に掲げられるのは小さな布切で足を通す穴が二つあいてて、つまりは下着だった。

もうこれだけで侘しさは一杯一杯な気がする。止めとばかりに下着は自分の物ではないのに、洗う当 の本人、才人は結構嬉しそうであった。殆ど痛ませないで綺麗にしている己の力量に満足感さえ抱い たりする。

「う〜む、飛騨の職人さんにも匹敵するレベルになってきたな、俺。参加資格が男だってパンツ洗い 大会があれば絶対に優勝できる」

お立ち台の一番高い位置にいる自分を想像して才人は爽やかな笑みを浮かべる。人間、何事も力量が 上がれば嬉しいものだが、なかなか怪しい眺めであった。

「しかしそんな洗濯上手で素敵な使い魔にご主人さまときたら厳し過ぎるっての! すぐ怒るんだか らな〜。まったくカルシウム不足に違いない」 「カルシウムって何ですか?」 「骨になる物資。これが足りないと骨が弱くなったり、あとイライラしたりする。小魚とか牛乳に豊 富に含まれてる憎いヤツがカルシウム」 「まあそうなんですか、博学ですね」 「ああ、そんなに詳しくはないんだけど…………えっ???」

何気なく受け答えをしていた才人だが、自分がただ一人で洗濯をしているのを思い出し慌てて声の方 を向くと、ほんとう間近に高貴なオーラがあって驚愕した。

「って、お姫さん!? な、なにしてるんですかこんな時間にって言うか、なんでここに居るんです か!」

才人の驚きとは対照的に嬉しそうな微笑みを浮かべるのは、自身の紋章である白百合がそのまま人の 姿になったような美しい人影、アンリエッタその人であった。

フード付きのマントの下には純白のドレス、頭には水晶みたいな輝きを放つ冠、夜の学院の裏庭に存 在するには勿体無いほどの違和感がある。

379 名前:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 17:58:58 ID:+cGMEEgS しかし、月の光で幻想的に浮かび上がるアンリエッタは、この世のものとは思えない程に美しい。こ の時間、この場所に自分が存在してはいけないのを自覚して、それでも来てしまった喜びを消せない 葛藤が、うら若き女王の美貌へ更なる磨きをかけていた。

それは、火急の事件でも発生したのか、そんな普通なら直ぐに浮かぶ考えを才人から奪い、唐突な来 訪者を見詰めるだけにさせ、またアンリエッタも才人の問いに正面から答えられない。

夜には完全な静寂が訪れる。回りには誰も居ない、人の声も、人が作り出す音も無い。けれど不思議 な事に二人の内で鮮やかに甦ったのは同じ舞踏会の光景であった。そこにあった熱く短い沈黙の時間。

「あの………」 「な、なんですか?」

つとアンリエッタが口を開き、才人は緊張した。アンリエッタの瞳に熱を帯びた光が宿っているのに 気付いたのだ。あの夜は他人も居たから有耶無耶になったが、今夜は二人だけ、突発事態も起こりそ うに無い。

大丈夫だろうか? 何がとは、はっきりしない才人の心配を余所に、アンリエッタの問いはごく普通のものだった。

「あの、サイトさんは何をなさっているのですか、このような時間に?」 「え? あ、ああ、パンツあら―――――い、いえ、洗濯してました」 「洗濯ですか?」 「あ、もう終わりましたです、完璧に」

緊張からコレを洗っていたと、女王さまへパンツを見せてしまいそうになったが、才人は慌てて小さ な布切を後ろ手に隠す。あまりにあからさまな動き、追求されて自分がパンツを洗っていたとバレて しまわないかと思ったが、アンリエッタは特に感心を持たなかった。

「でしたら、散歩にお付き合いしてくださいませんか?」 「散歩……ですか?」 「ええ、ダメでしょうか?」

たぶん、いや絶対に無断で城から出ているのだと才人は思ったが、どしゃ降りの中で見捨てられそう な仔犬みたいな目をされては首を縦に振るしかなかった。

「ちょっとだけですよ?」 「ええ、もちろんです!」

380 名前:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 17:59:47 ID:+cGMEEgS 躊躇いつつも才人が言うと、アンリエッタは喜色満面となり、その頬は薔薇色に染まる。一国の頂点 に立ち、どんな願いでもかないそうな女王さまが、自分が散歩に付き合うだけでこんなにも嬉しそう なのが才人にはこそばゆかった。一刻も早く城へ帰すなりした方が良いのは理解していたが、才人は 少しだけだと自分に言い聞かせる。

「では、エスコートしていただけませんか?」 「エ、エスコート?」

ただ一緒に歩くだけだと思っていたので才人は狼狽える。そんな様子が寧ろ好ましくアンリエッタは 笑みを深め、たおやかな手を差し出す。

「手をつないでください」 「あ、それでいいんですか。」 「ええ、それで十分です」 「いや、エスコートなんて聞いたから難しい作法とかがあるのかと思ったです、ハイ」 「間違いですか? うふふ」 「な、なんです? 俺、なんか間違えました?」 「いいえ、思い出しただけです。サイトさんに手をゆるした時のこと」 「あ、ああ、あれですか? 姫さまが気絶しちゃった時………って、いや、あの時は本当にそう思っ たんです! わざと間違えたとかじゃないです!」 「うふふ、そんなに慌てないでくださいな」

お姫さまと平民の使い魔、二人の関係をそんな単純に割り切れる頃の出来事が、緊張をやわらげてく れた。二人はどちらからともなく手を繋ぎ、月明かりに照らされる学院の塔から離れる方へと歩き出 す。

「今夜は月が綺麗ですね。サイトさんの世界でもこうして月を見て散歩などするのですか?」 「う〜ん、月を見るのが目的で散歩とかはあんまりしないですね。そもそも夜空を見るのが少数派か も。ああ、でも十五夜には月見ってことになってます。月を見る日かな?」 「そうなのですか、月を見る日があるなんて面白いですね」

学院の敷地から出て街道を歩くその間、ずっとアンリエッタの話は他愛ない物だけに始終している。

騎士団の事、使い魔のご主人さまの事、戦争の事も、ガリアの事も、そこに関連しそうな話題さえ慎 重に避けている。散歩道では肩の力を抜いた話を楽しむと言うのではない。少しでも二人の間に横た わる問題に迫ると、全てが終わってしまうと思っているかのようだった。

381 名前:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 18:00:40 ID:+cGMEEgS しかし敢えて避けられると逆に気になる。辺りの様相も、学院の回りを囲む高い石塀が見えなくなっ てからは、コンクリートに溢れた世界で育った才人から見れば完全に森。さすがに不安がもたげてく る。

「あの、そろそろ帰りませんか? 」 「もう少しだけ、お付き合いくださいな」 「でもやっぱりマズイですよ、姫さまが……いや、女王さまがこんな時間に」

アンリエッタは皆まで言わせず才人にしがみつく。細身のどこにこれ程の力があるのかと言う勢いで、 才人は背後の木立にぶつかり、逃げ場を失った。

高貴な甘い香りが才人の鼻を擽り、包み込まれるみたいに柔らかな肉の感触が纏わりつく。アンリエ ッタの腕に力が入り、才人に密着している胸の膨らみはその量感を強調する。

「ひ、姫さま」 「アンリエッタ……いえ、アンと呼んでください。そして抱きしめてくださいまし」 「姫さまは寂しいだけなんですよ。だから誰かにいて欲しいって思ってこんなふうに……」

才人は安宿での雨夜を思い出す。あの時のように、しばらくすれば落ち着いてくれると思った。しか しアンリエッタの目には、縋るようなか弱さとは対照的な強い意思の光が宿っていた。

「寂しい、ではいけないのですか?」 「い、いけないって言うか、よく考えてくださいって言うか」 「つまりこうなのですか、誰かを求めるのには立派で正統な理由が必要であり、寂しいなど利己的で 弱さをさらけ出しているだけ、好意に発展するなど言語道断だと」 「え? あ、あの、そういった感じではないと思います」 「でしたら始まりがどうであれ関係ないではないですか。 それにサイトさん、あなただって寂しいと感じているはずです」

アンリエッタはそう断定し、真紅の薔薇の花びらみたいな唇を才人のそれへと寄せて行く。麗しい光 沢に才人は背筋が震える魅惑を感じて顔をそむけるなど出来なかった。焦りながら爪先立ちになって 少しでも唇との距離をあけるのが精一杯。

「そ、そんな寂しくはないですよ。こっちの世界は結構気に入ってるし、皆いいやつばかりだし、そ れにこっちで何かしたいって思ってますから」 「では、少しも寂しくないのですか?」 「ちょ、ちょっとだけです!」

382 名前:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 18:01:28 ID:+cGMEEgS アンリエッタは上目遣いになり、才人を追い掛けるように背伸びをする。そしてゆっくりと目を瞑る と、そこには微笑ましいほど女王さまらしくない普通なキスをねだる格好が出来あがった。

貴族の頂点に君臨する高貴な少女の見せる平凡さ、そのギャップが犯罪的に可愛らしくて才人の脳髄 を激しく揺さぶるのに、当のアンリエッタは自分の蠱惑的な要素に微塵も気付いていない。

それどころか、ふうっと息を吐いた女王さま背伸びを止め、心臓の鼓動を聞くように才人の胸板に頬 をくっつけてくる。

「立派ですね、サイトさんは」 「そ、そんなことないです」

才人はブルブルと頭を振る。あと三秒遅かったら、ちゅう、してました。ダメダメな犬です、と内心 冷や汗たっぷり。

小鳥のような可憐さからは、想像もできない肢体の吸い付く感触に才人はかなり危険な状態になって いた。実際、後ろの木を折るくらいに腰を引かないと、女王さまの高貴な腹部に不埒なものが当たっ てしまいそうなのだ。

「本来ならば女王である私こそ毅然としていなければならないのに、心惑わせてばかり」 「プレッシャーが桁違いなんですからしょうがないですよ」 「お優しいのですね。でも私は駄目です」 「ダメなんて、そんな事ないですよ。俺も力になりますから。まあ、何ができるかぜんぜん分らない んですけど」 「でしたらお願いがあるのですが」 「え、いま?」 「ええ、キスしていただけませんか?」

ほんの少しの慰めが欲しいとアンリエッタは言う。才人は再び情感に濡れてるみたいな女王さまの唇 に惹き付けられる。だからこそ流されそうで首を縦に振るわけにはいかない。

「え、えっと……別のことじゃダメでしょうか? なんと言いますかもっと別の方向で」 「別といいますと温もりをいただきたいと言うのはいけませんか?」 「それもちょっとダメっぽいです。といいますか、それって何かレベルアップしてません?」

427 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 02:25:22 ID:lfuyT44m 深読みすれば、いや多分そのままの意味であろうアンリエッタの願いに才人は焦る。無人島に漂着し てガリガリになるまで痩せたところへ、三ツ星レストランの豪華ディナーが空輸されたみたいな気分 だった。それでも平静を取り繕えている自分の克己心に驚いてしまう才人だが、それでは、それでは とアンリエッタが願いを続けると、ほとんど訳が分らなくなって反射的に否定するようになった。

するとアンリエッタも駄目の連発に段々と感情的になり、その要求も天井知らずにエスカレートして しまう。ものの数分で了承してしまうと一体全体どうなるのかのオンパレードになり、最後には国の 根幹に関する問題にまで到達した。

「では、騎士になってください、私だけの。そして常に私の傍にいてください!」 「い、いや、それはちょっと難しいです。何しろ俺、既に使い魔ですから」 「もう! それならばいっそ一緒に国を治めてくださいませ!!」 「それってすなわち王様じゃん! もうこれでもかってくらい完璧にダメでしょ!?」

才人は一ミリの誤解も無いよう完全否定した。一国が自分の物になってしまいかもしれない夢のよう に素晴らしいお願いだが、素晴らし過ぎて逆に恐ろしく、とても手に負えなかった。

「力になってくださると言って、何もかもいけないではないですか!」 「だって、いけない事ばかりだからです!」

半分叫ぶみたいに才人が言うと、アンリエッタは口を尖らせた。王女として生まれ不満を明確に表情 にしないよう教育されて来たが、ここまで駄目を出されたのは初めてで堪らず拗ねてしまったのだ。

そんな軽く頬をふくらませたアンリエッタは、高嶺の花とは思えないくらい愛らしかった。別に悪く ないのに才人は自分から謝ってしまい、女王さまの頭を撫でてしまいそうになった。

しかし、才人の前に非を認めたのはアンリエッタの方であった。ただし暴走気味に。

「すみません、我が儘でした」 「え、いや、我が儘までとは。ただ、もうちょっとソフトだと良かっただけですから」 「いいえ、確かに我が儘でした。ですからサイトさん」 「は、はい、何でしょうか?」 「我が儘な私を叱ってくださいまし」

428 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 02:26:05 ID:lfuyT44m 前にもそんな事があったなと才人は思ったが、今回はだいぶ雰囲気が違い戸惑ってしまう。

「女王さまを叱れませんよ」 「でしたらアンを叱ってください。我が儘なアンを」 「あの〜、ムキになってません? てか我が儘はダメですって言えばいいんですか?」

取り敢えず形だけでも承諾しないと引き下がりそうにない女王さまへ、才人は躊躇いがちにお伺いを 立てる。まあ、沈んだ表情よりはずっと良いかもしれないとも思っていたが、返って来た答えに腰を 抜かすとは思ってもみなかった。

「そうですね、お仕置きですから、お尻を叩くのが普通でしょうか?」 「……………………は?」 「知りませんか? 行儀が悪かったり、悪戯をしたりすると罰としてお尻を叩くのです。鞭や杖です けれど、いまは手でお願いいたします」 「そ、そーじゃなくて! 姫さまのお尻を想像しての幻聴かと思っちまったくらい危険な発言、姫さ ま、ヤバヤバですってば!!」

才人は顔を真っ赤にして捲し立てた。可愛らしく拗ねた姫君のどこからそんな発想が湧き出すのか全 然ちっとも理解不能だった。血統書無しのバカ犬が高貴中の高貴な方のお尻を叩くなど有り得ない下 剋上。

メイジ様なのだ、貴族様なのだ、女王様なのだ。これでもかと様しかつかない高貴なお尻。きっと庶 民がお目に掛かれない高級店で売られている高級桃に違いない。スーパーで売られてるみたいな誰か に触られちゃった傷とかなくて、ムチムチに形が良くて、甘い汁がたっぷりジューシーなのだ。

「っは!? あぶねー妄想しちゃったよ俺。だって仕方ねー! 姫さまのお尻なんだもん。って、な、 な、な、なにやってるんですか!?」 「忠誠には報いを我が儘にはお仕置きが必要なんです」

何時の間にか位置が入れ替わっていた。アンリエッタは木に手をつき、腰を曲げた姿勢になっている。 即ち尻を叩かれる格好だ。さすがに恥ずかしく、首を巡らせて才人を見る横顔は上気している。

「あぐ!? へぐぐぐぐがあ!?」

429 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 02:26:46 ID:lfuyT44m 才人は舌を噛みそうになりながら奇声を上げた。女王さまの御お尻は破壊力抜群であった。月明かり の下でも白いドレスには、精神を何処かへ連れて行かれそうな艶めかしいお尻の陰影が浮き上がって いる。二つの膨らみはふっくらと美形で、その間の谷は布で浅くなっているのにどこまでも扇情的。 そしてアンリエッタの若さを象徴するみたいな瑞々しい尻肉の引き締まり感。

想像以上の桃をどうぞと差し出されて、才人の頭の中では回線が切れ、激しくショートする。

「こ、これを叩けと? てか、叩くって触れるんですよ? 手で触るんですよ? お尻ですよ?」 「は、はい、ど、どうぞ」

ドレスをたくし上げ、アンリエッタは夜気に自身の桃尻を晒し出す。後はドレスよりも遥かに薄く小 さな布切があるだけ、柔らかそうな曲線を才人の視線から隠すものは殆ど無くなった。

アンリエッタも自分がおかしな行動を取っていると強く自覚していた。骨の髄まですり込まれてきた 王族の規定に従うべきだと理性も叫んでいる。しかし、限界であった。たまりにたまったストレスが 捌け口を求めていたのだ。それ故、こんな絶対にいけない事をする解放感に抗えなかった。

それに自分自身を吐露する相手は、想い人。単なるスリルを味わうのとは違うドキドキがこの上なく 甘美であった。こんな秘密の行為を共有する親密感も求めて止まなかったものであり、傍目にはどう であれ、アンリエッタが欲しいものが全て揃っていた。

「な、生桃、生桃ってなんなんですか!? も、もう知りませんよ? お尻だけにしりません! 姫 さまのお尻に接触させていただきます!!」 「は、はい……きゃあん!? く、くすぐったいです。あ、あの、た、叩くのでは?」 「叩きます! 悪いアンのお尻を叩きます! これはその下調べなんです! モチモチと吸い付く感 触とか確かめて、どれくらい柔らかいのか押してみたりしないとペシペシできませんから」 「わ、わかりました。 やっ、はあん!?」

ムニュっと音がしそうなくらいお尻の肉を摘ままれてアンリエッタが甲高い声を出す。才人の指は執 拗であった。ここまで振り回された仕返しするみたいに十本の指を最大限に使用して、女王さまのお 尻の膨らみを捏ね回す。

「あ〜売り物の桃を指で押しちゃう気持ちが理解できる。潰しちゃう感触も気持ちいい、買って食べ る人の前に悪戯するのが最高に気持ちいいッス!」 「サ、サイトさん あっ! そんなに掴まないでください ふくんっ! ひ、ひろげちゃイヤです」

430 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 02:27:26 ID:lfuyT44m 「だいじょうぶです。パンツが隠してくれてますから問題ないです。紐みたいになっても根性あるパ ンツです」 「ああ、仰しゃらないで、恥ずかしいです」

アンリエッタがか細い声をもらす。お尻を弄る指先は柔らかい肉に食い込み芯までほぐそうとしてい る。親指などは谷間の底にまで届いているので握られる度に、普段は意識しない場所までひんやりと 空気を感じてしまうのだ。たとえ下着に隠れていると言われても、羞恥で顔から火が出そうになる。

ただ、それが嫌かと訊ねられれば、アンリエッタは余計に恥ずかしくなっただろう。自分の奥底に秘 めていたものをどんどん才人へ見せてしまうのが、もう快感になっていたのだ。清楚な純白のドレス に包まれた肢体は、かってない火照りを覚えている。才人の視線が突き刺さるお尻など、オーブンに 入れられているみたいに熱くなっている。アンリエッタは汗とは思えない高温の湿り気を感じて、さ らに羞恥を昂じさせて切ない声で懇願する。

「はあ、サイトさん、早く叩いてくださいまし。さもないとアンはおかしくなってしまいます」

アンリエッタは悩ましい吐息を漏らし、しっとりと汗ばんだ腰をくねらせる。願いをかなえる為なら ば、どんな事でも言う事を聞く、そんな媚びた空気を清楚であった肢体は存分に纏わせていた。それ はアンリエッタの麻薬か毒のような魅力であった。いけないとは思っていても手を出すのを止められ ない魅力。才人も、うが〜っと吠えずにはいられなかった。

「こ、こんな鼻血出そうな色っぽさって、何て悪いお尻なんだ! 有罪決定です!」 「きゃうんっ!!」

ピシっと才人は女王さまのお尻を叩き、アンリエッタは甘い悲鳴を上げた。ほんのりと薄赤の手形の 付いた双丘が、二人ともゾクゾクとした気分にさせる。

「姫さま、喜んじゃダメですよ。お仕置きなんでしょ? 悪いお尻が手に吸いついてくるみたいで す」 「す、すみません。アンは本当には悪い娘です。ですから、もっと強く叩いてください」 「なんですか、一回じゃ足りないんですか?」 「お、お願いです―――――あふ!! ひあぁ きゃん ひぅん!?」

才人の平手がアンリエッタのお尻を甲高く鳴かせる。一、二、三と回を重ねる毎に真っ白な桃尻は艶 めかしい紅に熟して行く。思い切り叩いたには程遠いけれど、お尻に生じるヒリヒリとした感覚はア ンリエッタの高ぶった神経を程好く刺激して甘い悲鳴をどんどん生々しい喘ぎへと変化させる。

431 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 02:28:13 ID:lfuyT44m 「ひやぁ は、はあ、サ、サイトさん! ああ、アンリエッタはサイトさんにこうして欲しかったん です」

身を捩り谷間に食い込んだ下着に擦れる大切な部分が燃えるようで、隠しようもない熱い湿潤を感じ てしまいアンリエッタは歓喜に啜り泣いた。

「ふあぁ! アンのお尻、熱いです。サイトさんにはたかれる度に熱くなって んくうぅ! お、お 腹の方まで熱いんです」 「姫さま、やっぱり喜んでるじゃないですか。コレ、お漏らしじゃなくて気持ち良くて濡れてるんで すよね……って思わずベタなセリフで聞いちゃうじゃん!」 「きゃふんんっ!?」

これまでにない高い音が桃尻で鳴り、アンリエッタの腰が戦慄いた。すっかり汗で湿って掌が密着し た衝撃が堪らない痺れとなり、女王さまは明確な快感の極みを味わったのだ。叩かれたお尻がまだ振 動していて、裡に響き続けているみたいで、その心地好さに身も心も軽くなる。

「あ゛ す、すみません。姫さまのお尻がけっこうなお手前でついつい調子にのってました。痛かっ たですか?」 「あ、や、サイトさん サイト殿…いいえ、サイトさま! 止めないで、もっとアンを叱ってくださ いまし」 「さまって立場逆転!? とっても背徳!?」 「お仕置きされているのですから、そう呼ばせて。そして私にはさまなど付けないで」 「お女王さまを呼び捨てって何か漢心を直撃って感じなんですけど!?」

女王と平民の逆転劇、才人がそこから連想した幾つかの物語りは、深夜番組でも放送できないような タイプの内容であった。とっても元気に興奮してしまう物なのだが、そのメインヒロインの女王とは 比較するのも失礼なくらい本物であるアンリエッタの美貌は輝いている。しかも、寄せられる想いは 真正であれば才人も沸騰してしまう。

「ツボ過ぎるセリフで革命しちゃいますが、姫さま……じゃなくてアンリエッタ、巷で流行りのちょ っといけない本とか読んでない? てか、好きなんじゃない?」 「いえ、あの、侍女に薦められて………ちょ、ちょっとだけ読みました」 「ふ〜ん。女王さまはいじめられてた?」 「あ、あの、私のようにお尻を叩かれてるお話もありました」 「それがアンの好きな話なんだ、で、アンみたいに喜んでた?」 「は、はい、その女王は叩く相手に対する気持ちも私と同じでした。あ、これは本のセリフではあり ませんので」

442 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/15(火) 03:37:59 ID:IF3YVvXP 「て、天然でそんな萌えな雰囲気のセリフを放つなんて!? ア、アンリエッタ、なんておそろしい 娘! も、もう、お仕置きよ!!」 「きゃくうぅん!? ああ、サイトさまぁ!」

夜に響き渡る尻打ちの音を合図に、どこかの誰かさんより少し高度な芝居の幕をあける女王さまと平 民。演じていると言う一種の安心が羽目を外させ、二人を真実の混じった役へと没頭させる。

「アンの桃、剥いちゃうから。んで、じっくり観察するから」 「は、はい、お仕置きの成果をご覧になってください」 「んではクルクルっと………ををうぅ! な、なんて桃なんだ!」

遠慮無く、ショーツを捲るみたいに剥いだ才人は出現した素尻に感動した。とっくに下着は谷間へ追 いやられていたから露出面積はあまり変わらない。けれど叩いていた部分は基本的に肌、しかし今見 えているのは生のアンリエッタであった。

「サ、サイトさま、アンのは如何でしょうか? どのようになってますか?」 「綺麗な膨らみ方が絶品だよ。肉付きもコイツめ!って感じで、真ん中の溝はすっきりで、しかも溝 の底まで純白! 文句無しの特級品だ」

アンリエッタは頬を染める。お尻を誉められて嬉しくなる女王さまは可笑しいものだが、想い人の自 分の大切な部分への評価は重要であった。

「ただ………」 「え?」 「潰れて汁が出ちゃってるな。指でツンツンされたみたいに赤い果肉もヤバヤバになって、アン」 「はい」 「叩いて感じちゃったんじゃないか。これじゃもう叩いても無駄だよな? こんな時にはどんなふう になるのかな? とっても悪いアンをお仕置きするには何がいい?」 「は、はい、手ではなくてサイトさまの杖でアンを叩いてくださいまし」

アンリエッタは、剥かれてしまった桃尻の中心で果汁を溢れさせている部分へ、そっと手をあてがっ た。自分でも驚くくらいに熱く濡れた感触を、くちゅっと開いて才人へ見せる。エロティックな行為 に心臓が飛び出しそうな羞恥で腰が砕けそうだ。

でもアンリエッタの顔には、麗しい喜びの表情が浮かんでいる。本にもこの展開は頻繁に登場する、 と言うよりもしない方が珍しい。次の場面も同様であり、アンリエッタは慕う相手と迎えるその目眩 く瞬間に胸を高鳴らせる。

「か、可愛い顔でやらしい表情、こ、この二律背反がオレのハートを唸らせるっ!!」 「あ、ふぅん! サ、サイトさまのアンのよりも熱いです ひ、ひぁ!?」

清純な恋心と欲情の淫靡さが程好くブレンドされた女王さまの魅力にすっかりやられ、 才人は猛然と生桃へと襲い掛かる。

「お仕置きなんだからね、エッチなアンリに平民の杖でお仕置きするだけなんだから! べ、別に痛 くて我慢できないくらいに硬くなっちゃったから、トロトロのピンク色に入りたくなったんじゃない んだから!!」 「は、うぅっ あ、サイトさまが入って……んんっ…き、きつい…あ、あつ……あひぃっ!!」

443 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/15(火) 03:38:49 ID:IF3YVvXP アンリエッタは一瞬躰を強張らせ、その後甘く蕩けて仰け反った。お尻とお腹の奥に才人がぶつかっ た衝撃と同時に、叩かれていたのとは違う本物の痛みが襲った。だけど尻叩きで恥ずかしいまでに濡 らした以上の本物の快感にいってしまった。ズキズキと痺れる痛みを裡に感じるのに達していた。

「ぬ、ぬわあぁぁ! ヌルヌル柔らかく絡み付いてくる!? い、痛くないの?」 「い、痛いです。だって、こんな、私はサイトさまが以外にいません……で、でも、とても痛いのに、 アンはますます悪い娘に! サイトさまの杖を中で感じていると ふあぁ! 中までアンにお仕置き してくださるのを思うと、はしたなく熱くなってしまいます!」 「ほ、本当にどんどんウネウネして溶けちゃいそうっス!」

清楚な姫君の純潔を奪った興奮が冷めないうちに、快感に堪え切れないとばかりに腰が蠢いてしまう アンリエッタの様子に才人の昂揚も成層圏を突き抜けてしまった。

「一番悪いアンはこっちだったんだな。もう抵抗できないくらいトロトロに餅搗きしてやる!」 「はひっ あ、あ、あ、杖の先がアンを叩いてます! ああ、こんなに激しくお仕置きされてるのに、 やっ、やあ、奥から何か溢れてしまうのが止まりません!」

アンリエッタの真っ白なお尻の下側は、ぱっくりと才人に割られて淫靡な紅色を覗かせる。その内側 では破られたばかりの純潔がさらに甚振られているのに、泡立つほどに高貴な蜜が分泌されている。

荒々しい律動にアンリエッタの快感は直結していて、抜け落ちそうな位置から奥を抉じ開けられそう な深みまで突かれる一回、一回で天にも昇る心地になってしまう。

「い、いや、サイトさま、アンは杖で叩かれて、も、もういってしまいそうです! ああ、いやらし いアンを叱ってくださいまし」 「も、もう、杖だけじゃダメって事でダメダメだけど最高なお尻も叩くからな!」 「え、サ、サイトさ――――はっ ひ、ひぃいん!?」

かつてなく興奮しているアンリエッタが、ここで熱くなっている柔肉をぶたれたら一体どうなるのか 考える間も無く桃尻が音を立てる。破瓜の痛みもすっかり甘美になっていたところへ到来したお尻の 痺れは、蕩けた躰を駆け抜けてアンリエッタを絶頂の高みへと導いた。

「ふ、ふあぁぁ………」 「わっ! ちょ、ちょっと倒れちゃダメだってば って、この柔らかい感触はメロンですか!?」 「きゃふん! あ、あ、あ、サ、サイトさま、い、いま果てたばかりで、ん! む、胸までお仕置き をっ」 「い、いや偶然だけど、手が勝手にメロン的な胸を揉んじゃうんだ。桃とはまた違った揉み心地が堪 らない!」

才人が、女王さまの崩れかけた肢体を支えた場所は丁度たわわな乳肉の膨らみであった。みっちりと 掌に吸い付き、お尻よりも柔らかく感じて奥が深い。

「手の真ん中辺りに当たっているのはブドウ? くうううう! メロンにブドウって夢のような果実。 さすが魔法の世界! ビバ!くだもの!!」 「くふぅん!? そ、そんなに掴まないでくださいまし む、胸が取れてしまいそうですわ」 「とか言いつつ、こっちもお仕置きで叩いて欲しいとか? でも叩くよりもきつく握っちゃうほうが 簡単だな。どうかなアン?」 「え、ええ、その通りでございます、サイトさま………あ、ひん!」

444 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/15(火) 03:39:33 ID:IF3YVvXP 才人が指を沈み込ませるとアンリエッタの背中がなよなよと揺れる。すっかり平民に従うのが板に付 いた女王の胸は、瑞々しい若さの張りに富んでいる。ほんの少し揉まれるだけで、甘い痺れが妙なる 調べとなってアンリエッタの全身に響き渡る。貫かれる花びらと叩かれるお尻、そして揉まれる胸の 三重奏は、少し前までは乙女でだったとは信じられない激しい快感を与え、面白いくらいアンリエッ タに何度も絶頂を極めさせる。

「果汁で膝のほうまで濡れて光ってるぞ。女王さまの美脚とは思えないエロエロさで困ってしまう桃 とメロンだ! く、くぬぬ、悪い娘すぎて自家製の生クリームでデコレーションしちゃうからな!!  で、でも、気持ちいい中も捨て難いし、こんなに悩ませて、どこまで悪いんだ!」

お仕置きで乱れ悦ぶ女王さまに、才人はサディスティックに興奮する。喘いでしまう程の絶妙な濡れ 加減と肉棒が千切れそうな締め付けもあり、清楚の象徴みたいな白いドレスごと精液で汚すと決めた。

「ああもう! 両方、両方にします! 才人、どっちも行きます!」 「あ、ひっ! ど、どうぞ、お好きになさってくださいまし! あ、サ、サイトさまぁ〜〜っ!」

才人は熱いアンリエッタの裡で射精した。高貴な蜜に混じる平民の白濁の高熱と粘りにアンリエッタ は、甘い悲鳴をあげて躰を震わせる。才人は抽送の勢いのまま腰を引き、脈打つ肉棒からドクドクと 粘った放物線を放った。

「ドレスにも髪にもかけちゃたっス! ドロドロで素敵な桃メロン・サンデーに乾杯!!」 「あ、あふ、たくさんかけられて………これがサイトさまの匂いなのですね」

じんじんと熱さで痺れる中でアンリエッタは穏やか笑みを浮かべた。聖女と称えられる女王は、きら びやかな宮殿では探せなかった幸せを見付けたのだ。

夜道を帰る才人とアンリエッタ。手を繋ぐのは行きと同じだが、雰囲気はだいぶ異なっていた。張り 詰めたものが消えて、特に才人は一応心配からは解放されていた。

「てか、さすがに吹っ切れたよな」 「なにがです?」 「いや、あの何でもないです。ただの独り言ですから」 「はい、サイトさま………あ、いえ、サイト殿。ふふ、なんだかまた間違えて言ってしまいそうで す」 「そ、そんな、勘弁してくださいよ」 「大丈夫ですから、そんなに心配なさらないで。皆の前でサイトさまなどと言えば、それこそ大変な 騒ぎになってしまいますもの」 「と、とりあえずかなり気をつけてくださいね。じゃないと犬、泣いちゃいますから」

既に半泣きで才人は冷や汗を流す。自分の不敬な行動もアレだったが、もしもアンリエッタが、ぽろ りと言ってしまったらと想像すると気が気でない。銃士隊の隊長さんにばれたりしたら、頭と胴体が 別行動するとか、ご主人様だと永久にご飯が要らない身体になるとか、どうなるか知れたものではな い。

「でも、サイトさんと二人だけの時には間違えてしまいそうです」 「そ、そうですか」 「ええ」

ただ、自分の視線で、はにかむみたいに笑うアンリエッタを見ると、まあそれでも良いかと思えて来 る。行きよりもアンリエッタの魅力は凶悪に増していたから。もじもじと羞う様子など桃メロン・サ ンデーに匹敵する程ときめいてしまう。

445 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/15(火) 03:40:35 ID:IF3YVvXP いろいろ考えるのは止めて才人は、ほわほわした幸福感に浸るが、ふと前にもこんな事があったなと 思い出した。あの時は学院で、誰かの部屋から帰る途中であったが、無事に到着する前に誰かと出く わしたのだ。

「そうそう、あん時は突然トゲトゲがあらわれて大変な目にあったんだ。ちょうどこんな感じで…… …って、イ、イヤン! ダ、ダレなの!?」

記憶とそっくりの光景であった。まるで立ち塞がるみたいに小柄な人影が前方に出現して、才人は吃 驚仰天した。

身長に比べて大きな杖、青色の髪と月明かりに光る硝子。才人の見知った中に該当者はただ一人だっ た。

「タ、タバサかよ? び、びっくりするじゃん、声くらいかけてくれよ」

とか言った才人、隣りに女王さまがいるのを思い出して汗が噴き出したりする。それはそれはダラ ダラと、才人の身体がこの状況は説明できないと言っている如く大量の汗であった。

「ちょ、ちょっと待って、なんか暑くて汗がどんどんでちゃうよ。こんな涼しげな夜なのに変だな、 ハ、ハハハ」

才人は胡魔化し、間を取るためポケットをごそごそとあさり、布切を取り出して額を拭う。 すると………………

「それ………何?」 「な、なにってハンカチに決まってね〜〜〜〜!?」

才人が持っていたのは女王さまの下着であり、間違ってもハンカチではなかった。

「ヤ、ヤベ も、桃を剥いた時についついポケットにしまってた!?」 「桃?」

タバサは小声を聞き逃さなかった。無論、布切の形状も見逃さない。ただし真っ先に気になる筈の女 王さまは無視している。それが才人には怖くて、食べ放題であった果実の事は絶対に秘密にしたかっ た。

「も、も、桃は関係ない! わ、忘れてちょうだい! メロンも忘れるように先に言っておくから ネ!!」

あたふたとする才人。タバサは珍しくジト目である。

446 名前:女王様の散歩 ◆GO7kPgiHGw [sage] 投稿日:2007/05/15(火) 03:41:57 ID:IF3YVvXP 「何してたの?」 「う゛っ い、いや、お爺さんは山へ洗濯に行ったんだ。散歩のついでに。このパンツはそれだな、 ウン洗濯洗濯」 「夜に?」 「あ、ああ、夜だと月の光が化学変化を起こしてパンツが綺麗に洗えるんだ。パンツ洗いの匠が言う んだから間違いないぞ。ってことで、疾しいことはないです、ハイ」 「………そう」 「な、納得したか?」 「した」

静かに肯くタバサの顔は氷のように冷たく硬い。そしてたった今まで我が世の春を謳歌していた筈の アンリエッタの表情も以下同文であり、タバサとの会話を打ち切らせるように口を開く。

「別段、あなたにはサイトさま……」 「ま、間違えてます! 様、いきなり間違えてますから!」 「………サイト殿が何時どこへ散歩に行こうと関係ないのではないですか?」

別に様でも良いじゃないかと言った顔のアンリエッタ、サイトの部分を殊更強調している。タバサと 才人の短い遣り取りで敏感に何かを感じ取ったのである。そんな場合なので横で泣きそうな才人にも 構わない。

「それに誰とも。ね、サイト殿?」 「…………そうなの?」

「ボ、ボクニハナシヲフラレテモコマリマス。イヌダカラネ」

二人の視線が集中して才人はガクガクと震えた。伝説なのにかなり情けない。

「ともかくサイト殿は私を送る途中なのですから、これで失礼します」 「なら私の風竜で送らせる。その方が早い」 「無用です。 あっ! ちょ、ちょっとサイト殿は私とって言っているのに、ど、何処へ行くんです か!?」 「夜の散歩。ついでに私のも洗濯もしてもらう」

使い魔を呼んだ素振りもみせず、タバサは固まっている才人の腕を掴むと、強引に引きずり才人達が 今来た路を戻り始める。

「お、お待ちなさい!」 「どうして? 散歩は終わったのに」 「もう一度行くんです。それに洗濯もしていただきます!」

アンリエッタはタバサとは反対側の腕を掴んで引っ張った。タバサもさらに力を強めたので、才人は 両側で柔らかな感触に密着する。たわわと小振り、異なる弾力に才人は逆上せ上がる。

「メ、メロンとミカンが同時に!? 連行される宇宙人的な状況なのに、とっても幸せなのは何故で しょうか? てか鼻血出そうダヨ」

今度の散歩は倍の時間が掛かるかもしれなかった。