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387 名前: 雪風の介抱 [sage] 投稿日: 2007/10/02(火) 01:32:36 ID:xYbxYwIE  やっちゃった。  私の胸がこれ以上ないほど高鳴っているのがわかる。  今、私の部屋のベッドには彼が寝ている。それは、私が連れてきたから。  彼のご主人様――ルイズの折檻があまりにも激しすぎて、彼は気絶してしまった。しかも、当のルイズは早々と自分の部屋に戻ってしまった。そして折檻を受けた彼――サイトは広場に放置されたまま。  チャンス。  このときの判断は、戦闘中よりも早かったと思う。  窓から降りると同時にレビテーションをかけてゆっくり着地。その後、シルフィードを呼んでサイトと共に私の部屋へ。  建前上の理由はサイトの介抱。私の部屋は本ばかりだけど、少ないながらもポーションなんかもある。それほど高価ではないけれど、今の彼の傷を癒すには十分。  このポーションは飲むタイプじゃなくて、塗るタイプ。ポーションっていうよりは薬に近いかも。でも買ったときにポーションって説明された。店主が嘘をついていたとは思えないから、たぶんこれはポーション。  私は深呼吸をして、サイトに近づく。胸が高鳴っているのが自分でわかる。どんなに強い敵を相手にしたときも、こんなに緊張したことはない。ただ介抱をするだけなのに、私は凄く緊張している。理由は……わかってる。  駄目。考えちゃ駄目。私がするのは、サイトの介抱。それ以上でもそれ以下でもない。余計なことは考えないで、サイトを介抱することに集中しなきゃ駄目。  もう一度深呼吸をして、サイトの体に手をかける。私とは違って、たくましいサイトの体。男の子の体。性別が違うだけでここまで違いが出るんだという事実を再確認しながら、サイトの腕とか胸とか触る。  あ、いけない。介抱しなきゃ。  いつも思うけど、サイトの服は変わってる。マントを脱がせて、上着を脱がせようとするけれど、勝手がわからなくて苦戦する。おかげで、上着を脱がせることが出来たのは五分後だった。  ズボンのほうは上着の応用で早く済ませることが出来た。こっちも変わった素材を使ってる。こういうのを見ると、やっぱりサイトは別の世界から人なんだと思う。別の世界、どういうところだろう。少し興味が湧いてきた。  サイトの体を見て、私は頬は紅潮するのを感じた。今のサイトの姿は、シャツと下着だけ。それ以外、何も着けてない。  ……いけないいけない。なんか変な妄想しちゃった。  妄想を何処かに吹き飛ばして、私はポーションを手に塗った。そしてシャツをめくって、サイトの傷を確認する。 388 名前: 雪風の介抱 [sage] 投稿日: 2007/10/02(火) 01:35:45 ID:xYbxYwIE  ひどい……。  一目見て、私はそう思った。身体中にある傷のほとんどが軽いもの。でも、その量が尋常じゃない。転んだとか、歩いてる途中に葉の節で切ってしまったとかいうレベルじゃない。  傷の中で一番目立つのは、蚯蚓腫れ。原因はすぐに想像がつく。  あんなもので、人間を叩いちゃ駄目。それでも叩くということは、ルイズはサイトを人間扱いしてないの? だとしたら、酷すぎる。サイトは使い魔だけど、人間だから。  私がサイトを使い魔にしてたら、もっと大事にしてたのかな。ふと、そんなことを思った。  私に虚無の力があったら、サイトを召喚してたのかな。そして、私に降りかかる危険から守ってくれたのかな。サイトがルイズを守るみたいに。忠実なる騎士のように。勇気ある勇者のように。  それだったら凄く嬉しい。でも、今は立場が逆。私がサイトを守らなきゃ。  頑張ろう。  グッと胸の前でガッツポーズ。そして、とりあえず目的であるポーションを塗るという行為に戻る。  とりあえず、無難なところでサイトの腕からポーションを塗り始める。触ってみるとよくわかるけど、サイトの腕の筋肉は凄い。同じ年代の男の子よりも筋肉がついてるんじゃないかな。さすが剣士だと思う。  次に脚に触るけど、こっちも凄い。ガンダールブとして風のような速さで走ってるせいか、それともルイズの折檻から毎日のように逃げてるせいか、無駄な脂肪がついてない。それに、肌も綺麗。 あまり見ない色の皮膚だけど、肌が凄く綺麗。そういえば、この学園にも、サイトと同じ皮膚の色のメイドがいる。産まれ故郷の違いかな。  だとしたら、サイトと同じ血が入ってることになる。少なくとも、一部は。  ……少し嫉妬した。  嫉妬に口を尖らせながら、私は黙々とポーションを塗っていく。腕や脚、足首や首筋。サイトをうつ伏せにして、その大きな背中や膝の裏。背中に塗ってるときに、手を滑らせて抱きつくようになってしまったのは秘密。  サイトをうつ伏せにしたときのように、レビテーションをかけてサイトを仰向けにする。何で前面の上半身をやらなかったのか。その応えは単純。  恥ずかしかったから。  なんとなく、サイトの上半身にポーションを塗るのは恥ずかしかった。頬が紅潮して、胸が徐々に高鳴ってくる。自制しなければ、そのままサイトに抱きつきそうだった。サイトの温もりを感じていたかった。  でも、そうすると、たぶん止まらない。サイトが起きるまで、ずっと抱きついたままだったと思う。サイトの温もりを感じたままだったと思う。  あ、それいいかも。じゃなくて……駄目駄目。サイトの傷を癒さなきゃ。ぐずぐずして、ルイズに見つかったら大変。サイトがまた折檻を受けちゃう。そうなる前に、早く癒さなきゃ。  覚悟を決めて、私はサイトの胸にポーションを塗り始める。そして、なぜか赤くなってくる私の頬。  駄目なのに……。  これも仕方ないのかな、と少し諦めてサイトにポーションを塗っていく。残っているポーションの量は残り少ないけど、これならサイトの全身にポーションを塗ることが出来そう。間に合ってよかったと思うのと同時に、もう少しで終わるんだ、という思いが生まれる。  もっと、サイトに触れていたい。もっと、サイトの感触を味わいたい。でも、もうポーションもないし、目的も果たせる。どうしよう……。  私は、サイトの介抱をするために、サイトを部屋につれてきただけ。それ以上のことはしちゃ駄目。  ……だったら、介抱を出来るような理由を作ればいいのかな?

 二分後、タバサの部屋からサイトの叫び声が聞こえた。