ゼロの保管庫 別館

21-645

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645 名前: たとえばこんな最終回(パート2)  [sage] 投稿日: 2007/10/07(日) 21:41:12 ID:wNAIONMi このルーンは残しておくわ。だってサイトと私の大切な絆だもん。

サイトの世界に戻ったら消えてしまうかもしれない… ううん、きっと消えない、消えないもの。 いつか、またこの左手のルーンが輝いたらまた逢える。そんな気がするの。 だから、戻って、あなたの世界へ…

才人は懐かしいにおいのする自分のベッドで目を覚ました。 ゆめ? まだ微睡みから覚めぬ目で左手を見つめた… うっすらとではあるが、あのルーンが残っている。 ルイズ… 愛しい異世界の恋人の名を才人は呟いた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

…ひとつの月が何度地球を巡っただろうか。

 あの左手のルーンがまばゆいばかりに輝きだしたことを才人は感じた。 と同時に、左目がかすんでくるのがわかった。 かすんでいた左目が像を結んだ。 桃色のやわらかそうな髪、つぶらな鳶色の瞳が映った。 カトレアさんがなぜ見えるのだろう、才人は訝しく思った。 だがしかし、よく見ると何か違うことに気がついた。 あれから十年経っているのだ。いくらなんでも若すぎる、 いや、あどけなさが残り過ぎている。 しかも微妙に背も足りない気がするし、胸も足りないようである。

まさか…まさか… サイトはある女の子を思い返していた。 高慢ちきでいつも憎まれ口をたたく、だけど泣き虫な俺のかわいいご主人さま… ルイズなのか。サイトが思わず問いかけると左目に映った桃色の淑女は驚いたような表情になり、 次に懐かしいあのご主人さまの声が左耳に入ってきた。 …サイト?サイトなの? ルイズ!あのルイズなのか!見える、聞こえるよ。 サイト、やっぱりサイトなのね。私も見える、サイトの世界が、サイトの声が聞こえるわ。

やっと逢えた。やっと逢えたの・・・

あのねサイト、お願い、あなたにぎゅっとしてほしい。だから・・・来て、お願い。 わたしのサイト……大好きなサイト… ルイズの言葉が言いおわるかどうかのところで サイトの目の前にあのとき現われた鏡のようなゲートが開いた。 ルイズッ サイトは短く叫び、ゲートをくぐるのだった・・・

サイト・・・・・・・だいすき。

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