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それは蒼から始まった物語

ここはハルケギニア随一の大国ガリアの王都リュティス、その東の端に位置するガリア王家が暮らす宮殿、ヴェルサルテイル。 その宮殿の豪華な一室で、ある青年がグースカピーと熟睡していた。 本来その寝室は王家の人間しか使用してはいけない部屋なのであるが、この黒髪の青年に至っては例外だ。

そう、この青年に限っては―――

「うにゃあ?」

間抜けな声を上げて青年が目を覚ました。 もっとも意識はまだ夢の中に片足を突っ込んだ状態なのだが、なにか違和感を感じて半ば無意識のまま手探る。 あれっ?なんだか体が動かしづらいぞ。 あー、毛布が体にまとわりついてんのか。ちょっと暑いから脱ごうっと。

ぷにっ 「んっ・・・・・」

ん?なかなか取れないな。 ってかこの毛布やけにむにむにしてるなー。持つ所によって感触もなんだか違うし。

むにむにむに 「はっ、あっ・・・お兄ちゃん」

お、上の方はサラサラしてんなー。いい匂いもするし結構いいかも。 毛布自体温かくてこれはこれで冬の寒い朝にはちょうどいいかな?

ぐにむにぐにむに 「んっ、あっ、んん、お兄ちゃん、そこは・・・」

おー、よく聞いてみると揉んでみる度に面白い音もするのか。 つーかむしろ声?えらい聞き覚えがあるんだけどこんな色っぽいこ・・・え? そでようやく頭がハッキリした青年。 目をパチクリとさせてから、今彼が散々触って揉んでついでに抱きしめていたものの正体に気づいた。

気づいて、しまった。

腕の中にすっぽりと、青い髪の少女がいました。

右手は少女の頭を抱えて。 刺青に似たルーンが刻まれている左手は、薄くて滑らかなネグリジェの上から小さなお尻を揉みしだいている。

青年がようやく目を覚ました事に気づいた少女は、年齢に似合わないクールな美しさを感じさせる容貌を嬉しげな微笑の形にして体を起こした。 ・・・その顔は何故か赤かったが、それは青年に密着していて体が火照ったという事にしておこう。 そういう事にしておいた方が、ある意味青年のためだ。きっと。

「・・・・・・おはよう、お兄ちゃん」 「しゃしゃしゃシャルロット!?な、何で俺のベッドに、てかどうして俺に乗っかってるんだ!」 「朝だから起こしに来た」 「そうか、なら仕方ない――わけないだろ!」

青年朝から絶叫。いい迷惑だ。 起き抜けから色々と興奮気味な青年に、シャルロットと呼ばれた少女は悲しげな表情になった。

「お兄ちゃんは、私に起こされるのは嫌なの?」 「そんなわけ無いだろ!問題はその起こし方だって!わざわざ一緒のベッドの中入る必要無いじゃん!」 「本には男の人を起こすにはこの方法が1番嬉しいって書いてあった」 「そんな本シャルロットはまだ読んじゃダメー!」

その本の出版元発禁処分にしちゃる!と誓いつつ、 でもその本の作者グッジョブ!などと矛盾しとらんかと言いたくなるような感想を浮かべる青年。

そんな時、寝室のドアが勢いよく開かれた。

「うるさいねえ!朝っぱらから何騒いでんだいこのば・・・か・・・」 「あ゛」

飛び込んできたのは、まさしく美少女と言いたくなるような、シャルロットと同じ色の瞳とロングの髪の少女。 幾らか年上なのだろうか、発展途上のそのスタイルは既に豊かに盛り上がって凹凸の大きな曲線を描いている。 その容貌もシャルロットとはまた違うベクトルで美しいのだが――― 目を三角にした今の彼女の雰囲気は、まさしく修羅!

そして更に間の悪い事に、もう1人の少女が寝室に飛び込んできたのに驚いて思わず、青年の体に力が入ってしまい。 シャルロットの小ぶりなお尻を未だに掴んでいた左手も例外では無く、ついでにその指はお尻の割れ目に食い込んで・・・

「んあっ」 「!!!」 「!!!」

甘い声が青年ともう1人の少女の耳に届いたその瞬間、黒髪の青年の運命は、決まった。 すなわち死刑(もしくは私刑)へ特急一直線。 ハルケギニアに鉄道は存在しないが、自分を乗せて超特急で死刑台へと向かう場面がありありと青年の脳裏に浮かんだ。 そしてその列車を運転するのは、目の前の鬼子母神と化した少女・・・!

「ちょっと待てイザベラこれは誤解!つーかお前ドットなのにどうしていきなりトライアングル級の魔法――――」 「うるさい!問答無用だよこんのバカサイトがああぁぁ!!」

絶叫。轟音。そして強烈な激流に掻き消される青年の悲鳴。 ちゃっかり青年のそばから避難したシャルロットは、なーむーと手を合わせた。


これが4年前――――異世界から召喚され、ガリア王ジョゼフの使い魔となった少年、平賀才人の最近である。