「それじゃ頑張ってくるね、えりぽん。あ、いつさっきみたいに戻ってもいいように、心の準備はしておいてね」
「はい!」
衣梨奈に見送られてステージ袖へと向かいながら、絵里はまだ一抹の不安を拭えずにいた。
絵里が不安を抱いているのは入れ替わりが起こるタイミングだ。
先ほどは運よく出番直前と曲間に入れ替わりが起こり、何とか対応できたけど…。もしそれが歌ってる最中だったら?
考えただけでも恐ろしい。絵里が選んだ曲の歌詞は一応えりぽんにも覚えさせてあるけど、途中からだと厳しいよね。
それでもまあ、えりぽんなら。
「何とかしてくれるでしょ!」
絵里は気持ちを切り替えてくるっとステージ袖の待機場所へと方向転換しようとして、誰かの背中にドンッとぶつかってしまった。
「はい!」
衣梨奈に見送られてステージ袖へと向かいながら、絵里はまだ一抹の不安を拭えずにいた。
絵里が不安を抱いているのは入れ替わりが起こるタイミングだ。
先ほどは運よく出番直前と曲間に入れ替わりが起こり、何とか対応できたけど…。もしそれが歌ってる最中だったら?
考えただけでも恐ろしい。絵里が選んだ曲の歌詞は一応えりぽんにも覚えさせてあるけど、途中からだと厳しいよね。
それでもまあ、えりぽんなら。
「何とかしてくれるでしょ!」
絵里は気持ちを切り替えてくるっとステージ袖の待機場所へと方向転換しようとして、誰かの背中にドンッとぶつかってしまった。
「ちょっと!何回ぶつかりようと?前見えよう?」
「あ、ごめんなさい」
反射的に謝って、絵里は首をひねった。
いやいやいや。まーちゃんにとって9期は先輩だよね?しかもなんで博多弁?
冷静に考えて少しむっとしたところで、それまで怒ったような表情だった優樹がいたずらっぽく笑った。
「なーんて、嘘でーす!入ったばかりの頃にたなさたんに今みたいに怒られたんですよぉ」
そういうことか。憎めないな、この子は。
「優樹ちゃんはほんとに田中さんが好きっちゃね」
絵里は思わず笑顔になって優樹の頭を撫でた。
「はい!あ、生田さん、そろそろ出番みたいですよ」
言われてステージの方を見ると進行役のまことが「いけるか?」というようにこちらを見ていた。
絵里はOKのサインを送り、それを受けてのまことのアナウンスの後にステージへと出て行った。
「あ、ごめんなさい」
反射的に謝って、絵里は首をひねった。
いやいやいや。まーちゃんにとって9期は先輩だよね?しかもなんで博多弁?
冷静に考えて少しむっとしたところで、それまで怒ったような表情だった優樹がいたずらっぽく笑った。
「なーんて、嘘でーす!入ったばかりの頃にたなさたんに今みたいに怒られたんですよぉ」
そういうことか。憎めないな、この子は。
「優樹ちゃんはほんとに田中さんが好きっちゃね」
絵里は思わず笑顔になって優樹の頭を撫でた。
「はい!あ、生田さん、そろそろ出番みたいですよ」
言われてステージの方を見ると進行役のまことが「いけるか?」というようにこちらを見ていた。
絵里はOKのサインを送り、それを受けてのまことのアナウンスの後にステージへと出て行った。