リンリン編AFTER STORY vol.2『あたらしいあたし』
「はい、今日のリハーサルはここまで!」
先生の言葉でそれまで緊張していた空気が弛緩する。
そそくさと帰り支度をする子。まだ残って不安なところを確認する子。
ハローのリハーサルでは毎回繰り広げられる光景をあたしはぼんやりと眺めていた。
そそくさと帰り支度をする子。まだ残って不安なところを確認する子。
ハローのリハーサルでは毎回繰り広げられる光景をあたしはぼんやりと眺めていた。
お正月のHello!Projectのコンサートのリハーサルもあと1日を残すのみ。
ハローのみんながいるこのリハーサルも今日が最後なんだな。
ふと卒業を意識してセンチメンタルな気持ちになる。
ハローのみんながいるこのリハーサルも今日が最後なんだな。
ふと卒業を意識してセンチメンタルな気持ちになる。
まだ感傷的になるのは早い。
軽く首を振って気持ちを切り換えようとした時、背後から「真野さん」と声をかけられた。
振り返るとモーニング娘。のえりぽんこと生田衣梨奈ちゃんがにこにこしながらこちらに歩いてきた。
「お疲れ様、えりぽん」
あたしも思わず笑顔になってそう声をかけると、えりぽんは「お疲れ様です」と返しながら隣に腰を下ろした。
「真野さん。さっきぼんやりしてたみたいですけど、どうしたんですか?」
見られちゃったか。あたしはちょっと笑って、「ハローのリハーサルも最後なんだな、と思ってね」と答えた。
「そんなこと言わないで下さいよぉ。寂しくなっちゃうじゃないですか」
えりぽんは一瞬泣きそうな顔になった。
よしよしと頭を撫でながら、こんなに慕ってくれるかわいい後輩ができるなんてねとそっと微笑む。
ハロプロエッグからひとりデビューした頃は周りは先輩ばかりで心細かったのに。
軽く首を振って気持ちを切り換えようとした時、背後から「真野さん」と声をかけられた。
振り返るとモーニング娘。のえりぽんこと生田衣梨奈ちゃんがにこにこしながらこちらに歩いてきた。
「お疲れ様、えりぽん」
あたしも思わず笑顔になってそう声をかけると、えりぽんは「お疲れ様です」と返しながら隣に腰を下ろした。
「真野さん。さっきぼんやりしてたみたいですけど、どうしたんですか?」
見られちゃったか。あたしはちょっと笑って、「ハローのリハーサルも最後なんだな、と思ってね」と答えた。
「そんなこと言わないで下さいよぉ。寂しくなっちゃうじゃないですか」
えりぽんは一瞬泣きそうな顔になった。
よしよしと頭を撫でながら、こんなに慕ってくれるかわいい後輩ができるなんてねとそっと微笑む。
ハロプロエッグからひとりデビューした頃は周りは先輩ばかりで心細かったのに。
「でも」とえりぽんは不意に真面目な表情になった。
「ちゃんと真野さんを見送れそうなので嬉しいです。もしあの時元に戻ってなかったら真野さんと一緒にステージにも立てなかったから…」
そう。えりぽんはあたしにとっても先輩にあたる亀井絵里さんと心が入れ替わるという特異な経験をしている。
このことにはあたしも期せずして深く関わることになった。二人の心が元に戻った瞬間にも立ち会った。あたしの大切な親友でもある彼女と。
そして、あの一件があってから、えりぽんとあたしの距離は急速に縮まった。
「ちゃんと真野さんを見送れそうなので嬉しいです。もしあの時元に戻ってなかったら真野さんと一緒にステージにも立てなかったから…」
そう。えりぽんはあたしにとっても先輩にあたる亀井絵里さんと心が入れ替わるという特異な経験をしている。
このことにはあたしも期せずして深く関わることになった。二人の心が元に戻った瞬間にも立ち会った。あたしの大切な親友でもある彼女と。
そして、あの一件があってから、えりぽんとあたしの距離は急速に縮まった。
「そういえば、亀井さんとは今も連絡取り合ってるの?」
「もちろんです!先輩にこんな言葉は失礼かもしれませんが、亀井さんとは"戦友"みたいなものですから」
戦友か。あの特異な出来事を乗り越えた二人にはぴったりな言葉かもしれない。
あたしはえりぽんの言葉にうんうんと頷いた。
「もちろんです!先輩にこんな言葉は失礼かもしれませんが、亀井さんとは"戦友"みたいなものですから」
戦友か。あの特異な出来事を乗り越えた二人にはぴったりな言葉かもしれない。
あたしはえりぽんの言葉にうんうんと頷いた。
「あ、そうだ。衣梨奈と亀井さんから真野さんに卒業のお祝いのプレゼントがあるんです。衣梨奈たちの一件のお礼も兼ねて」
他愛もない話の合間に、えりぽんはふと思い出したようにそんなことを言い出した。
「えっ、そんなのいいのに」
と、慌てて遠慮しようとするあたしをえりぽんはまあまあとなだめた。
「お正月のハローの中野最終日に渡すので楽しみにしてて下さい!」
思わせぶりな様子が気になってプレゼントが何なのかヒントだけでもとえりぽんに聞いたが、にやにやと笑うばかりで教えてくれなかった。
他愛もない話の合間に、えりぽんはふと思い出したようにそんなことを言い出した。
「えっ、そんなのいいのに」
と、慌てて遠慮しようとするあたしをえりぽんはまあまあとなだめた。
「お正月のハローの中野最終日に渡すので楽しみにしてて下さい!」
思わせぶりな様子が気になってプレゼントが何なのかヒントだけでもとえりぽんに聞いたが、にやにやと笑うばかりで教えてくれなかった。
すっかり話し込んでしまい遅くなったのでそろそろ出ようかということになり、二人でスタジオを出た。
「よいお年を!」と言い合って別れる時、えりぽんは姿が見えなくなるまで手を振っていた。
彼女ともよくこうやっていつまでも手を振り合ってたっけ。
あの頃を懐かしく思い出しながら夜空を見上げると、いつの間にか雪が静かに降り始めていた。
「よいお年を!」と言い合って別れる時、えりぽんは姿が見えなくなるまで手を振っていた。
彼女ともよくこうやっていつまでも手を振り合ってたっけ。
あの頃を懐かしく思い出しながら夜空を見上げると、いつの間にか雪が静かに降り始めていた。
あたしももうすぐ新しい一歩を踏み出すからね、リンリン。
舞い落ちる雪を眺めながら、いつも元気と勇気をくれたリンリンの笑顔を思い出した。
舞い落ちる雪を眺めながら、いつも元気と勇気をくれたリンリンの笑顔を思い出した。
2012年が、終わろうとしていた。
471 名前:リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :13/01/12 21:18:13
今回はここまでです
真野ちゃんの卒業も目前ということでリンリン編2nd Seasonの後日談という位置づけで書いてみました
あと1回か2回の更新で完結予定です
真野ちゃんのハロ卒業シングルは泣けますね…