21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:12:38.70 ID:TMhFFTZu0
200X年……
天才科学者Dr. ワイリーの世界征服の野望は
同じ天才科学者、Dr. ライトが作り上げたレプリロイド、ロックマンによって打ち砕かれた。
彼は、元々平和を愛する家庭用ロボットだった……
200X年……
天才科学者Dr. ワイリーの世界征服の野望は
同じ天才科学者、Dr. ライトが作り上げたレプリロイド、ロックマンによって打ち砕かれた。
彼は、元々平和を愛する家庭用ロボットだった……
世界にはこう伝えられている。
だが真実は違う。
だが真実は違う。
俺「たち」ロックマンは、もともと戦闘用にプログラミングされて作られたんだ。
そう、ワイリーを倒し、ロボット工学の権威になるというDr. ライトの野望のため……
そう、ワイリーを倒し、ロボット工学の権威になるというDr. ライトの野望のため……
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:20:32.60 ID:TMhFFTZu0
きみたちは俺たちロックマンが死んでも、またすぐ新しいロックマンが出てくることに疑問を感じたことはないか?
おかしい話だ。レプリロイドと言ってもベースは人間だ。
針に刺されば死ぬ。穴に落ちれば死ぬ。あたりまえのこと。生き返ることなどはできない。
だがそれでも俺たちロックマンはすぐに代わりが用意される。なぜだと思う?
きみたちは俺たちロックマンが死んでも、またすぐ新しいロックマンが出てくることに疑問を感じたことはないか?
おかしい話だ。レプリロイドと言ってもベースは人間だ。
針に刺されば死ぬ。穴に落ちれば死ぬ。あたりまえのこと。生き返ることなどはできない。
だがそれでも俺たちロックマンはすぐに代わりが用意される。なぜだと思う?
それは……
俺たちがライトのロボットクローン技術によって、大量の数を生み出されているからなんだ。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:30:06.58 ID:TMhFFTZu0
何度も死んでいくロックマンたち。それは俺自身だ。
自分が死んでいく様を、俺たちは独房のような研究室で、モニターから眺めている。
Dr. ライトは別の部屋で、ワイン片手に俺たちの断末魔の悲鳴を聞いて、嬌声を上げている。
何度も死んでいくロックマンたち。それは俺自身だ。
自分が死んでいく様を、俺たちは独房のような研究室で、モニターから眺めている。
Dr. ライトは別の部屋で、ワイン片手に俺たちの断末魔の悲鳴を聞いて、嬌声を上げている。
許せない。
Dr. ライト。きさまは俺がいつか必ず殺してやる……
Dr. ライト。きさまは俺がいつか必ず殺してやる……
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:41:27.20 ID:TMhFFTZu0
俺が生み出された理由は、Dr. コサックを倒すためだった。
ワイリー三度撃退し、ロボット工学のトップの座を不動のもににしたライトは、
「次はコサックか。貴様も俺の踏み台になるのだ」と言って興奮していた。
俺が生み出された理由は、Dr. コサックを倒すためだった。
ワイリー三度撃退し、ロボット工学のトップの座を不動のもににしたライトは、
「次はコサックか。貴様も俺の踏み台になるのだ」と言って興奮していた。
生まれた瞬間から意識のあった俺は、ライトのそのいやらしい笑みを見て、ヘドがでそうになった。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:49:21.47 ID:TMhFFTZu0
生み出された大量のロックマンは、自分の出番が来るまでこの独房のような研究室に閉じ込められている。
ロボットは創造者の命令には絶対服従しなくてはいけない。
俺の製造№は28。出番はまだまだ先のことになりそうだ。
生み出された大量のロックマンは、自分の出番が来るまでこの独房のような研究室に閉じ込められている。
ロボットは創造者の命令には絶対服従しなくてはいけない。
俺の製造№は28。出番はまだまだ先のことになりそうだ。
研究室の中で、№が隣だった27号と仲がよくなった。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 14:55:59.99 ID:TMhFFTZu0
「俺たち…いったいどうなるんだろうな……」
27号は怯えていた。性格はまったく同じだが、考えることはそれぞれのロックで別なのだ。
「さあ……でも、きっと生きて外に出られる日がくるだろ」
俺はその時はまだ何も知らなかった。だから軽はずみに適当なことを言って慰めた。
「俺たち…いったいどうなるんだろうな……」
27号は怯えていた。性格はまったく同じだが、考えることはそれぞれのロックで別なのだ。
「さあ……でも、きっと生きて外に出られる日がくるだろ」
俺はその時はまだ何も知らなかった。だから軽はずみに適当なことを言って慰めた。
「…本当に……そうなのかな」
「ああ。だから元気だせよ」
「……へへ」
「ああ。だから元気だせよ」
「……へへ」
…俺は何もわかっていなかった。
そう。わかっていなかったんだ…
そう。わかっていなかったんだ…
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 15:05:51.14 ID:TMhFFTZu0
「27、28号。来い。出番だ」
「27、28号。来い。出番だ」
Dr. ライトがいやらしく笑いながら言った。ついに出番か……
俺たちはこの先いったいどんな戦いを強いられるのか。
わかってはいなかったが、どうにかなるだろうという楽観的な気持ちだけはあった。
わかってはいなかったが、どうにかなるだろうという楽観的な気持ちだけはあった。
だが、そんな2人の甘い幻想は、連れて行かれた研究室のモニターを見て吹き飛ばされることになる。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 15:25:23.32 ID:TMhFFTZu0
「見ろ。今26号はリングマンと戦うべく、ヤツのステージに潜入したところだ」
「見ろ。今26号はリングマンと戦うべく、ヤツのステージに潜入したところだ」
俺たちが見た時にはもう、26号は死にかけだった。
巨大なカタツムリと必死に戦っている。
エネルギー残量はほぼ空だ。
巨大なカタツムリと必死に戦っている。
エネルギー残量はほぼ空だ。
「………!!」
言葉を失った。こんな死地へと俺たちは出向くのか。
「はあっ!!はあっ!!死にたくないっ!!」
「そうだ。死にたくないなら必死でがんばれ26号。ふふふ…」
「そうだ。死にたくないなら必死でがんばれ26号。ふふふ…」
26号の悲痛な叫びに、ライトは笑いながらそう返した。
その時だった。
足場を移動するためのジャンプ。
だが着地をした後、26号は恐怖のあまりかバランスを崩し、奈落の底へと落ちていった。
足場を移動するためのジャンプ。
だが着地をした後、26号は恐怖のあまりかバランスを崩し、奈落の底へと落ちていった。
「ぎゃあああああああああああ……!!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 15:34:49.05 ID:TMhFFTZu0
「あっはっは!まぬけなヤツだ。そら、27号。次だ。出番だぞ」
「………」
「あっはっは!まぬけなヤツだ。そら、27号。次だ。出番だぞ」
「………」
27号は恐怖のあまり完全に固まっていた。
「まっ、待ってください!こんな……こんなの、不可能だ!!
俺たちに死ねって言ってるようなもんじゃないですか!!」
「そうだ」
「なっ……!!」
「きさまらこのライトのため、死ぬために生まれてきたんだ」
俺たちに死ねって言ってるようなもんじゃないですか!!」
「そうだ」
「なっ……!!」
「きさまらこのライトのため、死ぬために生まれてきたんだ」
耳を疑った。
俺たちは……死ぬために生まれただと……?
俺たちは……死ぬために生まれただと……?
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 15:47:01.46 ID:TMhFFTZu0
「ふざけるなっ!!!」
「ふざけるなっ!!!」
俺は叫んだ。
「死ぬために生まれただと!?貴様のために生まれただと!?
かってなことぬかすんじゃねえ!!!!」
「ほう……」
かってなことぬかすんじゃねえ!!!!」
「ほう……」
「なんだ!?俺たちはいったいなんなんだ!?ただの道具か!?」
「………」
「………」
「違う!!作ったのはてめえだが、俺たちは生きてるんだ!!そんなきさまのかってなざれごとは……」
「28号」
「!?」
「28号」
「!?」
「貴様が私に逆らうなら、私はおまえをスクラップにするだけだ」
「な…!?」
「貴様らの体は、私に歯向かえないようにプログラムされている。いくら叫んだところで無駄だ」
「て……てめえ……」
「いいのか?戦うこともなく、廃棄されても」
「……くそっ!!ああいいだろう!!それでも俺は……!!」
「28号」
「な…!?」
「貴様らの体は、私に歯向かえないようにプログラムされている。いくら叫んだところで無駄だ」
「て……てめえ……」
「いいのか?戦うこともなく、廃棄されても」
「……くそっ!!ああいいだろう!!それでも俺は……!!」
「28号」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 15:56:13.77 ID:TMhFFTZu0
「いいんだ。俺、行くよ」
「26号……!」
「俺たちはそのために生まれてきたんだ」
「…ちっ、違う……」
「いいんだ。俺、行くよ」
「26号……!」
「俺たちはそのために生まれてきたんだ」
「…ちっ、違う……」
……それは27号へ向けた言葉だったが……
……本当は自分自身のために言った言葉だったのかもしれない……
……本当は自分自身のために言った言葉だったのかもしれない……
27号はゆっくりと、転送カプセルの方へと向かって行った。
……身体は遠くから見てもわかるほどに震えていた。
……身体は遠くから見てもわかるほどに震えていた。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:03:33.93 ID:TMhFFTZu0
「27号。生き残りたければそこから何としてもリングマンの元へたどり着き、ヤツを倒すんだ。
それができれば貴様は助かる」
「27号。生き残りたければそこから何としてもリングマンの元へたどり着き、ヤツを倒すんだ。
それができれば貴様は助かる」
通信機越しのライトの声に、27号は一度だけ頷いた。
頼む……死ぬな……死ぬな……!!
帰って来い27号……!!!
帰って来い27号……!!!
祈りながら目をつぶると、モニターからの激しい戦闘音だけが聞こえてきた。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:07:56.56 ID:TMhFFTZu0
……いったいどれくらいの時間が経ったろう。
戦闘音は絶えず聞こえていた。
……いったいどれくらいの時間が経ったろう。
戦闘音は絶えず聞こえていた。
「はっはっはっは!おい28号」
「………」
「目を開けなくていいのか?」
「………」
「……もうすぐ友達が死ぬところだぞ」
「……!!!」
「………」
「目を開けなくていいのか?」
「………」
「……もうすぐ友達が死ぬところだぞ」
「……!!!」
目を開いて、モニターを見た。
そこには、血だらけで膝をついた27号の姿があった。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:21:20.46 ID:TMhFFTZu0
「ぐはっ……はあ……はあ……」
「27号!!!!!」
「ぐはっ……はあ……はあ……」
「27号!!!!!」
……死にかけだ……
「……俺は……生き残る……生き残るんだ……!!」
「……!!そうだ……!がんばれ……がんばれ……!!」
「……!!そうだ……!がんばれ……がんばれ……!!」
無理だ。
エネルギーはもう2しか残ってない。
27号は、死ぬ…
エネルギーはもう2しか残ってない。
27号は、死ぬ…
……エネルギー……?
「……!!!そうだ……!!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:30:56.02 ID:TMhFFTZu0
「E缶!!!博士!!E缶を!!!」
「………」
「E缶を27号に転送してください!!博士!!!」
「だめだ」
「なっ!?」
「E缶!!!博士!!E缶を!!!」
「………」
「E缶を27号に転送してください!!博士!!!」
「だめだ」
「なっ!?」
「なぜ……!?なぜですか!!!」
「虎の子のE缶をこんななんでもない場面で使うほど、私は馬鹿じゃない」
「なんでもない場面……!?」
「ああそうだ。ボス戦でもなんでもない。ただのステージだ」
「そんな!!!!27号は今にも死にそうなんですよ!?」
「虎の子のE缶をこんななんでもない場面で使うほど、私は馬鹿じゃない」
「なんでもない場面……!?」
「ああそうだ。ボス戦でもなんでもない。ただのステージだ」
「そんな!!!!27号は今にも死にそうなんですよ!?」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:46:08.06 ID:TMhFFTZu0
「何度も言わせるな。貴様らは、死ぬのが仕事だ」
「!!!!!!!」
「何度も言わせるな。貴様らは、死ぬのが仕事だ」
「!!!!!!!」
俺の中で、何かが切れた
殺す……
俺は、ライトに向かってバスターを向けた。
だがその一瞬早くに…
27号の悲鳴が聞こえた。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 16:52:10.52 ID:TMhFFTZu0
「!!27号おおおおおーっ!!!!!」
「!!27号おおおおおーっ!!!!!」
モニターに駆け寄る。
27号はもう、倒れたまま動かなかった。
27号はもう、倒れたまま動かなかった。
「ふん。あっけなかったな。まさかメットールに殺されるとは」
「………」
「28号。おまえの番だ。行け」
「………」
……もう、何かを言う力さえ残っていなかった。
俺は素直にライトの命令に従った。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 18:02:15.70 ID:+GUS8ysBO
携帯から書いちゃえ
携帯から書いちゃえ
転送カプセルに入ると、星空の見える屋外へと飛ばされた。
キレイだった。そして、思いの他静かだった。
「うっ……」
小さかったが、確かに呻き声がどこからか聞こえた。
「27号……」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 18:15:50.22 ID:+GUS8ysBO
「にじゅう…はち号……そこに…いるのか……?」
「ああ……いるよ……!」
「俺…ダメ…だった……だけど…おまえは……」
「にじゅう…はち号……そこに…いるのか……?」
「ああ……いるよ……!」
「俺…ダメ…だった……だけど…おまえは……」
「生きて……」
「……ああ……!」
「……ああ……!」
「……なぁ……」
「ん……?」
「俺たち……道具なんかじゃ…ないよな……?」
「……違う……!!」
「ん……?」
「俺たち……道具なんかじゃ…ないよな……?」
「……違う……!!」
27号は、最後にフッと笑って目を閉じた。
そして、二度と動かなかった。
「………」
「……ああああ」
「うあおおおおおっ!!!!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 18:25:41.85 ID:+GUS8ysBO
俺は走った。
全てを壊しながら。
何が出てこようと止まることはなかった。
ただ、ただ、怒りのままに走り続けた。
俺は走った。
全てを壊しながら。
何が出てこようと止まることはなかった。
ただ、ただ、怒りのままに走り続けた。
通信機からライトが、そのスプリングは危険だと言ってきた。だが俺は無視して飛び込んみ、スプリングの輪ごと眼球を破壊した。
そしてついに、ボスの扉の前までたどり着いた。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 18:36:11.73 ID:+GUS8ysBO
「倒す……俺は…生き残る……!!」
「倒す……俺は…生き残る……!!」
俺は無理やり扉を開けた。
ジャキーンッ!!
「!!!」
「!!!」
刹那、首筋へめがけて「何か」が飛んで来た。
「ぐあっ!!!」
間一髪のところでそれを避けると、その「何か」は中空に円を描きながら、反対側の壁へと飛んで行った。
そして壁にはそれを受け取る男がいた。
そして壁にはそれを受け取る男がいた。
「……リングマン……!」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 18:48:07.54 ID:+GUS8ysBO
ヤツの攻撃に容赦というものは一切無かった。
リング状のするどいブーメランが、確実に俺の急所へ目掛けて飛んでくる。
しかも、速い。
ヤツの攻撃に容赦というものは一切無かった。
リング状のするどいブーメランが、確実に俺の急所へ目掛けて飛んでくる。
しかも、速い。
ズバンッ!!
ブーメランが後ろの壁をかすめた。にぶい音と共に、壁が切り裂かれた。
…こんな物一発でもまともに食らったら、真っ二つにされる……!
投げ付けられるブーメランを躱すことはなんとかできたが、反撃の糸口はまったく見えてこなかった。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 18:59:29.34 ID:+GUS8ysBO
次の瞬間。
リングマンは大きく飛び上がり、ブーメランを使わず直接俺に乗りかかってきた。
次の瞬間。
リングマンは大きく飛び上がり、ブーメランを使わず直接俺に乗りかかってきた。
ドンッ!!
「ぐっ!!!」
マウントを取られた体勢になった。まずい。
リングマンは俺の上で、持っていたブーメランを振りかぶった。
リングマンは俺の上で、持っていたブーメランを振りかぶった。
殺られる……!!
「すまん……」
え……?
俺の顔に、何かが落ちた。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 19:13:46.78 ID:+GUS8ysBO
…閉じかけた目をもう一度開くと、仮面の奥、リングマンの瞳から、何かがこぼれ落ちていた。
…閉じかけた目をもう一度開くと、仮面の奥、リングマンの瞳から、何かがこぼれ落ちていた。
……涙……?
「すまん……すまん……!」
そう言いながら、リングマンは再び腕を振り上げた。
……ああ、そうか。
…こいつだって、戦いたくて戦っているわけじゃないんだ。
そうだよ。同じロボットだ。誰も仲間を傷つけたいなんて思うはずがない。
…同じなんだ。俺たちと…
利用されて……しかたなく……道具として使われている……
利用されて……しかたなく……道具として使われている……
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 20:16:07.32 ID:+GUS8ysBO
くそ……
くそ……
所詮ロボットは……人間に従うしかないのか……
「死ぬことが貴様らの仕事だ」
それが……運命だって言うのか……
俺たちは……なんのために……
「……生きて……」
……!!!!
「…うおおおおおっ!!!!」
「!?」
「!?」
ガオンッ!!
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 20:25:11.06 ID:+GUS8ysBO
「うぐあぁぁぁぁっ!!!!」
「うぐあぁぁぁぁっ!!!!」
「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」
一瞬。
一瞬だけ、ヤツの力がゆるんだ。
その瞬間、俺はフルパワーにしたチャージショットを、ヤツの肩に叩き込んだ。
一瞬だけ、ヤツの力がゆるんだ。
その瞬間、俺はフルパワーにしたチャージショットを、ヤツの肩に叩き込んだ。
「死なない!!俺は死なない!!こんな所で死んでたまるか!!!!」
「ぐうううっ……」
「生き残る…!必ず生きて帰る…!そして……」
「ぐうううっ……」
「生き残る…!必ず生きて帰る…!そして……」
あの野郎を………殺してやる!!!
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 20:36:01.88 ID:+GUS8ysBO
「……くそおぉぉあああああっ!!!」
「……くそおぉぉあああああっ!!!」
片方の腕を肩ごと吹き飛ばされたリングマンは、残された腕でブーメランを持ち、直接俺に殴りかかって来た。
…だが、さっきまであったあれだけのスピードは、もはや見る影も無かった。
すまない……
俺とヤツの身体がぶつかりあう瞬間。
俺はヤツの身体に直接バスターを押しつけ、チャージショットを発射した。
俺はヤツの身体に直接バスターを押しつけ、チャージショットを発射した。
…ボンッ!!!
…低く、鈍い音がした。
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 21:01:45.38 ID:+GUS8ysBO
シュウウウウ……
シュウウウウ……
「………」
ズルッ……
…リングマンは、黒煙と嫌な臭いを上げながら、俺の体にもたれかかるようにして倒れた。
「………」
仮面の奥……
さっきまで涙を流していたその瞳は、今はもう何も見ていなかった。
体の中心には大きな穴がポッカリと開いていた。
さっきまで涙を流していたその瞳は、今はもう何も見ていなかった。
体の中心には大きな穴がポッカリと開いていた。
「………」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 21:03:39.34 ID:+GUS8ysBO
……変わらない……
……変わらない……
……俺も結局はこいつを踏み台にして、自分だけが助かった……
…それはつまり……ライトや…コサックや…ワイリー……
…狂った科学者がやっていることと、同じゃないか。
…狂った科学者がやっていることと、同じゃないか。
俺も結局はあいつらと…何も変わらない……
「………」
「……それでも……いい……」
…ああ。それでもいい。
そうさ。俺は狂っていても構わない。
俺たちを作り出した……あのクソ野郎を殺す。
それだけが俺の全てだ。
俺の存在なんてものは……どうでもいいことなんだ。
俺たちを作り出した……あのクソ野郎を殺す。
それだけが俺の全てだ。
俺の存在なんてものは……どうでもいいことなんだ。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/04(水) 21:13:34.80 ID:+GUS8ysBO
パシュウウウン……
パシュウウウン……
…転送カプセルから出てくると、ライトは俺の方を見ながら、心底嫌そうなツラをして言った。
「ふん……まさか帰って来るとはな。本当は貴様のような余計因子には死んでもらいたところだったんだが……」
「…まぁいい。とりあえずは次の貴様の出番は後だ。さっさと行け」
「………」
「…まぁいい。とりあえずは次の貴様の出番は後だ。さっさと行け」
「………」
……今はただ黙って従うんだ……
だが、いつか必ず……