VIPロックマンまとめ

ロックマン -3-

最終更新:

vip_rockman

- view
だれでも歓迎! 編集
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/05(木) 08:48:41.53 ID:iyWMtbgPO

……あの悪夢のような日から、さらに3日が経った。

 パシュウウン…
「………!」

「……全員ここから出ろ。出番だ」

……ついに……きたか……

「ふっ」

全員が動けなくなっている中、32号だけがわずかに笑みをもらした。



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/05(木) 08:58:24.74 ID:iyWMtbgPO
連れて行かれた先…例の巨大なモニターが、雪原の中にそびえ建つ宮廷のようなコサック研究所を映し出していた。

「…おまえらの他のロックマンは、全員死んだ」
「………!」
「残っているのは貴様ら8体だけだ」

……みんな……死んだのか……
みんな……

「……次のロックマンを作り出している時間はもうない」
「………」
「なんとしてもおまえら8体でカタをつけろ。いいな」
「……はい」



277 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 13:48:07.44 ID:eGdEvWDS0
「……さて……」

ライトは一呼吸おいてから言った。

「…まずは4号。おまえからだ。行け」
「…は……はい……」

…4号の身体はカタカタと小刻みに震えていた。

「4号……!」
「に……28号……」
「大丈夫だ…!約束したろ?俺たち全員生きて外に出るって」
「………」
「できるよ…!おまえなら絶対帰ってこれる!」
「…あ…ああ……!!」

「……だといいがな」

32号が嘲笑ぎみに言った。



279 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:00:30.97 ID:eGdEvWDS0
「32号…!貴様……!」

「なんなんだおまえは!!別に仲間の命なんてどうでもいいと思ってるのかよ!!」
「……別にそうじゃねえけどよ」
「だったらなんでそんなこと……!!」
「……ふん……」

「……ま、せいぜいがんばって来いよ」

「………!!」
「…やめろ」
「4号……」
「……いいんだ28号。気にしてない」
「……」


「……行ってくる」



284 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:08:39.26 ID:eGdEvWDS0
……Dr. コサックの城は、やはり今までのステージとは一味違った。
地面の全てが凍りついて滑りやすい足場。
そんな中で、敵の攻撃も俄然勢いを増してくる。

それでも4号は、特殊武器を駆使しながら快調に道を進んでいった。

「いいぞ4号!その調子だ!」

俺たち残りのロックマンは、モニター越しに4号の活躍に声援を送る。
だが32号一人だけは、まったく何もしゃべらなかった。

俺たちはそんな32号を無視し、モニターに向かって祈りを捧げていた。



285 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:18:09.93 ID:eGdEvWDS0
「……絶対に俺は帰ってみせる……生きて帰るんだ……!!」
「そうだ!!行け!!がんばれ!!」

4号がステージの中盤に差し掛かった。
……この調子なら……いける……!!!

「どうだ32号!!」
「…?」
「4号は生きて帰ってくる!俺たちは全員生き残るんだ!!」
「……」
「…なんとか言ったらどうなんだよ!!」
「……ふん」


「……本当に…そう思っているのか?」
「……何……?」

その時だった。



289 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:29:12.71 ID:eGdEvWDS0
「危ない!!!」

仲間の悲痛な叫び声が背後から聞こえた。

……4号は足元に開いた大きな穴を飛び越えるために、勢いを付けてジャンプした。
だが、次の瞬間。

下から…何か……そう、ロケットの弾のような鉄塊が飛んできて、4号の身体に直撃した。

「うわっ!!!」

ダメージ自体はたいしたものじゃなかったらしい。だが、
4号はそれで、ジャンプの途中に失速した。

「………!!!」

……とどかない……!!


「……!!!うあああぁぁぁあぁあぁ……!!!!」

「………!!!!!」

……4号は、闇の中へと吸い込まれていった……



292 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:39:41.99 ID:eGdEvWDS0

「…………」

……誰も……

……何も、しゃべることができなかった……


「……次だ。11号。行け」
ライトが容赦なく俺たちに向かって言い放つ。

「………」

11号は真っ青な顔しながら、戦闘用のヘルメットを被った。

……だめだ……
……このままじゃ、みんな……


32号だけが、何かうんざりとした顔をしていた。



298 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:49:01.42 ID:eGdEvWDS0

……結局。

ボスの所までたどり着くのに11号が死に、
ボスと戦った17号も死んだ。

なんとか23号が、残ったボスのエネルギーを削り取り、命からがら帰ってきた…

「………」

……死んだ……
たったの1ステージで……
……3人が……死んだ……

……そして…次は……


「……第二ステージ。28号、おまえの番……」
「まってください博士」



301 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 14:58:23.59 ID:eGdEvWDS0
「32号……」
「見てられませんよこいつら。次は俺が行きます」
「何……?」
「別に問題はないでしょう?順番が変わったところで」
「……ふむ……」

「……ま、いいだろう。ならさっさと行け」
「はい」


……32号……
……おまえ、いったい……?


「……よく見ておけ」

俺だけに聞こえるように、ヤツは小さくつぶやいていった。



304 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 15:08:36.13 ID:eGdEvWDS0
「………!!!!」

32号の戦いぶりは、まさに圧巻と言っていいものだった。

隙のない動き。瞬発的な状況判断。
生死を決める一瞬での決断力。

まるでヤツは、死というものを恐れていないかのようだった。

「ほう……」

ライトが嬉しそうにモニターを見つめている。


そして32号は、あっという間にボスの元までたどり着いた。


316 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 15:23:22.20 ID:iyWMtbgPO
32号がボスの扉を蹴り破る。
中は音も何も無い、真っ暗な空間だった。


「………」


……モニター越しにもヤツの緊張が伝わってくる。


「………!!!」


俺たちには何も見えなかったが、32号は何かを感じ取ったようだった。
そして信じられないようなスピードで地面に転がった。



317 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 15:33:04.83 ID:iyWMtbgPO
 ゴオオオオオッ!!!

両脇から鉄の壁のようなものが飛んできて、32号の頭上をかすめていった。
もし地面に伏せるのが一瞬でも遅ければ、2つの壁に体を押し潰されていただろう。

「……チッ」


……なんだ……?これが……ボスか……?

……いったいこんなヤツどうやって倒せって言うんだ……!!!


だが、32号は冷静だった。



323 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 15:56:09.23 ID:eGdEvWDS0

 ゴオオオオオオオオオッ!!!!

再び壁が飛んできた。だが、今度は伏せようとはしなかった。

「……ふっ!!!!」

二つの壁がすれ違う瞬間、32号はその隙間に飛び込んだ。


 ガウウウンッ……!!


……壁と壁が、重なり合った。
そして、中には一つの「部屋」ができた。

「………!!!」

……32号には……これが分かっていたのか……!?



327 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 16:06:09.52 ID:eGdEvWDS0
壁の中の内装を一通り見回すと、32号はあの不敵な笑みをニヤッと浮かべた。

「……チャチだな」

……そう一言つぶやくと、チャージバスターで部屋の中核を成していた球体を吹き飛ばした。


 ………カッ!!


その瞬間、真っ白い閃光が辺りに広がり、同時に爆音が聞こえてきた。

 ドオオオオオオオオンンンン……


「………」


……す……凄い……



351 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 16:29:25.96 ID:eGdEvWDS0
32号はほとんど無傷で1つのステージごと突破した。
最後に ふぅ… と、一つ息をつくと、彼の身体はこっちのカプセルに転送された。

 パシュウウウウウ……

「……よくやった」
「………」

32号はライトのお褒めの言葉に無言で頷くと、
ゆっくりと俺のほうへ歩み寄ってきた。

「……見てたか?」
「………」
「どんな時でも恐れるな。常に思考を張り巡らせろ」
「………」

「俺たちに倒せない敵は、いないんだ」
「………」
「……わかったな」
「……ああ……」



360 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 16:42:24.92 ID:eGdEvWDS0

「……第三ステージだ。28号」
「はい」
「……行け」
「………はい」


……恐怖は、あった。
前回は27号がやられ、そんなことを考えている余裕すらなかったが、
今回は違う。妙に心が落ち着いている。

……それが逆に、恐ろしい……

だが……

「………」

32号の視線を感じた。

……そうだ。恐怖など捨てるんだ。
恐れることはない。
俺たちに倒せない敵は、いないんだ。

……絶対に、生きて帰ってやる……




380 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 17:04:48.21 ID:iyWMtbgPO
…俺が転送された先には、真っ青な空が広がり、心地よい風吹いていた。
そして、手を伸ばせば届きそうなくらい近くに、巨大な雲が浮かんでいた。

……空……か……

大地が見えないくらい、高い。
足を踏み外せば死ぬことは確定だろう。

「………」

恐れない。
恐れれば、負けだ。

…勝つ。
絶対に、勝ってみせる。

俺は一気に走り出した。



399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/05(木) 17:30:13.86 ID:iyWMtbgPO
敵の攻撃は、熾烈を極めた。
一瞬でも隙を見せるとやられてしまいそうだ。
だが、その攻撃に気を取られすぎると、今度は足元が危なくなる。

……厳しい……

しかしそれでも、俺はなんとかステージを進んでいった。

……さっきの32号の姿が俺の目標になってくれたおかげで、何をすればいいかはわかっていた。


そしてついに、空中に浮く円盤に乗って行った先……

俺は…ボスの扉までたどり着いた。



411 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 17:49:57.21 ID:iyWMtbgPO
入った部屋は、今までの部屋とは雰囲気も構造も違っていた。

空中に、足場が二つ。
下には針。落ちれば死ぬ。

……なるほど。この二つの足場だけを使って戦えってことか……

……いったい目の前の扉からは、どんな敵が出て来るのか。


 ガラガラガラッ!!


「………!!!」

そこから出てきたものは、蜘蛛のような形をした、薄気味の悪いロボットだった。



426 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 18:17:37.17 ID:iyWMtbgPO
ガシャンガシャンガシャンガシャン!!

「!?なんだコイツ……壁を歩いてやがる……!!」

この気味の悪いボスは歩いて俺の頭上までやって来ると、2発のエネルギー砲を発射した。

「!!!ぐあっ!!!!」

 ズガンッ!!!


………!!
……ヤバいかなりのダメージだ……!!
何発も食らうわけにはいかない……!!

ガシャンガシャンガシャンガシャン!!

ヤツは頭上を通り過ぎると、そのまま今度は俺のすぐ横までやって来た。



442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/05(木) 18:58:38.96 ID:iyWMtbgPO
「食らえっ!!!」

近付いてきたヤツの体に、俺はチャージバスターを撃ちこんだ。

 バアアーン!!!

直撃した。
だが、ヤツは構わず今度は俺の足元へともぐりこんだ。

「くそっ……!!」

 ドンッドンッ!!

「!?くっ!!!」

……所構わずエネルギー砲を撃ってきやがる……

くそっ…!反撃のチャンスが少ない…!!



446 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 19:16:39.88 ID:iyWMtbgPO
長期戦になった。

俺はヤツのエネルギー砲をなんとか躱し、近付いて来た時にバスターを撃ちこむことしか出来なかった。が……
こっちの体力もだいぶ減らされたが、どうやら相手のエネルギーもほとんど削り取ったらしい。

「……これで……」

俺は勝負決めるべく、バスターに全エネルギーをこめた。

「……とどめだっ!!!!」

 カッ!!

 ズンッ!!!

バスターがヤツの体を貫通した。
やった……!!

だか……しかし。
ヤツの体が爆発した途端、下の扉から同じ形をしたロボットがもう一体出現した。



454 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 19:34:13.63 ID:iyWMtbgPO
「なんだと……!!」

今のと同じのがもう一体だと……!!冗談じゃない!!

同じではなかった。
さっきのヤツより……動きが速い……!!

「くっ……!!!」

……このままじゃ……殺られる……!!
どうすれば……

「常に思考を張り巡らせろ」

……!!!

32号の言葉が頭の中で甦る。
……思考を……

……!!そうだ特殊武器……!!!

459 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 19:47:44.47 ID:iyWMtbgPO
そうだ……何か……何か弱点があるはずなんだ……!!

それが何かはわからない。だが俺はありったけの特殊武器をヤツに放った。
「うおおおおおっ!!!!」

ダストクラッシャー、ダイブミサイル、レインスプラッシュ……

だがどれもヤツに直撃しても、たいした効果は上がらなかった。

「く……!!」
 カッ!!
「!?」

 ドオオオン!!!

「うあああああっ!!!」

……殺られる……!!

 カランカランッ……

「……?」

俺の特殊武器タンクから何かが落ちた。



462 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 20:00:33.12 ID:iyWMtbgPO
「………」

……リングブーメラン……

リングマンの使っていた武器……

「………」

…自分で殺しておいてこう言うのも変だけど…
これは俺にとって、リングマンの「形見」だった。
……あの時一瞬だけだけど、心が通じ合えた気がしたから……

俺のこの戦いは…リングマンのためでもあるんだ……

 ガシャンガシャンガシャンガシャン!!!

ヤツが再び俺の所へ近付いて来た。

「………!!!」

……リングマン……

力を貸してくれ……!!!


「…だあああっ!!!」



466 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 20:16:09.33 ID:iyWMtbgPO
 ジャキーンッ!!!

「!!!!ギイイイイイイイ!!!!!」

「……!?」

……き……効いた……!!?
……リングマン……!!

「ギイイイイイイイ!!!!!」

ヤツは残されたパワーを振り絞り、エネルギー砲を作り出してきた。

だが……

 ジャキーンッ!!!

その一瞬前に、俺が投げたリングブーメランがヤツの体を切り裂いていた。


「ギ……ギギ……」

 ゴゴゴゴゴ……

 ……カッ!!!!



468 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 20:29:25.85 ID:iyWMtbgPO
さっき32号が倒したボスの時と同じように、白い閃光と爆裂音が部屋中に広がった。

 ドオオオン……!!!!


「………」

 パラパラパラパラ……

………

……倒した……

俺は……生き残ったんだ……


……ありがとう……リングマン……


……しばらく一人でそこに立ち尽くしていると、知らない間に研究室のカプセルまで転送されていた。



490 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 21:20:01.31 ID:iyWMtbgPO
 パシュウウウンン……

「………」

……帰って来た俺に対して、またライトは嫌そうなツラをしながら言った。

「……よくやった」
「……はい」

こんなゴミ野郎の言葉でも……今だけはありがたかった。

32号の方を見ると、例の不敵な笑みでニヤッと笑っていた。
だから俺も、ニヤッと笑って返してやった。


「……54号」
「にっ……28号……」
「…後残っているのはDr.コサックだけだ」
「………」
「おまえも……絶対生きて帰るんだ……!!」
「あ……ああ……!!」
「恐れるな…!!できると思えば必ずできる…!!!」
「ああ…!!…やってやる!!俺も必ずやってやる!!!」



515 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 22:00:20.00 ID:iyWMtbgPO
転送カプセルに向かっていく54号の後ろ姿に、怯えは一切感じられなかった。

……そうだ……自信を持つんだ……!!
必ず…できる……!!


……コサック城の最終ステージ……
それは、俺が突破したステージよりも、さらに厳しい戦いを強いられるものだった。

だが……それでも、54号は必死に戦った。

そしてついに……
彼はDr.コサックの潜む部屋の前まで、たどり着いたのだ。

530 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 22:19:44.78 ID:iyWMtbgPO
扉の向こう側は、またしても真っ暗な空間だった。

「どこだ!!コサック!!」
54号が叫んだ。

「早く出て来い!!ここで俺がカタをつけてやる!!」
「………」

「…これで……これで終わるんだ!!!俺たちの戦いはこれで……」
「………!!」

その時だった。

「危ない!!!!」
「!?」

突如頭上から現れたUFOキャッチャーのクレーンのようなものが、54号を鷲掴みにした。

「うわっ!!!!」



546 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 22:45:42.09 ID:iyWMtbgPO
「うあああああぁぁぁぁぁ…!!!!」
「………!!!」

54号を掴んだクレーンはもの凄いスピードでグングンと上昇し……
…地面からはるか上空で停止した。

「………」
「……ま……」
「……まさか……」

「やめろおおぉぉぉ!!!!!」

 パッ……

「……!!!!」


 ドサッ……


「あ………」


……地面に叩き付けられた54号は……
……そのままピクリとも動くことはなかった……


「……く……」
「くそおおぉぉぉぉ!!!!」



560 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 23:04:48.11 ID:iyWMtbgPO
この……くそったれの科学者ども……!!!どいつもこいつもぶっ殺してやる!!!!


「……ち……」

「……ちくしょう……!」
「……!?」
「ちくしょう!ちくしょう!!ちくしょう!!!ちくしょう!!!!」
「…71号…!!」

「……絶対……絶対かたきはとってやるぞ、54号……!!!」
「俺が……俺が…必ず……!!!」

「博士!!!次は俺に行かせてください!!!」
「……当然だ。次はおまえの番だ。早く行け」
「はい!!!!」


「……71号…」
「見ておけ28号……!」
「………」
「必ず……必ず倒してみせるから……!!!」
「…ああ…!!」



565 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 23:24:34.24 ID:iyWMtbgPO
転送された瞬間、71号はフルパワーにチャージされたバスターをコサックの乗る機械へ向けて放った。

 ドオオオン!!!

…ダメージは与えたようだったが、致命傷とまではいかなかったらしい。
だがそれでも71号は、構わずバスターを乱射し続けた。

「うおおおおおおお!!!!!」

……すごい気迫だ……!!
これなら……これならもしかして……!!!

 ……ガシッ!!

「うっ…!!!」

「あああ!!!!」


……一瞬見せた隙を狙われた71号は54号と同じように、あのクレーンに捕まった。



572 名前:28号[] 投稿日:2006/10/05(木) 23:55:58.17 ID:iyWMtbgPO
クレーンは71号を掴んだまま、再びグングンと上昇していった。

「………!!」

……同じだ……54号の時と……!

「くっ……離せ……!!!」

71号が両腕を殴り付けて必死にもがく。
だがクレーンはびくともしなかった。

「……71号……!!死ぬな……!!」

もはやこうなってしまった場合……俺たちは天に向かって祈るしかなかった。


 フッ……


……上昇でしっかりと捕まえていたクレーンは、無情にも71号のことを振り落とした。



583 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 00:19:58.60 ID:6yIrRz0DO
 ドサリッ…

「……っ!!!」

……俺は思わず目をそむけた。

……だめだ……
……死んだ……

「……」

「……くそっ……」

くそっ……!

「くそっ……!!!」


「……」
「……博士……」
「……なんだ」
「…次は俺が……」
「待て」

後ろから肩を掴まれた。

「…32号……」
「…見ろ」
「……!?」



608 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 00:43:40.25 ID:6yIrRz0DO
……モニターの中……
わずかにだが這いつくばりながらも、71号は腕を動かしていた。

「……生きてる……!!!」

「……はあっ……はあっ……はあっ……はあっ」

71号はなんとか身体を反転させ、仰向けの状態で寝転んだ。

「頑張れ!!頑張るんだ71号!!!!」

俺はモニターに向かって声の限りに叫んだ。

コサックが乗ったマシンはゆっくりと71号の元へと近付いていった。……どうやらとどめを刺すつもりらしい。

「………」

71号のバスターに、光が集まっていた。



618 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 01:02:44.06 ID:6yIrRz0DO
コサックのマシンが71号の頭上までやって来て、もう一度71号を捕まえようとした瞬間だった。

「食らえーーーっ!!!!!!」

 カッ!!!!!

71号のチャージバスターが、クレーンの真下から発射された。

 ズンッ!!!!

……そのバスターはクレーンもろとも、コサックのマシンを貫通した。


 ヒュウウウウンン……

「………!!!」

 ドオオオオオオオンンン!!!!!


…コサックの乗っていたマシンは爆炎を上げながら…
ゆっくりと下へ墜ちていった……



628 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 01:15:52.13 ID:6yIrRz0DO
………
……倒した……

「……ざまあ……みやがれ……」

 ドサッ!

爆発炎上するマシンから、コサックが命からがら逃げ出していた。

「ひいっ…!ひいっ…!」
「……逃がすかよ……!!」

71号はゆっくりと立ち上がって、足を引きずりながらもコサックを追い詰めた。



638 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 01:38:35.31 ID:6yIrRz0DO
「動くな!!!!」
「ビクッ!!!」
71号は殺意のこもった声で叫んだ。…そして静かに言った。

「…どこへ逃げたって無駄だ。……今その顔面を吹き飛ばしてやるぜ……」
「ひいいいいいい!!!!」

「死んでいった……『俺たち』全員の恨みだ……!!!」
「ああああぁぁぁぁ……!!!」
「死ねええええっ!!!!!」

「……待て……!!!」

「!?」

どこからか、声が聞こえた。
その途端、天井に爆発が起こり、そこから何者かが降りて来た。

……あれは……

……ブルース……!!!



676 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 02:13:36.31 ID:6yIrRz0DO
「………」
「……止めるんだ、ロック」
「……止めろだと……!?」

「ふざけるな!!!今更出てきて何かってなことをほざいてやがる!!!」
「………」
「こいつは……こいつは今ここで仲間を……54号を殺したんだ!!!」
「………」
「止めろだと!?なぜ止める必要がある!!!」

「……こいつも……おまえ『たち』と同じなんだよ……」
「……なに……?」


「……お父様……」
「か……カリンカ……」

「カリンカぁぁぁ!!!」
「お父様……!!!!」

 バッ……


「………」

「……どういう……ことだ……」
「……人質に捕られてたのさ。娘をな」



701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 02:39:19.40 ID:NciOTPwb0
「ううっ……うううう……」

「………」
「……利用され、殺したくもないのに人を殺ささせれた……」
「………」
「おまえらと、何も変わらないだろう……?」
「………」
「……許してやってくれ」
「………」

 ……ズンッ!!!

……71号は構えていたバスターを下に向け、
溜まっていたエネルギーを地面に向けて発射した。


「……だれだ……」

「……だれが……そんな汚いマネを……!!!」

「……ワイリーだ」



715 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:02:32.27 ID:NciOTPwb0
「……Dr. ワイリーか……!!」
「ああ」

「……ワイリーだと!!?」

モニターから二人の会話を聞いていたライトが叫んだ。

「馬鹿な……!アイツ……あの爆発に巻き込まれてまだ生きていたと言うのか…!!!」
……あの爆発とは、おそらく前回の戦いの時の話だろう。

「くそっ……!予定外だ…!!もうこっちには4体しか手札が残されていないんだぞ…!!」


……ライトがそう叫んだの聞いて、俺たちはようやく理解した。


……まだ……終わっていない……

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー