718 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:13:27.65 ID:NciOTPwb0
「……この二人は俺が保護する。おまえたちは……」
「………」
「……この二人は俺が保護する。おまえたちは……」
「………」
「……おまえたちは、ワイリーを倒してくれ……」
「………」
「………」
「……ああ……」
ブルースの頼みに頷くと、71号の身体は研究所のカプセルに転送された……
721 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:21:47.08 ID:NciOTPwb0
「71号!!!!」
「71号!!!!」
「……おう……」
「よくやった……!おまえ、勝ったんだよ!!!」
「ああ……ふふ……勝った…」
「凄かった……!よくあそこから逆転したもんだ!!!」
「へへへへ……」
「ああ……ふふ……勝った…」
「凄かった……!よくあそこから逆転したもんだ!!!」
「へへへへ……」
「………」
「……だけど」
「……だけど」
「まだ、終わってない。どうやら結局は…ワイリーを倒さなきゃ俺たちの戦いに終わりはないみたいだ……」
「ああ……わかってる!」
「ああ……わかってる!」
724 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:30:41.50 ID:NciOTPwb0
「でも……きっと勝てるよ今の俺たちなら!!今はもう誰にも負ける気がしない!!」
「……ああ……そうだな……」
「もうこれ以上誰も殺させない……!!今度こそ本当に終わらせるんだ!!!」
「………ああ………」
「もう絶対に俺たちは……」
「……………」
「でも……きっと勝てるよ今の俺たちなら!!今はもう誰にも負ける気がしない!!」
「……ああ……そうだな……」
「もうこれ以上誰も殺させない……!!今度こそ本当に終わらせるんだ!!!」
「………ああ………」
「もう絶対に俺たちは……」
「……………」
「………」
「……71号……?」
「………」
ズルッ……
「!!!!!」
730 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:40:16.32 ID:NciOTPwb0
「71号!!!!!」
「………」
「71号!!!!!」
「………」
「お…おまえ……やっぱりさっき……!!!!」
「………う………」
「………う………」
「博士!!!!」
「………」
「E缶を……E缶をこいつに使ってください!!!」
「……無駄だ」
「な…!!?」
「………」
「E缶を……E缶をこいつに使ってください!!!」
「……無駄だ」
「な…!!?」
「そいつはもう体内の回路を完全に破壊されている」
「!!!!」
「…E缶はエネルギー量を増やすためだけのものだ。そうなってはもう意味はない」
「!!!!」
「…E缶はエネルギー量を増やすためだけのものだ。そうなってはもう意味はない」
734 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:46:50.31 ID:NciOTPwb0
「そんな……!!! それじゃあ……コイツを見殺しにしろって言うんですか!!!!」
「もう助からんと言っているんだ」
「貴様……!!!!」
「28号」
「そんな……!!! それじゃあ……コイツを見殺しにしろって言うんですか!!!!」
「もう助からんと言っているんだ」
「貴様……!!!!」
「28号」
「71号……!!」
「……博士の言うとおりだ。もう…助からないよ」
「そ……」
「いいんだ。俺、行くよ。みんな待ってる」
「……博士の言うとおりだ。もう…助からないよ」
「そ……」
「いいんだ。俺、行くよ。みんな待ってる」
737 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:53:17.29 ID:NciOTPwb0
「そんな……」
「……28号……」
「そんな……」
「……28号……」
「……23号……32号……みんな……」
「……俺たちの……代わりに……」
「……生きて……」
………
……それが……
……それが……
……71号の…最後の言葉だった……
740 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 03:58:57.91 ID:NciOTPwb0
「………」
「………」
………
「……悲しんでいる暇はないぞ。貴様らにはこれからワイリーを倒してもらわなくてはならんのだ」
「………」
「……残りはたったの3体…… 少しのミスも許されん」
「………」
「絶対にワイリーを倒すんだ。わかったな」
「………」
「………」
「……残りはたったの3体…… 少しのミスも許されん」
「………」
「絶対にワイリーを倒すんだ。わかったな」
「………」
744 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:07:12.87 ID:NciOTPwb0
「…まずはおまえからだ23号。行け」
「………」
「行くんだ」
「………」
「…まずはおまえからだ23号。行け」
「………」
「行くんだ」
「………」
「……はい……」
「……20……3……」
……もはや……23号には俺の姿など、まったく目に入っていなかった……
そして……
パシュウウウウウウウ…
……23号はカプセルの向こうへと消えていった……
747 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:18:55.08 ID:NciOTPwb0
転送されて戦地に着いても、23号のうつろな目はずっと変わらないままだった。
転送されて戦地に着いても、23号のうつろな目はずっと変わらないままだった。
まずい……このままじゃ……!!
「23号!!!聞こえるか!!?」
俺はヘルメットと直接通じている通信機に向かって叫んだ。
俺はヘルメットと直接通じている通信機に向かって叫んだ。
「そのまま進むんじゃない!!!いったん気持ちを落ち着かせるんだ!!!」
「………」
「今のままいったら確実にやられるぞ!!!そこで気持ちを切り替えて……!!」
「………」
「………」
「今のままいったら確実にやられるぞ!!!そこで気持ちを切り替えて……!!」
「………」
23号は俺の忠告をまったく聞かず、前へ前へと進んでいった。
……その姿は、まるで生きる屍のようだった。
「待て23号!!!!」
749 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:25:47.07 ID:NciOTPwb0
「………!!!」
「………!!!」
目の前に敵が見えてくると、23号は突如怯えたように走りだした。
「落ち着け!!!落ち着くんだ!!!!」
……俺の声は、ヤツにはまったく届いていない……
23号はただ、ただ、目の前の敵から逃げ回り続けた。
23号はただ、ただ、目の前の敵から逃げ回り続けた。
「……あ……!!」
「そっちはダメだ!!!!」
「そっちはダメだ!!!!」
すぐそこに……穴がある……!!!
757 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:36:09.49 ID:NciOTPwb0
「行くなーーっ!!!!」
「行くなーーっ!!!!」
ガスッ…
「あっ………!!!」
「………!!!!」
「………!!!!」
フッ……
「………あ………」
………
………23号は声一つ上げず、闇の中へと消えていった……
762 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:44:52.77 ID:NciOTPwb0
「……くそっ!!!あの馬鹿が!!!まったく使えん!!!!」
「………」
「……くそっ!!!あの馬鹿が!!!まったく使えん!!!!」
「………」
「……あと……」
「……残っているのは……」
「……残っているのは……」
「……おまえら……2体だけか……」
「……!!!」
「……!!!」
……俺も……
……俺も……行くのか……?またあそこへ……
……71号も……23号も……みんな死んだ……
……俺も……行くのか……?またあそこへ……
……71号も……23号も……みんな死んだ……
……怖い……
…怖い…怖い…怖い…怖い…!
……嫌だ……俺は…死にたくない……!!!
…怖い…怖い…怖い…怖い…!
……嫌だ……俺は…死にたくない……!!!
「……28号……まずおまえが…」
「…!!!!」
「博士」
「…!!!!」
「博士」
766 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 04:53:08.26 ID:NciOTPwb0
「俺が先に行きます」
「……またか、32号」
「今のこいつはダメです。完全にビビってしまってる」
「………」
「今こいつを出したら、無駄死にさせるだけです」
「………」
「俺が先に行きます」
「……またか、32号」
「今のこいつはダメです。完全にビビってしまってる」
「………」
「今こいつを出したら、無駄死にさせるだけです」
「………」
「……確かにな。一つでも駒が必要な時だ」
「よし。いいだろう32号。行け」
「はい」
「はい」
「………」
……32号がゆっくりと、俺の方に近づいてきた。
「……おい」
772 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:02:45.45 ID:NciOTPwb0
ヒュッ…
ヒュッ…
「…!!!!」
ドゴオッッ!!!!
「!!!! ぐはあっ!!!!!」
32号の鋭い拳が、俺の顔面にクリーンヒットした。
「がはっ…!! な……何を……32ご…!!」
「……さっさと目を覚ましやがれ!!!」
「………!!!!」
「……さっさと目を覚ましやがれ!!!」
「………!!!!」
776 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:13:23.06 ID:NciOTPwb0
「わかってるのか……!?もう残っているのは俺とおまえの二人だけなんだぞ…!!」
「………」
「そんな腑抜けた状態でいったい何ができる!!!」
「………」
「わかってるのか……!?もう残っているのは俺とおまえの二人だけなんだぞ…!!」
「………」
「そんな腑抜けた状態でいったい何ができる!!!」
「………」
「……さっき……さっき71号に言われたばっかりだろうが!!!!」
「……!?」
「……!?」
「死んでいったヤツらの分も……あいつらの分も……俺たちが代わりに生きてくれって……!!」
「……!!!!!」
「……!!!!!」
「……俺たちは……絶対に死ぬわけにはいかないんだよ……!!」
「………」
「………」
……32号……
789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:28:59.82 ID:NciOTPwb0
ドンッ、と、32号が俺の肩を突いたせいで、俺はその場に尻餅を着いた。
ドンッ、と、32号が俺の肩を突いたせいで、俺はその場に尻餅を着いた。
「………」
……上から見下ろす32号の無言の圧力に、俺は恐怖すら感じた。
「………」
「……よく……」
「…よく……見ておけ…」
「…よく……見ておけ…」
そう言ってヤツは戦闘用ヘルメットを被った……
792 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:36:18.25 ID:NciOTPwb0
……静かな足取りでカプセルへ向かう32号……
……静かな足取りでカプセルへ向かう32号……
「………」
………
「32号!!!!」
……なぜかわからないが、俺は無意識のうちにヤツの名前を叫んでいた。
……だが、32号は一度もこっちを振り返ることなく、カプセルの中へと消えていった……
797 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:45:28.69 ID:NciOTPwb0
「………」
「………ふうっ………」
「………」
「………ふうっ………」
ステージの一番最初の開始地点。
32号は一度だけ深く息を吐くと……
32号は一度だけ深く息を吐くと……
猛烈なスピードで走り出していた。
「………!!!!!」
凄い。
さっきのステージにも増して動きが冴え渡っている。
801 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 05:53:49.71 ID:NciOTPwb0
余計な敵には一切かまわない。
道に立ち塞がる敵だけは確実に打ち砕く。
余計な敵には一切かまわない。
道に立ち塞がる敵だけは確実に打ち砕く。
…それは、完璧な戦闘だった。
見てるこっちの目が奪われるほど……
もはや芸術の域まで達していたかもしれない。
そして……
俺なら攻略に数時間もかかりそうな道を、ヤツはものの数分で突破し、
このステージのボスの部屋の前までたどり着いていた。
俺なら攻略に数時間もかかりそうな道を、ヤツはものの数分で突破し、
このステージのボスの部屋の前までたどり着いていた。
806 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 06:04:49.96 ID:NciOTPwb0
32号は目の前の扉を、チャージバスターでこじ開けた。
そしてそこに広がっていたのは、もはやお馴染みと言っていい真っ暗闇の空間……
32号は目の前の扉を、チャージバスターでこじ開けた。
そしてそこに広がっていたのは、もはやお馴染みと言っていい真っ暗闇の空間……
「………!!!」
32号の背後から突如現れたのは、
超規格外の大きさをしたメットールだった。
超規格外の大きさをしたメットールだった。
813 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 06:14:18.66 ID:NciOTPwb0
……おいおい…嘘だろ……!!?
……こんなヤツ、いったいどうやって倒せって言うんだ!!!!
……おいおい…嘘だろ……!!?
……こんなヤツ、いったいどうやって倒せって言うんだ!!!!
巨大メットールは32号の姿を認めると、物凄い勢いで飛び上がった。
ボンッッ……!!!
「な……あのでかさで……なんて跳躍力……!!」
…そしてメットールは32号目掛けて、そのまま上空から降ってきた。
「危ない!!!!」
819 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 06:25:18.55 ID:NciOTPwb0
やられる。
俺はそう思った。
やられる。
俺はそう思った。
だが32号は俺が跳躍したメットールに気をとられている間にすでに、
はるか遠くまで側転で転がっていた。
はるか遠くまで側転で転がっていた。
ドオオオオオンンン……!
…32号はメットールが着地した地点とははるかに離れた場所で、体勢を立て直した。
……速い……
「ふん………」
「いくらでかかろうが所詮はメットールだろうが。敵じゃないんだよ」
「いくらでかかろうが所詮はメットールだろうが。敵じゃないんだよ」
834 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 06:58:00.42 ID:NciOTPwb0
32号はメットールの周りに円を描くような素早い動きで、相手を困惑させて攻撃した。
大きな相手にはもっとも効果的な戦い方かもしれない。
32号はメットールの周りに円を描くような素早い動きで、相手を困惑させて攻撃した。
大きな相手にはもっとも効果的な戦い方かもしれない。
巨大メットールは見る見るうちに弱っていった。
「……そろそろ終わりだ……!」
32号はバスターに、ありったけエネルギーを溜め始めた。
……とどめの一撃をくれる気なのだ。
……とどめの一撃をくれる気なのだ。
……勝てる……!
だがその時。
メットールは再び大きく上空に舞い上がった。
960 名前:28号 :2006/10/06(金) 17:43:30.36 ID:NciOTPwb0
「またか……何度やっても無駄……」
「またか……何度やっても無駄……」
「……!?」
32号はなぜかそこから動こうとしなかった。
……いや、動けなかった。
……いや、動けなかった。
無数の小型メットールが、彼の足にへばり付いていたのだ。
「ジャマだっ!!!!!」
ゴオッッッ!!!!
32号はチャージしておいたバスターを足元に向かって放ち、
群がっていた大量のメットールをまとめて一掃した。
しかし……
群がっていた大量のメットールをまとめて一掃した。
しかし……
118 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 23:48:49.99 ID:NciOTPwb0
「!!!!!!」
中空の巨大メットールはもはや32号の眼前まで迫っていた。
「!!!!!!」
中空の巨大メットールはもはや32号の眼前まで迫っていた。
「くっ!!!!!!」
バッッ!!!!
「……!!!!」
ドオオオオオンンン……!!!!!
「………」
「……30……2……」
「……30……2……」
119 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 23:50:13.65 ID:NciOTPwb0
………すっ………
「……!!」
巨大メットールの後ろ側から、何かが立ち上がる影が見えた。
「32号!!!!!」
……生きていた……!!!
ギリギリのところで躱していたんだ!!!
ギリギリのところで躱していたんだ!!!
「よし!!!よしっ!!!! 行けっ!!!32……」
「………」
「………」
「……あ……!!!!!」
だが。
立ち上がった彼の身体からは、片腕が無くなっていた。
123 名前:28号[] 投稿日:2006/10/06(金) 23:58:47.84 ID:NciOTPwb0
「32号おおおおおおお!!!!!!!」
「…………」
「32号おおおおおおお!!!!!!!」
「…………」
だめだ……あんな状態じゃもうとても戦えない……!!!!
やられる……!!!!
やられる……!!!!
巨大メットールは相手にダメージを与えたと見るやいなや、
再度空中へと跳び上がった。
再度空中へと跳び上がった。
「かわせーーーーー!!!!!32号ーーーーーーっ!!!!!!」
……32号はかわさなかった。
やつもまた、上へと大きく跳び上がったのだ。
やつもまた、上へと大きく跳び上がったのだ。
「……!!!!!」
32号はそのままメットールの元へと突っ込んでいった。
32号はそのままメットールの元へと突っ込んでいった。
132 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:08:28.77 ID:qFHrPI5u0
空中でメットールに追いつくと、
32号は残された腕でバスターを作り出し、後ろへ大きく振りかぶった。
空中でメットールに追いつくと、
32号は残された腕でバスターを作り出し、後ろへ大きく振りかぶった。
「!!!!!!!」
メットールもまさか敵がこんな行動に出るとは思わなかったのだろう。
本体の部分がまったくの無防備状態になっていた。
本体の部分がまったくの無防備状態になっていた。
「……ふっ!!!!!」
ズンッッッ!!!!!!
……次の瞬間には、メットールの身体を32号のチャージバスターが貫いていた。
139 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:19:12.50 ID:qFHrPI5u0
巨大メットールの身体から巻き起こる爆発。
32号は体勢を崩しながらも、腕を付いて地面に着地した。
巨大メットールの身体から巻き起こる爆発。
32号は体勢を崩しながらも、腕を付いて地面に着地した。
「…………」
……なんてやつだ……
あいつはあの絶望的な状況で、
防御ではなくあえて攻撃に転じることで、むしろピンチを切り抜けた……!!!
あいつはあの絶望的な状況で、
防御ではなくあえて攻撃に転じることで、むしろピンチを切り抜けた……!!!
132 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:08:28.77 ID:qFHrPI5u0
空中でメットールに追いつくと、
32号は残された腕でバスターを作り出し、後ろへ大きく振りかぶった。
空中でメットールに追いつくと、
32号は残された腕でバスターを作り出し、後ろへ大きく振りかぶった。
「!!!!!!!」
メットールもまさか敵がこんな行動に出るとは思わなかったのだろう。
本体の部分がまったくの無防備状態になっていた。
本体の部分がまったくの無防備状態になっていた。
「……ふっ!!!!!」
ズンッッッ!!!!!!
……次の瞬間には、メットールの身体を32号のチャージバスターが貫いていた。
139 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:19:12.50 ID:qFHrPI5u0
巨大メットールの身体から巻き起こる爆発。
32号は体勢を崩しながらも、腕を付いて地面に着地した。
巨大メットールの身体から巻き起こる爆発。
32号は体勢を崩しながらも、腕を付いて地面に着地した。
「…………」
……なんてやつだ……
あいつはあの絶望的な状況で、
防御ではなくあえて攻撃に転じることで、むしろピンチを切り抜けた……!!!
あいつはあの絶望的な状況で、
防御ではなくあえて攻撃に転じることで、むしろピンチを切り抜けた……!!!
147 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:34:46.64 ID:qFHrPI5u0
「……ふう……ふう……」
「……ふう……ふう……」
「大丈夫か32号!!!?」
「…………」
「…………」
「博士!!!ヤツをこっちに転送してください!!! 次のステージは俺が行きます!!!」
「む……」
「博士」
「む……」
「博士」
149 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 00:35:53.21 ID:qFHrPI5u0
「わざわざ俺をそっちに戻さないでください。このまま行きます」
「な……!!!!」
「わざわざ俺をそっちに戻さないでください。このまま行きます」
「な……!!!!」
「バカなこと言うな!!!!おまえ片腕無くなったんだぞ!?」
「………」
「そんな状態で何ができるって言うんだよ!!!!!」
「バスターさえ作れれば別に問題ない」
「!!! 何を………!!!!」
「…おまえは黙ってそこで見てろ」
「………!!!!!」
「………」
「そんな状態で何ができるって言うんだよ!!!!!」
「バスターさえ作れれば別に問題ない」
「!!! 何を………!!!!」
「…おまえは黙ってそこで見てろ」
「………!!!!!」
「………ムチャ言うな………!!」
206 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 02:06:26.13 ID:qFHrPI5u0
「博士。E缶を一本送ってください」
「何?」
「…ここまできてケチっていてもしかたないでしょう。急いで」
「……」
「博士。E缶を一本送ってください」
「何?」
「…ここまできてケチっていてもしかたないでしょう。急いで」
「……」
「いいだろう」
ライトがE缶を転送装置に入れると、モニターの向こうで
32号の足元に送られてきたE缶が転がった。
32号の足元に送られてきたE缶が転がった。
……さっきも言ってただろ……!!
E缶はエネルギーの補充にしかならないんであって、傷の治療まではできないんだって……!!
……そんな身体でどうやって戦うつもりなんだよ……!!!
E缶はエネルギーの補充にしかならないんであって、傷の治療まではできないんだって……!!
……そんな身体でどうやって戦うつもりなんだよ……!!!
……グシャッ……!
32号は一気にE缶を飲み干すと、黙ってそれを握りつぶした。
216 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 02:24:53.44 ID:qFHrPI5u0
……次のステージでもヤツの戦闘スタイルが変わることはなかった。
……次のステージでもヤツの戦闘スタイルが変わることはなかった。
一切止まることのなく、風のように駆け抜ける。
美しかった。
俺は自然と涙を流していた。
俺は自然と涙を流していた。
「……いけ……いけ……!! がんばれ……!!!!」
……しかし……
いくら32号と言えど、この最終ステージの熾烈な攻撃を片手一本で防ぎきれるものじゃない。
…彼のエネルギーは徐々に徐々に減少していき、
ついにはステージの途中で片膝をついてしまった。
いくら32号と言えど、この最終ステージの熾烈な攻撃を片手一本で防ぎきれるものじゃない。
…彼のエネルギーは徐々に徐々に減少していき、
ついにはステージの途中で片膝をついてしまった。
220 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 02:33:34.82 ID:qFHrPI5u0
「32号!!!!!」
「………」
「博士っ!!!!E缶を!!!!!」
「32号!!!!!」
「………」
「博士っ!!!!E缶を!!!!!」
ライトは今度は迷わずE缶を転送した。
…転がってきたE缶を再び飲み干す32号。
……ふう……
一つ息をついて静かに立ち上がると、
もつれるような足で彼は再び走り出した……
もつれるような足で彼は再び走り出した……
222 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 02:41:12.27 ID:qFHrPI5u0
……限界状態の戦いを強いられる中……
それでも32号は、
ついにこのステージのボスすらも一人で撃退した。
それでも32号は、
ついにこのステージのボスすらも一人で撃退した。
「………32号………!!」
……もう……もうさすがに限界だ……!!!!
「博士!!!!!」
「やめろっ!!!!!!!」
「!?」
「やめろっ!!!!!!!」
「!?」
227 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 02:58:00.72 ID:qFHrPI5u0
「……余計なことは……するな……」
「……!!!!」
「……俺はこのまま行く」
「………ば………」
「……余計なことは……するな……」
「……!!!!」
「……俺はこのまま行く」
「………ば………」
「………馬鹿野朗………!!!」
「博士……!!!!」
「……」
「あいつこのままじゃ……!!」
「……ヤツのやりたいようにやらせてやれ…」
「……そん…な……」
「……」
「あいつこのままじゃ……!!」
「……ヤツのやりたいようにやらせてやれ…」
「……そん…な……」
次のステージへと向かって進んでいく32号。
……もはや俺には黙って見守ることしかできなかった……
……もはや俺には黙って見守ることしかできなかった……
232 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 03:13:22.09 ID:qFHrPI5u0
壁に手を着きながらも、32号は下へ下へと進んでいった。
そして……
壁に手を着きながらも、32号は下へ下へと進んでいった。
そして……
「………?」
一番下まで降りてくると、そこには奇妙な形をした転送ポットが何個も並んでいた。
「32号」
「…はい」
「そこに並んでいるポットは、8つあるか」
「……」
「…はい」
「そこに並んでいるポットは、8つあるか」
「……」
「……はい。ちょうど8つです」
233 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 03:20:43.08 ID:qFHrPI5u0
「……そうか……」
「………」
「……そうか……」
「………」
「聞け、32号」
「……」
「…そのポットに入るとおそらくおまえは、今まで倒した8大ボスの元へ転送されるだろう」
「なっ…!!」
「……」
「…そのポットに入るとおそらくおまえは、今まで倒した8大ボスの元へ転送されるだろう」
「なっ…!!」
驚いたのは俺だけだった。32号は黙って話しを聞いていた。
236 名前:28号[] 投稿日:2006/10/07(土) 03:26:32.80 ID:qFHrPI5u0
「そこにいる全てのボスを倒さなくては、先に進む道は開けん」
「……」
「そこにいる全てのボスを倒さなくては、先に進む道は開けん」
「……」
「……E缶はもう無いぞ」
「……」
「……やれるか?」
「……」
「……」
「……やれるか?」
「……」
「……やれるかじゃなく……」
「………やらなくちゃいけないんだろ………!!」